48 / 165
ヴァンパイアスレイヤー(幼馴染が)
第四十八話 今日もいい天気だ
しおりを挟む
「うーん」
空を見て声を唸らす。
何がどうなったらこうなるんだ?
何度見ても快晴の空。
俺の知る限りここはダンジョンの中だ。
いや、だったと言うべきか。
朝目を覚ました俺は介抱してくれたおやじに謝礼を払い、置き換えで神樹のダンジョンに置いてきたミノタウロスと場所を交代したのだが、そこは快晴の空の下だった。
一瞬ミノタウロスが無理やり動かされたのかとも考えたが、周りの壁面には見覚えがあったため、ここは間違いなく神樹のダンジョンだ。
まあ彩音がやったんだろうけど、流石に神樹吹っ飛ばすのはやりすぎじゃね?
エルフに恨まれなきゃいいけど……
そんな事を考えていると、上から俺の名前を呼ぶ声が響いてきた。
声に反応し上を見上げると、凄いスピードでリンが降ってくる。
「ええ!?ちょ!!」
すごい勢いで落ちてくるリンを目の当たりにし、思わず大声がでる。
リンはそのまま高速で迫り、俺の前でくるっと一回転して華麗に着地。そこから跳ねるかの様に俺に飛び掛かり抱き着いてきた。
もはや弾丸と言っていいレベルのタックルをぶちかまされ、非力な俺は当然のように吹っ飛び、背中をもろに強打する。
「ぐぇ……」
「あ、ごめんなさい!私嬉しくってつい」
「び……びしょうじょに……だきつかれるなんて……おとこみょうりに……つきるぜ」
かっこいい台詞を吐こうと頑張ったが、全身を襲う激痛のせいで上手く喋れず、亡くなる前の遺言みたいな喋り方になってしまった。
「大丈夫ですか!?」
リンが心配そうに俺の上に乗っかったままで、俺の顔を覗き込んでくる。
ほんとに心配なら上からどけよ。
平素なら大喜びしてしまいそうな状況ではあるが、昨日のダメージがまだ抜けきってない状況で上に乗られるのはきつい。
ちょっとどいてくれる?そう言いたいところだが、女性にそれを言うと、暗にお前重いんだよと言うようで気が引けてしまい口にし辛い。
如何したものかと思案に暮れていると……
「りんちゃん、たかしさん余り体調が良くないみたいだから、どいてあげた方がいいよ」
いつのまにやら現れたフラムが助け舟を出してくれる。
「あ!ごめんなさい!直ぐどきます!」
言われてリンが飛び跳ねる様に俺の上からいなくなる。
助かった……
「大丈夫ですか?」
まだ倒れたままの俺に、フラムが上から心配そうに覗き込み優しく声をかけてくれた。
だがその姿を見て思わずぎょっとしてしまう。
何で翼生えてんだ?俺は幻覚でも見ているのか?
訳が分からずフラムの背中の翼を凝視してしまう。
「あ、この翼はティーエさんの飛行魔法なんですよ。可愛いでしょ。」
「ああ、なるほど……」
ついにフラムの頭のねじが吹っ飛んで、コスプレまでしだしたのかとも思ったが違う様で安心した。
まあ普段着からしてコスプレの様な物だが……
「いい天気だな」
「はい、快晴ですね!」
「で?何でこうなった訳?」
至極まっとうな疑問を口にする。
するとリンが興奮したような口調で説明しだした。
「えっとですね!えっとですね!彩音さんが凄かったんです!全身ぼわぼわって赤くなって!そしたら手がピカピカーって青く光ったとおもたっら、そのてからぼわーーーって光が上がっていって!ずかーんってなったと思ったら、こうなってたんです!!」
あほっぽい説明有り難う。
この子ってこんなに頭弱そうだったっけ?
要は彩音が全てを貫く一撃で吹っ飛ばしたって訳か……
まあ多分そうなんだろうとは思っていたが。
だが情報が足りない。
何故の部分の方が需要なのだが、興奮してるリンに聞いても埒が明かなさそうなのでフラムに尋ねる。
「何で神樹吹っ飛ばしたんだ?」
リンの説明は軽くスルーしてフラムに尋ねたせいか、リンが拗ねたように頬を膨らましているが気にしない。
フラムもそんなリンの反応に困ったような顔をするが、質問にはちゃんと答えてくれる。
「ええと、私もその場に居なかったので詳しくは分からないんですけど、負けを悟ったヴラドが最後の嫌がらせに神樹を呪ったらしくて、そのままだと森全体が呪われそうだったんで吹き飛ばしたらしいです」
「成程。でも大丈夫なのか?神樹吹っ飛ばしちゃって。エルフに取って大事な物なんじゃ?」
「あ、それなら大丈夫です。神樹が消滅する時その種がドロップしてるんで、多少時間はかかりますが種さえあれば神樹は復活できますから。」
ドロップ?
え?神樹って魔物だったのか!?
