95 / 711
第六章 黒竜、王都へ行く
第一話 たくさんの贈り物
しおりを挟む
その後、竜騎兵団の拠点へ戻ったアルバート王子ら一行。
竜騎兵団の拠点へ帰還した翌日から通常任務に就き始め、忙しい日々の中で次第に転生前の友人トモチカに会ったことも紫竜の心の隅に追いやられていく。
(同じように異世界へやって来た奴に会いたいという気持ちはすごくあった)
今、紫竜は成竜の姿に変わり、背に軍衣姿のアルバート王子を乗せて、当番の仲間達と共に、いつもの国境沿いの巡回へ出ている。広大な森林を眼下に見下ろしながら、雲の間を飛んで行く。
(昔の仲間に会ったとしても、今の自分の生活が変わることはない)
昔の仲間に、すごく会いたいと思っていたけど、それだけだ。
今さら、元の世界へ戻るなんてことは出来ない。そのことはもう、まったく考えられない。
(俺は相変わらず王子の竜だし、この竜騎兵団で生活を続ける)
そう思えるのは、今がとても幸せだからだろう。
もし現状が不幸で、過去の、元の世界の生活の方が遥かに幸せだったら、いつまでも心の中で、元の世界へ帰りたいと望むだろう。
(幸せに思えているのは、やっぱり王子のお陰なんだろうな……)
どんな時でも王子が自分のそばに居てくれた。生まれた時から自分を愛してくれた。
だから、寂しいという気持ちを覚えても、最後に帰るところは、いつも王子の居るところだった。
自分がもう、どうしようもないくらい、王子のことが好きなことが分かる。
(あああ、やっぱ王子が好き。大好きだ)
ふいにそう思って、自分の中の想いを再認識して照れた紫竜が大人しく黙り込んだままの様子に、アルバート王子は彼の首を優しく叩いた。
「どうした、ルー」
心話で、王子が好きだと伝えると、王子もまた嬉しそうに笑い声を上げて囁くように言った。
「私も好きだぞ、ルー」
嬉しさのあまり、背中に王子を乗せたまま、空中で爆走したルーシェは、後ほど王子からこっぴどく叱ったのだった。
見回り任務から竜騎兵団の拠点へ戻り、寮の部屋へ向かおうとしたところで、バンナムが寮の一階のホールで二人を待ち構えるように立っていた。彼はこう言った。
「殿下と紫竜のお二方宛に、たくさんの荷物が届いています」
今は猫のように小さな竜の姿に変わった紫竜とアルバート王子は顔を見合わせる。
「荷物とはなんだ。誰から届いたのだ」
その問いかけに、バンナムは王子に手紙を差し出した。
「部屋に届いた荷物に関しては、私が一度全て開封して確認させて頂きました。届いた荷物は全て、カルフィー魔道具店の最新式の生活用魔道具です」
「ピルピルピルルルルルルルルルルル!!!!(なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)」
紫竜は飛び上がって鬨の声のような、喜びの声を上げる。
そして「ピルピル!! ピルピル!!(見に行こう!! 見に行こう!!)」と王子を催促する。
だが、部屋へ行こうとしたルーシェと王子は、廊下にもその荷物が溢れていることに唖然としていた。
「これでも、人が通れるように道を作ったのですよ」
そうバンナムが言う。
実際、荷物は壁際に寄せられ、廊下は人が通れるようになっている。
自分達がいない間、一生懸命に届いた荷物の整理をしているバンナムの姿が、アルバート王子とルーシェの脳裏に浮かんだ。(ありがとう、バンナム卿)と、二人して同時に心の中で呟く。
部屋の中にもみっちりとその生活用魔道具の入っている木箱があった。
アルバート王子が手紙を開ける。手紙も山のような荷物の送り主もトモチカだった。
『アルバート王子殿下並びに紫色のちっこい竜へ』
と、手紙の宛先がなっていることに、紫竜は頭に来てビシビシと床を尻尾で叩いていた。
「ピルピル!! ピルルルピルピルル!!!!(なんだよ!! ちっこい竜って何なんだよ!!!!)」
「トモチカ殿の前では、お前は小さな竜の姿しか見せていないから、そう呼ばれても仕方がないだろう」
そう王子は宥めるように言うが、ルーシェは不満で両の頬っぺをぷっくりと膨らませていた。
その様子を見て、バンナムが吹き出しそうになって顔を背けている(彼は少し耐えかねて震えていた)。
手紙には、貴族特有の、長ったらしい時候の挨拶の後、文章がこう続く。
『先日、お詫びのお品をご丁寧に有難うございました。お品は大切に使わせて頂いています。本当に手触りがよく、大変気に入っております。
殿下やちっこい竜が、当社の生活用魔道具にとても興味を抱いていると聞きました』
あくまで文章中ではルーシェのことを“ちっこい竜”と小馬鹿にしているスタイルを貫いていた。
なんとなく、このトモチカという男の性格が分かり始めたアルバート王子である。
彼は、ルーシェが怒ることを見越してこうした文章を面白がって書いているのだろう。
『そのため、当社の最新式生活用魔道具一式を送らせて頂きます。色は、ちっこい竜が好きそうな色を選びました』
あちらの世界では、親友だったというトモチカという男は、ルーシェの好みの色もよく知っていたのだろう。見ればその生活用魔道具は綺麗な青色のものが多く見えた。
