異世界オメガ

さこ

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37 死相

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「隼百の死相が消えない」

 難しい顔で告げるまどかに、隼百はやとは首を傾げる。
「死相ってのは?」
「治したのに救えた・・・っていう手応えが無い。時々いるんだ。原因は消したのに結局死んじゃう人」
「そういうものか」

 へえ、と頷く隼百。
 見つめ合う。

「それだけ!?」
 驚愕したのは円の方。
「いや、それだけって言われても……あ、ありがとう?」 脳裏に沢山の疑問符を浮かべて戸惑う隼百だ。お礼はさっきも言ったんだよ。他に伝えるべき事があっただろうか? ありがとう程度じゃ駄目か? 駄目かも。ハッ、と深刻な表情になる。「……治してくれた対価がオレに払えるかどうかは厳しい。死ぬまでの期限があるからなあ。手っ取り早く肉体労働? って足りないよなギャンブルは気が進まないし……ああ健康なら臓器からだ売る方が健全か」
「馬鹿か、身体を売るな!」
「ごめん!?」 両手を上げて降参のポーズ。「いやでも誰かしらの役に立つならそれも有効活用かなって、あああごめんて、しません! しない! でも解ってると思うけど金は無い。異世界じゃ蓄えなんて無いんだよ。誠意はあるけど」
「対価はいらない」
「そういうわけにはいかないだろ」
「だから対価の話じゃなくて!」
 指を鼻先に突きつけられてびくっとする隼百。

 オメガってたおやかな外見に反して怖くないか?

「俺が言った意味解ってる?」 円も疑問符を浮かべてる。というよりは納得がいかないものを目にしたって顔。「自分の生死に関わる話だって理解してる? あっさりしすぎ」
「いやそりゃオレだって積極的に死にたいわけじゃないよ。でもいま自由に動ける。その気になれば走れるとか、それだけで衝撃なんだぞ。残された時間、苦しいより楽な方が断然良いだろ」
「って、ええ? そこ曇りない目で真っ直ぐ言う? そうじゃなくて……俺が間違えてるのかな」
「なあ病を消したって、どうやったんだ? 円は医者って雰囲気じゃないのに」
 わくわくと聞いてくる隼百を半眼で眺めつつ、円はどうでも良い事のように言う。
「俺、治癒は得意だから」
「……得意のひとことで済ませるか?」

 円は治療じゃなくて治癒、という。
 どう違うのかわからない。

『お二方のやり取りは面白いですね。さて、アルファの強さとはすなわち影響力の強さです』
「は?」
『単純に知能や身体能力の高さが取り上げられがちですが、アルファの強さの本質ではありません。強いアルファの言動というのは多くの人々に影響を与え、巻き込むものです。発する言葉ひとつが時代の常識をも塗り替えてしまう』
「……へえ」
 とは思うが、何故にガー君は唐突にアルファの解説始めたのかな? 咄嗟に隼百は間近にいるアルファに視線を向けたが、そのトルマリンは腕の中でじたばたと藻掻く自分のつがいに途方に暮れている最中だった。……何やってんだか。
 仲嶋がいくら暴れようがトルマリンの方はビクとも揺らがない。アレで隼百にわかるのはアルファの頑丈さだ。と見守ってるうちに背を屈めたトルマリンが相手の額にちゅ、と口づけた。
 いや何で?
 吃驚して動きを止めた仲嶋の頬に、唇に、と愉しそうにキスを落としはじめたので隼百は視線を逸らした。
『運命を持つ者はアルファの中でも突出した強い個体です。その運命の対となるオメガにはつがいを支える為でしょうか、ごく稀に特殊能力を擁する者が現れる事があるのです。稀少なオメガの中での稀少。──ただし、此処はが集まる地となっておりますから稀ではありません。円の魔法は治癒です』

「まほう?」
 余所事に気を取られてたから聞き間違えたのかと思った。

『魔法です。詳しく解説させて頂いてもよろしいですか』
「遠慮します。ワカリマセン」
『はい。隼百には魔法とひとことで説明した方が解りやすいでしょう? そういう事です』
「あー魔法かあ。魔法なら仕方ないな」