「あ、言っておきますけど神樹は魔物じゃありませんよ。多分呪いを受けたことで魔物化しちゃったんだと思います」
どうやら顔に出てたらしく、それに気づいたフラムが素早く補足説明をしてくれる。
こういう所は察しがいいのに、なんで彩音との事はちゃんと説明しても全く聞かないんだろうか?
本当に謎な女だ。
「成程。それで彩音は?」
「今はマーサさんの所でティーエさん達と休んでいますよ」
あ、やっぱりティーエさん達も来てたのか。
まあ彩音が囮作戦考えたとはとても思えないからな。
恐らくティーエさんの入れ知恵だろう。
ティーエさんにも文句を言ってやりたい所だが「え!?たかしさん気付いてなかったんですか?私てっきり気付いているものとばかり思っていました」と、返してきそうだ。
何よりティータが糞五月蠅そうだから、口惜しいがこの借りは別の機会に返して貰うとしよう。
「皆たかしさんが無事だと知ったら喜びますよ!さあ、行きましょう!」
そういうとフラムが俺に手を差し出す。
すると、対抗意識でも芽生えたのか何故かリンも手をこっちに差し出してきた。
どっちの手を取ろうか一瞬迷ったが、さっき無視したこともあるのでリンの手を取り起して貰う。
途端にさっきまでの不機嫌そうな顔が嘘のように晴れ、花が咲いたような純粋で眩しい笑顔に変わる。
やれやれ、子供だなまったく。
呆れつつも、可愛いから許す!と思うたかしなのであった。
空を見て声を唸らす。
何がどうなったらこうなるんだ?
何度見ても快晴の空。
俺の知る限りここはダンジョンの中だ。
いや、だったと言うべきか。
朝目を覚ました俺は介抱してくれたおやじに謝礼を払い、置き換えで神樹のダンジョンに置いてきたミノタウロスと場所を交代したのだが、そこは快晴の空の下だった。
一瞬ミノタウロスが無理やり動かされたのかとも考えたが、周りの壁面には見覚えがあったため、ここは間違いなく神樹のダンジョンだ。
まあ彩音がやったんだろうけど、流石に神樹吹っ飛ばすのはやりすぎじゃね?
エルフに恨まれなきゃいいけど……
そんな事を考えていると、上から俺の名前を呼ぶ声が響いてきた。
声に反応し上を見上げると、凄いスピードでリンが降ってくる。
「ええ!?ちょ!!」
すごい勢いで落ちてくるリンを目の当たりにし、思わず大声がでる。
リンはそのまま高速で迫り、俺の前でくるっと一回転して華麗に着地。そこから跳ねるかの様に俺に飛び掛かり抱き着いてきた。
もはや弾丸と言っていいレベルのタックルをぶちかまされ、非力な俺は当然のように吹っ飛び、背中をもろに強打する。
「ぐぇ……」
「あ、ごめんなさい!私嬉しくってつい」
「び……びしょうじょに……だきつかれるなんて……おとこみょうりに……つきるぜ」
かっこいい台詞を吐こうと頑張ったが、全身を襲う激痛のせいで上手く喋れず、亡くなる前の遺言みたいな喋り方になってしまった。
「大丈夫ですか!?」
リンが心配そうに俺の上に乗っかったままで、俺の顔を覗き込んでくる。
ほんとに心配なら上からどけよ。
平素なら大喜びしてしまいそうな状況ではあるが、昨日のダメージがまだ抜けきってない状況で上に乗られるのはきつい。
ちょっとどいてくれる?そう言いたいところだが、女性にそれを言うと、暗にお前重いんだよと言うようで気が引けてしまい口にし辛い。
如何したものかと思案に暮れていると……
「りんちゃん、たかしさん余り体調が良くないみたいだから、どいてあげた方がいいよ」
いつのまにやら現れたフラムが助け舟を出してくれる。
「あ!ごめんなさい!直ぐどきます!」
言われてリンが飛び跳ねる様に俺の上からいなくなる。
助かった……
「大丈夫ですか?」
まだ倒れたままの俺に、フラムが上から心配そうに覗き込み優しく声をかけてくれた。
だがその姿を見て思わずぎょっとしてしまう。
何で翼生えてんだ?俺は幻覚でも見ているのか?
訳が分からずフラムの背中の翼を凝視してしまう。
「あ、この翼はティーエさんの飛行魔法なんですよ。可愛いでしょ。」
「ああ、なるほど……」
ついにフラムの頭のねじが吹っ飛んで、コスプレまでしだしたのかとも思ったが違う様で安心した。
まあ普段着からしてコスプレの様な物だが……
「いい天気だな」
「はい、快晴ですね!」
「で?何でこうなった訳?」
至極まっとうな疑問を口にする。
するとリンが興奮したような口調で説明しだした。
「えっとですね!えっとですね!彩音さんが凄かったんです!全身ぼわぼわって赤くなって!そしたら手がピカピカーって青く光ったとおもたっら、そのてからぼわーーーって光が上がっていって!ずかーんってなったと思ったら、こうなってたんです!!」
あほっぽい説明有り難う。
この子ってこんなに頭弱そうだったっけ?
要は彩音が全てを貫く一撃で吹っ飛ばしたって訳か……
まあ多分そうなんだろうとは思っていたが。
だが情報が足りない。
何故の部分の方が需要なのだが、興奮してるリンに聞いても埒が明かなさそうなのでフラムに尋ねる。
「何で神樹吹っ飛ばしたんだ?」
リンの説明は軽くスルーしてフラムに尋ねたせいか、リンが拗ねたように頬を膨らましているが気にしない。
フラムもそんなリンの反応に困ったような顔をするが、質問にはちゃんと答えてくれる。
「ええと、私もその場に居なかったので詳しくは分からないんですけど、負けを悟ったヴラドが最後の嫌がらせに神樹を呪ったらしくて、そのままだと森全体が呪われそうだったんで吹き飛ばしたらしいです」
「成程。でも大丈夫なのか?神樹吹っ飛ばしちゃって。エルフに取って大事な物なんじゃ?」
「あ、それなら大丈夫です。神樹が消滅する時その種がドロップしてるんで、多少時間はかかりますが種さえあれば神樹は復活できますから。」
ドロップ?
え?神樹って魔物だったのか!?
「あ、言っておきますけど神樹は魔物じゃありませんよ。多分呪いを受けたことで魔物化しちゃったんだと思います」
どうやら顔に出てたらしく、それに気づいたフラムが素早く補足説明をしてくれる。
こういう所は察しがいいのに、なんで彩音との事はちゃんと説明しても全く聞かないんだろうか?
本当に謎な女だ。
「成程。それで彩音は?」
「今はマーサさんの所でティーエさん達と休んでいますよ」
あ、やっぱりティーエさん達も来てたのか。
まあ彩音が囮作戦考えたとはとても思えないからな。
恐らくティーエさんの入れ知恵だろう。
ティーエさんにも文句を言ってやりたい所だが「え!?たかしさん気付いてなかったんですか?私てっきり気付いているものとばかり思っていました」と、返してきそうだ。
何よりティータが糞五月蠅そうだから、口惜しいがこの借りは別の機会に返して貰うとしよう。
「皆たかしさんが無事だと知ったら喜びますよ!さあ、行きましょう!」
そういうとフラムが俺に手を差し出す。
すると、対抗意識でも芽生えたのか何故かリンも手をこっちに差し出してきた。
どっちの手を取ろうか一瞬迷ったが、さっき無視したこともあるのでリンの手を取り起して貰う。
途端にさっきまでの不機嫌そうな顔が嘘のように晴れ、花が咲いたような純粋で眩しい笑顔に変わる。
やれやれ、子供だなまったく。
呆れつつも、可愛いから許す!と思うたかしなのであった。
0
お気に入りに追加
326
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜
月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。
蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。
呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。
泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。
ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。
おっさん若返り異世界ファンタジーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ゴミ召喚士と呼ばれたスライム超特化テイマーの僕〜超特化が凄すぎて、最強スライムを育ててしまう〜
伊藤ほほほ
ファンタジー
13歳になる年の始め、子供達は教会に集まる。
人生が決まるに等しい、適性診断があるからだ。
全ての人がモンスターを召喚できる召喚士となり、サモナーとテイマーに分かれる。
これが問題で、一般的にテイマーはハズレ、サモナーはアタリとされていた。
適性診断では、どんなモンスターに特化した召喚士であるのかが分かる。
ここに、夢を語りながら教会へと向かう子供が二人。
主人公のカイト・フェイトと、その幼馴染のラビ・エンローズだ。
どんな召喚士になるのか、気になってしまうのは当然のこと。
同じ学校に通う、顔見知りの子供達が作る列の最後尾に並び、ドキドキしながら順番を待つ。
一人、また一人と診断を終えて出てくる子供の顔は三者三様。嬉しそうな表情ならサモナー、絶望を浮かべていればテイマーになったのだろうと分かりやすい。
そしてついに、二人の順番がやってきた。
まずは、幼馴染のラビ・エンローズから。
「……ねえ、カイトくん? ……ラビね、ドラゴン特化サモナーになっちゃった」
小さく呟き、振り返ったラビの顔は、悲しんでいるのか喜んでいるのかよく読み取れない。口角は上がっているのに涙目で、頬がヒクヒクと動いている。
何が起きたのか理解できず、まるでカイトに助けを求めているようで……。
「す、すごいじゃん!」
幼馴染が、世界最強のドラゴンサモナーになってしまったのだ。手の届かないところへ行ってしまった気がして、カイトには情けない一言を発することしかできない。
「僕だって!」
しかし、カイトも自分を信じて疑わない。
ステータスを見ると、スライム超特化テイマーと表示されていた。
絶望するカイト。世界から色が消え失せて、ショックからか意識を手放す。
親の助言もあり、立ち直ることはできた。
だが、いじめっ子同級生のザンブに決闘を挑まれる。
自分を信じてスライムをテイムし、カイトは困難に立ち向かう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる