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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編
第292話 幕間 魔王軍の猫
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コトリとセイバー「今回は足を引っ張ってしまい、本当に申し訳ありませんでした!」
唸る獣との戦いが終わった直後…私とセイバーは、マコさんに頭を下げる。
同じ前衛である私とセイバーが、早々に戦闘不能になったことで、マコさんにばかり負担を掛けてしまった。
マコ「……気にするな。それに…私はお前たちのような奴らは、嫌いではない。」
コトリとセイバーとシオンたち「え」
マコ「セイバー、お前の勇気は買う…だが、ちゃんと実力が伴わなければ、大切な者を悲しませることになるぞ。
そして、コトリ…友が傷つけられたのだ、なら怒って当然だ。だが、時にそれが、己が剣を鈍らせることにも繋がる…怒った時こそ、冷静さも必要だ。
あと、だ…本校と分校と違いはあるが、私たちは同じ学生だ…だから、かしこまった言葉遣いはいらない。」
コトリとセイバー(……マコさんって思っていたより、意外と良い人…。)
シオン(……あの三賢人に味方する魔剣騎士が、そんな考え方をするとは…なら何故、彼女たちは…。)
私たちがそんなやりとりをしていると、突然背後から声をかけられた…。
「……かつての『光の剣聖』の奥義すら通さなかった硬質化を叩き斬るとは、その剣興味深いねぇ。」
コトリとセイバー(っ!? い、いつの間に後ろに…全く気配を感じなかった…!)
そこには4人の人物がいた…その4人全てから、闇の力が感じ取れた。
シオン「『転写の魔術師』リーゼに『被虐強化』フェアラート…やはり、ヴィレーヌの他にも『六武聖』が王国に入り込んでいましたか。」
レジー(リーゼの隣にいる人物…あれがアイリスさまから聞いていた、リーゼが『そばに置いている悪魔付きの人間の少女』ですか…名前は確かレイチェルといいましたか…。)
リーゼと呼ばれた魔族の横には…金髪で一本にまとめたおさげ、黒のマフラー、身体のラインがわかる黒のぴっちりスーツ(競泳水着のような)を着た少女がいた。
この感覚…この子…もしかして人間…?
シオンさまとレジーさんが、リーゼとフェアラートという魔族を警戒するなか…
ノエイン教官とイムカ教官の2人は、1人の魔族を見て、驚いた表情をしていた。
ノエイン「……『白銀』のセレス…。」
イムカ「どうして、お前がここにいる…そしてなぜ、リーゼと一緒に…!?」
「お久しぶりですね、ノエインにイムカ。なぜと聞かれれば、今は魔王軍に『蜘蛛』と共に雇われているからです。」
セレスと呼ばれた魔族は、白いとしか表現できなく。外見的な年齢は20代前半頃だろうか…南国の踊り子のような衣装を身に纏い、慎ましやかな胸、彫刻のように整った腰回り…全体的に肉付きが少なくスレンダーな体型で、しかし美術品のような完成された美だった。
このセレスって魔族…リーゼって魔族と同じくらい、底知れない力を感じる…。
リーゼ「ああ、そう警戒しなくていいよ。今回は君たちに用があるわけじゃないからさぁ…用があるのは、そっちだからねぇ。」
そう言うとリーゼは、氷漬けになった唸る獣へと近づいていく。
リーゼ「さて…流用し、私の能力を使用していた代金…その身で払ってもらおうか。」
コトリ(っ…い、今のは…!?)
リーゼは自身の液体化で剣の形を作り、硬化させ強靭な剣を生み出し、その刃に闇色の霧の魔力を纏わせ…
そしてシリウスの光の奥義を発動させ、リーゼの魔力纏う翼生えし剣を天高く掲げ…それを振るうと、唸る獣は完全に消滅した。
リーゼ「これで私の任務は完了…あと1匹はベアトリーチェがやってくれるだろう。
それじゃあ…またね、だ。ああ、私たちを捕まえたいのなら、かかってきてもいいけど…唸る獣との戦いで消耗した君たちじゃ、私たちには勝てないと思うよ。」
シオン「……ひとつだけいいですか…? ヴィレーヌはともかく、かつて白神聖者に味方していたあなたが、どうして今は敵対をしているのですか…?」
リーゼ「『王』の命令というのもある…が、少し『事情』が変わってねぇ…。
我らが『王と人間たちの行き着く先』を見たくなったんだ…それに、見届けないといけない『責任』も、一応私にはあるからねぇ。」
そう言い残すと、リーゼたち4人は私たちの前から去っていった…気配も消え、追うこともできなく。
イムカ(……かつてのリーゼと今のリーゼは、どこか少し違ったわね…人間に対して憎悪の感情しかなかったはずの奴が、レイチェルという人間の少女をそばに置いているのがその証拠…。
『光の剣聖』に敗北してからの変化らしいけど…噂は本当だったみたいね。それと…まさかあのセレスの奴が、魔王軍に入ってるとはな…それに『蜘蛛』まで…。)
シオン(さて…『追跡』はうまくいきますかね…あとは頼みましたよ、クレアさま……。)
唸る獣との戦いが終わった直後…私とセイバーは、マコさんに頭を下げる。
同じ前衛である私とセイバーが、早々に戦闘不能になったことで、マコさんにばかり負担を掛けてしまった。
マコ「……気にするな。それに…私はお前たちのような奴らは、嫌いではない。」
コトリとセイバーとシオンたち「え」
マコ「セイバー、お前の勇気は買う…だが、ちゃんと実力が伴わなければ、大切な者を悲しませることになるぞ。
そして、コトリ…友が傷つけられたのだ、なら怒って当然だ。だが、時にそれが、己が剣を鈍らせることにも繋がる…怒った時こそ、冷静さも必要だ。
あと、だ…本校と分校と違いはあるが、私たちは同じ学生だ…だから、かしこまった言葉遣いはいらない。」
コトリとセイバー(……マコさんって思っていたより、意外と良い人…。)
シオン(……あの三賢人に味方する魔剣騎士が、そんな考え方をするとは…なら何故、彼女たちは…。)
私たちがそんなやりとりをしていると、突然背後から声をかけられた…。
「……かつての『光の剣聖』の奥義すら通さなかった硬質化を叩き斬るとは、その剣興味深いねぇ。」
コトリとセイバー(っ!? い、いつの間に後ろに…全く気配を感じなかった…!)
