騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編

第345話 二大トップと最終試練

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対抗戦後、私は旧校舎前のベンチに座って休憩していた

みんなは喫茶店へと戻り、後夜祭前の最後の頑張りをしている…私もそろそろ戻ろらないと

私が立ち上がった所で、初老の男性とローブ姿の男性3人…計4人がこちらに歩いてきた

「……ふむ、こやつがもう一つの『器』か」

「先程の試合はなかなか見応えがあった。お主の秘める才能…かつての大戦の三英雄たちにも劣らぬと見た、そのまま精進するがいい」

コトリ「えっ?あ、ありがとうございます…えっと…あなたたちは…?」

私はお礼を言いながらも首を傾げる…ローブに派手な装飾付けてる老人たちは、どこかで見たことあるような…

「名乗るのを忘れておったな、私はギランバルトだ」

「儂らは三賢人…しかし、そんな事も知らぬとは『赤い閃光』らのせいか…」

コトリ(…!その名前と肩書きは確か、王国騎士団の団長と…教会騎士団の長老の…!何でこんな所に…ってそうか、対抗戦のために…)

「……コトリに何か用でしょうか?お話があるのでしたら、私が代わりに聞きますけど」

声がした方を向くとそこにはアイリス教官がいた…そしてなぜかマリスミゼル学園長、エレインさん、シャロンさん、シロナも一緒にいた


三賢人「赤い閃光が雇った『亡国の姫』に…『メイヴ』と名乗っている女の弟子か」

シロナ「私の目的の渡りに船だったんで、彼女たちの案に乗っからせてもらったよ」

マリスミゼル「なるほど…『そちらの名』で師匠を呼びますか」

ギランバルト「フォウの直伝弟子であるシリウスの娘と、元破天の暗殺騎士…そして『3つある器の1つ』である剣鬼か」

シャロン「あなたとは直接やりとりした事は、ほとんどありませんでしたけどね」

エレイン「『かつてのあなた』の事は、父たちから少しは聞いています」

コトリ「アイリス教官、どうしてここに?それに何でシロナたちが?」

アイリス「私と学園長は、コトリの様子を見に来たんだよ。そしたらこの3人とばったりあって、彼女らもコトリを労いたいって…とりあえず、早くこっちにきて」

くいっと腕を引っ張られ、私は教官の胸の中に抱き寄せられる…教官がこんなに敵意を見せるだなんて、この人たちはいったい…

ギランバルト「そう警戒するな、その娘にただ労いの言葉をかけにきただけだ。そやつら三賢人とは違い、私の出番はまだ後よ…まあ、お前たちがそこまで辿り着ければの話だがな」

コトリ「っ…!?」

シロナ「へぇ…」

不敵な笑みを見せるギランバルトさん…それと同時に彼から、何か得体の知れない寒気を覚える闇の力が感じ取れた

わざと見せてるのだろうけど…今感じるこの巨大でドス黒い闇の感覚…この人…本当に人間なの…?


一触即発な空気となる…そんな時、突然旧校舎が蒼く光り始めた

コトリ「えっ」

アイリス「…これは」

そして、声が頭の中に響く

(時は来た。最終階層の扉を開いた…助っ人も頼りつつ、今日中に突破してみせるがいい)

その言葉が終わると、旧校舎の光が収まる

コトリ「教官、今のって」

アイリス「うーん、相変わらず向こうの都合で話を進めてくるね」

エレイン「その様子…先程の声、どうやら幻聴ではないようですね?」

シロナ「光ってたし、この旧校舎が怪しいかな」

三賢人「…?」

ギランバルト「……ふむ」

最終試練開始を管理者から伝えられ…どうやら私たち、そしてエレインさんたちにしか光と声は聴こえてないようだ

コトリ「学園祭の日に最後の試練だなんて…確かにこっちの都合考えてないかも」

マリスミゼル「とりあえず皆で集まりましょう…今日中と言うのであれば、すぐに動かねばなりません」

アイリス「……それでは、これで」

首を傾げる三賢人さん…旧校舎を見つめるギランバルトさんを置いて、私はアイリス教官たちとその場を後にする

そして移動の最中に、私は軽く尋ねてみる

コトリ「教官、彼らはいったい?」

アイリス「……目的は不明だけど、元凶の一端ではあるね…そういえば話してなかったね、また後で知ってることを話すよ」

元凶…それってキールさんの件の?何で二大騎士団のトップたちがそんな…私は思考しながらも移動を続けた…。


喫茶店ネコまっしぐら

あれからみんなで集まりどうするか話し合い…学園長から1つの方針が示された

マリスミゼル「それでは、私は学園祭の総括指揮に戻ります。それによりできた人員の戦乙女三姉妹、そしてノエインには対抗戦の後処理などに回ってもらい…残るイムカとアネット&ニニムにはエリシアたちの代わりに応援へと来てもらい、ミヤコたちと共に喫茶店を最後までやりきってもらいます…

アイリス、エリシア、フレイはコトリたちと今まで通り学園地下へ…そして今回は助っ人として、エレインさんたち3人と共に最終階層へ挑んでください」

セイバー「エレインさんとシャロンさんの協力は嬉しいですが…そこにさらっとシロナも加わってますのね…まあ協力者は多い方が助かりますけど」

シロナ「何だか面白そうだし、いい修行になるのと…いい情報を得れる予感がするからさ」

モニカ「エレインさんたちにも話しかけていたみたいですし、それに助っ人とも言ってる時点で意図的なのも感じますしね」

アイリス「何にせよ、後夜祭までには終わらせよう…せっかくの学園祭なんだもの、ちゃんと最後まで楽しむためにね…♪」

コトリ「ん…私たちが欲しい情報を得つつ、学園祭も満喫する」

そうして…私、アイリス教官、モニカ、セイバー、クレーティ、エリシア教官、フレイ、エレインさん、シャロンさん、シロナは学園地下の夢幻回路へと向かった……。
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