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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編
第268話 予兆
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マリスミゼル「……やはり、おかしいですね。」
学園長執務室…手元にはとある議員の資料が揃えられていた。
魔族排斥派の急先鋒として知られる議員は、最近になり突如として手の平を返したような発言と政策を提言するようになった…
そして、それだけではなく…それ以外、その他にも不可解な事件が王都各地でも起きている。
学園長として、議事の場に出席する立場上中立を貫きつつ政策を行ってきたが、たった2週間ほどの間で擁護派が力をつけ、バランスが崩れつつある…
擁護派の中には『魔族に支配される』ことを望む層すらでてきつつあり、この流れを看過することはできない…王国の守り手を育てるものとして断じて。
マリスミゼル「……調査が必要なのは明らかでしょう。真意を確かめる必要があります。考えたくはないですが…これらの事件には、大物が潜んでいる可能性もあるでしょう。
エリシア…私の右腕として、貴女の意見を聞かせて下さい。
騎士団内部から人材をだすか…もしくは、サクヤさまに助力を仰ぐべきなのか。」
ーーーー
エリシア「……そうだな…騎士団内部からはあまりお勧めはしないかな。
仮に大物な魔族が内部にいるとしよう、そう考えて動くとしたら一人一人信用できるか裏取りから始めることになり、時間がかかってしまう…しかも私たちが調査しようとしてると、魔族側に情報が漏れる可能性がある。
私としてはサクヤ殿たち教会騎士団に助力を仰ぐのと、それと…冒険者ギルドにも助力を仰ぐのはどうだろうか?
教会なら今の自体を放っておかないだろうし、冒険者ギルドの方にはアイリスの知り合い…たしか…オーレリア殿という人と繋がりがあったと聞いているし、ギルドも学園長であるマリスの依頼なら断らないだろう。」
王国騎士団から人を募ると…内部にいる相手に筒抜けになるかもと言い、教会騎士団と冒険者ギルドに助力要請、捜査の依頼を出してみたらと提案する。
エリシア「まあこの件に関しては、助力や依頼を出すのは決まりとしても、ある程度の情報はマリスたちも欲しいだろ…
というわけで、議員の件は私が少し調べてみよう…マリスは、教会たちにそのように伝えておいてくれ。」
どの程度の危険があるか不明な現時点で、頼りっきりになるのは教会たちを危険に晒すことになる…なので教会たちが調査の準備をしている間に、私がある程度調査しておくと言って。
ーーーー
マリスミゼル「ええ…それに今はアイリスを始めとする腕利きが出払うことが多いですものね。
わかりました…中立を貫いている私の立場上、表立って協力要請はできません…
なので、教会とギルドには私の裏ルートを使って、実力派を出してもらえるよう助力を仰いでおきましょう。
その他の放置できない案件は…戦乙女三姉妹、2年生の中から実力のあるもの…そして、コトリたちに手伝ってもらいましょう。」
手が足りないため…信頼できて実力がある騎士学生に、危険だが手伝ってもらう方向にし…書類を纏め今後の方針を伝えると、小さくため息をつきながら私は彼女を見つめ。
マリスミゼル「エリシア…わかりました…貴女の実力は私が1番知っています。人選に問題があると考えはしません…ですが…。」
窓の外を見つめ、少し考えこむような仕草を見せる…外の情景は小鳥の囀ずりと、温かな木漏れ日が差し込む穏やかな時間が流れている。
マリスミゼル「何か…嫌な予感がします。この度は私も参りましょうか? いつも貴女に任せてばかりでは申し訳ありませんし、議事の合間を縫えば…。」
恋人を心配しているのか、普段なら一任するところを珍しく同行を申し出る。
しかし、彼女のスケジュールは学園長として各種機関との連日の会議に加えて、議会への出席及び議事…
更に学園長として学園内部の指導や講話が控える過密スケジュールを抱えていて。
ーーーー
エリシア「そうだな…アイリスたちがいてくれたらと思うが…ああ、その方向で頼む。」
いつでも都合が合う時にアイリスたちがいる保証はない、今がその時で…マリスの助力の方針を聞いて、私も頼むと頷いて。
エリシア「マリス…? ……嫌な予感か…君が同行をと言うのは、確かに何かありそうだ…だけどだ、君にはやることがあるだろう? そちらを疎かにしては本末転倒だろう。」
マリスが心配してくれ…そして、いつもと違う様子に私も警戒度が上がる。
マリスが忙しいのを知っているため、珍しく私がマリスを説得する形となって。
エリシア「無理させて君に倒れられるとみんなが…もちろん私も困る…。
それに動かせる人が限られてるんだ、ここは私が頑張らないとね。大丈夫…君をおいていなくなったりしないから。」
学園の生徒たちと言いながらも、私がマリスのことを一番心配していると言って。
ハードスケジュールなマリスに負担をかけさせないよう、そして心配させないように私は微笑み…マリスの頭を優しく撫でて。
ーーーー
マリスミゼル「……// で、ですが…むぅ…♪ ……わかりました…ですが、何かあれば連絡をよこして下さいね? 約束ですよ?」
髪を撫でられると少しくすぐったそうに頬を赤めて、しぶしぶと行った様子で了承し、彼女単独の派遣を決めて、引き出しから地図を取り出す。
マリスミゼル「ここが、問題の議員の居宅です。私設の警備団が厳重に監視体制を敷いているので突破は困難ですし、国法による身分特権がある議員に剣を向ければ貴女が捕まりますからね、無理はダメですよ?
