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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編
第273話 怪異①
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辺りから漂う気配は魔族のものだと感じ取れ、私たちは身構える。
アネット「(ふぅん…魔族による固有結界のようなものかしらねぇ。)
どこから来るかわからないわよ、全員気をつけなさいな。」
コトリ「…! ミヤコ、うしろ!」
ミヤコ「えっーーわぁ!」
ニニム「ふっ!」
ミヤコの背後の地面から、突如として黒い影が現れ…それは魔獣の姿を形作り、ミヤコに襲い掛かる。
ミヤコがその攻撃を回避すると…即座にニニム先輩が剣を振り抜き、影の魔獣を両断した。
ロア「影が形を為して襲ってくるだなんて…っ…倒した魔獣が消えた…!?」
アズ「というか、王都の中なのに魔獣が現れて襲って来るだなんて、異常事態ですね…。」
ニニム「気を緩めないで、まだくるわ。」
倒した魔獣は霧のように消えてしまい…そして今度は複数体、地面から影の魔獣が現れる。
ロア「きます!」
アネット「各自、フォローできるようお互いの距離は空け過ぎないように…あと、何体いるか不明だから、ペース配分にも気をつけてなさい。」
コトリ「ん、迎え撃つ。」
ミヤコ「不意打ちじゃなきゃ、遅れは取らないよ!」
襲い掛かってくる影の魔獣たち…私たちはフォローし合える距離を保ちながら、剣を握って魔獣たちへ駆ける。
コトリ「ふっ!」
アズたち「はぁああ!」
私たちは魔獣の攻撃を掻い潜りながら、すれ違いざまに剣で反撃し切り裂き…そのまま駆け続け、次から次へと現れる魔獣たちをものともせず斬り伏せる。
アネット(今年の新入生は優秀ねぇ…
アズさんたち3人は連携が非常に優れているし、コトリさんは…『あの子』の見込み通り『本気』ではないのにこれとは、さすがの強さと言わざる得ないわね。
これなら、余裕そうね…っ…。)
「きゃああああ!」
アズたち「な…!?」
ニニム「旧市街地区の…民間人よ、みんな守りなさい!」
歩いてきた民間人が、影の魔獣と戦うこの場に鉢合わせてしまい…人通りがない少し外れた裏通りとはいえ、まだここは歓楽街地区で。
アズたち「間に合わな…!」
コトリ(っ…こうなったら半魔化して…。)
アネット&ニニム(仕方ないわね『あれ』でーーいえ、この気配は…。)
「騎士の方々は、その場を動かないでください…あとは、私たちがやるので。」
暗闇から声が響くと…影の魔獣たちが『糸』のようなもので拘束され、行動不可能となり。
アズたち「え…。」
コトリ(あれは…魔力で出来た糸…?)
「エレインお嬢さま、魔獣たちの動きは止めました。」
「シャロン、そのままでお願い…七翼流 合技 風神疾風」
剣を持った1人の女性が…魔獣たちを疾風の勢いで通り過ぎながら切り裂いたあと、追撃の遠隔斬撃である風神を叩き込み…拘束されていた魔獣たちは、一瞬で全て殲滅された。
コトリ(うそ…剣のひと捌きで、影の魔獣たちが全て切り裂かれた…
あの女性が使ったのは、おそらく七翼流剣術なのだろうけど…技の切れ、足運び、体幹…そのどれもが私より遥かに完成されて…
すごい…アイリス教官やレイン以外にも…こんな人が…!)
