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第一章 俺の大好きな聖女ちゃんが腐女子で、現世まで追いかけてきた竜騎士とくっつけようと画策しているらしい
第9話 何か嫌な気配を感じる
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夕方になって、街は帰路につく会社員や、学生たちで混んでいた。道には飲み屋さんの呼び込みの人も出ていて、行きかう人達がたくさんいる。
そうした人々の間に、やけに警察官の姿が多い。皆、刺又を手にしていることが物々しかった。
「ゴブリンには、刺又がいいとわかってるんだな」
「確かに、有効な武器だと思うよ。噛みつかれたり引っかかれたりしたら、未知の病気になる可能性が高い。ああした武器で取り押さえるのがいいだろうし、拳銃で殺すのもいいと思うけど、銃は日本だと使用すると色々とあるからね」
「俺なら銃で威嚇射撃なしに一発バンだな」
「ヒカルは躊躇なく殺りそうだね」
「躊躇してたら、こっちが殺られるからな」
「こっちはいろいろとあるみたいだね。捕まえたゴブリンだって殺さずに保護しているという話だし」
「未知の生命体って奴なんだろう。研究対象になっちまう」
ゼノンが前を歩き、聖女ちゃんは彼の服の裾を持って歩いている。そして聖女ちゃんの後ろは俺が歩く陣形だった。
前から来る敵はゼノンが倒し、俺は後ろを任せろって感じなんだけど、俺が前を歩かない理由は、ゼノンが「君は猪突猛進で何も考えずに突っ込んでいくから」と言っていたのがムカついた。
駅からしばらく歩いた後、聖女ちゃんがふいに足を止めて言った。
「何か嫌な気配を感じる。こっちよ」
聖女ちゃんが率先して走り出したので、俺達は慌てて後を追った。
ビルの間の細い小路を抜けると、ゴミがたくさん落ちて山のように集まっている場所があった。
ゴミの一部が盛り上がって、なんとその間から生まれたてのゴブリンが頭をのぞかせていた。
「せや!!」
俺は問答無用で容赦なく、収納庫から取り出した剣でそいつの首を刎ねた。ゴロゴロゴロとゴブリンの頭が転がって、緑色の体液が飛び散る。
「本当に容赦がないのね」
聖女ちゃんは冷静に言う。普通のかわいい女の子キャラなら「キャッ、気持ち悪い」とか言って、男にすがりつくところだけど、聖女ちゃんはこういう血生臭い場所には慣れていた。
だって一緒に魔王討伐の旅に出ていたからだ。頭が飛ぼうと足が飛ぼうと腹が裂けようと、彼女は冷静な医師のような視線でそれを眺めることができた。
それからツカツカとゴミの山の方に行くと、いつの間にか収納庫から取り出した杖でそこをつっついていた。
「下に穴が空いていて、ここが沸き場所みたいね。嫌な気配を強く感じるわ。私が今から、浄化するわね」
そう言って祈り始める。
聖女ちゃんが凄いことは、聖魔法が使えることだ。
こういう汚染された大地を清めることができる。
聖女ちゃんのかざした手から、温かな光が溢れてきて、その湧き場所を照らした。
しばらくして、聖女ちゃんは疲れたようにため息をついた。
「終わったわ」
「お疲れ様ー」
「お疲れー」
俺とゼノンはバイトの仕事が終わったかのように、聖女に声をかける。彼女は肩をすくめ、笑って言った。
「みんなもお疲れ様。ご飯食べに行きましょう」
そしていつものように、ファミレスに行くのだった。
もちろん俺は、いつものようにコーラとミートソーススパゲティを注文した。
そうした人々の間に、やけに警察官の姿が多い。皆、刺又を手にしていることが物々しかった。
「ゴブリンには、刺又がいいとわかってるんだな」
「確かに、有効な武器だと思うよ。噛みつかれたり引っかかれたりしたら、未知の病気になる可能性が高い。ああした武器で取り押さえるのがいいだろうし、拳銃で殺すのもいいと思うけど、銃は日本だと使用すると色々とあるからね」
「俺なら銃で威嚇射撃なしに一発バンだな」
「ヒカルは躊躇なく殺りそうだね」
「躊躇してたら、こっちが殺られるからな」
「こっちはいろいろとあるみたいだね。捕まえたゴブリンだって殺さずに保護しているという話だし」
「未知の生命体って奴なんだろう。研究対象になっちまう」
ゼノンが前を歩き、聖女ちゃんは彼の服の裾を持って歩いている。そして聖女ちゃんの後ろは俺が歩く陣形だった。
前から来る敵はゼノンが倒し、俺は後ろを任せろって感じなんだけど、俺が前を歩かない理由は、ゼノンが「君は猪突猛進で何も考えずに突っ込んでいくから」と言っていたのがムカついた。
駅からしばらく歩いた後、聖女ちゃんがふいに足を止めて言った。
「何か嫌な気配を感じる。こっちよ」
聖女ちゃんが率先して走り出したので、俺達は慌てて後を追った。
ビルの間の細い小路を抜けると、ゴミがたくさん落ちて山のように集まっている場所があった。
ゴミの一部が盛り上がって、なんとその間から生まれたてのゴブリンが頭をのぞかせていた。
「せや!!」
俺は問答無用で容赦なく、収納庫から取り出した剣でそいつの首を刎ねた。ゴロゴロゴロとゴブリンの頭が転がって、緑色の体液が飛び散る。
「本当に容赦がないのね」
聖女ちゃんは冷静に言う。普通のかわいい女の子キャラなら「キャッ、気持ち悪い」とか言って、男にすがりつくところだけど、聖女ちゃんはこういう血生臭い場所には慣れていた。
だって一緒に魔王討伐の旅に出ていたからだ。頭が飛ぼうと足が飛ぼうと腹が裂けようと、彼女は冷静な医師のような視線でそれを眺めることができた。
それからツカツカとゴミの山の方に行くと、いつの間にか収納庫から取り出した杖でそこをつっついていた。
「下に穴が空いていて、ここが沸き場所みたいね。嫌な気配を強く感じるわ。私が今から、浄化するわね」
そう言って祈り始める。
聖女ちゃんが凄いことは、聖魔法が使えることだ。
こういう汚染された大地を清めることができる。
聖女ちゃんのかざした手から、温かな光が溢れてきて、その湧き場所を照らした。
しばらくして、聖女ちゃんは疲れたようにため息をついた。
「終わったわ」
「お疲れ様ー」
「お疲れー」
俺とゼノンはバイトの仕事が終わったかのように、聖女に声をかける。彼女は肩をすくめ、笑って言った。
「みんなもお疲れ様。ご飯食べに行きましょう」
そしていつものように、ファミレスに行くのだった。
もちろん俺は、いつものようにコーラとミートソーススパゲティを注文した。
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