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第19話 お金
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「登録が完了いたしました。参加証をお渡ししますので、遅刻の無い様お願いします」
「わかりました」
受付のお姉さんから参加証を手渡される。
本来なら役所仕事であるため、身分証や傭兵ギルドからの紹介状の無い流れの傭兵などは門前払いとなるのだが、今回は急募という事であっさりと申請が通った。
まあだからこそ、この仕事を受けた訳だが。
「とりあえず、金を溜めねぇとな 」
異世界から召喚された俺に戸籍などはない。
その為、都市部に出入りするにはとにかく金が必要だった。
いわゆる賄賂という奴だ。
このレンタンに入るのにも、当然門兵にお金を握らせている。
だが首都はかなりセキュリティが厳しいらしく、その場の賄賂だけでは侵入は多分難しい。
勿論能力を使えば無理やり通る事も出来るだろうが、アイリーンに見つかりたくない身としては、余計なごたごたは避けたかった。
じゃあどうすればいいのかと言うと、方法は2つ。
偽造の身分証を手に入れるか、密入を手引きしてくれそうな裏家業の人間の伝手を見つけるかだ。
まあどちらにせよ、そう言った方法には大金が掛かる。
「頑張って稼がないとな」
稼ぎつつ探した結果「そういう家業の人はいませんでした」って可能性も無くは無いのだが、まあその時は覚悟を決めて突破する事になるが。
なんにせよ、首都に乗り込むのはリーンにスキルを習得させ、俺のスキルを強化してからになる。
その時間を使っての金稼ぎなので、裏家業の人間が見つからなくても完全な無駄足って事にはならないだろう。
「それが参加証?なんかしょぼいね」
建物から出ると、外で待っていたリーンが俺の受け取った参加証を見て露骨にがっかりしたような声を出す。
参加証は簡素な木の板に岩とツルハシが彫り込まれている――これはレンタンを表わす印――だけの物だ。
まあ確かにしょぼい。
裏返すと、168という数字が彫られていた。
この数字が俺の登録番号だろう。
「大人数に配る物だからな。最悪持ち逃げされても問題ない様にしてるんだろ」
ギルドから派遣されている様な奴は兎も角、受けるだけ受けて来ない奴も当然いたりする。
そいつらが態々返しに来る可能性は低い。
そう考えると、参加証が安価でしょぼい物なのは仕方がない事だった。
「さて、買い物にでも行くか」
「何買うの?」
「装備さ。この格好じゃ危ないからな」
今の俺は普段着――無駄に目立つので制服から村人ルックに変えた――に帯刀しているへんてこな井出達だった。
ゲームとかで言う所の、回避剣士みたいな格好だ。
回避に自信があるならこのままでもいいのだろうが、Lv99とは言え所詮村人の俺にそんな自信はない。
よって、この格好のまま本格的な魔物退治に参加する気は更々なかった。
「でもし……じゃなかった、おにいちゃん。ダメージ無効のスキルがあるんじゃ?」
「あれは1回こっきりだからな」
一発勝負ならそれでいいかもしれないが、今回の仕事は炭鉱内の――巣を見つけて潰す――魔物の掃討だ。
1度使ったら24時間は駆け直しがきかないスキルだけで連戦を凌ぐのは、流石に無理がある。
「取り敢えず、胴回りをカバーする鎧でも買うか」
全身びっちりのフルプレートを着るのが一番安全なんだろうが、まあたぶん手が出ないだろう。
ああいうのって絶対高いだろうし、そもそも売ってない可能性すらある。
「んじゃ、行くぞ」
「はーい!」
俺はリーンを連れて武具屋へと向かう。
「わかりました」
受付のお姉さんから参加証を手渡される。
本来なら役所仕事であるため、身分証や傭兵ギルドからの紹介状の無い流れの傭兵などは門前払いとなるのだが、今回は急募という事であっさりと申請が通った。
まあだからこそ、この仕事を受けた訳だが。
「とりあえず、金を溜めねぇとな 」
異世界から召喚された俺に戸籍などはない。
その為、都市部に出入りするにはとにかく金が必要だった。
いわゆる賄賂という奴だ。
このレンタンに入るのにも、当然門兵にお金を握らせている。
だが首都はかなりセキュリティが厳しいらしく、その場の賄賂だけでは侵入は多分難しい。
勿論能力を使えば無理やり通る事も出来るだろうが、アイリーンに見つかりたくない身としては、余計なごたごたは避けたかった。
じゃあどうすればいいのかと言うと、方法は2つ。
偽造の身分証を手に入れるか、密入を手引きしてくれそうな裏家業の人間の伝手を見つけるかだ。
まあどちらにせよ、そう言った方法には大金が掛かる。
「頑張って稼がないとな」
稼ぎつつ探した結果「そういう家業の人はいませんでした」って可能性も無くは無いのだが、まあその時は覚悟を決めて突破する事になるが。
なんにせよ、首都に乗り込むのはリーンにスキルを習得させ、俺のスキルを強化してからになる。
その時間を使っての金稼ぎなので、裏家業の人間が見つからなくても完全な無駄足って事にはならないだろう。
「それが参加証?なんかしょぼいね」
建物から出ると、外で待っていたリーンが俺の受け取った参加証を見て露骨にがっかりしたような声を出す。
参加証は簡素な木の板に岩とツルハシが彫り込まれている――これはレンタンを表わす印――だけの物だ。
まあ確かにしょぼい。
裏返すと、168という数字が彫られていた。
この数字が俺の登録番号だろう。
「大人数に配る物だからな。最悪持ち逃げされても問題ない様にしてるんだろ」
ギルドから派遣されている様な奴は兎も角、受けるだけ受けて来ない奴も当然いたりする。
そいつらが態々返しに来る可能性は低い。
そう考えると、参加証が安価でしょぼい物なのは仕方がない事だった。
「さて、買い物にでも行くか」
「何買うの?」
「装備さ。この格好じゃ危ないからな」
今の俺は普段着――無駄に目立つので制服から村人ルックに変えた――に帯刀しているへんてこな井出達だった。
ゲームとかで言う所の、回避剣士みたいな格好だ。
回避に自信があるならこのままでもいいのだろうが、Lv99とは言え所詮村人の俺にそんな自信はない。
よって、この格好のまま本格的な魔物退治に参加する気は更々なかった。
「でもし……じゃなかった、おにいちゃん。ダメージ無効のスキルがあるんじゃ?」
「あれは1回こっきりだからな」
一発勝負ならそれでいいかもしれないが、今回の仕事は炭鉱内の――巣を見つけて潰す――魔物の掃討だ。
1度使ったら24時間は駆け直しがきかないスキルだけで連戦を凌ぐのは、流石に無理がある。
「取り敢えず、胴回りをカバーする鎧でも買うか」
全身びっちりのフルプレートを着るのが一番安全なんだろうが、まあたぶん手が出ないだろう。
ああいうのって絶対高いだろうし、そもそも売ってない可能性すらある。
「んじゃ、行くぞ」
「はーい!」
俺はリーンを連れて武具屋へと向かう。
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