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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編
第302話 回想 道化師と私だけの天使さま
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リーゼ「さて、これで一件落着ーーー!?」
アイリス「っ!?」
男を制圧し、レイチェルを止めたことで事件が解決…と思った瞬間、私たち2人の周囲に魔力でできた光球が、囲むように複数出現した。
リーゼは、レイチェルの身体に覆いかぶさり…自身の身体を盾にし、地面に伏せる。
私は何とか避けるが…レイチェルを守ったリーゼは爆撃をまともに受け、爆炎に包まれる。
アイリス「リーゼ! ……いったい何者だよ!」
私は、気配がした方へ剣の切っ先を向ける。
すると暗闇から…赤い帽子、目元に仮面、クラウンの姿をした正体不明の人物が現れた。
「お初にお目にかかるよ、剣鬼アイリス=レイフィールド。僕は、みんなから『道化師』と呼ばれている…よろしくね♪」
「お、お前はアグレゴさまのところの…! いいところにきた、私を助けろ!」
アイリス「…! アグレゴ、それって確か…。」
道化師「……。」
道化師が指をぱちんと鳴らすと…男の周囲に魔力でできた光球が、囲むように複数出現した。
「え…お、おい…これはなんの冗談…。」
道化師「ふふ♪ きみの『役目』はもう終わった…今までご苦労さま♪」
「ひぃ!? う、うぎゃあああああっ!!」
アイリス「っ…な、なんてことを!」
道化師はもう一度指を鳴らすと、男は…魔力の光球の爆撃を受け、爆炎でチリと化す。
道化師「別にいいじゃないか、他人に迷惑をかける悪党だったんだろ? これで悪党は、この世から綺麗さっぱりと消えた…めでたしめでたし、じゃないか♪」
リーゼ「……アグレゴに…教団による悪魔の人体実験のデータ…なるほど、そういうことかい。各国に名を轟かす犯罪者のきみたちが、今回の一件の黒幕だったんだねぇ。」
アイリス「リーゼ、無事だったんだね!」
私の方を向いて、不気味に笑う道化師。
レイチェルを両手で抱きかかえた、リーゼが爆煙の中から現れる…おそらく硬質化により、爆撃を防いだようだ。
道化師「ぷ…あははは♪ あの転写の魔術師が身を挺して、人間を守るだなんて傑作だよ♪
なぁんだい、きみ…悪党から幼い少女を救って、自分の身を顧みずに守って、そんな自分がかっこいいとか思ってるの? ふふ…そんなことをして、自分がしてきたことを全てちゃらにできると思ってるのかなぁ?」
リーゼ「……。」
道化師「あはは、ざぁんねぇんでしたぁ♪ そんなことをしても無駄♪ きみが誰からも忌み嫌われる、血まみれの獣なのに変わりはないんだよぉ♪
……きみという存在は、この世界に芽吹いた『闘争の焔』を強めてくれた…きみが何をしようと、例えこの世界から消えようと、憎しみは残る…きみが起こしてくれたひとつの『争い、憎悪、負の連鎖』はもはや取り返しのつかないところまで、きてくれたよ。」
道化師が指を鳴らすと…さらに数が増えた光球が、リーゼの周囲を囲むように出現し…逃げ場はどこにもなく。
道化師「ふふ…きみは一生、血の海の中だ。だからそんな血まみれの獣に、そこから出て来られて、辺りを歩かれると汚いんでねぇ…そのままばっちい獣は、血の中に沈むといいよ♪」
アイリス「リーゼ!」
リーゼ「そんなこと…私が1番知ってーー」
「……いい加減にしてください」
その言葉と共に…衝撃波で囲んでいた魔力の光球が、全て粉砕され吹き飛ばされる。
レイチェル「話のほとんどの意味を理解できなかったけど…とりあえず、私の天使さまを侮辱しないでください。」
リーゼ「レイチェルくん、目覚めたのかい。というか…とりあえずだ、その天使さまはやめてくれ。」
レイチェル「お姉さん…リーゼは約束通り私を救いにきてくれた。だから、リーゼは私の天使さま。」
リーゼ「……どうやらきみは、すごく騙されやすいみたいだねぇ…そんなレイチェルくんのことを、お姉さんは心配だよ。」
変わらず天使さまと言うレイチェルに…複雑な苦笑いをみせるリーゼ。
道化師「あらら…まさか『そうなる』とはねぇーーーっ!?」
道化師目掛けて、魔力爆弾が飛んでいく…それはメイヴ先生の武器で。
道化師「あぶないあぶなっーー」
アイリス「ふっ!」
寸前で爆撃を回避した道化師…その避けたところを狙い私が細剣で、道化師の左腕を斬り飛ばした。
アイリス「っ…手応えがない…!?」
しかし、腕を切り裂いたのに出血していなく…それでいて道化師は痛みもないのか、全然気にした様子がなくて。
道化師「いやぁさすがは剣鬼、ちょっと隙を見せただけで左腕をもってかれるとはねぇ。
剣鬼に転写の魔術師にレイチェルくん…それにあの『クラウ…いや、メイヴ=アールザー=モルヴィウス』までやってきたとなると、さすがに僕では厳しいかな。
レイチェルくんをアグレゴのところに連れて行けないのは、残念だが…まあこの『結末』も、これはこれでなかなかに面白いかもね。」
メイヴ「逃げるのかい? 『道化師』ディソナンザ…相変わらず、得体の知れない奴だね。」
