194 / 568
【挿話】
主無き部屋
しおりを挟む
先日、王太子エドワードの寵愛の妃であるセーラは、国民待望の王太子エドワードの子を産んだ。元から非常に美しい女性であった彼女は、出産を機に更に美しさが磨かれた様子があった。
その腕には常に、小さな赤子の王子が抱かれ、女官達にかしづかれて生活をしている。
王太子エドワードも不自由がないかと、なにくれと妃の許へ顔を出しており、赤子を囲んでの美男美女の二人の様子に、周囲の人々も「ほぅ」と感嘆のため息をついていた。まさに幸せを絵にしたような夫妻であった。
エドワードの子は、シャルルと名付けられた。
金の髪に青い瞳の、大層かわいらしい赤ん坊で、祖父たる国王夫妻も日々、孫の健やかな成長に目を細めて眺めていた。
そんな幸せな生活を過ごすセーラは、ふと耳にしたのだ。
この王宮の奥の部屋が、新たに整えられているという話を。
セーラが暮らす棟とは別の、離れた棟ではある。
だいぶ奥まったその部屋の、壁紙が貼り変えられ、調度も入れ替えられ、まるで誰かを新たに迎え入れるかのように準備が進められている。
もしや、新しい妃を迎え入れる予定なのだろうかとセーラは考えた。
王国の王子たるエドワードには、後継者を増やすためにも当然、妃を複数迎え入れてもおかしくはなかった。だが、エドワードはその身に“最強王”の呪いを受けているために、誰でも彼を受け入れられるわけではない。巨根・絶倫の呪いを受けている彼の欲は、普通の人間が受け入れることは、物理的にも不可能であったのだ。
セーラが知る限り、エドワードの欲を受け入れることができたのは、サキュバスの加護を受けている自分と、ハーフサキュバスの、今は亡きリュンクス少年、そしてセーラ妃が来る前に寵愛を受けていた謎の少年の三名だけであった。
おそらく、その謎の少年も何らかの加護持ちであろうと考えていた。でなければ、殿下がそれほど熱心に寵愛することはなかっただろう。
部屋を整えているということは、誰かがその部屋に新たに入るということだ。
一体だれが入るのだろうと、セーラには好奇心があった。
セーラに仕えている忠実な侍女のラシェットは、どこかやきもきとしていた。
「王太子殿下もひどいです。セーラ様のご出産直後に、新たな妃を迎えようとされるなんて」
「そんな風に殿下のことを仰らないで。お迎えするのは出産前でもおかしくはなかったのよ」
そう、セーラが妊娠中、殿下の欲をどう発散させるかが大きな問題となっており(うまく発散できなければ、殿下は魔力を暴走させ、王宮が吹っ飛ぶ惨事となる)、その発散のためにハーフサキュバスのリュンクス少年がお側に付けられたのだ。だが、リュンクス少年は亡くなり、セーラ以外に彼のそばについている者はいない。
許されるのであれば、もう何人か、殿下には妃が必要であろうとセーラも考えていた。
しかし、美しく優しいセーラ妃は王宮内の女官や侍女達に慕われており、間違いなく彼女のライバルになるであろうその新参の妃に対して、皆、「一体だれが」と神経を尖らせている様子だった。当のセーラ妃はというと、おっとりと構えていた。
だが、いつまで経ってもその整えられた新しい部屋には、誰かが入る様子は見られない。
部屋だけが綺麗に準備され、いつ誰かがやって来てもすぐに迎えられるようになっているだけなのだ。
それにはラシェットをはじめとした、警戒心いっぱいだった侍女達も拍子抜けしていた。
奥向きのことを取り仕切っている侍従長に対して、「あの整えられた部屋は誰のためのものなのでしょうか?」と尋ねた勇気ある侍女がいた。
だが、侍従長は珍しくも口ごもり、ハッキリと誰のためのものであると答えることはなかった。
奇妙なことだと思いながらも、時間の経過とともに、その部屋のことは次第に忘れ去られていった。
そんなある日、侍女ラシェットがセーラ妃の耳元にコッソリと話したことがあった。
「私、あの奥のお部屋のことが気になって、あの後に入ってみたのです」
「まぁ、ラシェット……勝手に入ってはなりませんよ」
「そう言っても、未だに誰もあのお部屋には入っておりませんでした。ガランとしていて、まったく人の気配もありません」
「そう」
誰かがあの部屋の主となれば、すぐに王宮ではわかるはずであったし、妃であるセーラにも教えてくれる。
