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第十三章 失われたものを取り戻すために
第十話 魔術師達のギルド(上)
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そして準備を整えたアルバート王子は、すぐさまアレドリア王国へ向けて旅立った。
紫色の成竜の姿をとったルーシェは、王子を背に乗せて、遥か上空に向かって飛び、その後は驚くほどのスピードで雲を切って飛んで行く。
青い空、白く点々と浮く雲の上、ルーシェは懸命に空をただ飛んでいた。
ここ最近はずっと国から国への移動続きである。
アルバート王子は、長大な距離を、自分を背に乗せて飛ぶ小柄な竜であるルーシェの身に、疲れが溜まってきているのではないかと心配していたが、ルーシェは宿に着くと、人の姿に戻って「大丈夫だよ!! 俺は人と違って丈夫なんだ」と元気良く言った。実際、飛ぶことは竜にとって苦ではないようで、それほど負担ではなかった。
夜になれば、ルーシェは王子に甘えることが多かった。
宿に入る時、ルーシェはアルバート王子の胸元に隠れる小さな竜の姿に変わる。ラウデシア王国を出てしまえば、後は竜のいない国であるからだ。大きな竜の姿で街に入ることは出来ない。そして小さな竜の姿をとっていたルーシェは、宿の部屋へ入るなりたちまち人の姿に戻る。
それから、ルーシェの方から王子を求めることも多い。
鮮やかな紫色のサラサラの髪をした、大きな黒い瞳の美しい少年は、アルバート王子を寝台の上に押し倒すと彼の方から熱心にその唇を求めるのだ。
常にも増して熱心なのはどうしてだろうと王子は内心思っていた。おそらく、ルーシェは不安なのだろう。仲間の竜達も、竜騎兵団の友人達もすべて消え失せている。今、ルーシェのそばにある確かなものはアルバート王子しかいない。それを、直に確かめたい気持ちなのだろう。
王子の胸元のボタンを外し、その逞しい胸に唇を這わせる。
アルバート王子もまたルーシェの細身に手をかけ、彼の太腿に触れた。
声もなく、愛し合い始める。
彼に不安があるのなら、その不安が無くなるまでたっぷりと愛してあげたかった。
トロリと情欲に濡れた黒い瞳が王子を見つめ、白い指が王子の欲望を優しく包んだ。
自ら腰を上げ、昂った王子自身を受け入れようとする。
つぷりとその王子自身の先端が、後ろの蕾に触れた。
「ルー」
「欲しいんだ、王子が、アルバートが凄く欲しいんだ。いいよね」
確かめるようにそう言って、柔らかな唇を舌がペロリと舐める。
それがゾクリとするほど色っぽい。煌めく黒い瞳がアルバートを見下ろしている。
共に熱い息を吐きながら言う。
「ダメだなんて言うはずがないだろう」
「そうだよね」
おかしそうに笑いながら、ルーシェは細い腰を下ろしていく。
「あ……あぁぁ」
自分の上で髪を揺らし、切なげな表情で声を上げるルーシェ。
それからゆるゆると自ら腰を揺らし、気持ちよさげに声を上げる。
「王子、王子、すごく、気持ちいい」
たどたどしく子供のようにそう言うルーシェが可愛くて、その頬に手をやると、彼はいつものように頬を擦りつけるような動作をした。
「好きだ、王子」
汗を流し、熱く息を吐きながら、言うその唇を塞いでやる。
やがて気持ちの良さから達するその腰を持ち上げ、なおも深く貫くと、ルーシェは続けざまに達していた。
「好きだ、ルー」
「俺も大好きだ。好きすぎておかしくなるくらい、王子を愛しているよ」
そう言うと二人、きつく抱きしめ合いながら、それから笑って口づけた。
どんなことがあろうと、二人一緒なら、何があったとしても乗り越えていける。
怖いことがあっても、不安なことがあっても、大丈夫。
すぐそばに、彼がいるから。
手を伸ばせばいつも、そこには彼がいるから。
だから大丈夫だよ。
こうして、旅を続けたアルバート王子とルーシェは再び大陸アレドリア王国へ足を踏み入れた。
