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第11話 感謝
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「ひゃあ!?」
「むお!?なんじゃ!?」
上から降って来た俺に驚き、ミニエルとガトラー爺さんが悲鳴を上げる。空から降って来たのは、心配してくれているであろう二人に早く報告しようと、急いでダッシュからのジャンプで帰還した為だ。
「あ、俺です」
「お、おお……パワー殿じゃったか。一瞬、ワイバンに攻撃されたのかと思ったわい」
「その登場は心臓に悪いです」
「すいません」
「む、まあ構わんが……しかし、相当激戦だった様じゃな。その恰好を見れば分かる」
ガトラー爺さんが俺の姿を見てそう言う。ぶっちゃけ楽勝だった訳だが、まあ着てる服とかボロボロだし、そう言う風に勘違いするのも無理はない。槍投げる時にブレスを食らいまくったからな。
「け、怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、問題ないよ。服が破れてるだけでダメージは一切受けてないから」
「むう。流石と言うべきか……」
「ワイバン相手に無傷とか……本当に凄いです……」
「ははは。体、鍛えてますから」
感心するガトラー爺さん達の前でマッスルポーズを決める。そう、力こそパワーだ。
「死体もインベントリで回収してあるんで、戻って報告しましょう」
魂石は元より、ワイバンクラスになるとその骨や皮なんかも結構なお金になるそうだ。お宝の塊と言うと少しオーバーだが、討伐証明も兼ねて、丸ごとインベントリに突っ込んで来た。
「便利な能力じゃな。ワシも二人の様にユニークスキルが欲しかったもんじゃ」
ガトラー爺さんが羨ましそうに俺とミニエル――彼女も持ってる――を見る。ユニークスキル持ちは希少で、数万人に一居るか居ないかってレベルだそうだ。
「ま、ない物ねだりじゃがな。では、戻るとしようか」
山の麓まで下りた俺達は、待たせていた馬車――引いてるのは馬っぽいが微妙に違う生物――に乗り込み街へと帰還する。
まあ正確には、馬車に乗ってるのはガトラー爺さんとミニエルの二人だけだけど。俺はトレーニングがてら、超重盾を発動させつつコサックダンスやうさぎ跳びで馬車の横を並走だ。運動最高!
まあ、知らない人が見たらびっくりするだろうけど……
何せ小人から見たら巨人みたいな大男が、変な動きをしながら馬車と一緒に移動してる訳だからな。
「お、おお!ありがとうございます!パワー様のお陰で、この街の大きな憂いが一つ消えました」
「いえいえ」
街に戻ってギルド長に報告する。魂石や遺体が結構な額で引き取って貰えたのと、それとは別に討伐報酬が入ったので、これでしばらくは生活に困りう事はないだろう。異世界でお金の心配しながら生活とか嫌だし、助かる。
あ、因みに今回の討伐で俺の冒険者ランクはFから一足飛びでBランクに上がる事に。討伐難度Bの魔物を単独で倒した訳だし、まあこれは妥当と言えるだろう。
「おいおいパワー。登録して即ワイバン退治からのBランク昇格とか、一体全体どうなってやがんだよ」
「ほんと、桁違いすぎよね」
「ま、取り敢えずおめでとうさん」
「Bランク昇格おめでとう」
「おめでとうございます」
「まあパワー殿なら、B所かそれ以上もあっという間じゃろうな」
バンズとケディ。それにミニエルとガトラー爺さんが、Bランク昇格に高そうなレストランで食事を奢ってくれた。俺はそれが凄く嬉しく感じる。なにせ転生前は病気がちで友人も真面にいなかったから、こういう友達付き合いに憧れていたのだ。
まあ実際は友達って言う程親しい訳でもないんだけど……気分を味わう位は別に良いだろう。
「ありがとう」
