263 / 367
第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編
第262話 幕間 聖剣騎士と魔剣騎士
しおりを挟む
腰まである赤髪に、赤のレオタードを身に纏った女性…レイン=ウィングは、
褐色肌に灰色の髪…闇色の瞳をした少女と共に、早足で教会の会議室へと向かっていた。
レイン「やば…定例会議に遅刻しそう…!」
「だから私は言ったんです、任務終わりの後にそんな時間はほとんど残ってませんと…でもレインが『よし、コトリへのお土産を選ぶ時間くらいあるね』と言ったんです。自業自得です。
一応まだ走れば、間に合うと思いますが。」
レイン「それは却下で…! 教会内で走ったら間に合っても、私がクラリッサに怒られるじゃない…上に立つ者が走るなど、シスターや他の者の教育に悪い…とかなんとかって。」
「早足でもそれは変わらない気がしますが…あと、遅刻したらどのみちクラリッサの小言コースだと思いますよ。
まあなら、走らない程度に急ぐしかないですね…しかしどうして、戦闘面ではあんなに頼りになるのに、なぜコトリのことが絡むとポンコツになるのか。」
レイン「そりゃあ仕方ないでしょ…今まで苦労してきた分、幸せになってもらいたくて、いろいろと彼女にしてあげたいと思うのは『親代わり』としては当然で…!」
「はいはい、急ぎますよ。」
レインである…私は、パートナーのアメリア=シンクレアと共に会議室へと急いだ…。
辿り着いた私たちが会議室の扉を開けると、聖剣騎士とそれを補佐するパートナーのみが…聖剣騎士サクヤにクラリッサ、聖剣騎士ランにリーメイ…が集まっていた。
レイン「すみません、遅くなりました…!」
アメリア「ちなみに遅刻理由は、コトリへのお土産選びでだよ。」
レイン「ちょ…アメリア…!?」
ラン「うん、知ってた。」
リーメイ「まあ、100%コトリさん関連だとは思ってたよ。」
クラリッサ「はぁ…またですか、あなたは…。」
サクヤ「ふふ…大丈夫ですよ。レインにアメリア、任務お疲れさまでした。
それでは全員が揃ったところで、定例会議を始めるとしましょうか。」
私とアメリアが席に座ると、会議が始まる…。
…‥…。
ラン「……ギランバルトに表立っての目立った動きはない…でも何かに備えて、軍備の増強と軍費の増加は年々増してる…アル皇太子殿下も取り込んでるから、国王さま派閥も彼らを完全に抑えきれてない。
ギランバルトの最高戦力は…ギランバルトの娘という人物によって再編された『真・破天の7杖』で、メンバー全員がローブで顔も姿も隠してるため、素性は不明…けどおそらく『S計画』関連で間違いないと思う。」
リーメイ「それに加えてギランバルトは、アグレゴの組織『ディアボロ』と手を組んでいるから、裏ではやっぱりろくでもないことを企んでるのは間違いないかな。
まあこちらに関しては引き続き、王国騎士団『国王直属騎士』の…氷帝、雷帝、炎帝…たちからの情報頼りになりそうですね。」
………。
レイン「……リュネメイアの一件で確認された怪物…あれはおそらく大戦で倒されたはずのキメラで間違いないかな…いろいろと調べた結果、類似する部分が見つかったし…
それに『あの世から復活』したウルフヘイムやエルメスといった、再集結した魔王六武聖と合流していたのも情報として確認できた…ちなみに今回は『狂化』はされてないみたい。
今は魔族領で内戦をしてるみたいだけど、おそらく最終目的は人間領への侵攻…。」
アメリア「ちなみに彼女たちのボスは『魔王』と名乗ってる…六武聖にキメラが従っているところをみると、おそらく本物。
そして、彼女たちが引き起こそうとしているのは『第三次人魔大戦』……私は戦争で家族を失った…大戦なんてお互いに悲しみしか生まないのに、本当になんでみんな争うことしかできないんだろうね…。」
