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第48話 革袋
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「シー!攻撃を頼む!」
バンシーに攻撃の指示を出した。
ターゲットは口に出さない。
せっかく見えない攻撃なのに、口にすると狙いがばれてしまうからな。
幸いな事に彼女は俺の視線を読む事が出来るので、それで狙いを伝える。
「させるか!」
シーの攻撃はおさげ髪をしている軽装の女子へと向かったのだが、それを横にいた白銀の鎧に身を包んだ奴に盾で防がれてしまった。
軽装だったとはいえガンナーを一撃で屠った攻撃だってのに、それを軽く受け止めるあたり、見た目通りそうとう防御力は高そうだ。
しかも見えない攻撃を防いだ所を見ると、何らかの感知能力も備えてると考えるべきか……まあ単に俺の視線から読まれただけの可能性もあるが。
「へっ!軽い攻撃だぜ!高津の奴とは違って、パラディンである俺にそんな攻撃は効かねーぞ」
ガンナーの名前が判明する。
まあ死ぬ程どうでもいいけど。
取り敢えずパラディンには見えない攻撃は効かなさそうなので、シーの攻撃はこいつと茶髪聖女以外を狙う様にしよう。
聖女の方は死者蘇生があるから、死なせるわけにはいかないからな。
「思ったより手強い様だから、皆で一気にお願いね」
それまで黙って戦いを眺めていたアイリーンが口を挟む。
まあクソ女からすれば、いつまで遊んでんだよって所だろう。
「しゃーない。二人もやられちまってるし、全員で一斉にかかろうぜ」
戦士風の奴が前に出る。
残り6人の内訳は前衛4後衛2。
前衛は戦士っぽい奴が二人。
一人は何故か上半身裸――これでマッチョならカッコいいのかもしれないが、かなり戦は細い。
その手には幅広の大剣が握られている。
もう一人は刀と脇差を腰に差していた。
だが鎧は西洋風の軽鎧なので、何だか痴愚が愚な感じを受ける。
そして重装のパラディンと、軽装スカウト軽っぽいおさげだ。
おさげの方は腰のベルトに短剣が二本かかっている。
多分アサシンとかそんな感じだろう。
後衛は茶髪の聖女と、黄色いローブを着た女子だ。
杖を持っているし、魔導士系のはず。
遠くからの攻撃には気を付けた方がよさそうだ。
パラディンと戦士の二人が前に出る。
おさげは一歩引いたポジションだ。
「俺があいつの攻撃を受けるから、一気に決めろ」
盾は俺のスキルを受ける前提で突っ込んで来る様だ。
奴が俺の攻撃を受けて、その隙に俺を仕留める算段らしいが、一斉にかかってきてくれるのは大変有難い。
上手くすれば4人一気に一網打尽だ。
まあ欲張るのはあれだが、おさげ以外の3人は永久コンボを決めたいところではある。
「ドライブサンダー!」
前衛の背後から、おもむろにローブ女子が杖を掲げて魔法を発動させる。
そこから撃ったら、前衛おもっくそ巻き着込むんだが?