初クエスト達成。それに初めてのお祝い会(?)。いやー、異世界に転生できて本当に良かったよ。神様にはマジで感謝だ。
「むお!?なんじゃ!?」
上から降って来た俺に驚き、ミニエルとガトラー爺さんが悲鳴を上げる。空から降って来たのは、心配してくれているであろう二人に早く報告しようと、急いでダッシュからのジャンプで帰還した為だ。
「あ、俺です」
「お、おお……パワー殿じゃったか。一瞬、ワイバンに攻撃されたのかと思ったわい」
「その登場は心臓に悪いです」
「すいません」
「む、まあ構わんが……しかし、相当激戦だった様じゃな。その恰好を見れば分かる」
ガトラー爺さんが俺の姿を見てそう言う。ぶっちゃけ楽勝だった訳だが、まあ着てる服とかボロボロだし、そう言う風に勘違いするのも無理はない。槍投げる時にブレスを食らいまくったからな。
「け、怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、問題ないよ。服が破れてるだけでダメージは一切受けてないから」
「むう。流石と言うべきか……」
「ワイバン相手に無傷とか……本当に凄いです……」
「ははは。体、鍛えてますから」
感心するガトラー爺さん達の前でマッスルポーズを決める。そう、力こそパワーだ。
「死体もインベントリで回収してあるんで、戻って報告しましょう」
魂石は元より、ワイバンクラスになるとその骨や皮なんかも結構なお金になるそうだ。お宝の塊と言うと少しオーバーだが、討伐証明も兼ねて、丸ごとインベントリに突っ込んで来た。
「便利な能力じゃな。ワシも二人の様にユニークスキルが欲しかったもんじゃ」
ガトラー爺さんが羨ましそうに俺とミニエル――彼女も持ってる――を見る。ユニークスキル持ちは希少で、数万人に一居るか居ないかってレベルだそうだ。
「ま、ない物ねだりじゃがな。では、戻るとしようか」
山の麓まで下りた俺達は、待たせていた馬車――引いてるのは馬っぽいが微妙に違う生物――に乗り込み街へと帰還する。
まあ正確には、馬車に乗ってるのはガトラー爺さんとミニエルの二人だけだけど。俺はトレーニングがてら、超重盾を発動させつつコサックダンスやうさぎ跳びで馬車の横を並走だ。運動最高!
まあ、知らない人が見たらびっくりするだろうけど……
何せ小人から見たら巨人みたいな大男が、変な動きをしながら馬車と一緒に移動してる訳だからな。
「お、おお!ありがとうございます!パワー様のお陰で、この街の大きな憂いが一つ消えました」
「いえいえ」
街に戻ってギルド長に報告する。魂石や遺体が結構な額で引き取って貰えたのと、それとは別に討伐報酬が入ったので、これでしばらくは生活に困りう事はないだろう。異世界でお金の心配しながら生活とか嫌だし、助かる。
あ、因みに今回の討伐で俺の冒険者ランクはFから一足飛びでBランクに上がる事に。討伐難度Bの魔物を単独で倒した訳だし、まあこれは妥当と言えるだろう。
「おいおいパワー。登録して即ワイバン退治からのBランク昇格とか、一体全体どうなってやがんだよ」
「ほんと、桁違いすぎよね」
「ま、取り敢えずおめでとうさん」
「Bランク昇格おめでとう」
「おめでとうございます」
「まあパワー殿なら、B所かそれ以上もあっという間じゃろうな」
バンズとケディ。それにミニエルとガトラー爺さんが、Bランク昇格に高そうなレストランで食事を奢ってくれた。俺はそれが凄く嬉しく感じる。なにせ転生前は病気がちで友人も真面にいなかったから、こういう友達付き合いに憧れていたのだ。
まあ実際は友達って言う程親しい訳でもないんだけど……気分を味わう位は別に良いだろう。
「ありがとう」
初クエスト達成。それに初めてのお祝い会(?)。いやー、異世界に転生できて本当に良かったよ。神様にはマジで感謝だ。
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