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第一章 俺の大好きな聖女ちゃんが腐女子で、現世まで追いかけてきた竜騎士とくっつけようと画策しているらしい
第22話 気づくのが遅ーい!!!!
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ゴブリンキングを倒した後、俺達は麗子ちゃんの家へ戻り、すぐに眠りについた。
麗子ちゃんの家に帰った時は、深夜二時を回っていた。
俺はゼノンの部屋に泊めてもらい、朝も早い時間……五時くらいには自宅へ帰った。
それから学校の支度をして、朝食を食べて家を出る。
母さんはちょっと怒っていたけど、朝こうして戻って来たので許してもらえた。
学校へ続く道を歩いている時に、ゼノンと麗子ちゃんが挨拶してきた。
「おはよー、光君」
「おはよう、ヒカル」
「おはようさん」
俺はあくびをしながら答える。
「眠そうね……」
「だって三時間しか寝てないんだぞ」
「……悪かったわね、いろいろ」
「まぁ、いいよ」
俺はゼノンの背中にもたれかかった。
「もう、学校まで連れていってくれよ」
「ああ、いいとも!!」
俺を背中に背負えて嬉しそうな顔をするゼノン。
ああ、こいつホモだったけど、まぁ眠いからいいや。
「いい画像が撮れそうね。ちょっと待ってなさい」
ガサガサと麗子ちゃんがスマホを鞄から取り出そうとしている。
そこに、クラスメイトで親友の田辺啓介が現れた。
「お前ら朝から騒がしいなぁ」
「おはよう、田辺君」
麗子がにっこりと笑って挨拶をすると、美少女に挨拶された啓介も嬉しそうな顔で挨拶した。
「おはよう、麗子さん、ゼノン君。で、光は眠いのか?」
「寝不足でかわいそうだから、ゼノン君が背負っているの」
「重くないのか?」
ゼノンはぐったりともたれかかっている高校一年生の俺と、その鞄の荷物まで持っているのだ。
だが、奴は平然と答えていた。
「ぜんぜん」
異世界の竜騎士たるゼノンは怪力で、俺の一人や二人、軽々と持てるだろう。
それがわかっているから、もたれかかっているんだ。
「……そうか、凄いな」
啓介は少し呆れたような顔でそう言った。
ゼノンは俺を教室の俺の机のところまで運んでくれて、椅子に座らせるところまでやってくれた。
こいつ、優しいな……。
鞄もちゃんと机の上にのせている。
「じゃあね」
寝ている俺の頭に軽く触れて、自分の席に戻る。
傍らの麗子ちゃんが目をキラキラとさせていた。
「あああ、ゼノン君って優しい!! ちょっと惚れる? ねぇ、光君、惚れてもいいのよ、ゼノン君に!!」
「惚れねぇよ……という麗子ちゃん、前々から言いたかったんだけど、ちょっとおかしいよね、君」
俺は机に肘をついて、ジロリと林原麗子ちゃんの綺麗な顔を見上げた。
黒髪に黒い瞳、それに真っ白な肌の麗子ちゃんは人形みたいにかわいかった。
「前から思ってたんだけど、君……俺とゼノンをくっつけようとしていないか?」
「気づくのが遅ーい!!!!」
麗子ちゃんは英語のノートを丸めて、スパコーンと俺の頭を叩いた。
「いてっ……いてぇよ!! なにすんだ」
「気づくのが遅い、遅すぎだよ!! 私はずーと前から、あなた達二人を応援しているのよ」
「応援?」
そう言うと、麗子ちゃんはくねくねと身体を揺らしてきた。
少し気持ち悪い。顔もにやにやと締まりがない。
「えー、言わせないで。もう、わかっているでしょ」
「わかるかよ……」
「ゼノン君と光君がくっつくのを応援しているの!!」
「は?」
俺はぎょっとして麗子ちゃんの顔を凝視した。
何言ってんだ、こいつ。
「だから、異世界からゼノン君も連れてきたのよ」
「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
今、明かされる衝撃の真実だった。
麗子ちゃんの家に帰った時は、深夜二時を回っていた。
俺はゼノンの部屋に泊めてもらい、朝も早い時間……五時くらいには自宅へ帰った。
それから学校の支度をして、朝食を食べて家を出る。
母さんはちょっと怒っていたけど、朝こうして戻って来たので許してもらえた。
学校へ続く道を歩いている時に、ゼノンと麗子ちゃんが挨拶してきた。
「おはよー、光君」
「おはよう、ヒカル」
「おはようさん」
俺はあくびをしながら答える。
「眠そうね……」
「だって三時間しか寝てないんだぞ」
「……悪かったわね、いろいろ」
「まぁ、いいよ」
俺はゼノンの背中にもたれかかった。
「もう、学校まで連れていってくれよ」
「ああ、いいとも!!」
俺を背中に背負えて嬉しそうな顔をするゼノン。
ああ、こいつホモだったけど、まぁ眠いからいいや。
「いい画像が撮れそうね。ちょっと待ってなさい」
ガサガサと麗子ちゃんがスマホを鞄から取り出そうとしている。
そこに、クラスメイトで親友の田辺啓介が現れた。
「お前ら朝から騒がしいなぁ」
「おはよう、田辺君」
麗子がにっこりと笑って挨拶をすると、美少女に挨拶された啓介も嬉しそうな顔で挨拶した。
「おはよう、麗子さん、ゼノン君。で、光は眠いのか?」
「寝不足でかわいそうだから、ゼノン君が背負っているの」
「重くないのか?」
ゼノンはぐったりともたれかかっている高校一年生の俺と、その鞄の荷物まで持っているのだ。
だが、奴は平然と答えていた。
「ぜんぜん」
異世界の竜騎士たるゼノンは怪力で、俺の一人や二人、軽々と持てるだろう。
それがわかっているから、もたれかかっているんだ。
「……そうか、凄いな」
啓介は少し呆れたような顔でそう言った。
ゼノンは俺を教室の俺の机のところまで運んでくれて、椅子に座らせるところまでやってくれた。
こいつ、優しいな……。
鞄もちゃんと机の上にのせている。
「じゃあね」
寝ている俺の頭に軽く触れて、自分の席に戻る。
傍らの麗子ちゃんが目をキラキラとさせていた。
「あああ、ゼノン君って優しい!! ちょっと惚れる? ねぇ、光君、惚れてもいいのよ、ゼノン君に!!」
「惚れねぇよ……という麗子ちゃん、前々から言いたかったんだけど、ちょっとおかしいよね、君」
俺は机に肘をついて、ジロリと林原麗子ちゃんの綺麗な顔を見上げた。
黒髪に黒い瞳、それに真っ白な肌の麗子ちゃんは人形みたいにかわいかった。
「前から思ってたんだけど、君……俺とゼノンをくっつけようとしていないか?」
「気づくのが遅ーい!!!!」
麗子ちゃんは英語のノートを丸めて、スパコーンと俺の頭を叩いた。
「いてっ……いてぇよ!! なにすんだ」
「気づくのが遅い、遅すぎだよ!! 私はずーと前から、あなた達二人を応援しているのよ」
「応援?」
そう言うと、麗子ちゃんはくねくねと身体を揺らしてきた。
少し気持ち悪い。顔もにやにやと締まりがない。
「えー、言わせないで。もう、わかっているでしょ」
「わかるかよ……」
「ゼノン君と光君がくっつくのを応援しているの!!」
「は?」
俺はぎょっとして麗子ちゃんの顔を凝視した。
何言ってんだ、こいつ。
「だから、異世界からゼノン君も連れてきたのよ」
「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
今、明かされる衝撃の真実だった。
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