『お送りする生活用魔道具の色をちっこい竜の肌の色(紫色)に合わせるか迷いましたが、紫だと部屋がまるでホストのもののように見えるだろうと思い、止めました』
「ピルピルルルルル!!!!(一言余計なんだよ、お前は!!!!)」
そう怒っている子竜の前で、王子はなおもトモチカの手紙を読み上げていく(王子はホストという言葉が分からなかったが、おそらくいいものではないのだろうと判断していた)。
『料理がお好きでしたよね。だから、料理用の魔道具をたくさん作りました。会えた時には渡したいとずっと思っていました。
それをやっと贈ることができて、とても嬉しく思っています』
その後には文章はない。
ただ、トモチカという名のサインだけが書かれている。
ルーシェはその言葉を聞いてポタリポタリと黒い瞳から涙を零して、そして思わず王子の胸に飛び込んで顔を押し付けていた。
声を押し殺して泣いている。
(あいつは、一体、何年、俺のことを探してくれていたんだろう)
トモチカは、前世のルーシェが、料理好きだということをよく知っていた。
知っていたから、彼は自分の為に、料理用の魔道具も作っていたというのだ。
十年? いや、もっと長い間、俺を探していた?
顔を見たら、すぐにあいつだってことは分かった。
でも、おじさん(お兄さん?)になっていた。
もう高校生ではない。
足だってひきずっていて、あんな怪我を一体、いつ負ってしまったんだろう。
(あいつは幸せなんだろうか。この異世界に来て、幸せに暮らしているんだろうか)
できれば幸せであって欲しい。
小さな竜はそう願い、王子に優しく撫でられながら、彼の胸でポタポタと涙を零していたのだった。
竜騎兵団の拠点へ帰還した翌日から通常任務に就き始め、忙しい日々の中で次第に転生前の友人トモチカに会ったことも紫竜の心の隅に追いやられていく。
(同じように異世界へやって来た奴に会いたいという気持ちはすごくあった)
今、紫竜は成竜の姿に変わり、背に軍衣姿のアルバート王子を乗せて、当番の仲間達と共に、いつもの国境沿いの巡回へ出ている。広大な森林を眼下に見下ろしながら、雲の間を飛んで行く。
(昔の仲間に会ったとしても、今の自分の生活が変わることはない)
昔の仲間に、すごく会いたいと思っていたけど、それだけだ。
今さら、元の世界へ戻るなんてことは出来ない。そのことはもう、まったく考えられない。
(俺は相変わらず王子の竜だし、この竜騎兵団で生活を続ける)
そう思えるのは、今がとても幸せだからだろう。
もし現状が不幸で、過去の、元の世界の生活の方が遥かに幸せだったら、いつまでも心の中で、元の世界へ帰りたいと望むだろう。
(幸せに思えているのは、やっぱり王子のお陰なんだろうな……)
どんな時でも王子が自分のそばに居てくれた。生まれた時から自分を愛してくれた。
だから、寂しいという気持ちを覚えても、最後に帰るところは、いつも王子の居るところだった。
自分がもう、どうしようもないくらい、王子のことが好きなことが分かる。
(あああ、やっぱ王子が好き。大好きだ)
ふいにそう思って、自分の中の想いを再認識して照れた紫竜が大人しく黙り込んだままの様子に、アルバート王子は彼の首を優しく叩いた。
「どうした、ルー」
心話で、王子が好きだと伝えると、王子もまた嬉しそうに笑い声を上げて囁くように言った。
「私も好きだぞ、ルー」
嬉しさのあまり、背中に王子を乗せたまま、空中で爆走したルーシェは、後ほど王子からこっぴどく叱ったのだった。
見回り任務から竜騎兵団の拠点へ戻り、寮の部屋へ向かおうとしたところで、バンナムが寮の一階のホールで二人を待ち構えるように立っていた。彼はこう言った。
「殿下と紫竜のお二方宛に、たくさんの荷物が届いています」
今は猫のように小さな竜の姿に変わった紫竜とアルバート王子は顔を見合わせる。
「荷物とはなんだ。誰から届いたのだ」
その問いかけに、バンナムは王子に手紙を差し出した。
「部屋に届いた荷物に関しては、私が一度全て開封して確認させて頂きました。届いた荷物は全て、カルフィー魔道具店の最新式の生活用魔道具です」
「ピルピルピルルルルルルルルルルル!!!!(なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)」
紫竜は飛び上がって鬨の声のような、喜びの声を上げる。
そして「ピルピル!! ピルピル!!(見に行こう!! 見に行こう!!)」と王子を催促する。
だが、部屋へ行こうとしたルーシェと王子は、廊下にもその荷物が溢れていることに唖然としていた。
「これでも、人が通れるように道を作ったのですよ」
そうバンナムが言う。
実際、荷物は壁際に寄せられ、廊下は人が通れるようになっている。
自分達がいない間、一生懸命に届いた荷物の整理をしているバンナムの姿が、アルバート王子とルーシェの脳裏に浮かんだ。(ありがとう、バンナム卿)と、二人して同時に心の中で呟く。
部屋の中にもみっちりとその生活用魔道具の入っている木箱があった。
アルバート王子が手紙を開ける。手紙も山のような荷物の送り主もトモチカだった。
『アルバート王子殿下並びに紫色のちっこい竜へ』
と、手紙の宛先がなっていることに、紫竜は頭に来てビシビシと床を尻尾で叩いていた。
