ちびっこ怪獣三匹、異世界に降り立つ~異世界転移は課外活動に入りますか?~

ふゆき

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第4章 ちびっこ怪獣三匹、仲間と協力して戦利品を吟味する

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 例えば金貨。金貨は、それ一枚で日本で使われていたお金にすると、十万円ほどの価値がある。
 銀貨でおおよそ一万円。
 その下に銅貨、鉄貨、青銅貨と続き、それぞれ千円、百円、十円だ。

 それが、ジャラジャラ。バラけているものもあれば、財布のような袋に入ったものまで、相当な量がある。
 小銭が主だったとしても、軽く一財産はあるだろう。

 他にも。鎧や武器、魔導具、雑貨や小物。
 劣化しているものもあるが、まだまだ使えるものの方がはるかに多い。
 先行きがわからない状況でこれらのすべてを放置するのはもったいなさすぎる。

 なにより、武器や防具は与えられたものの、生活に必要なものは、なにひとつとして与えられていないのだ。
 魔法の鞄マジックバッグだとかいうウエストポーチの中も空っぽで。
 いま現在、水も食料もない状態である。
 しかしながら、目の前にはドロップ品という名の、残念ながらもトレントに取り込まれてしまった人たちの持ち物がある。

 携帯用の鍋や包丁、水筒など、すぐに役立つものがあるわけだから使わせてもらおう。

 ユーゴの主張は大人たちに認められ、子供組も、言われてみればそうだった。
 背に腹はかえられぬと、『遺品』であることはいったん横に置いておくことにした。

 と、いうか。ユーゴも一応は『遺品』であることが気になって『神の目』で視てみたところ、どれもこれもが年代物。
 新しいものでも数年は過ぎているものばかりだとわかって、なんとか気持ちの落としどころがみつかったというべきか。

「拾得物だと思おう」

 大内先生がそう言って、みんなの中ではドロップ品イコール拾得物ということになった。

「じゃあ、みんなで仕分けしようか」

 ドロップ品は、木のうろの中に整理されていない状態で、みっちりとつまっている。
 使えるものも、劣化してダメになっているもの。
 大きさ、種類、全部が全部バラバラである。
 まずは仕分けをしないことにははじまらないと気づいた面々は、黙々とドロップ品を広場へと運びはじめた。

導くもの大精霊とやらの伝えてきたイメージだと、文化レベルは中世ヨーロッパくらいだったと思えたんだが……」

「ええ。私も、だいたいそんな感じで受け取りました」

「でも、このドロップ品とやらを見る限りでは、もう少し物騒な世の中なのかもしれません」

 子供たちがうっかり怪我をしないように武器や防具を担当して運んでいた大内先生が、難しい顔をして溜め息をこぼす。

「見てください、木本先生。武器もですが、防具の傷がすごい」

 トレントとの戦闘でついたと思われる傷もあるが、防具には、刃物でついたらしい傷もたくさん残されている。
 導くもの大精霊の伝えてきたイメージから、なんとなく中世ヨーロッパ辺りを思い浮かべていたが、実際は戦乱の世である可能性も出てきた。

「できれば、子供たちにはあまり残酷な真似はさせたくないのですが……」

「そうも言ってられない感じですわねえ」
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