………。
クラリッサ「あの老害…んん…こほん…三賢人たちはあの大戦以降、私たちに権力を少しずつ削がれ、あと一歩のところまで追い詰めました…しかし、それも少し前までの話…
今は『魔剣騎士』たちという、お嬢さまたち聖剣騎士にも匹敵する4人を部下とし…私たちと勢力を二分し、教会騎士団の覇権を賭けての衝突寸前まできています…。
彼女たちは魔剣を抜剣することで、聖剣を抜剣するのと同じくらいの力を発揮し…聖剣と同じくなんらかの特殊な力まで持ち、聖と魔を象徴するかのように対をなす力のようで…
特に魔剣騎士の筆頭は『教会最強の黒焔魔神』と呼ばれ、サクヤお嬢さまにも匹敵する…とのことでしたか…?」
サクヤ「ええ…『今の彼女』は私と同等…もしくは私さえ凌駕する力を持っていそうですね、正直まったく底が見えません…まあレインの『話』を聞き、その『正体』を知っているから、その強さには納得ができますが…
『彼女』が何を企んで三賢人と協力しているかは不明ですが、他の魔剣騎士たち3人の少女が協力してる理由はわかります…
少女3人は元々『彼女』が拾った子たちでしたから、その恩などから従っていると思われます…特に『天帝』の子は、彼女から『七翼流』の剣を深く教わった弟子でしたからね…
3人の少女は、三賢人に協力する理由はなくても『彼女』にならあるといった感じです…。
いずれにせよ魔剣騎士を味方につけた、三賢人との対決は避けられないでしょう…
できれば被害が出なくて、表沙汰にならないところで殲滅が理想なのですが…下手をすると教会騎士団の内戦となって、王国全体に影響を及ぼしてしまう可能性もあります…。」
レイン(……それは正直避けたいところだ…事が大きくなると、コトリの耳に入ってしまうからね…。)
クラリッサ「あとは…魔剣騎士の少女3名は現在、分校…主に教会騎士見習いが通う学園へと在学していて、特に目立った動きなどはありませんが、何か理由があってフィリア騎士学園分校へと入学したと思われます…。」
………。
クラリッサ「……さて、本日最後の議題についてですが、それはコトリさんの『聖剣の出処』についてです。」
ラン「あの『魔』の力が今は安定してるって、定期的な報告では聞いていたけど…聖剣を入手した話は今日聞いたばかりなんだけど、それって本当なの?」
レイン「ええ、本当よ…この前帰ってきた時に本人から確認できたわ、どんな状況で初抜剣したかなど少しはぐらかされたけど。」
アメリア「あとコトリ自身、どうして自分が聖剣をその身に宿したかなど、本当にわかってなかったわ。」
リーメイ「元々コトリさんが持っていた可能性とかではないのかしら?」
サクヤ「それはありえません…あの聖剣は、私の聖剣以上に特別なのです。」
リーメイ「特別…?」
サクヤ「ええ…あの聖剣はフィリア=オックスフォードが前の持ち主だったからです…。」
………。
ギランバルト関連は、王国騎士団の信頼できる『あるお方』からの情報待ち…
魔族領関連は、国王と『あるお方』への報告に加えてこちらでも調査を続ける…
三賢人関連は、三賢人を暗殺できなかった場合への決戦に備えておくこととなり…
コトリの聖剣関連は、魔の力と同じく引き続き監視と調査…とすることになった。
私とアメリアが部屋を出ようとした時、サクヤから声をかけられ…
サクヤ「レイン、一ついいですか? あなたは…コトリさんには『このまま黙ったまま』にするつもりですか?」
レイン「……パラドックスの話によれば、別世界のコトリの記憶を植え付けてるらしい…自身の記憶との違いが彼女にどんな影響を与えるかわからないから、できればコトリに伝わる前に決着をつけたいと思ってるわ。」
アメリア(……。)