大陸一の大図書館と有数の頭脳を持つ学者と魔術師達を抱える学術都市。その魔術師と学者らの見識をもって、“消失”の現象から全てを取り戻すために。
紫色の成竜の姿をとったルーシェは、王子を背に乗せて、遥か上空に向かって飛び、その後は驚くほどのスピードで雲を切って飛んで行く。
青い空、白く点々と浮く雲の上、ルーシェは懸命に空をただ飛んでいた。
ここ最近はずっと国から国への移動続きである。
アルバート王子は、長大な距離を、自分を背に乗せて飛ぶ小柄な竜であるルーシェの身に、疲れが溜まってきているのではないかと心配していたが、ルーシェは宿に着くと、人の姿に戻って「大丈夫だよ!! 俺は人と違って丈夫なんだ」と元気良く言った。実際、飛ぶことは竜にとって苦ではないようで、それほど負担ではなかった。
夜になれば、ルーシェは王子に甘えることが多かった。
宿に入る時、ルーシェはアルバート王子の胸元に隠れる小さな竜の姿に変わる。ラウデシア王国を出てしまえば、後は竜のいない国であるからだ。大きな竜の姿で街に入ることは出来ない。そして小さな竜の姿をとっていたルーシェは、宿の部屋へ入るなりたちまち人の姿に戻る。
それから、ルーシェの方から王子を求めることも多い。
鮮やかな紫色のサラサラの髪をした、大きな黒い瞳の美しい少年は、アルバート王子を寝台の上に押し倒すと彼の方から熱心にその唇を求めるのだ。
常にも増して熱心なのはどうしてだろうと王子は内心思っていた。おそらく、ルーシェは不安なのだろう。仲間の竜達も、竜騎兵団の友人達もすべて消え失せている。今、ルーシェのそばにある確かなものはアルバート王子しかいない。それを、直に確かめたい気持ちなのだろう。
王子の胸元のボタンを外し、その逞しい胸に唇を這わせる。
アルバート王子もまたルーシェの細身に手をかけ、彼の太腿に触れた。
声もなく、愛し合い始める。
彼に不安があるのなら、その不安が無くなるまでたっぷりと愛してあげたかった。
トロリと情欲に濡れた黒い瞳が王子を見つめ、白い指が王子の欲望を優しく包んだ。
自ら腰を上げ、昂った王子自身を受け入れようとする。
つぷりとその王子自身の先端が、後ろの蕾に触れた。
「ルー」
「欲しいんだ、王子が、アルバートが凄く欲しいんだ。いいよね」
確かめるようにそう言って、柔らかな唇を舌がペロリと舐める。
それがゾクリとするほど色っぽい。煌めく黒い瞳がアルバートを見下ろしている。
共に熱い息を吐きながら言う。
「ダメだなんて言うはずがないだろう」
「そうだよね」
おかしそうに笑いながら、ルーシェは細い腰を下ろしていく。
「あ……あぁぁ」
自分の上で髪を揺らし、切なげな表情で声を上げるルーシェ。
それからゆるゆると自ら腰を揺らし、気持ちよさげに声を上げる。
「王子、王子、すごく、気持ちいい」
たどたどしく子供のようにそう言うルーシェが可愛くて、その頬に手をやると、彼はいつものように頬を擦りつけるような動作をした。
「好きだ、王子」
汗を流し、熱く息を吐きながら、言うその唇を塞いでやる。
やがて気持ちの良さから達するその腰を持ち上げ、なおも深く貫くと、ルーシェは続けざまに達していた。
「好きだ、ルー」
「俺も大好きだ。好きすぎておかしくなるくらい、王子を愛しているよ」
そう言うと二人、きつく抱きしめ合いながら、それから笑って口づけた。
どんなことがあろうと、二人一緒なら、何があったとしても乗り越えていける。
怖いことがあっても、不安なことがあっても、大丈夫。
すぐそばに、彼がいるから。
手を伸ばせばいつも、そこには彼がいるから。
だから大丈夫だよ。
こうして、旅を続けたアルバート王子とルーシェは再び大陸アレドリア王国へ足を踏み入れた。
大陸一の大図書館と有数の頭脳を持つ学者と魔術師達を抱える学術都市。その魔術師と学者らの見識をもって、“消失”の現象から全てを取り戻すために。
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