「待って。いま考えるのを放棄したよな?」
『隼百が住んでいた世界にも創作にならば多彩な魔法がありますからね。理解自体に問題は無いでしょう』
「理解したって受け入れるかどうかは別だろ」 円は前髪を掻き上げて呆れた溜息。「まあ俺の話は置いといて。それより隼百は自殺願望は無いんだよな?」
「無いから。大丈夫、延命なんて端から期待してなかったから落胆もしていないってだけだから」
「……俺は余計なことした?」
「まさか。円と出逢えたオレは幸運だよ」
「……処置無しだな」
「速攻で駄目出し!?」
 叫ぶ隼百に円はまた諦めたような溜息。
「この船の中ならある程度は隼百を守れる。それでも余生はどれくらい保つかわからないけれど……ごめん。残された時間にやりたい事はあるかな? 出来るだけ希望は叶える。隼百の時間だ。選ぶのは隼百だ」
「そりゃ有り難いな。煙草吸えるかな」
「ごめんだけど無理かな?」
『吸ったら落としますよ』 にこにこと満面の笑顔でガー君が言う。『私の船内たいないに有害な煙が流れ、汚らしく黄色いヤニが付着する事態など許しません。吸った場合は船から払い落とします』

 叶わないじゃねえか。

「まあ駄目なら仕方ないか」 と隼百はそれほどの執着を見せずに腕を組む。「帰って仕事に戻るよ」
「俺の話、聞いてた?」
「希望は叶えるって言ったろ。無断欠勤してるからクビになってるかも、ってところが怖いんだけど」
「心配するところが違う!」
「だって別にこの船が閉じられた空間ってわけでもないんだろ? ここでやりたい事は特に無いし。円は監禁されてないよな?」
「……あー、うん。大丈夫」
 言いつつ、円は隼百と視線を合わさない。微妙な間は何だ?
「本当大丈夫か? あとずっと気になってる事があるんだけど、今さらだけど聞いていいかな?」
「どうぞ」
「オレ、ビルの地下にいたのにどうして船の中にいるんだろ」
「……」
「いつの間に寝てたのかもわからなくてさ。その辺、記憶が飛んでるんだ。知ってたら教えて欲しい……同情の籠もった顔してんな?」

「ショッキングな惨殺死体を見せられたんだから気絶するのも無理ないよ」

 円が菩薩のような顔で答えるから変換がバグった。
「残札し隊?」
「誤解ですよ!?」 慌てたトルマリンが飛んで来て否定する。「そんな汚物、欠片も見せてませんから!」
「……話を聞いた時は肝が冷えたが」 気怠げな様子の仲嶋がトルマリンを睨む。やや頬が上気しているし平気ではなさそうだけど、本人は何事も無かったような顔を繕っている。「多少は気遣えるようで安心した」
「嫌味が混じってる気がするのは気のせいかな」
「大分含んだ」
「あはは。言外に含むのは俺への愛だけにして」
 やり取りに隼百は首を傾げる。話が見えない。最初に聞き間違えたのかもと思い当たる。
「なあ今、死体って言ったのか?」
「隼百君が気絶した原因は爲永ためながの気に当てられたからだろうね」 隼百の疑問をさらりと受け流してトルマリンは薄く笑う。「奴が珍しく殺気を出していた」

「……爲永って、アルファさん・・・・・・?」
 その名前は隼百も聞いた事がある。何で今、それが出てくる?

「奴は他人に興味が無い。だから本当に珍しいんだよ。普段のアレは何があっても動じないし、感情を乱さない。てっきりあの鉄面皮のまま一生を終えるのかと思ってたけど……良い傾向だよね。例外はあるらしい」

「……」 隼百は眉を寄せる。台詞とは裏腹にトルマリンが殺伐としているんだけど? だって圧を感じる。室内の空気がずっしりと重くなり、肌がびりびりと痛いぐらい。でも円も仲嶋も反応していないのが不思議だ。それどころかまるで気が付いていないっぽい。ああ、これがベータとオメガの違いって奴なのかな。「つかオレ、倒れたって迷惑かけたよな。あれ? じゃああの後、館長がどうなったか知ってるか?」
「隼百君はアルファの殺気に耐えられずに倒れた。それはベータなんだから仕方ないよ。気にしなくて良い」
 トルマリンの口調は優しい。というのにその目は酷薄だ。
「……うーん」
「なんだい?」
「いや」
 隼百は言葉を濁す。あんたが今出してるのも殺気じゃないのか? と聞くには空気が不穏すぎた。
 さっきから質問をはぐらかしてまともに答えてくれないのもワザとなのか?
 聞いても答えてくれない気がする。