サクヤの質問に答えると、私とアメリアは会議室を後にした…。
アメリア「いいの? サクヤたちにもだけど、コトリにこの事を話さず…そして『彼女』との最後の決着は『差し違えてでも自分の手で』と、考えてるの伝えなくて。」
レイン「ああ…二度も失わせたら、コトリの心の傷を余計に広げてしまうだけだからね…そして『彼女とあいつ』をこの手で止める、それが友であった私の『役目』だからね。」
アメリア「(他人の幸せばっかり優先して…もう少し自分の幸せも考えてなさいよ…このお人好しバカ…。)
はぁ…わかった、もう何も言わない…だけど、私はどんなことがあっても、レインに付き合うから…そして、大馬鹿なレインは私が死なせないから。」
レイン「…! …アメリア……そう…だな…あなたを残しては逝けない…かな…。」
ぎゅ…っとアメリアに手を強く握られながら言われ、私は視線を逸らしながら色々と揺らいでしまう…アメリアも『彼女とあいつ』も、私にとって大切な者であったから。
そうしていると前から4人の女性と1人の男性が歩いてきて、私たちとすれ違い…二歩進んだあと振り返り、彼女は話しかけてきた。
「あらあら、お熱いですねぇ…♪ まさかあの大戦で拾った娘と『そんな関係』になるだなんて、昔あなたに紹介された時には想像もしなかったわ…♪
というか、レインの初恋の相手は私じゃなかったのかしら?」
レイン「……そこの男とくっつけてあげた時にも言ったけど、私はあんたたちの幸せを1番に願ってると言ったわ…
だからとっくに『そのことに関して』は吹っ切ってるわよ、じゃないとあんたたちが付き合ってからも友達でいないでしょうが…てか、面白がってからかってるでしょ、あんた。
はぁ…こうして話すのは久しぶりね…まあ、いい機会だから宣言させてもらっとくわ…あなたたちは、友だった私が必ず止めるわ…ミク…それにオズも。」
私も振り返り、彼女とあいつの顔を見る…そこには私のかつての友であった、ミク=クラウゼルにオズ=クラウゼルの姿があって…
そして、彼女たちの部下の魔剣騎士の3人の少女の姿も隣にはあった……。
ミク「ふふ…♪ 『友と相打つか愛をとるかで悩み引きずりまくって、過去か未来のどちらかを選べない、そんな優柔不断な騎士さん』に、果たしてそれができるかしら…♪
まあ、できなければ『魔王と共に私が世界を飲み込む』だけだけどね…『白神聖者』が再び顕現する前に。
それじゃあ、私の娘…コトリのことはよろしく『頼んだ』わよ、レインにアメリア。」
褐色肌に灰色の髪…闇色の瞳をした少女と共に、早足で教会の会議室へと向かっていた。
レイン「やば…定例会議に遅刻しそう…!」
「だから私は言ったんです、任務終わりの後にそんな時間はほとんど残ってませんと…でもレインが『よし、コトリへのお土産を選ぶ時間くらいあるね』と言ったんです。自業自得です。
一応まだ走れば、間に合うと思いますが。」
レイン「それは却下で…! 教会内で走ったら間に合っても、私がクラリッサに怒られるじゃない…上に立つ者が走るなど、シスターや他の者の教育に悪い…とかなんとかって。」
「早足でもそれは変わらない気がしますが…あと、遅刻したらどのみちクラリッサの小言コースだと思いますよ。
まあなら、走らない程度に急ぐしかないですね…しかしどうして、戦闘面ではあんなに頼りになるのに、なぜコトリのことが絡むとポンコツになるのか。」
レイン「そりゃあ仕方ないでしょ…今まで苦労してきた分、幸せになってもらいたくて、いろいろと彼女にしてあげたいと思うのは『親代わり』としては当然で…!」
「はいはい、急ぎますよ。」
レインである…私は、パートナーのアメリア=シンクレアと共に会議室へと急いだ…。
辿り着いた私たちが会議室の扉を開けると、聖剣騎士とそれを補佐するパートナーのみが…聖剣騎士サクヤにクラリッサ、聖剣騎士ランにリーメイ…が集まっていた。
