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第62話 エラー
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手下どもを引き連れ、俺は安田のクラスへと乗り込む。
黒髪だらけで本当にここはうちの学校か?と一瞬戸惑ったが、ここで間抜けな様を晒したら俺の株が下がっちまうので、平静を装い大声を出す。
「おう!安田はいるか!ダークソウルのトップのよぉ!この鮫島様が会いに来てやったぞ!」
俺の登場にクラス内が騒然とする中、女生徒二人が俺の所にやって来た。
二人とも黒髪で顔はかなり好みだ。
何処かで見た事がある気もするが……安田の女だろうか?
「シャークバイトのトップが、いったいうちに何の用だ?」
「うち?て事は、お前らダークソウルか?」
「ああ。そうさ」
「あたしとショーコがダークソウルのナンバー2だ」
二人が俺を睨みつけて来る。
「ほう……お前らがね……」
この二人に真面な喧嘩が出来るとは思えないが、意識を集中させてスカウターを発動させる。
念のため。
「戦闘力5か……ゴミだな」
「あん?」
「なんだって?」
一般成人男性以下。
見た目通りの雑魚共だった。
ナンバー2なのは、安田の女だからだろう。
言ってしまえば、ただの寄生虫だ。
「まあいい。どうやら……安田は休みの様だな」
ギャオスを倒した様な奴だ。
見れば一目で分かるはず。
だが、クラスをざっと見まわしてもそれっぽい奴は見当たらなかった。
恐らく今日は休んでいるのだろう。
不良ならよくある事だ。
「無駄足だったみたいだな」
「はっ、安心しな。安田は来てるよ」
「便所に行ってるだけ――あ、戻って来た。やすだぁ!お客さんだぞ!」
俺が入って来た扉とは逆の扉。
そこから二人の男子生徒が入って来る。
どうやらそのどちらかが、ダークソウルのトップである安田の様だ。
両方ともさして強そうには見えないが……
細い方とデブ。
強いて言うならデブの方が強そうに見えるので、恐らく此方が安田だろう。
女に呼ばれてこっちに向かって来る安田に向かって、俺はスカウターを発動させる。
そして――
「——っ!?250だと……」
――その想像以上に高い戦闘力に戦慄する。
まさかギャオスの倍以上とは……
風早に比べれば全然大した事は無いが、それでも化け物級である事には変わりない。
うちの精鋭共にも薬を飲ませて、全員でかかれば何とかなるか?
少々きつい気がする。
もっと数を用意した方が……ん?
――その時、ふと気づく。
俺のスカウターが示す戦闘力は、額から頭頂部辺りに数字が表示される。
のだが、何故かそれとは別に安田の胸元に謎の数字が出ていた。
しかもその数字は――
「に……二千……だと?」
――桁違いの物だった。
風早以上だと……
本当に人間かこいつ……いや、それよりも何で胸元に戦闘力が出てるんだ?
意味が分からん。
ひょっとして、とんでもない力を持った小人でも胸に仕込んでるとか?
いやいやいや、バカか俺は。
マンガじゃあるまいし、そんな訳ないだろう。
いやだがしかし、だとしたらこの胸元の数字はなんだ?
ひょっとしてスカウターの誤作動か?
そうでもなけいと説明がつかないぞ?
そう。
そうだな。
今まで無条件で使って来たが、元々が謎の能力である。
そういう事もあるのだろう。
なので2000は只のエラーに違いない。
「俺になんか用か?」
「……へ?」
細い方が、何故か俺に声をかけて来た。
何を言ってるんだこいつは?
「俺に用があったんじゃないのか?」
「まさか……お前が安田なのか?」
「そうだぞ」
デブの方じゃなかっただと!?
安田は戦闘力250を下に従えてるってのか?
じゃあいったいこいつの戦闘力はいくつだってんだ!?
「俺はシャークバイトの頭張ってる鮫島ってもんだが……」
俺は慌てて細い方――安田の戦闘力をスカウターで確認する。
なんだ、0じゃねぇか。
焦らせんなよ。
このゴミ野郎……いやちょっと待て。
0?
