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留学生
第68話 ロリ?
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「よう。帰って来たな。ロリキ――ッグェ!」
反省室入りはきっちり3日で終了した。
久しぶりに教室にやってきたら、泰三がニヤニヤ顔で何か訳の分からない事を口にしようとしたので、とりあえず殴っておく。
しかし……心なしか教室にいる女子達の視線が冷たい気がするのだが。
気のせいだろうか?
「鏡、お前ロリコンって本当か!?」
学年が1つ上である金剛が朝っぱらから俺達の教室に顔を出したと思ったら、とんでもない事を口にしやがった。
誰がロリコンだ。
誰が。
「んな訳ないだろう。誰からそんな話を聞いたんだ?」
「エヴァが言ってたぞ。自分に靡かないのは、ロリコンだったからだって」
くっ……あいつか。
理沙や氷部が誤解していなかったので安心していたが、そういやあいつもあの場にいたな。
確かにアポロンとの会話聞いてりゃ、荒木真央を取り合う変態大戦に思われても仕方がない。
しかし勘違いするのは結構だが、一々周りに言いふらすなよな。
どうしてこう、女はおしゃべりなのか……いや、口が軽いのは女だけってこともないか。
教室の床に、大の字で寝転んでいる悪友を見る。
因みに、奴は別に気絶しているわけではない。
ただの振りだ。
俺に殴られた事を言い訳に、あわよくば女子が通りかかったタイミングで目を覚ました振りをして、スカートの中を覗く腹積もりなのだろう。
転んでもただでは起きない。
大した策士様だ。
「んな訳ないだろ。ただのあいつの誤解だ」
「そうか。それを聞いて安心したぞ。じゃあ私はこれで」
そういうと、金剛は教室から出ていく。
どうやら、俺がロリかどうかを確かめる為だけに来た様だ。
まあ家の跡取りにしたい相手がロリってなったら、一大事ではあるからな。
「泰三は何やってるんだ」
宇佐田と一緒に教室に入って来た岡部が、泰三の顔面を踏みつける。
「むぎゅっ!?」
泰三の企みを見破り、宇佐田を守り抜くとは。
伊達にメガネはかけてないなと感心する。
「アホな事を言いだそうとしたから、ぶん殴っただけだ」
「ああ、ロリコンの噂か」
「そんなに広まってんのか?」
「新聞部の上田が、号外として配りまくってたからな。学校中の噂だぞ」
あの糞女……
大会での腹いせだな、間違いなく。
「なにせ学園のクイーンとキングの恋だからね!皆興味津々だよ!」
登校してきた空条が、楽し気に話に加わってくる。
「でも任せて!またこの前みたいに、噂は頑張って収めてあげるから!ね!宇佐ちゃん!」
「う、うん」
頼もしいフレンズだ。
「だからまたカフェでケーキ、お願いね!」
「ああ、分かってるよ」
それぐらいで噂が収まるなら御の字だ。
実質的な弊害がないとはいえ、流石にロリコン呼ばわりは愉快ではないからな。
「所で、原田ッチは何やってんの?」
「踏み台昇降の台ごっこだ」
「何それ!面白い!」
空条が泰三の腹の上に、楽し気に飛び乗った。
勢いよく飛び乗られたせいか「ぐぇぇ」という、汚い呻き声が奴の口から漏れ出でた。
策士策に溺れるとはまさにこの事だろう。
……いやまあ全然違うか。
「だー!飛び乗んじゃねぇ!あと岡部!友人の顔を踏むな!パンツが覗けないだろうが!」
流石に作戦が破綻した事に気付いたのか、岡部と空条を跳ね退けて泰三が飛び起きた。
だが大声を出したせいで、周りの女子に狙いがばれて――叫んでなくてもばれてた気もするが――白い眼を向けられている。
ま、そんな事はどうでもいいな。
「おい、エヴァ。俺はロリコンじゃねぇぞ」
丁度エヴァが登校して来たので声をかける。
氷部との約束を守ってか、今日の彼女は水着ではなく普通の私服姿だった。
当の彼女は、俺に声をかけられ怪訝そうな表情でこっちを見てくる。
そしては少し考える素振りをしてから、何かに勘付いたかの様に口を開いた。
「ああ……安心して。私は人の愛の形を差別したりしないわ」
「うん、全然違う」
愛の形を差別しない主義には感心する。
が、俺はいたってノーマルだ。
ロリよりも巨乳を愛する。
いたって平均的な性的趣向の男子高校生だ。
誤解されては困るな。
「勘違いするのは分かる。でもあれはな――」
「ああ、そういう訳だったの。言われてみれば、確かにあなたらしい理由ね」
説明すると、案外あっさり納得してくれた。
話が早くて助かる。
「ふふふ。じゃあ変な噂を立てちゃったお詫びに……」
エヴァが俺の肩に手をまわし、顔を近づけてくる。
が、突如「むにゅっ」とその顔が歪む。
横から伸びてきた手に、ほっぺたを強く押されたからだ。
「朝っぱらから何やってんだ?竜也の事は諦めたんじゃねーのか?」
「ああ。それは撤回するわ。彼、ロリコンじゃなかったみたいだから」
エヴァの言葉を聞き、理沙は此方を睨んでくる。
何故俺を睨む?
「なんにせよ!あたしの目が黒いうちは、教室で下品な真似はさせねぇ!」
理沙がエヴァのほっぺたを両手で引っ張る。
負けじとエヴァも理沙のほっぺたを両手でつねった
「にっほんひゃ、ひほほのほいじをひゃまするひんへんは!うまにけられるっていうふぁよ!!」
「あふぁひはどうぶふとほほろがかひょおわせふぇるから!だいひょうふだひょ!!」
何を言ってるのか良く分からないが、随分と楽しそうだ。
二人のいちゃつきは、桜先生が来るまで続くのだった。
反省室入りはきっちり3日で終了した。
久しぶりに教室にやってきたら、泰三がニヤニヤ顔で何か訳の分からない事を口にしようとしたので、とりあえず殴っておく。
しかし……心なしか教室にいる女子達の視線が冷たい気がするのだが。
気のせいだろうか?