レイン「すみません、遅くなりました…!」
アメリア「ちなみに遅刻理由は、コトリへのお土産選びでだよ。」
レイン「ちょ…アメリア…!?」
ラン「うん、知ってた。」
リーメイ「まあ、100%コトリさん関連だとは思ってたよ。」
クラリッサ「はぁ…またですか、あなたは…。」
サクヤ「ふふ…大丈夫ですよ。レインにアメリア、任務お疲れさまでした。
それでは全員が揃ったところで、定例会議を始めるとしましょうか。」
私とアメリアが席に座ると、会議が始まる…。
…‥…。
ラン「……ギランバルトに表立っての目立った動きはない…でも何かに備えて、軍備の増強と軍費の増加は年々増してる…アル皇太子殿下も取り込んでるから、国王さま派閥も彼らを完全に抑えきれてない。
ギランバルトの最高戦力は…ギランバルトの娘という人物によって再編された『真・破天の7杖』で、メンバー全員がローブで顔も姿も隠してるため、素性は不明…けどおそらく『S計画』関連で間違いないと思う。」
リーメイ「それに加えてギランバルトは、アグレゴの組織『ディアボロ』と手を組んでいるから、裏ではやっぱりろくでもないことを企んでるのは間違いないかな。
まあこちらに関しては引き続き、王国騎士団『国王直属騎士』の…氷帝、雷帝、炎帝…たちからの情報頼りになりそうですね。」
………。
レイン「……リュネメイアの一件で確認された怪物…あれはおそらく大戦で倒されたはずのキメラで間違いないかな…いろいろと調べた結果、類似する部分が見つかったし…
それに『あの世から復活』したウルフヘイムやエルメスといった、再集結した魔王六武聖と合流していたのも情報として確認できた…ちなみに今回は『狂化』はされてないみたい。
今は魔族領で内戦をしてるみたいだけど、おそらく最終目的は人間領への侵攻…。」
アメリア「ちなみに彼女たちのボスは『魔王』と名乗ってる…六武聖にキメラが従っているところをみると、おそらく本物。
そして、彼女たちが引き起こそうとしているのは『第三次人魔大戦』……私は戦争で家族を失った…大戦なんてお互いに悲しみしか生まないのに、本当になんでみんな争うことしかできないんだろうね…。」
………。
クラリッサ「あの老害…んん…こほん…三賢人たちはあの大戦以降、私たちに権力を少しずつ削がれ、あと一歩のところまで追い詰めました…しかし、それも少し前までの話…
今は『魔剣騎士』たちという、お嬢さまたち聖剣騎士にも匹敵する4人を部下とし…私たちと勢力を二分し、教会騎士団の覇権を賭けての衝突寸前まできています…。
彼女たちは魔剣を抜剣することで、聖剣を抜剣するのと同じくらいの力を発揮し…聖剣と同じくなんらかの特殊な力まで持ち、聖と魔を象徴するかのように対をなす力のようで…
特に魔剣騎士の筆頭は『教会最強の黒焔魔神』と呼ばれ、サクヤお嬢さまにも匹敵する…とのことでしたか…?」
サクヤ「ええ…『今の彼女』は私と同等…もしくは私さえ凌駕する力を持っていそうですね、正直まったく底が見えません…まあレインの『話』を聞き、その『正体』を知っているから、その強さには納得ができますが…
『彼女』が何を企んで三賢人と協力しているかは不明ですが、他の魔剣騎士たち3人の少女が協力してる理由はわかります…
少女3人は元々『彼女』が拾った子たちでしたから、その恩などから従っていると思われます…特に『天帝』の子は、彼女から『七翼流』の剣を深く教わった弟子でしたからね…
3人の少女は、三賢人に協力する理由はなくても『彼女』にならあるといった感じです…。
いずれにせよ魔剣騎士を味方につけた、三賢人との対決は避けられないでしょう…