「……どうしてオレはここにいるのかな」
 口を突いたのは先程と同じ台詞。
 心情を吐露して良いのなら、落胆してる。

 あの時、残ると言った隼百の意志をトルマリンは尊重してくれた筈なのに。
 口には出さなかった思いが伝わったのだろうか、

「ごめんね」
 耳に届いた台詞にばっと顔を上げる。トルマリンだ。
「何を」
「俺のせい。気が変わったんだよね。つい欲しくなって君を攫っちゃった」 陽気に笑う相手に隼百は更に眉を顰めていく。相方の仲嶋を見れば、肩を竦められた。いや、そこで自分は関係ないって顔するかな。「隼百君、そんなに怖い顔しないでよ。折角の決意に水を差したのは悪かった。苦情は聞いてあげるけど帰さないよ。ねえ。ここに閉じ込めて俺の2番目の番になって貰うのも良いよね」
「いや。助けてくれてありがとう」
「え」
「露悪的な事を言われても、倒れたオレを連れ帰ってくれたのはトルマリンだろ」
 すごく迷ったような間の後に、
「そうだね」
 一言だけ答える。

 いい人だなぁ、と感心してしまう。そんな憐憫の目で人を見ながら悪役を買って出なくても良いのに。
 つまり──あの時オレは無様にも倒れて、そのままなら捨てられていたってコトか。
 拾ってくれたのがトルマリンだった。

「答えられない期待は重いな」
 不意に円が呟いた。見れば苦笑いしてる。
「期待って、誰が?」
「爲永さんの目当ては俺だったと思う」

 もや。
 ……? 胸が変だ。隼百は首に手を当てる。
 胸がいたいのに、首を押さえる。

「ああごめん、そんな顔をしないで。多分爲永さんの目的は隼百の治療と保護だ。……本当あの人、どうしようもない」
 どういう顔だよ。意味がわかんないし。
「いや赤の他人がオレを気にかけないだろ。マトモに顔も見てないし」
「隼百、聞いて。説明すると長くなるけど、」

「それより、円は大変だな。それこそ円とオレは他人だよ」
「え?」
「あのな。他人の生死の責任を背負う必要は、どんな人間にも無い」 隼百はポカンと驚いた円の瞳を覗き込む。「気になってたんだけど、円は『ごめん』ってのが口癖になってる。それって責任感の強さからだよな。救えなかった人をずっと忘れていないから謝る。けど円のはどうせそれ以上を救ってるんだろ? 手を尽くしても届かないってのは天命なんだ。引きるなよ」

 隼百の言葉に円は口をはくはくさせて、何か言いかけて、溜息。
「そういうとこだよ。そういうとこが駄目」
「どういうとこだよ!?」
 また速攻で駄目出しを食らった理由が本気で解らない。
「隼百は愛されたことがある人だよね」
「あー、いや。恋人はいなかった」
 恥ずかしそうだけど率直に答えた隼百に円は悪戯っぽく笑う。
「親から真っ当に愛されて育ったって意味だよ。俺の予想、ハズレてる?」
「……。いや、当たってる」 頬を掻く。「普通で平凡だけどな。悪いか?」

 隼百は別に普通・・がつまらない事だとは思ってないし、それは恥でもない。
 この世界に来てベータと診断されて、普通だからハズレだと周囲からバカにされてる現状は、ちょっぴり不愉快だ。
 普通の何が悪いのか。
 普通の幸福ってのは世の中にありふれているべきで、いちばん得難いものだ。

「悪くない」 けれど円は馬鹿にはしない。「隼百は言動の端々に愛されて育った名残がある。人を疑わないし、人が好きだからなのかな。よく見てるよね。長所を見るし、有効な助言もする。でも」
「うん?」
「隼百が語るビジョンには隼百がいない。ちゃんと愛されて育ったのはわかるのに。どうしてかな。自分の存在を忘れがちなんだよ。隼百こそ、人よりもっと自分を大切にするべきだ」
「あー……いや」
 気まずくなった隼百は目を逸らす。

 よく言われる台詞だ。

「ねえ隼百。もう何度も死にかけてるって聞いてるよ。それも病気と関わりなく。君は放っておくと危険に合う。自覚してるだろうけれど、ソレは異常だ」
「あー」
 自覚してなかった。リセットされた記憶は消えるしなあ。
 などと正直に答えたら怒られそうなので黙っておく。
「船から降りるなら君の安全は保証出来ない。……隼百が言った天命っていうものに近いんだと思う。何でかは解らないけど、この世界は隼百が死ぬべきだと判断している。対策は船に居るくらいしか出来ないけれど心配いらない。ここは快適だ」
「世界がオレを殺しにかかってるって大層だな」 軽く笑って、「ありがたいけど帰るよ」