道化師「メイヴ=アールザー=モルヴィウス…この2人はきみの仕込みだね? パラドックス共々…相変わらずの無駄な努力を、本当にご苦労さまだよ。」
そう言い残すと、道化師は闇の中に消えていった……。
アイリス「っ!?」
男を制圧し、レイチェルを止めたことで事件が解決…と思った瞬間、私たち2人の周囲に魔力でできた光球が、囲むように複数出現した。
リーゼは、レイチェルの身体に覆いかぶさり…自身の身体を盾にし、地面に伏せる。
私は何とか避けるが…レイチェルを守ったリーゼは爆撃をまともに受け、爆炎に包まれる。
アイリス「リーゼ! ……いったい何者だよ!」
私は、気配がした方へ剣の切っ先を向ける。
すると暗闇から…赤い帽子、目元に仮面、クラウンの姿をした正体不明の人物が現れた。
「お初にお目にかかるよ、剣鬼アイリス=レイフィールド。僕は、みんなから『道化師』と呼ばれている…よろしくね♪」
「お、お前はアグレゴさまのところの…! いいところにきた、私を助けろ!」
アイリス「…! アグレゴ、それって確か…。」
道化師「……。」
道化師が指をぱちんと鳴らすと…男の周囲に魔力でできた光球が、囲むように複数出現した。
「え…お、おい…これはなんの冗談…。」
道化師「ふふ♪ きみの『役目』はもう終わった…今までご苦労さま♪」
「ひぃ!? う、うぎゃあああああっ!!」
アイリス「っ…な、なんてことを!」
道化師はもう一度指を鳴らすと、男は…魔力の光球の爆撃を受け、爆炎でチリと化す。
道化師「別にいいじゃないか、他人に迷惑をかける悪党だったんだろ? これで悪党は、この世から綺麗さっぱりと消えた…めでたしめでたし、じゃないか♪」
リーゼ「……アグレゴに…教団による悪魔の人体実験のデータ…なるほど、そういうことかい。各国に名を轟かす犯罪者のきみたちが、今回の一件の黒幕だったんだねぇ。」
アイリス「リーゼ、無事だったんだね!」
私の方を向いて、不気味に笑う道化師。
レイチェルを両手で抱きかかえた、リーゼが爆煙の中から現れる…おそらく硬質化により、爆撃を防いだようだ。
道化師「ぷ…あははは♪ あの転写の魔術師が身を挺して、人間を守るだなんて傑作だよ♪
なぁんだい、きみ…悪党から幼い少女を救って、自分の身を顧みずに守って、そんな自分がかっこいいとか思ってるの? ふふ…そんなことをして、自分がしてきたことを全てちゃらにできると思ってるのかなぁ?」
リーゼ「……。」
道化師「あはは、ざぁんねぇんでしたぁ♪ そんなことをしても無駄♪ きみが誰からも忌み嫌われる、血まみれの獣なのに変わりはないんだよぉ♪
……きみという存在は、この世界に芽吹いた『闘争の焔』を強めてくれた…きみが何をしようと、例えこの世界から消えようと、憎しみは残る…きみが起こしてくれたひとつの『争い、憎悪、負の連鎖』はもはや取り返しのつかないところまで、きてくれたよ。」
道化師が指を鳴らすと…さらに数が増えた光球が、リーゼの周囲を囲むように出現し…逃げ場はどこにもなく。
道化師「ふふ…きみは一生、血の海の中だ。だからそんな血まみれの獣に、そこから出て来られて、辺りを歩かれると汚いんでねぇ…そのままばっちい獣は、血の中に沈むといいよ♪」
アイリス「リーゼ!」
リーゼ「そんなこと…私が1番知ってーー」
「……いい加減にしてください」
その言葉と共に…衝撃波で囲んでいた魔力の光球が、全て粉砕され吹き飛ばされる。
レイチェル「話のほとんどの意味を理解できなかったけど…とりあえず、私の天使さまを侮辱しないでください。」
リーゼ「レイチェルくん、目覚めたのかい。というか…とりあえずだ、その天使さまはやめてくれ。」
レイチェル「お姉さん…リーゼは約束通り私を救いにきてくれた。だから、リーゼは私の天使さま。」
リーゼ「……どうやらきみは、すごく騙されやすいみたいだねぇ…そんなレイチェルくんのことを、お姉さんは心配だよ。」
変わらず天使さまと言うレイチェルに…複雑な苦笑いをみせるリーゼ。
道化師「あらら…まさか『そうなる』とはねぇーーーっ!?」
道化師目掛けて、魔力爆弾が飛んでいく…それはメイヴ先生の武器で。
道化師「あぶないあぶなっーー」
アイリス「ふっ!」
寸前で爆撃を回避した道化師…その避けたところを狙い私が細剣で、道化師の左腕を斬り飛ばした。
アイリス「っ…手応えがない…!?」
しかし、腕を切り裂いたのに出血していなく…それでいて道化師は痛みもないのか、全然気にした様子がなくて。
道化師「いやぁさすがは剣鬼、ちょっと隙を見せただけで左腕をもってかれるとはねぇ。
剣鬼に転写の魔術師にレイチェルくん…それにあの『クラウ…いや、メイヴ=アールザー=モルヴィウス』までやってきたとなると、さすがに僕では厳しいかな。
レイチェルくんをアグレゴのところに連れて行けないのは、残念だが…まあこの『結末』も、これはこれでなかなかに面白いかもね。」
メイヴ「逃げるのかい? 『道化師』ディソナンザ…相変わらず、得体の知れない奴だね。」
道化師「メイヴ=アールザー=モルヴィウス…この2人はきみの仕込みだね? パラドックス共々…相変わらずの無駄な努力を、本当にご苦労さまだよ。」
そう言い残すと、道化師は闇の中に消えていった……。
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