未だにそれがないということは、本当に誰も入っていない部屋なのだろう。
「ですが、あの部屋の衣装棚にはたっぷりとお洋服がありました。靴や帽子やコートまでひと揃え以上用意されていました」
「…………誰もあの部屋にはいないのに?」
「はい」
ラシェットは、衣装棚の扉を開けた時のことを思い出す。
そこには上品な質の良い服がぎっしりと仕舞われ、靴や帽子などまで箱に入ったままの新品の状態で仕舞われていたのだ。
定期的に手入れはなされているのだろう。埃をかぶっている様子もない。
「その洋服や靴、帽子はいずれも少年のサイズのものでした」
女性向きのものではないことはすぐにわかった。
紺色や黒、青や緑といった落ち着いた色合いの服が多かった。
「誰かのための部屋であることは確かです。そしてその誰かは少年です」
「そう。でも、そのお方はお部屋にはいらっしゃらないのでしょう?」
そのセーラの問いかけに、ラシェットは頷いた。
「だから奇妙なのです。お洋服などのお支度だけは完璧に整っているのに、ご本人がいらっしゃらないなんて、本当に奇妙なことでございます」
「……そう」
当の王太子エドワードは、セーラに対してその話を一切することはない。
そしてセーラも彼に対して尋ねることはなかった。
それは彼の心の内に、土足で踏み入るような行為にも思えたからだ。
出会った時から感じていたが、エドワード王太子の心の内には自分ではない誰かがずっと、長い間住み着いている。
殿下ほど素晴らしい御方なら、誰を求めても、その相手は喜んで応えてくれるはずだった。
でも、その誰かは、殿下の手を取ることない。
それは何故だろうかと、セーラは長い間考えていたが、答えが出ることはなかった。
「やっと全部の荷物を王宮に送り返せましたね」
フィリップは荷物が無くなり、広々とした居間にほっとする思いだった。
「ああ、殿下も本当に大量に送り付けて下さったので、正直困った」
西の副都に少年の姿で内偵に入ったバーナード騎士団長。
服など買わずとも良い、後ほど騎士団にそれを届けると王太子エドワードに言われ、届けられた服や靴などの多さに、バーナードは驚き呆れていた。
自身の屋敷に持って帰るわけにはいかなかったので、任務の為そのまま副都へと向かったバーナードは、フィリップに「適当に仕舞っておいてくれ」と頼んで、ほんの数枚の服だけを持って行ったのだった。
あとの大量の服や靴は、仕方ないのでフィリップは自身の屋敷へとせっせと持ち帰っていた。
そしてフィリップの屋敷の居間は、服などの荷物でいっぱいになった。
副都から帰還した後、バーナードはそれらをまた王宮へと戻すことを侍従長に話をつけ(殿下や侍従長は「戻さないでよい」と言ったが、強引に戻しますと彼は告げたようだ)、そして王宮からの馬車にその全部を詰め込んで送りつけたのだった。
正直、後は知らんという感じであった。
「あんなに服があっても、着るはずがなかろう」
「……団長のことが本当に好きなのでしょうね」
そのフィリップの言葉に、バーナードは首を振った。
「好きとかそういうことではなかろう」
「そうでしょうかね」
あれほど大量の、彼に似合うであろう服を用意した殿下の気持ちを考えると、フィリップの心はざわつく。
決して満たされないからこそ、その心を別のもので満たそうとする代償行為にしか思えなかった。
「二、三枚手許に残してはおかなかったんですか」
そのフィリップの問いかけに、バーナードは答えた。
「一枚残らず送りつけた」
少しばかり、あまりにも報われない殿下のお気持ちが可哀想にも思えた。
でも、バーナード騎士団長はそういう人間だった。
鈍感で、その癖、身の内に入れた人間にはひどく甘い。
フィリップは、突然彼の唇に音を立てて口づけた。
「……なんだ、唐突に」
「いえ、なんでもないです」
その鈍感さが、愛しくも憎らしい。
そんな気がした。
その腕には常に、小さな赤子の王子が抱かれ、女官達にかしづかれて生活をしている。
王太子エドワードも不自由がないかと、なにくれと妃の許へ顔を出しており、赤子を囲んでの美男美女の二人の様子に、周囲の人々も「ほぅ」と感嘆のため息をついていた。まさに幸せを絵にしたような夫妻であった。