「ピルピル!! ピルルルピルピルル!!!!(なんだよ!! ちっこい竜って何なんだよ!!!!)」
「トモチカ殿の前では、お前は小さな竜の姿しか見せていないから、そう呼ばれても仕方がないだろう」
そう王子は宥めるように言うが、ルーシェは不満で両の頬っぺをぷっくりと膨らませていた。
その様子を見て、バンナムが吹き出しそうになって顔を背けている(彼は少し耐えかねて震えていた)。
手紙には、貴族特有の、長ったらしい時候の挨拶の後、文章がこう続く。
『先日、お詫びのお品をご丁寧に有難うございました。お品は大切に使わせて頂いています。本当に手触りがよく、大変気に入っております。
殿下やちっこい竜が、当社の生活用魔道具にとても興味を抱いていると聞きました』
あくまで文章中ではルーシェのことを“ちっこい竜”と小馬鹿にしているスタイルを貫いていた。
なんとなく、このトモチカという男の性格が分かり始めたアルバート王子である。
彼は、ルーシェが怒ることを見越してこうした文章を面白がって書いているのだろう。
『そのため、当社の最新式生活用魔道具一式を送らせて頂きます。色は、ちっこい竜が好きそうな色を選びました』
あちらの世界では、親友だったというトモチカという男は、ルーシェの好みの色もよく知っていたのだろう。見ればその生活用魔道具は綺麗な青色のものが多く見えた。
『お送りする生活用魔道具の色をちっこい竜の肌の色(紫色)に合わせるか迷いましたが、紫だと部屋がまるでホストのもののように見えるだろうと思い、止めました』
「ピルピルルルルル!!!!(一言余計なんだよ、お前は!!!!)」
そう怒っている子竜の前で、王子はなおもトモチカの手紙を読み上げていく(王子はホストという言葉が分からなかったが、おそらくいいものではないのだろうと判断していた)。
『料理がお好きでしたよね。だから、料理用の魔道具をたくさん作りました。会えた時には渡したいとずっと思っていました。
それをやっと贈ることができて、とても嬉しく思っています』
その後には文章はない。
ただ、トモチカという名のサインだけが書かれている。
ルーシェはその言葉を聞いてポタリポタリと黒い瞳から涙を零して、そして思わず王子の胸に飛び込んで顔を押し付けていた。
声を押し殺して泣いている。
(あいつは、一体、何年、俺のことを探してくれていたんだろう)
トモチカは、前世のルーシェが、料理好きだということをよく知っていた。
知っていたから、彼は自分の為に、料理用の魔道具も作っていたというのだ。
十年? いや、もっと長い間、俺を探していた?
顔を見たら、すぐにあいつだってことは分かった。
でも、おじさん(お兄さん?)になっていた。
もう高校生ではない。
足だってひきずっていて、あんな怪我を一体、いつ負ってしまったんだろう。
(あいつは幸せなんだろうか。この異世界に来て、幸せに暮らしているんだろうか)
できれば幸せであって欲しい。
小さな竜はそう願い、王子に優しく撫でられながら、彼の胸でポタポタと涙を零していたのだった。
89
お気に入りに追加
3,611
あなたにおすすめの小説
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが
咲
BL
俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。
ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。
「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」
モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?
重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。
※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。
※第三者×兄(弟)描写があります。
※ヤンデレの闇属性でビッチです。
※兄の方が優位です。
※男性向けの表現を含みます。
※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。
お気に入り登録、感想などはお気軽にしていただけると嬉しいです!
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
【R18BL】世界最弱の俺、なぜか神様に溺愛されているんだが
ちゃっぷす
BL
経験値が普通の人の千分の一しか得られない不憫なスキルを十歳のときに解放してしまった少年、エイベル。
努力するもレベルが上がらず、気付けば世界最弱の十八歳になってしまった。
そんな折、万能神ヴラスがエイベルの前に姿を現した。
神はある条件の元、エイベルに救いの手を差し伸べるという。しかしその条件とは――!?
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる