騎士学生と教官の百合物語

第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編

第326話 幕間 どちらか選び

唸る獣をオーレリアさんが撃破後、クレーと合流して依頼の鉱石を採取する。それが終わり、ひと段落すると…

ベアトリーチェ「それではお役目を終えた私はこの辺りで。保護した冒険者たちは拠点にいますので、お忘れずに。」

彼女は迷宮を後にしようとする…しかしクレーはベアトリーチェさんの所へは行かず、なぜか私の横に並んでいた。

アイリス「どうしたの？　何かコトリに言い忘れかな？」

クレーティ「実は私、コトリお姉ちゃんとアイリスさまについて行くことになってるの。

メイメイがすでに私の騎士学園への編入を…マリスミゼルって人に許可もらってるって。」

コトリ「え」

私はクレーの母親を…未だ戸惑いしかない『継母』の方を見る。


ベアトリーチェ「お姉さんであるコトリさんにクレーを託します。クレーもその目で世界を見て、魔族か人間どちらに味方するかを選びなさいね。」

コトリ「いや、私まだお2人のことちゃんとわかってないんですけど…お母さんとの関係とか色々と聞きたいこともありますし…。

というか、魔族か人間どちらかの味方になるのかを選べって…。」

アイリス「また魔族は何かを企んでいるのかな？　でも黒幕っていうのはもう魔王軍にはいないのでしょ？

ねぇ…最大の敵が共通なら、人間と魔族で手を取り合うことはできないの？」

不穏な発言、そして暗躍していることもあって魔族が何かを企んでいるようで…その白神聖者が全ての黒幕なら、私たちは共闘できないのかと教官は聞く。


ベアトリーチェ「話はそう単純ではありませんよ、我々魔族たちも一枚岩ではありませんし…そして色々とお考えがあるのですよ、魔王さまや『彼女』にもね。」

コトリ/アイリス「彼女…？」

オーレリア「ふむ…？(彼女というのはもしや…。)」

ベアトリーチェ「それと、あなたたちだけならともかく…人魔全ての共闘を提案するには、まずそちらの『老人たち』を何とかしないといけないと思いますが？」

アイリス/オーレリア「あー…それは…まあ確かに…。」

コトリ「？」

教官たちには、人魔で共闘できない心当たりがあるようで。しかし…魔王はわかるが、彼女とはいったい誰のことだろう。


ベアトリーチェ「クレー、ちゃんとお姉ちゃんの言うことは聞くように…それでは、またどこかで。」

そう言い残すと、私の継母は去っていった。