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外伝 その王子と恋に落ちたら大変です 第一章 五番目の王子との学園時代
第二十話 王子との日々
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父親ジャクセンとレストランでの朝食を終えて、寮の部屋へ帰って来たユーリスはどことなく元気が無かった。
理由は答えてくれなかった。だた、それ以来、ユーリスにはよく考え込む様子が見えた。
春休みの間、ユーリスは実家へ戻ることなく、シルヴェスターと寮で過ごすと話した。
そのことがシルヴェスターには嬉しかった。
あの卒業記念パーティ以来、ユーリスはシルヴェスターの恋人だった。
休暇の日中は、おのおのやりたいことをしている。
シルヴェスターは冒険者ダンカンの元で仕事に励み(すでに彼はダンカンのそばで優秀な冒険者として働いているようなものだった)、ユーリスは寮で、購入した古書を読んだり、王立図書館へ出かけたり、大学で研究をしていたりする。
そして夜になり、従者クラリオネがユーリスの側からいなくなれば、二人は恋人同士になる。
タイル貼りの浴室で、二人で体を洗い合いながら、口付けを交わす。
泡立てた石鹸のぬめりを借りながら、ユーリスの身体に触れていく。
後ろから抱きながら、白く滑らかな肌に手を滑らせ、そのまま両手は薄紅色の胸の小さな突起を摘まみ上げる。そこが非常に敏感らしいユーリスは身を震わせる。
「あ……ああ」
くりくりとつまみ、そこが固く芯を持つまで摘まみ続けると、身をひくつかせる。
きっとこのままここを可愛がり続ければ、そのうち胸に触れるだけでも、達くことができるようになるかも知れない。そうした淫らで敏感な身体を持つユーリスが、可愛かった。
タイル貼りの壁にユーリスの身体を押し付け、うなじから滑らかな背に向けて舌を這わせ、固く引き締まった双丘を手で割り開く。
日頃誰にも見られることのないその秘めたる場所を、暴かれることにユーリスは羞恥に頬を染めていた。
それも愛しい王子に見られている。
恥ずかしさに顔を背ける。
「殿下、殿下……」
「ヴィーと呼べと言っているだろう」
ここ最近開かれたばかりの蕾はいまだ口をぴったりと閉じて慎ましやかだった。そこに王子が唇を寄せたことに、ユーリスは驚いた。
「そんな、だめ……」
ユーリスは青い目を見開き、壁のタイルを引っかくように爪を立てる。
生温かな舌が、蕾の襞を舐め、そして尖らせられたそれが、彼の中に押し入った。
「!!」
舌で犯されている。
唾液が蕾から滴り落ちていく。そうしながらも、王子の手は前へ周り、ユーリスの男のものに丹念に触れ始めた。
舌が身体の中に入っていることが分かる。そしてダメだと抵抗の言葉を口にしながらも、生温かな何かが分け入ってくるその感覚にユーリスは確かに昂っていた。
やがてユーリスは、前も後ろも可愛がられることに、たちまち身を強張らせて達してしまった。白蜜を勢いよく放つと、もはや立ってられないように壁にもたれかかる。その後ろから、濡れ切った蕾を、今度はシルヴェスターがゆっくりと自身の固くそそり立った男根で貫くと、ユーリスは涙を流して喘ぎ続けた。
「ヴィー、ヴィー」
敏感になってしまっている蕾は、きつく男根を締め上げる。シルヴェスターも熱く息を吐きながら、またもユーリスの達したばかりの前に触れると、ユーリスは頭を振って言った。
「もうだめだ、だめ」
達ったばかりで敏感になっている前を触れられるのが辛い。そして後孔の中を奥へ奥へと突き立てるようにシルヴェスターから責められることも辛くて、ユーリスはずっと啼いていた。
だが、辛いだけではないことをユーリスもシルヴェスターも分かっていた。ユーリスの細い腰が動き、快感を自ら追おうとしていた。粘膜のこすれ合う濡れたような音を立てながらも、ユーリスははしたなくもまた前を濡らして達していた。
あの卒業記念パーティのあった夜から、何度となく、シルヴェスターはユーリスを抱いていた。毎夜といっても良い。二人は若く、そして、互いに愛おしく思っていたからこそ、その欲望は尽きることがなかった。互いにどこが悦い場所であるのか、何をすれば悦ぶのか、熱心に研究しているようなものだった。
ユーリスはシルヴェスターに毎夜愛を囁かれ、彼との行為に夢中になりながらも、心の奥底で、どうすれば良いのかずっと悩み続けていた。幼い頃から、ユーリスにとって、父親の存在は絶対だった。その父親に逆らっている今の状況を、どうすれば解決できるのか彼には分からなかった。ただただ、シルヴェスターに求められ、求め合う今の愛欲の日々に逃避している感もあった。
