騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編

第349話 後夜祭

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謎は残るものの…とりあえず旧校舎での出来事がひと段落し、各自解散した

そうして私は…始まっている後夜祭の風景を隅から見つめている

アイリス「コトリ、落ち着いたかな?」

そこへ教官が2つ飲み物を持ってやってくる

コトリ「ん、とりあえずは大丈夫…さっきは突然取り乱しちゃって、ごめんなさい」

飲み物を受け取りながら私は謝る

アイリス「いいんだよ、誰だって自分の記憶が違ってたら取り乱すのも当たり前だもん…お母さんとお父さんの件でしょ?」

コトリ「ん…混乱はしてる…(ああ、教官はお母さんたちの話だと思ってるのか…確かにそれもだけど…私はもう一つの方も…。)

ねえ教官、ちょっと確認しておきたいことがあるんだけど…」

私は…自分が教官を討つ並行世界の話は隠す

あれについては色々わからないところもあるし…私しか見えてなかったことを思うと、話して何か起こるんじゃないかという漠然とした恐怖などがあったから。

そしてもう一つの疑問であった…教官から見たお母さんとあの男の話を聞くことに……。


アイリス「……という感じだから…あなたのご両親2人に救われた私としては、前にあなたから聞いてた話しとやっぱり違和感はあるね。もしかしたらだけど、コトリも私と同じで…」

コトリ「ん…教官と同じく、私の記憶も改変されてるかもって話だね。だとしたら問題は誰にだよね…相手も目的も不明だし…」

アイリス「とりあえず学園祭が落ち着く明日以降に、戦乙女の三姉妹たちに聞いてみるのはどうかな?あの3人ならよりミクさんたちについて詳しく知ってるはずだよ」

コトリ「あ、そっか…あの3人、お母さんと所属が一緒だったんだけ?」

教官の話で…三姉妹さんお母さんあの男が、大戦時に教官を助けたの知った…あとはネミーコさんって立役者もいるらしい

とりあえずこの件は、明日以降に三姉妹さんたちに聞くこととなった…でも傭兵団で一緒だったのなら、何で色々と黙ってたのだろう…その理由が気になった。


コトリ「そういえば、それ以外にも気になることが…ウンディーネ、あなた確かあの時フィリアの聖剣とか言ってたよね?それって今私の中にあるのだよね?」

アイリス「あの管理者のこと、フィリアの剣だったあなたなら分かるんじゃない?(私の方でも、ある程度の当たりはつけてるけど…)」

ウンディーネ「ええ、コトリの中にある聖剣は確かにフィリアのね…あの管理者についてはまだ推測になるから言えないけど、おそらく彼女の仲間のうち誰かね」

夢幻回廊のことが落ち着いた今、管理者のことはこれ以上分からなそうだ…まあ、何かあればまたあちらからコンタクトがあるだろう。


コトリ「でも当初の目的はある程度達成…あの記憶でキールさんが、勇者であり魔王の理由はとりあえずはわかったわね」

アイリス「うん…魔王と勇者は表裏一体、この世界の成り立ち、姉妹の話、闘争の神…それが元凶ということだね

詳しくまでは不明だけど…あの1つの記憶はおそらく、創造神のものかな」

コトリ「この世界を作った、そして教会騎士団が信仰している神さまのことだね

でも闘争の神…それが元凶なら、ベアトリーチェさんが言っていた白神聖者というのがその神なのかな?」

アイリス「私は詳しくは知らないかな、その聖者を見たことがないから…パラドックス辺りなら詳しいことわかりそうだけど…

あとそれが元凶だとしても、全てにたいしての根本的な解決策は浮かばないね…この世界を創った神がお手上げなら、なおさらね」

コトリ「確かに対抗策を考えようにも…その相手が神っていう漠然としてるから、どうしたらいいかわからないね…

そういえば、フィリアと初代聖女が話題にでたけど…あなたはその辺りは知ってるの?あの夢幻回廊が元凶への対抗策みたいになるって、管理者の口ぶりだったけど…」

管理者の話を思い出しながら、私は尋ねる

ウンディーネ「記憶の復元がまだ完全ではないけど…私が眠りについた後にあった出来事ね、夢幻回路などが創られたのは

あなたの中にある結晶が、どういった風に『導き』をもたらすか現時点では私にも不明ね…おそらく並行世界とやらの記憶と想いが関係してくるのだろうけど…」

ウンディーネでもわからないのであれば、私と教官2人ではお手上げで…

だから明日以降、学園長たちと一緒に今後の方針を話し合うことに決めた

落ち着いて一度考えをまとめないといけないし、私たちだけじゃ手に余る漠然とした、でも確実に存在する未曾有の脅威だったからだ。


一旦話を終えて後夜祭の方へ視線を向けると、学園のみんなは踊りを楽しんでいた

マリスミゼル学園長はエリシア教官、モニカはセイバー、クレーティはアズたち3人と交代しながら踊っていた

でも何でエリシア教官だけ、踊り子衣装で踊っているのだろうか…しかも淡い紫色で露出が激しいタイプだし…

アイリス「みんな楽しそうだね…そうだコトリ、一緒に踊ろう♪」

コトリ「えっ…いや私踊りとかはしたことな…ふぁ!?」

アイリス教官にくいっと手を引かれ、私たちもそこに加わることに…しかし

アイリス「ふふ…いつもはあんなにすごい舞うような回避を見せるのに、踊りの方は全然なんだね♪」

コトリ「だ、だから言ったのにぃ…むぅ…//」

初めての踊りだから、慣れてないため私はうろたえ…そして身長差もあるから中々うまく踊れなくて、私は頬を膨らませる

アイリス「大丈夫、ゆっくり落ち着いてでいいからね…ほら、私の動きに合わせて♪」

コトリ「ん…わかった…」

アイリス教官にリードしてもらって…私は教官の動きに合わせ、何とか踊れるようになって

アイリス「お、さすがの適応力だね♪」

コトリ「教官のリードがうまいからだよ…ありがと…アイリス教官と踊れて…私嬉しい…//」

頬を赤らめながらも嬉しそうな微笑みを見せ、私はアイリス教官と踊り…学園生活の楽しいひとときを過ごした。


私はこの日まで、こんな日々が明日も続くと思っていた…しかし、ひとつめの脅威はすぐそこまで迫っていた……。
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