エドワードの子は、シャルルと名付けられた。
金の髪に青い瞳の、大層かわいらしい赤ん坊で、祖父たる国王夫妻も日々、孫の健やかな成長に目を細めて眺めていた。
そんな幸せな生活を過ごすセーラは、ふと耳にしたのだ。
この王宮の奥の部屋が、新たに整えられているという話を。
セーラが暮らす棟とは別の、離れた棟ではある。
だいぶ奥まったその部屋の、壁紙が貼り変えられ、調度も入れ替えられ、まるで誰かを新たに迎え入れるかのように準備が進められている。
もしや、新しい妃を迎え入れる予定なのだろうかとセーラは考えた。
王国の王子たるエドワードには、後継者を増やすためにも当然、妃を複数迎え入れてもおかしくはなかった。だが、エドワードはその身に“最強王”の呪いを受けているために、誰でも彼を受け入れられるわけではない。巨根・絶倫の呪いを受けている彼の欲は、普通の人間が受け入れることは、物理的にも不可能であったのだ。
セーラが知る限り、エドワードの欲を受け入れることができたのは、サキュバスの加護を受けている自分と、ハーフサキュバスの、今は亡きリュンクス少年、そしてセーラ妃が来る前に寵愛を受けていた謎の少年の三名だけであった。
おそらく、その謎の少年も何らかの加護持ちであろうと考えていた。でなければ、殿下がそれほど熱心に寵愛することはなかっただろう。
部屋を整えているということは、誰かがその部屋に新たに入るということだ。
一体だれが入るのだろうと、セーラには好奇心があった。
セーラに仕えている忠実な侍女のラシェットは、どこかやきもきとしていた。
「王太子殿下もひどいです。セーラ様のご出産直後に、新たな妃を迎えようとされるなんて」
「そんな風に殿下のことを仰らないで。お迎えするのは出産前でもおかしくはなかったのよ」
そう、セーラが妊娠中、殿下の欲をどう発散させるかが大きな問題となっており(うまく発散できなければ、殿下は魔力を暴走させ、王宮が吹っ飛ぶ惨事となる)、その発散のためにハーフサキュバスのリュンクス少年がお側に付けられたのだ。だが、リュンクス少年は亡くなり、セーラ以外に彼のそばについている者はいない。
許されるのであれば、もう何人か、殿下には妃が必要であろうとセーラも考えていた。
しかし、美しく優しいセーラ妃は王宮内の女官や侍女達に慕われており、間違いなく彼女のライバルになるであろうその新参の妃に対して、皆、「一体だれが」と神経を尖らせている様子だった。当のセーラ妃はというと、おっとりと構えていた。
だが、いつまで経ってもその整えられた新しい部屋には、誰かが入る様子は見られない。
部屋だけが綺麗に準備され、いつ誰かがやって来てもすぐに迎えられるようになっているだけなのだ。
それにはラシェットをはじめとした、警戒心いっぱいだった侍女達も拍子抜けしていた。
奥向きのことを取り仕切っている侍従長に対して、「あの整えられた部屋は誰のためのものなのでしょうか?」と尋ねた勇気ある侍女がいた。
だが、侍従長は珍しくも口ごもり、ハッキリと誰のためのものであると答えることはなかった。
奇妙なことだと思いながらも、時間の経過とともに、その部屋のことは次第に忘れ去られていった。
そんなある日、侍女ラシェットがセーラ妃の耳元にコッソリと話したことがあった。
「私、あの奥のお部屋のことが気になって、あの後に入ってみたのです」
「まぁ、ラシェット……勝手に入ってはなりませんよ」
「そう言っても、未だに誰もあのお部屋には入っておりませんでした。ガランとしていて、まったく人の気配もありません」
「そう」
誰かがあの部屋の主となれば、すぐに王宮ではわかるはずであったし、妃であるセーラにも教えてくれる。
未だにそれがないということは、本当に誰も入っていない部屋なのだろう。
「ですが、あの部屋の衣装棚にはたっぷりとお洋服がありました。靴や帽子やコートまでひと揃え以上用意されていました」
「…………誰もあの部屋にはいないのに?」
「はい」
ラシェットは、衣装棚の扉を開けた時のことを思い出す。
そこには上品な質の良い服がぎっしりと仕舞われ、靴や帽子などまで箱に入ったままの新品の状態で仕舞われていたのだ。
定期的に手入れはなされているのだろう。埃をかぶっている様子もない。
