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第69話 贖罪
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私は田所勝。
帝真グループの、人蛇計画に携わっている研究者だ。
最初はこの研究が上手く行けば出世できると意欲に燃えており、その為なら子供を研究材料にする事すら気にも留めなかった。
我ながら最低な人間と言っていいだろう。
そう。
私は最低の人間だった。
だが……
研究を進めていくうち、泣き叫び苦しむ子供達の姿を、死んでいく子供達の姿に私は耐えられなくなっていく。
どうやら私にも、ほんの僅かばかりの良心があった様だ。
そしてそれに耐えられなくなった私は、何とか残った子供達だけでも助けられないかと動き出す。
「田所博士。少しお話をよろしいですか?」
個人的には動きがバレない様に慎重にやっていたつもりだったのだが、プロには通じなかった様だ。
不審な動きをしていた私に、スタッフに紛れていた風早グループのスパイ二名が接触して来る。
彼らの目的は研究データを盗む事と、研究自体の妨害。
どちらかと言えば、帝真グループの足を引っ張る妨害の方がメインと言えるだろう。
研究データの吸出しの方は、言えばオマケだ。
だからこそ、まだ研究結果が中途半端にも拘らず彼らは私の動きに便乗して来たのである。
――そうして私は風早グループのスパイ達と組み、子供達の死を偽装した作戦を実行に移す。
直前に実験体の補充の報が入ったが、全てを救うだけの力は私にはない。
下手に先延ばしにするとスパイ達が行動を変える心配もあったので、その子達の事は諦めるしかなかった。
★☆★☆★☆★☆★
「あ、あの……お手洗いに……」
私が合図を出すと、指示通り恵梨香ちゃんが催したアピールをする。
「すまないが、次のパーキングエリアで止めてくれないか」
現在は、深夜の高速道路を走るワゴンの中だ。
乗車しているのは私とスパイが二人。
それに救出した三人——高千穂恵梨香、青田翔《あおたしょう》、加賀詩真矢——が乗っている。
「我慢できないのか?」
「は、はい。ごめんなさい」
「ちっ……」
スパイの男が舌打ちする。
余計な場所に寄れば、それだけ痕跡が残るのだから当然だ。
ここで漏らせと言われればお手上げだったが――
「仕方ない」
――そうはならずに、ほっと一安心する。
安心したのは、車内が臭くなるのを嫌った訳ではない。
高速道路を走行中に事を起こすのは、余りにも危険すぎるからだ。
「ついて来い」
パーキングエリアに車が止まり、スパイの男がすでに人型に戻っている恵梨香をトイレへと連れて行く。
「一つ尋ねたいんだが……」
私は運転席に座るスパイへと、後部座席から身を乗り出す形で話しかける。
「なんだ?」
男が気怠そうに此方へと視線を向ける。
私は素早くポケットからスタンガンを取り出し、運転手席の枕部分に腕を回す形で近付け、相手の死角から首筋に押し当てた。
「ぎゃっ!?」
バチバチと火花が散り、男の体が激しく痙攣する。
このスタンガンは改造を加えた特別性だ。
受ければ気絶どころでは済まない。
「……」
男の体からスタンガンを離し、首筋を触って脈が停止しているのを確認する。
車内には肉の焦げた匂いと、電気ショックで漏れ出た糞尿の匂いが混ざった不快なにおいが漂う。
風早グループのスパイ達は、最低限の細胞サンプルを取るだけで、子供達を苦しめる様な事は無い。
そう言っていた。
だが、それが嘘だという事は確認するまでもないだろう。
このまま黙って彼らについて行けば、三人が、ただ別の場所で同じ様にモルモットとして使い潰されるだけなのは目に見えていた。
――だから、スパイ達はここで始末する。
「すまない。匂いは我慢してくれ」
「だ、大丈夫です」
二人に謝ってから私は死体を運転席から放り出し、戻って来るスパイの視界に入らない様に車の下に放り込んでおいた。
そしてそのまま車の影に潜んで、恵梨香を連れて行ったスパイが戻って来るのを待つ。
「なんだ!?ぎゃあ!?」
戻って来たスパイが車の扉を開こうとした所に、私は死角からスタンガンで襲い掛かる。
「くっ……」
スタンガンによる制圧は上手く行った。
だが問題が発生してしまう。
男が一瞬の抵抗で、刃物を私の腹部に刺したのだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
「これぐらい……どうって事はない……」
心配そうにする恵梨香の頭を撫で、私はそう強がって見せた。
彼女達の受けた苦しみに比べればこんな痛みなど、どうという事は無い。
それに実際、致命傷という程の傷ではなさそうだ。
「すまないが、救急箱から止血帯を取ってくれないか……」
「は、はい!」
傷口を止血し、私は運転席に座って車を走らせる。
子供達を逃がすためのポイントに向かって。
このまま只車を走らせるだけでは逃げ切れない。
だから……
「ここで……降りるんだ。そしてそこの斜面から上に昇って……」
一時間程車を走らせ、あるポイントで車を止める。
そこは山の斜面に接する場所だ。
急な斜面ではあるが、彼女達の能力なら容易く登り切る事が出来るだろう。
しかし……出血のせいか、ふらついてしょうがないな。
「この地図に従って山を進み……この部分……洞窟があるから、そこを君達だけで目指すんだ……」
子供達とはここで別れる。
この後、私はこのまま車を遠くまで運転して追手の目を引き付ける予定だ。
少しでも三人の逃走確率を高めるために。
まあ私は死ぬだろうが……
地図を渡されても、三人が迷子になるんじゃないかだって?