だがその魔法は4人の頭上を越えていく。
そしてその軌道が空中で変わり、まっすぐ俺に向かって落ちてきた。
俺は咄嗟に後ろに飛んで躱す。
だがそれは地面には激突せず、今度は地を這う様に俺に迫る。
ダメだ。
躱しきれない。
「シー!」
シーに頼んで迎撃してもらう。
彼女の吐き出す不可視のエネルギーが雷とぶつかり合い「バチィ!」と大音量をまき散らす。
危なかった。
彼女がいなかったら、危うく今の出残機が減るところだった。
なんて魔法使いやがる。
「隙だらけだぞ」
気づいたら、目の前にパラディンが迫っていた。
重装とは思えない動きだ。
奴は盾を前にそのまま突っ込んでくる。
「ホーリーバッシュ!」
盾が白銀に輝く。
盾による体当たりスキル。
恐らくだが、これを食らったら死ぬ。
というか死んだ。
それをスキルで凌いだだ俺は、腰の革袋へと手をやる。
「何する気か知らねぇが!」
「やらせん!」
「死になさい!」
三人が俺に襲い掛かる。
俺が革袋を投げるより彼らの方が早い。
だが何も問題ない。
彼らの武器が俺の肉体を抉る。
俺はそれを無視して、革袋を地面に叩きつけた。
バンシーに攻撃の指示を出した。
ターゲットは口に出さない。
せっかく見えない攻撃なのに、口にすると狙いがばれてしまうからな。
幸いな事に彼女は俺の視線を読む事が出来るので、それで狙いを伝える。
「させるか!」
シーの攻撃はおさげ髪をしている軽装の女子へと向かったのだが、それを横にいた白銀の鎧に身を包んだ奴に盾で防がれてしまった。
軽装だったとはいえガンナーを一撃で屠った攻撃だってのに、それを軽く受け止めるあたり、見た目通りそうとう防御力は高そうだ。
しかも見えない攻撃を防いだ所を見ると、何らかの感知能力も備えてると考えるべきか……まあ単に俺の視線から読まれただけの可能性もあるが。
「へっ!軽い攻撃だぜ!高津の奴とは違って、パラディンである俺にそんな攻撃は効かねーぞ」
ガンナーの名前が判明する。
まあ死ぬ程どうでもいいけど。
取り敢えずパラディンには見えない攻撃は効かなさそうなので、シーの攻撃はこいつと茶髪聖女以外を狙う様にしよう。
聖女の方は死者蘇生があるから、死なせるわけにはいかないからな。
「思ったより手強い様だから、皆で一気にお願いね」
それまで黙って戦いを眺めていたアイリーンが口を挟む。
まあクソ女からすれば、いつまで遊んでんだよって所だろう。
「しゃーない。二人もやられちまってるし、全員で一斉にかかろうぜ」
戦士風の奴が前に出る。
残り6人の内訳は前衛4後衛2。
前衛は戦士っぽい奴が二人。
一人は何故か上半身裸――これでマッチョならカッコいいのかもしれないが、かなり戦は細い。
その手には幅広の大剣が握られている。
もう一人は刀と脇差を腰に差していた。
だが鎧は西洋風の軽鎧なので、何だか痴愚が愚な感じを受ける。
そして重装のパラディンと、軽装スカウト軽っぽいおさげだ。
おさげの方は腰のベルトに短剣が二本かかっている。
多分アサシンとかそんな感じだろう。
後衛は茶髪の聖女と、黄色いローブを着た女子だ。
杖を持っているし、魔導士系のはず。
遠くからの攻撃には気を付けた方がよさそうだ。
パラディンと戦士の二人が前に出る。
おさげは一歩引いたポジションだ。
「俺があいつの攻撃を受けるから、一気に決めろ」
盾は俺のスキルを受ける前提で突っ込んで来る様だ。
奴が俺の攻撃を受けて、その隙に俺を仕留める算段らしいが、一斉にかかってきてくれるのは大変有難い。
上手くすれば4人一気に一網打尽だ。
まあ欲張るのはあれだが、おさげ以外の3人は永久コンボを決めたいところではある。
「ドライブサンダー!」
前衛の背後から、おもむろにローブ女子が杖を掲げて魔法を発動させる。
そこから撃ったら、前衛おもっくそ巻き着込むんだが?
だがその魔法は4人の頭上を越えていく。
そしてその軌道が空中で変わり、まっすぐ俺に向かって落ちてきた。
俺は咄嗟に後ろに飛んで躱す。
だがそれは地面には激突せず、今度は地を這う様に俺に迫る。
ダメだ。
躱しきれない。
「シー!」
シーに頼んで迎撃してもらう。
彼女の吐き出す不可視のエネルギーが雷とぶつかり合い「バチィ!」と大音量をまき散らす。
危なかった。
彼女がいなかったら、危うく今の出残機が減るところだった。
なんて魔法使いやがる。
「隙だらけだぞ」
気づいたら、目の前にパラディンが迫っていた。
重装とは思えない動きだ。
奴は盾を前にそのまま突っ込んでくる。
「ホーリーバッシュ!」
盾が白銀に輝く。
盾による体当たりスキル。
恐らくだが、これを食らったら死ぬ。
というか死んだ。
それをスキルで凌いだだ俺は、腰の革袋へと手をやる。
「何する気か知らねぇが!」
「やらせん!」
「死になさい!」
三人が俺に襲い掛かる。
俺が革袋を投げるより彼らの方が早い。
だが何も問題ない。
彼らの武器が俺の肉体を抉る。
俺はそれを無視して、革袋を地面に叩きつけた。
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