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第2章 ちびっこ怪獣三匹、事の次第を知る

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 ユーゴの勝手な予想だが、当たらずも遠からずではないかと光太は思っている。
 なぜなら、光太が持っているのは背丈より長い槍で、ケースケは大きな盾と斧。ユーゴは先端に丸い宝石のようなモノがはめ込まれた長い杖。
 金堂は片手剣と腕につけるタイプの丸盾だし、コズエは短弓たんきゅう、カエデは短剣両手持ちである。
 武器でこれだけ違いがあるなら、与えられた能力ちからが全員違っていてもおかしくはない。

 と、いうか。精霊は、能力ちからを選ぶのは、一番はじめに水晶玉に飛び込んだモノの特権だとか言っていた。
 ならきっと、一番最初の精霊を補うための能力ちからが集められたはずだ。
 おそらく、同じ能力ちからもあれば、違う能力ちからもある--が正解なのではなかろうか。

「そうだな。水森の言う通りかもしれん」

「ええ。石の板にはあれだけの文字が刻まれていたんですものね」

 そう同意を示す大内先生が持っているのは両手持ちの大剣で、木本先生は鎚矛つちほこだ。

 大柄な大内先生に背に担ぐタイプの大剣はよく似合っていたが、細身で弱々しそうな木本先生に打撃武器である鎚矛--メイスは似合ってないような、そうでないような、不可思議な印象である。

 導くもの大精霊はなにを考えてそれぞれの装備を決めたのだろう?

 ふとそんなことを考えた光太だったが、世界の一大事をなし崩し的に押し付けていくような存在だったのを思い出し、考えるのをやめた。
 木本先生が軽々と扱っているのだから、たぶんアレでいいのだ。

 それよりもそれよりも。

「じゃあさ、じゃあさ。見える範囲は安全だってことにして、みんなどんな能力ちからをもらったのか調べねえ?」

 気になるのはやはり、精霊に与えられた能力ちからについて、だ。

「調べるってどうやってだ?」

 ウズウズと体を揺らす光太をさりげなく捕まえに来たケースケが、小首を傾げる。
 光太は猪突猛進ちょとつもうしんモードになってしまうと、どこまでもかっ飛んで行ってしまうクセがある。
 普段ならまだしも、信じられないながらも異世界だ。
 かっ飛んで行かれたら安全確保に苦労する、とのケースケからの意思表示だろう。

 光太も心得たもので、すっと近寄りそっと腕を掴んだケースケの手が触れた途端、体を揺らすのをやめる。
 ケースケが光太を捕まえにくるのはイコール、危ないことはしないでおこうの合図だ。

 自分でも、知らないところで突っ走るのはさすがにヤバいかも、と思わなくもない。
 となれば、やることはひとつ。
 おとなしくケースケに手を掴まれながら、光太はキラキラと輝く目をコズエに向ける。

 動いちゃダメなら目でモノを言う--もしくは動いちゃダメなら他力本願どんと来い--が光太である。

「コズエ、おまえこーゆーのくわしいだろ!」
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