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第一章 俺の大好きな聖女ちゃんが腐女子で、現世まで追いかけてきた竜騎士とくっつけようと画策しているらしい
第27話 学校が終わったら、取りに行くよ
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今日もあくびをしながら起きて、朝食の席につく。
「おはよー」
「おはようお兄ちゃん」
中学三年生の妹、由貴はすでに制服を着て食事をとっている。
来年は俺と同じ高校に通う予定だ。
「はい、バター」
由貴がバターをとってくれる。
「ありがとう」
眠い目をこすりながら、バターをパンに塗る。
母さんが、ベーコンと目玉焼きがのった皿を差し出して来た。
「早く食べなさいよ。もう時間ないんじゃないの?」
「へーい」
バターを塗ったパンをかじっているその時、俺はテレビのニュース番組を見て、ぽとりとパンを落とした。
そこには、千葉県にある某テーマパークの、きらびやかなお城の前に突き刺さった剣の映像があったからだ。
剣は握り手の柄の部分だけ上に飛び出し、刀身自体はズッポリと地面の中に埋まっている。
アナウンサーが、悪戯でテーマパークの地面に誰かが剣を埋め込んだようだと報じていた。
それを取るために、今日のお城関係のアトラクションは全面停止し、工事を行うという話になっている。
当然、俺のスマホの着信音が鳴り、俺はかよわき乙女のようにビクッと身体を震わせてしまった。
「お兄ちゃん、スマホ鳴ってるよ」
「あ……ああ」
スマホに出ると、案の定、それは、金切り声をあげている聖女ちゃんこと林原麗子ちゃんの声だった。
「ちょっとちょっとちょっとー、光君、アレ、あなたの聖剣じゃないの!? そうでしょ!! なんであんなところに刺さってるのよ」
「……知らねーよ」
いや、本当、マジでわけわかんねぇ。
収納庫にないから、聖剣は異世界へ置いてきたはずだと思っていた。
なのに、なんで某テーマパークの某白亜の城の前にあんな、ちんまりと刺さってるわけ?
ちょっとおかしいよね。
「取りに行かなくちゃダメよ。聖剣よ、聖剣!!」
「いや、あんなテレビに映ってちゃ、無理じゃね。衆人環視の前であの剣を抜けというのか!? 無理だろ」
「異世界ではあなた、抜いてたじゃないの!!」
「そりゃ異世界は、みんな俺が抜くのを認めて、待っていたくらいじゃないか」
異世界で召喚された後、あれよあれよという間に聖剣の刺さっている大岩のところへ連れてこられて、これを抜けと言われたんだ。
だからまぁ、サクッと抜いたんだけどさ。
周囲の人たちはみんな拍手喝采だったな。
伝説の聖剣を抜くことができたから、俺は異世界で正式に勇者として認められたのだった。
「でも、じゃあどうするのよ……」
「放置でいいと思う」
「…………エ?」
「だって、今、聖剣なくても困らないじゃん」
俺は口から落ちたトーストをもう一度持って、かじった。
「今ある剣で戦えるし、聖剣いらないかなー。ああ、でもちょっと便利なこともあったか。アレ、なんでも切れるんだよな。スパスパ切れるのは本当に気分よくて、調理するときも最高の道具だと思ってたし、あと……」
その時、俺は思い出した。
「あれ、魔獣感知ができたんだった」
「…………ソレよ」
そう、ゴブリンの発生が隠されている中、聖剣は必要かも知れない。
麗子ちゃんは言った。
「神様もよくお考えで。必要な時に必要なもの差し出して下さる」
「…………最初から収納庫に入れておいてくれればいいのに」
「…………確かにそうだけど。これもまぁ、イベント的な……」
「おい、イベントとか言うなよ!!」
俺は髪を掻きあげて言った。
「……学校が終わったら、取りに行くよ」
「学校が終わってからで間に合うの? 工事で別の人に抜かれちゃうんじゃ」
「絶対に抜けない。異世界でもそうだったろう? あの辺り一帯の地面を一緒にはがすのなら別だけど、魔法の力で抜けないから」
「……そうだったわね」
「だから放課後だ」
俺はそう言ってスマホを切った。
妹の由貴が不思議そうな顔で俺を見ている。
「ゲームの話? 異世界とかって」
「そうそう、ゲームの話」
やべっ、普通に由貴とかの前で話してた。
俺はごまかすように笑った。