0ってなんだ?
死にかけの爺や生まれたばかりの赤ん坊でも、0,1ぐらいはある。
それ以下とか、もう生命活動自体してないとしか思えない。
まさかコイツ幽霊なのか?
真昼間から学校に出て、ダークソウルのトップを幽霊がやってる?
って、んなわけねぇ!
これもエラーだ!
エラーに決まってる!
俺はもう一度、改めてスカウターを表示する。
すると――
「がっ……」
0が大量に並んだかと思うと、視界に崩れたブロックの様なノイズが走った。
それと同時に、目が燃える様に熱くなる。
「ぐあああ……目が……目がぁぁ……」
――その日、俺は特殊能力を失う。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「目がぁ……」
俺を訪ねて来たとかいう、ガタイが大きく人相の悪い奴が急に眼を押さえて地面に転がり出す。
癲癇か何かか?
病弱な不良もいたもんだ。
「鮫島さん!」
「大丈夫ですか!?」
「くそっ!保健室へ運べ!」
「どけ!」
倒れた男――鮫島とやらを、クラス外の連中と思われるガラの悪そうな奴らが抱えて教室から出ていく。
「くそっ!覚えとけよ安田!!」
「この借りは必ず返すぞ!」
何故か俺に捨て台詞を吐き捨てて。
なんだアイツら?
ひょっとして俺が殴ったとでも思ったのか?
アイツらに見えないパンチは確かにできるが、ただの不良相手にそんな真似はしないぞ?
速さってのは実質パワーだから、見えない速度で殴ったりしたら普通に死ぬし。
「さっすが安田!」
「ひゅう、目にもとまらぬ早業とか……やっぱスゲェや。安田は」
「いや、俺は別に殴って……」
「さっすが俺らのトップだぜ!」
「シャークバイト如き恐るるに足らずだ!」
「おおおお!ダークソウル最強!!」
周りの奴らが騒ぎ出す。
俺の言葉を聞けよ。
「やーすーだ!」
「やーすーだ!」
そしてエミとショーコから始まる謎のコール。
こいつら脳みそいかれてんのか?
黒髪だらけで本当にここはうちの学校か?と一瞬戸惑ったが、ここで間抜けな様を晒したら俺の株が下がっちまうので、平静を装い大声を出す。
「おう!安田はいるか!ダークソウルのトップのよぉ!この鮫島様が会いに来てやったぞ!」
俺の登場にクラス内が騒然とする中、女生徒二人が俺の所にやって来た。
二人とも黒髪で顔はかなり好みだ。
何処かで見た事がある気もするが……安田の女だろうか?
「シャークバイトのトップが、いったいうちに何の用だ?」
「うち?て事は、お前らダークソウルか?」
「ああ。そうさ」
「あたしとショーコがダークソウルのナンバー2だ」
二人が俺を睨みつけて来る。
「ほう……お前らがね……」
この二人に真面な喧嘩が出来るとは思えないが、意識を集中させてスカウターを発動させる。
念のため。
「戦闘力5か……ゴミだな」
「あん?」
「なんだって?」
一般成人男性以下。
見た目通りの雑魚共だった。
ナンバー2なのは、安田の女だからだろう。
言ってしまえば、ただの寄生虫だ。
「まあいい。どうやら……安田は休みの様だな」
ギャオスを倒した様な奴だ。
見れば一目で分かるはず。
だが、クラスをざっと見まわしてもそれっぽい奴は見当たらなかった。
恐らく今日は休んでいるのだろう。
不良ならよくある事だ。
「無駄足だったみたいだな」
「はっ、安心しな。安田は来てるよ」
「便所に行ってるだけ――あ、戻って来た。やすだぁ!お客さんだぞ!」
俺が入って来た扉とは逆の扉。
そこから二人の男子生徒が入って来る。
どうやらそのどちらかが、ダークソウルのトップである安田の様だ。
両方ともさして強そうには見えないが……
細い方とデブ。
強いて言うならデブの方が強そうに見えるので、恐らく此方が安田だろう。
女に呼ばれてこっちに向かって来る安田に向かって、俺はスカウターを発動させる。
そして――
「——っ!?250だと……」
――その想像以上に高い戦闘力に戦慄する。
まさかギャオスの倍以上とは……
風早に比べれば全然大した事は無いが、それでも化け物級である事には変わりない。
うちの精鋭共にも薬を飲ませて、全員でかかれば何とかなるか?
少々きつい気がする。
もっと数を用意した方が……ん?
――その時、ふと気づく。
俺のスカウターが示す戦闘力は、額から頭頂部辺りに数字が表示される。
のだが、何故かそれとは別に安田の胸元に謎の数字が出ていた。
しかもその数字は――
「に……二千……だと?」
――桁違いの物だった。
風早以上だと……
本当に人間かこいつ……いや、それよりも何で胸元に戦闘力が出てるんだ?
意味が分からん。
ひょっとして、とんでもない力を持った小人でも胸に仕込んでるとか?
いやいやいや、バカか俺は。
マンガじゃあるまいし、そんな訳ないだろう。
いやだがしかし、だとしたらこの胸元の数字はなんだ?
ひょっとしてスカウターの誤作動か?
そうでもなけいと説明がつかないぞ?
そう。
そうだな。
今まで無条件で使って来たが、元々が謎の能力である。
そういう事もあるのだろう。
なので2000は只のエラーに違いない。
「俺になんか用か?」
「……へ?」
細い方が、何故か俺に声をかけて来た。
何を言ってるんだこいつは?
「俺に用があったんじゃないのか?」
「まさか……お前が安田なのか?」
「そうだぞ」
デブの方じゃなかっただと!?
安田は戦闘力250を下に従えてるってのか?
じゃあいったいこいつの戦闘力はいくつだってんだ!?
「俺はシャークバイトの頭張ってる鮫島ってもんだが……」
俺は慌てて細い方――安田の戦闘力をスカウターで確認する。
なんだ、0じゃねぇか。
焦らせんなよ。
このゴミ野郎……いやちょっと待て。
0?
0ってなんだ?
死にかけの爺や生まれたばかりの赤ん坊でも、0,1ぐらいはある。
それ以下とか、もう生命活動自体してないとしか思えない。
まさかコイツ幽霊なのか?
真昼間から学校に出て、ダークソウルのトップを幽霊がやってる?
って、んなわけねぇ!
これもエラーだ!
エラーに決まってる!
俺はもう一度、改めてスカウターを表示する。
すると――
「がっ……」
0が大量に並んだかと思うと、視界に崩れたブロックの様なノイズが走った。
それと同時に、目が燃える様に熱くなる。
「ぐあああ……目が……目がぁぁ……」
――その日、俺は特殊能力を失う。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「目がぁ……」
俺を訪ねて来たとかいう、ガタイが大きく人相の悪い奴が急に眼を押さえて地面に転がり出す。
癲癇か何かか?
病弱な不良もいたもんだ。
「鮫島さん!」
「大丈夫ですか!?」
「くそっ!保健室へ運べ!」
「どけ!」
倒れた男――鮫島とやらを、クラス外の連中と思われるガラの悪そうな奴らが抱えて教室から出ていく。
「くそっ!覚えとけよ安田!!」
「この借りは必ず返すぞ!」
何故か俺に捨て台詞を吐き捨てて。
なんだアイツら?
ひょっとして俺が殴ったとでも思ったのか?
アイツらに見えないパンチは確かにできるが、ただの不良相手にそんな真似はしないぞ?
速さってのは実質パワーだから、見えない速度で殴ったりしたら普通に死ぬし。
「さっすが安田!」
「ひゅう、目にもとまらぬ早業とか……やっぱスゲェや。安田は」
「いや、俺は別に殴って……」
「さっすが俺らのトップだぜ!」
「シャークバイト如き恐るるに足らずだ!」
「おおおお!ダークソウル最強!!」
周りの奴らが騒ぎ出す。
俺の言葉を聞けよ。
「やーすーだ!」
「やーすーだ!」
そしてエミとショーコから始まる謎のコール。
こいつら脳みそいかれてんのか?
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