騎士団長が大変です

曙なつき

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第十五章 王立魔術学園の特別講師

第十九話 教授の一言

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「ウルディヌスと連絡がつかなくなった?」

 それを聞いたレブラン教授は、秀でた眉を一瞬上げただけだった。

「仕様がないな」

 そう短く言っただけで、終わった。
 彼の側に仕え、秘書のような仕事を務めているネリアは一礼をする。

 ネリアから彼に対して、これからの指示を求める言葉は掛けない。
 レブラン教授のその一言で、ウルディヌスが切り捨てられたことを感じたからだ。
 必要な者なら、レブラン自身が彼を探すように指示をする。そうしないということは、それだけのことなのだ。

 王国の王立魔術学園にいた少年のことを、ウルディヌスが嗅ぎまわり、そしてあまり頭の良くない彼のことだ、失敗してしまったのだろう。
 いつものような幸運も、逃げ足の速さも今回は役には立たなかったようだ。

 可哀想だけど、仕方がない。
 ネリアもウルディヌスのことをこれ以上、考えることはやめた。
 あの少年のことは、これから先、時間が出来た時にまた考える機会はあるだろう。

 だけど今は、その時ではないのだ。
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