「その洋服や靴、帽子はいずれも少年のサイズのものでした」
女性向きのものではないことはすぐにわかった。
紺色や黒、青や緑といった落ち着いた色合いの服が多かった。
「誰かのための部屋であることは確かです。そしてその誰かは少年です」
「そう。でも、そのお方はお部屋にはいらっしゃらないのでしょう?」
そのセーラの問いかけに、ラシェットは頷いた。
「だから奇妙なのです。お洋服などのお支度だけは完璧に整っているのに、ご本人がいらっしゃらないなんて、本当に奇妙なことでございます」
「……そう」
当の王太子エドワードは、セーラに対してその話を一切することはない。
そしてセーラも彼に対して尋ねることはなかった。
それは彼の心の内に、土足で踏み入るような行為にも思えたからだ。
出会った時から感じていたが、エドワード王太子の心の内には自分ではない誰かがずっと、長い間住み着いている。
殿下ほど素晴らしい御方なら、誰を求めても、その相手は喜んで応えてくれるはずだった。
でも、その誰かは、殿下の手を取ることない。
それは何故だろうかと、セーラは長い間考えていたが、答えが出ることはなかった。
「やっと全部の荷物を王宮に送り返せましたね」
フィリップは荷物が無くなり、広々とした居間にほっとする思いだった。
「ああ、殿下も本当に大量に送り付けて下さったので、正直困った」
西の副都に少年の姿で内偵に入ったバーナード騎士団長。
服など買わずとも良い、後ほど騎士団にそれを届けると王太子エドワードに言われ、届けられた服や靴などの多さに、バーナードは驚き呆れていた。
自身の屋敷に持って帰るわけにはいかなかったので、任務の為そのまま副都へと向かったバーナードは、フィリップに「適当に仕舞っておいてくれ」と頼んで、ほんの数枚の服だけを持って行ったのだった。
あとの大量の服や靴は、仕方ないのでフィリップは自身の屋敷へとせっせと持ち帰っていた。
そしてフィリップの屋敷の居間は、服などの荷物でいっぱいになった。
副都から帰還した後、バーナードはそれらをまた王宮へと戻すことを侍従長に話をつけ(殿下や侍従長は「戻さないでよい」と言ったが、強引に戻しますと彼は告げたようだ)、そして王宮からの馬車にその全部を詰め込んで送りつけたのだった。
正直、後は知らんという感じであった。
「あんなに服があっても、着るはずがなかろう」
「……団長のことが本当に好きなのでしょうね」
そのフィリップの言葉に、バーナードは首を振った。
「好きとかそういうことではなかろう」
「そうでしょうかね」
あれほど大量の、彼に似合うであろう服を用意した殿下の気持ちを考えると、フィリップの心はざわつく。
決して満たされないからこそ、その心を別のもので満たそうとする代償行為にしか思えなかった。
「二、三枚手許に残してはおかなかったんですか」
そのフィリップの問いかけに、バーナードは答えた。
「一枚残らず送りつけた」
少しばかり、あまりにも報われない殿下のお気持ちが可哀想にも思えた。
でも、バーナード騎士団長はそういう人間だった。
鈍感で、その癖、身の内に入れた人間にはひどく甘い。
フィリップは、突然彼の唇に音を立てて口づけた。
「……なんだ、唐突に」
「いえ、なんでもないです」
その鈍感さが、愛しくも憎らしい。
そんな気がした。
12
お気に入りに追加
1,149
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
【BL】こんな恋、したくなかった
のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】
人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。
ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。
※ご都合主義、ハッピーエンド
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
随時更新です。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる