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第2章 ちびっこ怪獣三匹、事の次第を知る
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世界に定着される時、『彼』『彼女』らは、宿った『器』の姿を写し取る。
まったく同じかというとそうではなく。
『器』を基礎とした、この世界にふさわしい姿へと変貌する。
『彼女』は、美しい女性の姿を持ちながらも、『白』以外の色彩を持ってはいなかった。
それは『彼女』が、水を操る能力に特化した導くものだからだ。
空気中に含みきれなくなった水蒸気が小さな水滴となったものが霧である。
小さな水滴が光を反射したり吸収したりすることで霧が白く見えるように、『彼女』もまた、光を散乱させつつ、小さな水滴でもって、自身の姿を作り出していた。
うっすらとぼやけ、姿が定まらず白い影のように見えてしまっているのは、『彼女』の動揺のあらわれだろうか。
影は、まとまって現れた『器』を見て、ただひたすらに困っていた。
光太のすぐ側にはユーゴとケースケが。
少し離れたところに金堂が。
その金堂からもう少し離れたところに先生たちと女子ふたりが。
それぞれ、別の光を宿して倒れている。
魔方陣となって飛び出していった光が連れて戻ってこられる『器』は一体だけ。
複数まとまって現れるなど、かつてなかったことだ。
《間違いがあったのならどうしましょう? なかったことにできるのかしら? できないわよね?》
不具合を案じた白い影は、石の板の存在を、光太たちの目から隠す。
問題なく光が『器』を連れて戻ったなら、石の板を通じて知識と力を与え、世界へと送り出す手はずになっている。
でももし、なにかしらのトラブルが発生し、『器』としてふさわしくないモノまで連れてきてしまったのであれば対処が必要だ。
光たちの混ざり具合が悪く、途中でほどけて別々の『器』に宿ってしまったのなら、能力が足りず、この世界の平穏を託すことはできない。
気の毒だが『器』には、命尽きるまでこの地にあるか、能力なきまま世界に出されるかを選んでもらうことになるだろう。
導くものは、じゅうぶんな能力なきモノには見つけることができないよう、石の板を、光の存在を覆い隠す。
石の板に気づけたなら、少なくともこの世界で生きていけるだけの能力を持っているとわかるよう。
光の存在に気づいたなら、平穏を託すに足る能力を得ているとわかるよう。
念入りにすべてを隠し終え、白い影はすぅっと石の板へと消えてゆく。
どうやら『彼女』は、石の板の中から、光太たちを見守ることにしたようだ。
「って、あれ? なんでオレがオレのこと見てんの?」
まったく同じかというとそうではなく。
『器』を基礎とした、この世界にふさわしい姿へと変貌する。
『彼女』は、美しい女性の姿を持ちながらも、『白』以外の色彩を持ってはいなかった。
それは『彼女』が、水を操る能力に特化した導くものだからだ。
空気中に含みきれなくなった水蒸気が小さな水滴となったものが霧である。
小さな水滴が光を反射したり吸収したりすることで霧が白く見えるように、『彼女』もまた、光を散乱させつつ、小さな水滴でもって、自身の姿を作り出していた。
うっすらとぼやけ、姿が定まらず白い影のように見えてしまっているのは、『彼女』の動揺のあらわれだろうか。
影は、まとまって現れた『器』を見て、ただひたすらに困っていた。
光太のすぐ側にはユーゴとケースケが。
少し離れたところに金堂が。
その金堂からもう少し離れたところに先生たちと女子ふたりが。
それぞれ、別の光を宿して倒れている。
魔方陣となって飛び出していった光が連れて戻ってこられる『器』は一体だけ。
複数まとまって現れるなど、かつてなかったことだ。
《間違いがあったのならどうしましょう? なかったことにできるのかしら? できないわよね?》
不具合を案じた白い影は、石の板の存在を、光太たちの目から隠す。
問題なく光が『器』を連れて戻ったなら、石の板を通じて知識と力を与え、世界へと送り出す手はずになっている。
でももし、なにかしらのトラブルが発生し、『器』としてふさわしくないモノまで連れてきてしまったのであれば対処が必要だ。
光たちの混ざり具合が悪く、途中でほどけて別々の『器』に宿ってしまったのなら、能力が足りず、この世界の平穏を託すことはできない。
気の毒だが『器』には、命尽きるまでこの地にあるか、能力なきまま世界に出されるかを選んでもらうことになるだろう。
導くものは、じゅうぶんな能力なきモノには見つけることができないよう、石の板を、光の存在を覆い隠す。
石の板に気づけたなら、少なくともこの世界で生きていけるだけの能力を持っているとわかるよう。
光の存在に気づいたなら、平穏を託すに足る能力を得ているとわかるよう。
念入りにすべてを隠し終え、白い影はすぅっと石の板へと消えてゆく。
どうやら『彼女』は、石の板の中から、光太たちを見守ることにしたようだ。
「って、あれ? なんでオレがオレのこと見てんの?」
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