「鏡、お前ロリコンって本当か!?」
学年が1つ上である金剛が朝っぱらから俺達の教室に顔を出したと思ったら、とんでもない事を口にしやがった。
誰がロリコンだ。
誰が。
「んな訳ないだろう。誰からそんな話を聞いたんだ?」
「エヴァが言ってたぞ。自分に靡かないのは、ロリコンだったからだって」
くっ……あいつか。
理沙や氷部が誤解していなかったので安心していたが、そういやあいつもあの場にいたな。
確かにアポロンとの会話聞いてりゃ、荒木真央を取り合う変態大戦に思われても仕方がない。
しかし勘違いするのは結構だが、一々周りに言いふらすなよな。
どうしてこう、女はおしゃべりなのか……いや、口が軽いのは女だけってこともないか。
教室の床に、大の字で寝転んでいる悪友を見る。
因みに、奴は別に気絶しているわけではない。
ただの振りだ。
俺に殴られた事を言い訳に、あわよくば女子が通りかかったタイミングで目を覚ました振りをして、スカートの中を覗く腹積もりなのだろう。
転んでもただでは起きない。
大した策士様だ。
「んな訳ないだろ。ただのあいつの誤解だ」
「そうか。それを聞いて安心したぞ。じゃあ私はこれで」
そういうと、金剛は教室から出ていく。
どうやら、俺がロリかどうかを確かめる為だけに来た様だ。
まあ家の跡取りにしたい相手がロリってなったら、一大事ではあるからな。
「泰三は何やってるんだ」
宇佐田と一緒に教室に入って来た岡部が、泰三の顔面を踏みつける。
「むぎゅっ!?」
泰三の企みを見破り、宇佐田を守り抜くとは。
伊達にメガネはかけてないなと感心する。
「アホな事を言いだそうとしたから、ぶん殴っただけだ」
「ああ、ロリコンの噂か」
「そんなに広まってんのか?」
「新聞部の上田が、号外として配りまくってたからな。学校中の噂だぞ」
あの糞女……
大会での腹いせだな、間違いなく。
「なにせ学園のクイーンとキングの恋だからね!皆興味津々だよ!」
登校してきた空条が、楽し気に話に加わってくる。
「でも任せて!またこの前みたいに、噂は頑張って収めてあげるから!ね!宇佐ちゃん!」
「う、うん」
頼もしいフレンズだ。
「だからまたカフェでケーキ、お願いね!」
「ああ、分かってるよ」
それぐらいで噂が収まるなら御の字だ。
実質的な弊害がないとはいえ、流石にロリコン呼ばわりは愉快ではないからな。
「所で、原田ッチは何やってんの?」
「踏み台昇降の台ごっこだ」
「何それ!面白い!」
空条が泰三の腹の上に、楽し気に飛び乗った。
勢いよく飛び乗られたせいか「ぐぇぇ」という、汚い呻き声が奴の口から漏れ出でた。
策士策に溺れるとはまさにこの事だろう。
……いやまあ全然違うか。
「だー!飛び乗んじゃねぇ!あと岡部!友人の顔を踏むな!パンツが覗けないだろうが!」
流石に作戦が破綻した事に気付いたのか、岡部と空条を跳ね退けて泰三が飛び起きた。
だが大声を出したせいで、周りの女子に狙いがばれて――叫んでなくてもばれてた気もするが――白い眼を向けられている。
ま、そんな事はどうでもいいな。
「おい、エヴァ。俺はロリコンじゃねぇぞ」
丁度エヴァが登校して来たので声をかける。
氷部との約束を守ってか、今日の彼女は水着ではなく普通の私服姿だった。
当の彼女は、俺に声をかけられ怪訝そうな表情でこっちを見てくる。
そしては少し考える素振りをしてから、何かに勘付いたかの様に口を開いた。
「ああ……安心して。私は人の愛の形を差別したりしないわ」
「うん、全然違う」
愛の形を差別しない主義には感心する。
が、俺はいたってノーマルだ。
ロリよりも巨乳を愛する。
いたって平均的な性的趣向の男子高校生だ。
誤解されては困るな。
「勘違いするのは分かる。でもあれはな――」
「ああ、そういう訳だったの。言われてみれば、確かにあなたらしい理由ね」
説明すると、案外あっさり納得してくれた。
話が早くて助かる。
「ふふふ。じゃあ変な噂を立てちゃったお詫びに……」
エヴァが俺の肩に手をまわし、顔を近づけてくる。
が、突如「むにゅっ」とその顔が歪む。
横から伸びてきた手に、ほっぺたを強く押されたからだ。
「朝っぱらから何やってんだ?竜也の事は諦めたんじゃねーのか?」
「ああ。それは撤回するわ。彼、ロリコンじゃなかったみたいだから」
エヴァの言葉を聞き、理沙は此方を睨んでくる。
何故俺を睨む?
「なんにせよ!あたしの目が黒いうちは、教室で下品な真似はさせねぇ!」
理沙がエヴァのほっぺたを両手で引っ張る。
負けじとエヴァも理沙のほっぺたを両手でつねった
「にっほんひゃ、ひほほのほいじをひゃまするひんへんは!うまにけられるっていうふぁよ!!」
「あふぁひはどうぶふとほほろがかひょおわせふぇるから!だいひょうふだひょ!!」
何を言ってるのか良く分からないが、随分と楽しそうだ。
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