ひとまず、この議員の私設警備団に貴女を潜入させるように手を打ちます。身分は…傭兵としておきます。そこで内情を探って下さい。
更にバックアップ要員として、教会とギルドからできれば2名ずつ外から監視をつけるように手配します…
しかしギルドも腕利きは依頼により、外に出払っていることが多い…それに加え、コトリたちの案件にも当たらせるようにするので…そちらはあまり期待はしないで下さい…
ですが教会には強いパイプをもっていますので、最低でも1名はつけます。
貴女に危険が迫れば突入するよう指示を出しておきますので、いざというときは力を合わせ事に臨んで下さい。
この件については、各種手続きや色々と仕込みなどがありますので、潜入調査はまだもう少し先のことになります…
なのでそれまでの間は学園地下調査の継続と、学園付近の見回りなど…そして、エリシアの方でも潜入調査への準備をお願いします。」
コトリたち学生騎士たちにギルドのバックアップをつけようとしているため、エリシアの方は教会のみかもしれないと告げ。
指示を出し終わると、小さくため息をついて心配そうな瞳を向けるも…
マリスミゼル「エリシア…私の意地にかけて、腕利きのバックアップ要員を揃えます。
だから…安心して行ってきて、またここに帰ってきて下さいね?」
ーーーー
エリシア「ああ、わかったよマリス。
(一度過去にマリスを心配させてしまったからな…二度目はないように気をつけよう。)」
安心させるように微笑みながら、優しくマリスの頭を撫でて…普段は見せないであろう頬を赤らめてる彼女が可愛いなと思いながら、私は約束して。
エリシア「警備団ね…大丈夫さ、いくら私でも議員に剣なんて向けないさ。ふむふむ傭兵ね…了解だ。
ああ大丈夫だ、ギルドが忙しいのは知ってるからさ…コトリたちのところだけでも確保してやってくれ。それに教会のサポートがあるなら心強いね、んっ…こちらも了解だ。」
マリスの指示をこくこくと頷いて聞いていく…こういうことはマリスの方が得意だから任せている、かわりに私は私にできることでマリスを支える。
エリシア「当たり前だ…私の居場所はマリスの側だけだからね…帰ってくるから心配しないで待っててくれ。」
ぎゅっとマリスを優しく…でも強く抱きしめ、私は帰ってくるからと約束して……。
学園長執務室…手元にはとある議員の資料が揃えられていた。
魔族排斥派の急先鋒として知られる議員は、最近になり突如として手の平を返したような発言と政策を提言するようになった…
そして、それだけではなく…それ以外、その他にも不可解な事件が王都各地でも起きている。
学園長として、議事の場に出席する立場上中立を貫きつつ政策を行ってきたが、たった2週間ほどの間で擁護派が力をつけ、バランスが崩れつつある…
擁護派の中には『魔族に支配される』ことを望む層すらでてきつつあり、この流れを看過することはできない…王国の守り手を育てるものとして断じて。
マリスミゼル「……調査が必要なのは明らかでしょう。真意を確かめる必要があります。考えたくはないですが…これらの事件には、大物が潜んでいる可能性もあるでしょう。
エリシア…私の右腕として、貴女の意見を聞かせて下さい。
騎士団内部から人材をだすか…もしくは、サクヤさまに助力を仰ぐべきなのか。」
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エリシア「……そうだな…騎士団内部からはあまりお勧めはしないかな。
仮に大物な魔族が内部にいるとしよう、そう考えて動くとしたら一人一人信用できるか裏取りから始めることになり、時間がかかってしまう…しかも私たちが調査しようとしてると、魔族側に情報が漏れる可能性がある。
私としてはサクヤ殿たち教会騎士団に助力を仰ぐのと、それと…冒険者ギルドにも助力を仰ぐのはどうだろうか?
教会なら今の自体を放っておかないだろうし、冒険者ギルドの方にはアイリスの知り合い…たしか…オーレリア殿という人と繋がりがあったと聞いているし、ギルドも学園長であるマリスの依頼なら断らないだろう。」
王国騎士団から人を募ると…内部にいる相手に筒抜けになるかもと言い、教会騎士団と冒険者ギルドに助力要請、捜査の依頼を出してみたらと提案する。
エリシア「まあこの件に関しては、助力や依頼を出すのは決まりとしても、ある程度の情報はマリスたちも欲しいだろ…
というわけで、議員の件は私が少し調べてみよう…マリスは、教会たちにそのように伝えておいてくれ。」
どの程度の危険があるか不明な現時点で、頼りっきりになるのは教会たちを危険に晒すことになる…なので教会たちが調査の準備をしている間に、私がある程度調査しておくと言って。
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マリスミゼル「ええ…それに今はアイリスを始めとする腕利きが出払うことが多いですものね。
わかりました…中立を貫いている私の立場上、表立って協力要請はできません…
なので、教会とギルドには私の裏ルートを使って、実力派を出してもらえるよう助力を仰いでおきましょう。
その他の放置できない案件は…戦乙女三姉妹、2年生の中から実力のあるもの…そして、コトリたちに手伝ってもらいましょう。」
手が足りないため…信頼できて実力がある騎士学生に、危険だが手伝ってもらう方向にし…書類を纏め今後の方針を伝えると、小さくため息をつきながら私は彼女を見つめ。
マリスミゼル「エリシア…わかりました…貴女の実力は私が1番知っています。人選に問題があると考えはしません…ですが…。」
窓の外を見つめ、少し考えこむような仕草を見せる…外の情景は小鳥の囀ずりと、温かな木漏れ日が差し込む穏やかな時間が流れている。
マリスミゼル「何か…嫌な予感がします。この度は私も参りましょうか? いつも貴女に任せてばかりでは申し訳ありませんし、議事の合間を縫えば…。」
恋人を心配しているのか、普段なら一任するところを珍しく同行を申し出る。
しかし、彼女のスケジュールは学園長として各種機関との連日の会議に加えて、議会への出席及び議事…
更に学園長として学園内部の指導や講話が控える過密スケジュールを抱えていて。
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エリシア「そうだな…アイリスたちがいてくれたらと思うが…ああ、その方向で頼む。」
いつでも都合が合う時にアイリスたちがいる保証はない、今がその時で…マリスの助力の方針を聞いて、私も頼むと頷いて。
エリシア「マリス…? ……嫌な予感か…君が同行をと言うのは、確かに何かありそうだ…だけどだ、君にはやることがあるだろう? そちらを疎かにしては本末転倒だろう。」
マリスが心配してくれ…そして、いつもと違う様子に私も警戒度が上がる。
マリスが忙しいのを知っているため、珍しく私がマリスを説得する形となって。
エリシア「無理させて君に倒れられるとみんなが…もちろん私も困る…。
それに動かせる人が限られてるんだ、ここは私が頑張らないとね。大丈夫…君をおいていなくなったりしないから。」
学園の生徒たちと言いながらも、私がマリスのことを一番心配していると言って。
ハードスケジュールなマリスに負担をかけさせないよう、そして心配させないように私は微笑み…マリスの頭を優しく撫でて。
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マリスミゼル「……// で、ですが…むぅ…♪ ……わかりました…ですが、何かあれば連絡をよこして下さいね? 約束ですよ?」
髪を撫でられると少しくすぐったそうに頬を赤めて、しぶしぶと行った様子で了承し、彼女単独の派遣を決めて、引き出しから地図を取り出す。
マリスミゼル「ここが、問題の議員の居宅です。私設の警備団が厳重に監視体制を敷いているので突破は困難ですし、国法による身分特権がある議員に剣を向ければ貴女が捕まりますからね、無理はダメですよ?
ひとまず、この議員の私設警備団に貴女を潜入させるように手を打ちます。身分は…傭兵としておきます。そこで内情を探って下さい。
更にバックアップ要員として、教会とギルドからできれば2名ずつ外から監視をつけるように手配します…
しかしギルドも腕利きは依頼により、外に出払っていることが多い…それに加え、コトリたちの案件にも当たらせるようにするので…そちらはあまり期待はしないで下さい…
ですが教会には強いパイプをもっていますので、最低でも1名はつけます。
貴女に危険が迫れば突入するよう指示を出しておきますので、いざというときは力を合わせ事に臨んで下さい。
この件については、各種手続きや色々と仕込みなどがありますので、潜入調査はまだもう少し先のことになります…
なのでそれまでの間は学園地下調査の継続と、学園付近の見回りなど…そして、エリシアの方でも潜入調査への準備をお願いします。」
コトリたち学生騎士たちにギルドのバックアップをつけようとしているため、エリシアの方は教会のみかもしれないと告げ。
指示を出し終わると、小さくため息をついて心配そうな瞳を向けるも…
マリスミゼル「エリシア…私の意地にかけて、腕利きのバックアップ要員を揃えます。
だから…安心して行ってきて、またここに帰ってきて下さいね?」
ーーーー
エリシア「ああ、わかったよマリス。
(一度過去にマリスを心配させてしまったからな…二度目はないように気をつけよう。)」
安心させるように微笑みながら、優しくマリスの頭を撫でて…普段は見せないであろう頬を赤らめてる彼女が可愛いなと思いながら、私は約束して。
エリシア「警備団ね…大丈夫さ、いくら私でも議員に剣なんて向けないさ。ふむふむ傭兵ね…了解だ。
ああ大丈夫だ、ギルドが忙しいのは知ってるからさ…コトリたちのところだけでも確保してやってくれ。それに教会のサポートがあるなら心強いね、んっ…こちらも了解だ。」
マリスの指示をこくこくと頷いて聞いていく…こういうことはマリスの方が得意だから任せている、かわりに私は私にできることでマリスを支える。
エリシア「当たり前だ…私の居場所はマリスの側だけだからね…帰ってくるから心配しないで待っててくれ。」
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