そこには4人の人物がいた…その4人全てから、闇の力が感じ取れた。
シオン「『転写の魔術師』リーゼに『被虐強化』フェアラート…やはり、ヴィレーヌの他にも『六武聖』が王国に入り込んでいましたか。」
レジー(リーゼの隣にいる人物…あれがアイリスさまから聞いていた、リーゼが『そばに置いている悪魔付きの人間の少女』ですか…名前は確かレイチェルといいましたか…。)
リーゼと呼ばれた魔族の横には…金髪で一本にまとめたおさげ、黒のマフラー、身体のラインがわかる黒のぴっちりスーツ(競泳水着のような)を着た少女がいた。
この感覚…この子…もしかして人間…?
シオンさまとレジーさんが、リーゼとフェアラートという魔族を警戒するなか…
ノエイン教官とイムカ教官の2人は、1人の魔族を見て、驚いた表情をしていた。
ノエイン「……『白銀』のセレス…。」
イムカ「どうして、お前がここにいる…そしてなぜ、リーゼと一緒に…!?」
「お久しぶりですね、ノエインにイムカ。なぜと聞かれれば、今は魔王軍に『蜘蛛』と共に雇われているからです。」
セレスと呼ばれた魔族は、白いとしか表現できなく。外見的な年齢は20代前半頃だろうか…南国の踊り子のような衣装を身に纏い、慎ましやかな胸、彫刻のように整った腰回り…全体的に肉付きが少なくスレンダーな体型で、しかし美術品のような完成された美だった。
このセレスって魔族…リーゼって魔族と同じくらい、底知れない力を感じる…。
リーゼ「ああ、そう警戒しなくていいよ。今回は君たちに用があるわけじゃないからさぁ…用があるのは、そっちだからねぇ。」
そう言うとリーゼは、氷漬けになった唸る獣へと近づいていく。
リーゼ「さて…流用し、私の能力を使用していた代金…その身で払ってもらおうか。」
コトリ(っ…い、今のは…!?)
リーゼは自身の液体化で剣の形を作り、硬化させ強靭な剣を生み出し、その刃に闇色の霧の魔力を纏わせ…
そしてシリウスの光の奥義を発動させ、リーゼの魔力纏う翼生えし剣を天高く掲げ…それを振るうと、唸る獣は完全に消滅した。
リーゼ「これで私の任務は完了…あと1匹はベアトリーチェがやってくれるだろう。
それじゃあ…またね、だ。ああ、私たちを捕まえたいのなら、かかってきてもいいけど…唸る獣との戦いで消耗した君たちじゃ、私たちには勝てないと思うよ。」
シオン「……ひとつだけいいですか…? ヴィレーヌはともかく、かつて白神聖者に味方していたあなたが、どうして今は敵対をしているのですか…?」
リーゼ「『王』の命令というのもある…が、少し『事情』が変わってねぇ…。
我らが『王と人間たちの行き着く先』を見たくなったんだ…それに、見届けないといけない『責任』も、一応私にはあるからねぇ。」
そう言い残すと、リーゼたち4人は私たちの前から去っていった…気配も消え、追うこともできなく。
イムカ(……かつてのリーゼと今のリーゼは、どこか少し違ったわね…人間に対して憎悪の感情しかなかったはずの奴が、レイチェルという人間の少女をそばに置いているのがその証拠…。
『光の剣聖』に敗北してからの変化らしいけど…噂は本当だったみたいね。それと…まさかあのセレスの奴が、魔王軍に入ってるとはな…それに『蜘蛛』まで…。)
シオン(さて…『追跡』はうまくいきますかね…あとは頼みましたよ、クレアさま……。)
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