剣を持った女性が放った技は、風の型である…疾風と風神…の複合技のようで…その美しい剣筋を見た私は、胸がときめいていた。
ニニム「なるほど…あれが冒険者ギルドの若手エース『剣姫』と、そのパーティーメンバーである『死戦域』なのね。」
アネット「ええ…大戦後『S』ランク冒険者となった『光の剣聖』シリウスの娘で、最年少でAランク冒険者となった『剣姫』エレイン=ブライト…
そして…暗殺など『汚れ仕事』を専門としていた『破天の七杖』出身で、王国騎士から冒険者となった『死戦域』シャロン=ブライトのようねぇ。」
アネット「(ふぅん…魔族による固有結界のようなものかしらねぇ。)
どこから来るかわからないわよ、全員気をつけなさいな。」
コトリ「…! ミヤコ、うしろ!」
ミヤコ「えっーーわぁ!」
ニニム「ふっ!」
ミヤコの背後の地面から、突如として黒い影が現れ…それは魔獣の姿を形作り、ミヤコに襲い掛かる。
ミヤコがその攻撃を回避すると…即座にニニム先輩が剣を振り抜き、影の魔獣を両断した。
ロア「影が形を為して襲ってくるだなんて…っ…倒した魔獣が消えた…!?」
アズ「というか、王都の中なのに魔獣が現れて襲って来るだなんて、異常事態ですね…。」
ニニム「気を緩めないで、まだくるわ。」
倒した魔獣は霧のように消えてしまい…そして今度は複数体、地面から影の魔獣が現れる。
ロア「きます!」
アネット「各自、フォローできるようお互いの距離は空け過ぎないように…あと、何体いるか不明だから、ペース配分にも気をつけてなさい。」
コトリ「ん、迎え撃つ。」
ミヤコ「不意打ちじゃなきゃ、遅れは取らないよ!」
襲い掛かってくる影の魔獣たち…私たちはフォローし合える距離を保ちながら、剣を握って魔獣たちへ駆ける。
コトリ「ふっ!」
アズたち「はぁああ!」
私たちは魔獣の攻撃を掻い潜りながら、すれ違いざまに剣で反撃し切り裂き…そのまま駆け続け、次から次へと現れる魔獣たちをものともせず斬り伏せる。
アネット(今年の新入生は優秀ねぇ…
アズさんたち3人は連携が非常に優れているし、コトリさんは…『あの子』の見込み通り『本気』ではないのにこれとは、さすがの強さと言わざる得ないわね。
これなら、余裕そうね…っ…。)
「きゃああああ!」
アズたち「な…!?」
ニニム「旧市街地区の…民間人よ、みんな守りなさい!」
歩いてきた民間人が、影の魔獣と戦うこの場に鉢合わせてしまい…人通りがない少し外れた裏通りとはいえ、まだここは歓楽街地区で。
アズたち「間に合わな…!」
コトリ(っ…こうなったら半魔化して…。)
アネット&ニニム(仕方ないわね『あれ』でーーいえ、この気配は…。)
「騎士の方々は、その場を動かないでください…あとは、私たちがやるので。」
暗闇から声が響くと…影の魔獣たちが『糸』のようなもので拘束され、行動不可能となり。
アズたち「え…。」
コトリ(あれは…魔力で出来た糸…?)
「エレインお嬢さま、魔獣たちの動きは止めました。」
「シャロン、そのままでお願い…七翼流 合技 風神疾風」
剣を持った1人の女性が…魔獣たちを疾風の勢いで通り過ぎながら切り裂いたあと、追撃の遠隔斬撃である風神を叩き込み…拘束されていた魔獣たちは、一瞬で全て殲滅された。
コトリ(うそ…剣のひと捌きで、影の魔獣たちが全て切り裂かれた…
あの女性が使ったのは、おそらく七翼流剣術なのだろうけど…技の切れ、足運び、体幹…そのどれもが私より遥かに完成されて…
すごい…アイリス教官やレイン以外にも…こんな人が…!)
剣を持った女性が放った技は、風の型である…疾風と風神…の複合技のようで…その美しい剣筋を見た私は、胸がときめいていた。
ニニム「なるほど…あれが冒険者ギルドの若手エース『剣姫』と、そのパーティーメンバーである『死戦域』なのね。」
アネット「ええ…大戦後『S』ランク冒険者となった『光の剣聖』シリウスの娘で、最年少でAランク冒険者となった『剣姫』エレイン=ブライト…
そして…暗殺など『汚れ仕事』を専門としていた『破天の七杖』出身で、王国騎士から冒険者となった『死戦域』シャロン=ブライトのようねぇ。」
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