理由は答えてくれなかった。だた、それ以来、ユーリスにはよく考え込む様子が見えた。
春休みの間、ユーリスは実家へ戻ることなく、シルヴェスターと寮で過ごすと話した。
そのことがシルヴェスターには嬉しかった。
あの卒業記念パーティ以来、ユーリスはシルヴェスターの恋人だった。
休暇の日中は、おのおのやりたいことをしている。
シルヴェスターは冒険者ダンカンの元で仕事に励み(すでに彼はダンカンのそばで優秀な冒険者として働いているようなものだった)、ユーリスは寮で、購入した古書を読んだり、王立図書館へ出かけたり、大学で研究をしていたりする。
そして夜になり、従者クラリオネがユーリスの側からいなくなれば、二人は恋人同士になる。
タイル貼りの浴室で、二人で体を洗い合いながら、口付けを交わす。
泡立てた石鹸のぬめりを借りながら、ユーリスの身体に触れていく。
後ろから抱きながら、白く滑らかな肌に手を滑らせ、そのまま両手は薄紅色の胸の小さな突起を摘まみ上げる。そこが非常に敏感らしいユーリスは身を震わせる。
「あ……ああ」
くりくりとつまみ、そこが固く芯を持つまで摘まみ続けると、身をひくつかせる。
きっとこのままここを可愛がり続ければ、そのうち胸に触れるだけでも、達くことができるようになるかも知れない。そうした淫らで敏感な身体を持つユーリスが、可愛かった。
タイル貼りの壁にユーリスの身体を押し付け、うなじから滑らかな背に向けて舌を這わせ、固く引き締まった双丘を手で割り開く。
日頃誰にも見られることのないその秘めたる場所を、暴かれることにユーリスは羞恥に頬を染めていた。
それも愛しい王子に見られている。
恥ずかしさに顔を背ける。
「殿下、殿下……」
「ヴィーと呼べと言っているだろう」
ここ最近開かれたばかりの蕾はいまだ口をぴったりと閉じて慎ましやかだった。そこに王子が唇を寄せたことに、ユーリスは驚いた。
「そんな、だめ……」
ユーリスは青い目を見開き、壁のタイルを引っかくように爪を立てる。
生温かな舌が、蕾の襞を舐め、そして尖らせられたそれが、彼の中に押し入った。
「!!」
舌で犯されている。
唾液が蕾から滴り落ちていく。そうしながらも、王子の手は前へ周り、ユーリスの男のものに丹念に触れ始めた。
舌が身体の中に入っていることが分かる。そしてダメだと抵抗の言葉を口にしながらも、生温かな何かが分け入ってくるその感覚にユーリスは確かに昂っていた。
やがてユーリスは、前も後ろも可愛がられることに、たちまち身を強張らせて達してしまった。白蜜を勢いよく放つと、もはや立ってられないように壁にもたれかかる。その後ろから、濡れ切った蕾を、今度はシルヴェスターがゆっくりと自身の固くそそり立った男根で貫くと、ユーリスは涙を流して喘ぎ続けた。
「ヴィー、ヴィー」
敏感になってしまっている蕾は、きつく男根を締め上げる。シルヴェスターも熱く息を吐きながら、またもユーリスの達したばかりの前に触れると、ユーリスは頭を振って言った。
「もうだめだ、だめ」
達ったばかりで敏感になっている前を触れられるのが辛い。そして後孔の中を奥へ奥へと突き立てるようにシルヴェスターから責められることも辛くて、ユーリスはずっと啼いていた。
だが、辛いだけではないことをユーリスもシルヴェスターも分かっていた。ユーリスの細い腰が動き、快感を自ら追おうとしていた。粘膜のこすれ合う濡れたような音を立てながらも、ユーリスははしたなくもまた前を濡らして達していた。
あの卒業記念パーティのあった夜から、何度となく、シルヴェスターはユーリスを抱いていた。毎夜といっても良い。二人は若く、そして、互いに愛おしく思っていたからこそ、その欲望は尽きることがなかった。互いにどこが悦い場所であるのか、何をすれば悦ぶのか、熱心に研究しているようなものだった。
ユーリスはシルヴェスターに毎夜愛を囁かれ、彼との行為に夢中になりながらも、心の奥底で、どうすれば良いのかずっと悩み続けていた。幼い頃から、ユーリスにとって、父親の存在は絶対だった。その父親に逆らっている今の状況を、どうすれば解決できるのか彼には分からなかった。ただただ、シルヴェスターに求められ、求め合う今の愛欲の日々に逃避している感もあった。
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