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ずっと貴方を待っている
第二十四話 我に返る
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そして三日目の夜も、宿の部屋で寝台の上に横に置くなり、再び現れた“淫魔の王女”の本性である彼と、フィリップは愛し合っていた。
目の前にいる艶やかな黒髪に茶色の瞳の、誰よりも淫乱なバートは、自分の知るバートでありながらも違っていた。そう、自分の知るバートは、真面目でストイックで、そしてどこか可愛らしい。
でも、違っていても、“淫魔の王女”である彼もまた愛するバーナードの一部分だ。
そう思うと、彼からどんなに乱暴に激しく貪られようと、フィリップは一切抵抗する気にならなかった。
愛おしい。
欲しがるだけ、彼を存分に満たしてあげたい。
三日目ともなると、その“淫魔の王女”のバートもフィリップのことが気に入っているのか、バート自身も悦ぶ反応をたびたび見せては乱れに乱れた。甘く啼く声も大きく上げる。激しく抱き合いながらも、互いに貪るように愛し合う。ぴったりと重なり合う身体は、まるで最初から対になるよう出来た身体のようだった。
愛おしさの余り、耐えようとしても耐えられず、フィリップは金色の狼にその身がいつの間にか変わってしまっていた。しかし、“淫魔の王女”の本性たるバートは、いつものバーナードのように寝台からフィリップを蹴り落とすこともなく、それどころか彼はよつんばいになって腰を上げ、後ろから愛するようにねだった。
だから、初めてフィリップは、金色のふさふさとした毛並みの大きな狼の姿のまま、バートを抱いたのだった。その硬質な双丘の谷間に、人とは違う形をした男根を挿し入れていく。
「あああああああっ」
バートは寝台を揺らし、シーツを鷲掴み、後ろからのしかかってくる狼のその怒張を受け入れていく。深々と胎の奥深くまで穿たれると、たまらず甘く喘ぎ続け、涙を零していた。その涙を金色の狼は舐めとっていく。
(…………狼の姿のまま、抱いてしまった)
フィリップの中に、少しばかり罪悪感が横切る。
バーナード騎士団長は、どんなにせがまれても、フィリップが狼化した姿で愛し合うことを許さなかった。いつも容赦なく、狼化したフィリップを寝台の上から蹴り落としていた。どんなにかフィリップのことを愛していても、狼と身体を交えるなんて考えられないと言っていた。そして近衛騎士ジェラルドが、狼化したディーターとも身体を重ねていると知って、彼は驚いていたくらいだ。
(勝手に記憶のないバートを、眠り粉でおかしくなっているバートを、狼の姿で抱いたとバーナードが知ったら)
絶対に怒るだろう。
怒髪天を衝くほど、怒るかも知れない。
それどころか、そのおかしくなっているバートは、フィリップの男根を口に銜えて、悦んで精を飲み干したり、フィリップの上に跨って淫らに腰を揺らし男の精を貪ろうとした。そんな痴態を見せていた。そうした乱れ切った交歓のことを知られれば。
(……バーナードに殺されるかも知れない)
プライドの高い男である。その彼に、絶対に普段ならやらないことをさせてしまっている。
エドワード王太子が、勝手に妃扱いで王宮にバートを留めていたことと同じくらい、フィリップもまたバート(“淫魔の王女”本性)と好きにヤリまくっている。
(ああ、でも、仕方ないじゃないか。こんな風に誘われたら、彼を愛しているんだ、私だって男なんだから耐えられない)
そう自分で自分に言い訳するようなことを呟きながら、今もまたフィリップはバートの身体を抱いて溺れていったのだった。
そして四日目の朝、宿の隣の部屋のディーターは現れるなり、非常に怒った声で「いい加減にしろ!! フィリップ」とドンと扉を叩き、怒鳴ったのであった。
目の前にいる艶やかな黒髪に茶色の瞳の、誰よりも淫乱なバートは、自分の知るバートでありながらも違っていた。そう、自分の知るバートは、真面目でストイックで、そしてどこか可愛らしい。
でも、違っていても、“淫魔の王女”である彼もまた愛するバーナードの一部分だ。
そう思うと、彼からどんなに乱暴に激しく貪られようと、フィリップは一切抵抗する気にならなかった。
愛おしい。
欲しがるだけ、彼を存分に満たしてあげたい。
三日目ともなると、その“淫魔の王女”のバートもフィリップのことが気に入っているのか、バート自身も悦ぶ反応をたびたび見せては乱れに乱れた。甘く啼く声も大きく上げる。激しく抱き合いながらも、互いに貪るように愛し合う。ぴったりと重なり合う身体は、まるで最初から対になるよう出来た身体のようだった。
愛おしさの余り、耐えようとしても耐えられず、フィリップは金色の狼にその身がいつの間にか変わってしまっていた。しかし、“淫魔の王女”の本性たるバートは、いつものバーナードのように寝台からフィリップを蹴り落とすこともなく、それどころか彼はよつんばいになって腰を上げ、後ろから愛するようにねだった。
だから、初めてフィリップは、金色のふさふさとした毛並みの大きな狼の姿のまま、バートを抱いたのだった。その硬質な双丘の谷間に、人とは違う形をした男根を挿し入れていく。
「あああああああっ」
バートは寝台を揺らし、シーツを鷲掴み、後ろからのしかかってくる狼のその怒張を受け入れていく。深々と胎の奥深くまで穿たれると、たまらず甘く喘ぎ続け、涙を零していた。その涙を金色の狼は舐めとっていく。
(…………狼の姿のまま、抱いてしまった)
フィリップの中に、少しばかり罪悪感が横切る。
バーナード騎士団長は、どんなにせがまれても、フィリップが狼化した姿で愛し合うことを許さなかった。いつも容赦なく、狼化したフィリップを寝台の上から蹴り落としていた。どんなにかフィリップのことを愛していても、狼と身体を交えるなんて考えられないと言っていた。そして近衛騎士ジェラルドが、狼化したディーターとも身体を重ねていると知って、彼は驚いていたくらいだ。
(勝手に記憶のないバートを、眠り粉でおかしくなっているバートを、狼の姿で抱いたとバーナードが知ったら)
絶対に怒るだろう。
怒髪天を衝くほど、怒るかも知れない。
それどころか、そのおかしくなっているバートは、フィリップの男根を口に銜えて、悦んで精を飲み干したり、フィリップの上に跨って淫らに腰を揺らし男の精を貪ろうとした。そんな痴態を見せていた。そうした乱れ切った交歓のことを知られれば。
(……バーナードに殺されるかも知れない)
プライドの高い男である。その彼に、絶対に普段ならやらないことをさせてしまっている。
エドワード王太子が、勝手に妃扱いで王宮にバートを留めていたことと同じくらい、フィリップもまたバート(“淫魔の王女”本性)と好きにヤリまくっている。
(ああ、でも、仕方ないじゃないか。こんな風に誘われたら、彼を愛しているんだ、私だって男なんだから耐えられない)
そう自分で自分に言い訳するようなことを呟きながら、今もまたフィリップはバートの身体を抱いて溺れていったのだった。
そして四日目の朝、宿の隣の部屋のディーターは現れるなり、非常に怒った声で「いい加減にしろ!! フィリップ」とドンと扉を叩き、怒鳴ったのであった。
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