由貴はちょっと気になるようだったが、先に学校へ行くため席をたった。
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
「おはよー」
「おはようお兄ちゃん」
中学三年生の妹、由貴はすでに制服を着て食事をとっている。
来年は俺と同じ高校に通う予定だ。
「はい、バター」
由貴がバターをとってくれる。
「ありがとう」
眠い目をこすりながら、バターをパンに塗る。
母さんが、ベーコンと目玉焼きがのった皿を差し出して来た。
「早く食べなさいよ。もう時間ないんじゃないの?」
「へーい」
バターを塗ったパンをかじっているその時、俺はテレビのニュース番組を見て、ぽとりとパンを落とした。
そこには、千葉県にある某テーマパークの、きらびやかなお城の前に突き刺さった剣の映像があったからだ。
剣は握り手の柄の部分だけ上に飛び出し、刀身自体はズッポリと地面の中に埋まっている。
アナウンサーが、悪戯でテーマパークの地面に誰かが剣を埋め込んだようだと報じていた。
それを取るために、今日のお城関係のアトラクションは全面停止し、工事を行うという話になっている。
当然、俺のスマホの着信音が鳴り、俺はかよわき乙女のようにビクッと身体を震わせてしまった。
「お兄ちゃん、スマホ鳴ってるよ」
「あ……ああ」
スマホに出ると、案の定、それは、金切り声をあげている聖女ちゃんこと林原麗子ちゃんの声だった。
「ちょっとちょっとちょっとー、光君、アレ、あなたの聖剣じゃないの!? そうでしょ!! なんであんなところに刺さってるのよ」
「……知らねーよ」
いや、本当、マジでわけわかんねぇ。
収納庫にないから、聖剣は異世界へ置いてきたはずだと思っていた。
なのに、なんで某テーマパークの某白亜の城の前にあんな、ちんまりと刺さってるわけ?
ちょっとおかしいよね。
「取りに行かなくちゃダメよ。聖剣よ、聖剣!!」
「いや、あんなテレビに映ってちゃ、無理じゃね。衆人環視の前であの剣を抜けというのか!? 無理だろ」
「異世界ではあなた、抜いてたじゃないの!!」
「そりゃ異世界は、みんな俺が抜くのを認めて、待っていたくらいじゃないか」
異世界で召喚された後、あれよあれよという間に聖剣の刺さっている大岩のところへ連れてこられて、これを抜けと言われたんだ。
だからまぁ、サクッと抜いたんだけどさ。
周囲の人たちはみんな拍手喝采だったな。
伝説の聖剣を抜くことができたから、俺は異世界で正式に勇者として認められたのだった。
「でも、じゃあどうするのよ……」
「放置でいいと思う」
「…………エ?」
「だって、今、聖剣なくても困らないじゃん」
俺は口から落ちたトーストをもう一度持って、かじった。
「今ある剣で戦えるし、聖剣いらないかなー。ああ、でもちょっと便利なこともあったか。アレ、なんでも切れるんだよな。スパスパ切れるのは本当に気分よくて、調理するときも最高の道具だと思ってたし、あと……」
その時、俺は思い出した。
「あれ、魔獣感知ができたんだった」
「…………ソレよ」
そう、ゴブリンの発生が隠されている中、聖剣は必要かも知れない。
麗子ちゃんは言った。
「神様もよくお考えで。必要な時に必要なもの差し出して下さる」
「…………最初から収納庫に入れておいてくれればいいのに」
「…………確かにそうだけど。これもまぁ、イベント的な……」
「おい、イベントとか言うなよ!!」
俺は髪を掻きあげて言った。
「……学校が終わったら、取りに行くよ」
「学校が終わってからで間に合うの? 工事で別の人に抜かれちゃうんじゃ」
「絶対に抜けない。異世界でもそうだったろう? あの辺り一帯の地面を一緒にはがすのなら別だけど、魔法の力で抜けないから」
「……そうだったわね」
「だから放課後だ」
俺はそう言ってスマホを切った。
妹の由貴が不思議そうな顔で俺を見ている。
「ゲームの話? 異世界とかって」
「そうそう、ゲームの話」
やべっ、普通に由貴とかの前で話してた。
俺はごまかすように笑った。
由貴はちょっと気になるようだったが、先に学校へ行くため席をたった。
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
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