それに関しては心配ない。
三人には方向感覚を完璧に捉える能力があるからだ。
「そして……その洞窟の奥で可能な限り、休眠しておくんだ……いいね……」
改造された子供達は、新陳代謝を極限まで落とす機能が備えられていた。
その状態ならば、5年は飲まず食わずでも問題なく生きていける。
そうして時間さえ稼げば……
帝真グループはしつこく探すだろうが、何年も見つからなければ流石に諦めるはず。
その後に必要となる生活費も彼女達にはちゃんと渡してあるので、目立ちさえしなければきっと大丈夫だ。
「おじさん……私は貴方が嫌いです」
三人の中では一番年上で、リーダーに当たる恵梨香がそう言って来る。
他の二人も口にこそしないが、きっと同じ気持ちだろう。
「当然だな……」
そう、当然だ。
自分のした事を考えれば、赦される筈もないし、ましてやそれを望んでいい筈もない。
「でも……こうして助けて貰った事には感謝します。だから……ありがとうございました」
「「ありがとうございました」」
「どうか……生き延びてくれ……」
それだけ伝えると、私は車を発車させる。
本当はもっと、色々と子供達に用意してあげたかった。
だが下手に何かをすればするほど、その痕跡が残ってしまう。
だから……私に出来るのはここまでだ。
後は只、祈るだけ。
――日が昇り始める頃、追跡者と思しき複数台の車が背後に姿を現す。
「ここまでか……」
私は死ぬ。
だが後悔はない。
寧ろ満足なくらいだ。
「偽善者共と……馬鹿にしてきた……けど……」
人の為にと、頑張る人間がいる。
私からすれば、彼らはどうしようもない愚かで理解不能な存在に映っていた。
だが、今なら少しだけわかる。
本当に少しだけ。
自分以外の誰かのためになす事の満足感。
悪くない感じだ。
「こんな感覚……があるなら……」
私ももっと、人の為に生きればよかったな。
そんな事を思う。
「もし来世があるなら……その時は……」
生まれ変わったら、人の事を思いやれる人間になりたい。
そんな下らない妄想を頭に浮かべながら、私はアクセルを強く踏み込んだ。
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最初はこの研究が上手く行けば出世できると意欲に燃えており、その為なら子供を研究材料にする事すら気にも留めなかった。
我ながら最低な人間と言っていいだろう。
そう。
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だが……
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どうやら私にも、ほんの僅かばかりの良心があった様だ。
そしてそれに耐えられなくなった私は、何とか残った子供達だけでも助けられないかと動き出す。
「田所博士。少しお話をよろしいですか?」
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不審な動きをしていた私に、スタッフに紛れていた風早グループのスパイ二名が接触して来る。
彼らの目的は研究データを盗む事と、研究自体の妨害。
どちらかと言えば、帝真グループの足を引っ張る妨害の方がメインと言えるだろう。
研究データの吸出しの方は、言えばオマケだ。
だからこそ、まだ研究結果が中途半端にも拘らず彼らは私の動きに便乗して来たのである。
――そうして私は風早グループのスパイ達と組み、子供達の死を偽装した作戦を実行に移す。
直前に実験体の補充の報が入ったが、全てを救うだけの力は私にはない。
下手に先延ばしにするとスパイ達が行動を変える心配もあったので、その子達の事は諦めるしかなかった。
★☆★☆★☆★☆★
「あ、あの……お手洗いに……」
私が合図を出すと、指示通り恵梨香ちゃんが催したアピールをする。
「すまないが、次のパーキングエリアで止めてくれないか」
現在は、深夜の高速道路を走るワゴンの中だ。
乗車しているのは私とスパイが二人。
それに救出した三人——高千穂恵梨香、青田翔《あおたしょう》、加賀詩真矢——が乗っている。
「我慢できないのか?」
「は、はい。ごめんなさい」
「ちっ……」
スパイの男が舌打ちする。
余計な場所に寄れば、それだけ痕跡が残るのだから当然だ。
ここで漏らせと言われればお手上げだったが――
「仕方ない」
――そうはならずに、ほっと一安心する。
安心したのは、車内が臭くなるのを嫌った訳ではない。
高速道路を走行中に事を起こすのは、余りにも危険すぎるからだ。
「ついて来い」
パーキングエリアに車が止まり、スパイの男がすでに人型に戻っている恵梨香をトイレへと連れて行く。
「一つ尋ねたいんだが……」
私は運転席に座るスパイへと、後部座席から身を乗り出す形で話しかける。
「なんだ?」
男が気怠そうに此方へと視線を向ける。
私は素早くポケットからスタンガンを取り出し、運転手席の枕部分に腕を回す形で近付け、相手の死角から首筋に押し当てた。
「ぎゃっ!?」
バチバチと火花が散り、男の体が激しく痙攣する。
このスタンガンは改造を加えた特別性だ。
受ければ気絶どころでは済まない。
「……」
男の体からスタンガンを離し、首筋を触って脈が停止しているのを確認する。
車内には肉の焦げた匂いと、電気ショックで漏れ出た糞尿の匂いが混ざった不快なにおいが漂う。
風早グループのスパイ達は、最低限の細胞サンプルを取るだけで、子供達を苦しめる様な事は無い。
そう言っていた。
だが、それが嘘だという事は確認するまでもないだろう。
このまま黙って彼らについて行けば、三人が、ただ別の場所で同じ様にモルモットとして使い潰されるだけなのは目に見えていた。
――だから、スパイ達はここで始末する。
「すまない。匂いは我慢してくれ」
「だ、大丈夫です」
二人に謝ってから私は死体を運転席から放り出し、戻って来るスパイの視界に入らない様に車の下に放り込んでおいた。
そしてそのまま車の影に潜んで、恵梨香を連れて行ったスパイが戻って来るのを待つ。
「なんだ!?ぎゃあ!?」
戻って来たスパイが車の扉を開こうとした所に、私は死角からスタンガンで襲い掛かる。
「くっ……」
スタンガンによる制圧は上手く行った。
だが問題が発生してしまう。
男が一瞬の抵抗で、刃物を私の腹部に刺したのだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
「これぐらい……どうって事はない……」
心配そうにする恵梨香の頭を撫で、私はそう強がって見せた。
彼女達の受けた苦しみに比べればこんな痛みなど、どうという事は無い。
それに実際、致命傷という程の傷ではなさそうだ。
「すまないが、救急箱から止血帯を取ってくれないか……」
「は、はい!」
傷口を止血し、私は運転席に座って車を走らせる。
子供達を逃がすためのポイントに向かって。
このまま只車を走らせるだけでは逃げ切れない。
だから……
「ここで……降りるんだ。そしてそこの斜面から上に昇って……」
一時間程車を走らせ、あるポイントで車を止める。
そこは山の斜面に接する場所だ。
急な斜面ではあるが、彼女達の能力なら容易く登り切る事が出来るだろう。
しかし……出血のせいか、ふらついてしょうがないな。
「この地図に従って山を進み……この部分……洞窟があるから、そこを君達だけで目指すんだ……」
子供達とはここで別れる。
この後、私はこのまま車を遠くまで運転して追手の目を引き付ける予定だ。
少しでも三人の逃走確率を高めるために。
まあ私は死ぬだろうが……
地図を渡されても、三人が迷子になるんじゃないかだって?
それに関しては心配ない。
三人には方向感覚を完璧に捉える能力があるからだ。
「そして……その洞窟の奥で可能な限り、休眠しておくんだ……いいね……」
改造された子供達は、新陳代謝を極限まで落とす機能が備えられていた。
その状態ならば、5年は飲まず食わずでも問題なく生きていける。
そうして時間さえ稼げば……
帝真グループはしつこく探すだろうが、何年も見つからなければ流石に諦めるはず。
その後に必要となる生活費も彼女達にはちゃんと渡してあるので、目立ちさえしなければきっと大丈夫だ。
「おじさん……私は貴方が嫌いです」
三人の中では一番年上で、リーダーに当たる恵梨香がそう言って来る。
他の二人も口にこそしないが、きっと同じ気持ちだろう。
「当然だな……」
そう、当然だ。
自分のした事を考えれば、赦される筈もないし、ましてやそれを望んでいい筈もない。
「でも……こうして助けて貰った事には感謝します。だから……ありがとうございました」
「「ありがとうございました」」
「どうか……生き延びてくれ……」
それだけ伝えると、私は車を発車させる。
本当はもっと、色々と子供達に用意してあげたかった。
だが下手に何かをすればするほど、その痕跡が残ってしまう。
だから……私に出来るのはここまでだ。
後は只、祈るだけ。
――日が昇り始める頃、追跡者と思しき複数台の車が背後に姿を現す。
「ここまでか……」
私は死ぬ。
だが後悔はない。
寧ろ満足なくらいだ。
「偽善者共と……馬鹿にしてきた……けど……」
人の為にと、頑張る人間がいる。
私からすれば、彼らはどうしようもない愚かで理解不能な存在に映っていた。
だが、今なら少しだけわかる。
本当に少しだけ。
自分以外の誰かのためになす事の満足感。
悪くない感じだ。
「こんな感覚……があるなら……」
私ももっと、人の為に生きればよかったな。
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