「……確かに決めるのは隼百だって選択を委ねたけど」 円はブツブツぼやいてる。「これだけ忠告しても揺るがないのって頑固だよね」
「あー。ときどき言われる」
 どこか呑気に答える隼百に円は仕方ないな、とでも言いたげな溜息。
「不安だけど……宣言したからには隼百の意志を尊重するよ。けど帰るって、どこに?」
「そりゃアパートに」
「せめてもっと安全なところに居ようよ!」
「そう言われても他に帰る場所は無いって」

「帰るのか? 残念だな」 と仲嶋。「もうちょっとゆっくりしていけばいいのに」

「え? あ、うん」
 この流れで普通に引き止める仲嶋に面食らう。
「おや、満暁が引き止めるのは珍しいね。浮気かぐ?」
 喋ってる途中でトルマリンが悶絶した。仲嶋が無言で入れた蹴りが脛にクリーンヒットしたらしい。
 弁慶の泣き所ってアルファにも有効なんだ。
「何が気に入らないんだか、くだんねえ茶茶を入れるな。俺が引き止めたのはガキ共が藤崎を好いてるからだよ」
「……ああ。……そうだね。隼百君には、たまには子守、して欲しいなあ」
「痛そうだな? 子守ぐらいまた今度するからあまり喧嘩するなよ」
「今度、か」 ふうん、と興味なさげに仲嶋。「約束出来るか?」
「……」
 言葉に詰まった隼百の返事を待たず、仲嶋が笑う。
「藤崎と会う約束をしたって子ども達に伝えておく」
「……横暴だな」

「ではそんな隼百君にお土産をあげよう!」

 謎のテンションになったトルマリンに隼百は警戒して一歩下がる。
「土産って。変装グッズ?」
「残念。変装グッズはもうスペアは無いんだよね。だから隼百君。今後は重々、安全に気をつけて欲しい。次は死んでもリセットは出来ないよ?」
『お言葉ですが例のアイテムを変装グッズと表現するのは冒涜に近い過小評価ですよ』
「いや、そもそも助けてもらったのに土産まで、いらな──」
「はいはい、両手を前に出して。うん。水平にして?」
 誘導されるまま手を出してしまい、不意にずしりと感じる重み。くらっと目眩がした。

 重さで、ではない。
 軽かった。

「何だこれ……背広?」
「隼百君、白衣が気に入ってただろう? あれだけじゃ寂しいと思ってね」
「は? 白衣とスーツじゃ全然違うんじゃ……ってこれ滅茶苦茶高そうだな。絶対似合わないし」
『似合いませんね』
「そう? いらないなら返してもらうよ」 トルマリンが引き取ろうと引っ張るとぴん、と音を立てて伸びる服。「……気に入ったようでなにより」
 くつくつ笑うトルマリン。
「あ、あれ?」
 隼百は自分にびっくりしてしまう。ぐっと強く握って離さないのはまごう方なく己の手だ。
 あれ?

「……最初にトルマリンさんが言い張った時は俄には信じられなかったけど」
 円が隼百を見ながらなんとも言えない顔で言う。
『確定でしょう』
「信用無いなあ。こっちは腐ってもアルファですよ? 奴を唾棄している俺だからこそ、こういう賭けは外しませんって」
「あはは。嫌いだからこそ相手に詳しくなるって謎に説得力あるね……困ったなあ」

「誰の話をしてるんだ?」

「ああ隼百君、ほら皺になるから気をつけて?」
「え? うん……そうだな」
 隼百は知らず知らずスーツをぎゅっと抱えていたらしい。それを自覚しても、どうしてか手離せない。

「藤崎は大変そうだな」
「満暁は他人事だね」
 疲れたように肩を落として仲嶋に言っているトルマリンに、隼百はおずおずと話しかける。
「これ、貰って良いのか?」
「精神安定剤に、どうぞ?」

 いやなんでスーツが安定剤になるんだ? 別に安定しないし。むしろ情緒不安定になった感じがする。
 でも離したくない。

『船から降りるのでしたら私からハヤトへの餞別に、見たい景色を見せてあげましょう。この世界のどこでも構いません。御希望の地へお連れ致しますよ』
「見たいところ? ……京都?」
「……」

 ぼーっとしてるところに聞かれたからこそ出てきた単語だった。言ってしまった後でハッとする。

 なんで京都だよオレ。そりゃ一応海、あるけど。

────────────────

子供達と合える人間は厳選されています。オメガの差別の歴史を知らず、また差別をしない隼百のような人間は貴重なので何気に得難い大人です。
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