できれば被害が出なくて、表沙汰にならないところで殲滅が理想なのですが…下手をすると教会騎士団の内戦となって、王国全体に影響を及ぼしてしまう可能性もあります…。」
レイン(……それは正直避けたいところだ…事が大きくなると、コトリの耳に入ってしまうからね…。)
クラリッサ「あとは…魔剣騎士の少女3名は現在、分校…主に教会騎士見習いが通う学園へと在学していて、特に目立った動きなどはありませんが、何か理由があってフィリア騎士学園分校へと入学したと思われます…。」
………。
クラリッサ「……さて、本日最後の議題についてですが、それはコトリさんの『聖剣の出処』についてです。」
ラン「あの『魔』の力が今は安定してるって、定期的な報告では聞いていたけど…聖剣を入手した話は今日聞いたばかりなんだけど、それって本当なの?」
レイン「ええ、本当よ…この前帰ってきた時に本人から確認できたわ、どんな状況で初抜剣したかなど少しはぐらかされたけど。」
アメリア「あとコトリ自身、どうして自分が聖剣をその身に宿したかなど、本当にわかってなかったわ。」
リーメイ「元々コトリさんが持っていた可能性とかではないのかしら?」
サクヤ「それはありえません…あの聖剣は、私の聖剣以上に特別なのです。」
リーメイ「特別…?」
サクヤ「ええ…あの聖剣はフィリア=オックスフォードが前の持ち主だったからです…。」
………。
ギランバルト関連は、王国騎士団の信頼できる『あるお方』からの情報待ち…
魔族領関連は、国王と『あるお方』への報告に加えてこちらでも調査を続ける…
三賢人関連は、三賢人を暗殺できなかった場合への決戦に備えておくこととなり…
コトリの聖剣関連は、魔の力と同じく引き続き監視と調査…とすることになった。
私とアメリアが部屋を出ようとした時、サクヤから声をかけられ…
サクヤ「レイン、一ついいですか? あなたは…コトリさんには『このまま黙ったまま』にするつもりですか?」
レイン「……パラドックスの話によれば、別世界のコトリの記憶を植え付けてるらしい…自身の記憶との違いが彼女にどんな影響を与えるかわからないから、できればコトリに伝わる前に決着をつけたいと思ってるわ。」
アメリア(……。)
サクヤの質問に答えると、私とアメリアは会議室を後にした…。
アメリア「いいの? サクヤたちにもだけど、コトリにこの事を話さず…そして『彼女』との最後の決着は『差し違えてでも自分の手で』と、考えてるの伝えなくて。」
レイン「ああ…二度も失わせたら、コトリの心の傷を余計に広げてしまうだけだからね…そして『彼女とあいつ』をこの手で止める、それが友であった私の『役目』だからね。」
アメリア「(他人の幸せばっかり優先して…もう少し自分の幸せも考えてなさいよ…このお人好しバカ…。)
はぁ…わかった、もう何も言わない…だけど、私はどんなことがあっても、レインに付き合うから…そして、大馬鹿なレインは私が死なせないから。」
レイン「…! …アメリア……そう…だな…あなたを残しては逝けない…かな…。」
ぎゅ…っとアメリアに手を強く握られながら言われ、私は視線を逸らしながら色々と揺らいでしまう…アメリアも『彼女とあいつ』も、私にとって大切な者であったから。
そうしていると前から4人の女性と1人の男性が歩いてきて、私たちとすれ違い…二歩進んだあと振り返り、彼女は話しかけてきた。
「あらあら、お熱いですねぇ…♪ まさかあの大戦で拾った娘と『そんな関係』になるだなんて、昔あなたに紹介された時には想像もしなかったわ…♪
というか、レインの初恋の相手は私じゃなかったのかしら?」
レイン「……そこの男とくっつけてあげた時にも言ったけど、私はあんたたちの幸せを1番に願ってると言ったわ…
だからとっくに『そのことに関して』は吹っ切ってるわよ、じゃないとあんたたちが付き合ってからも友達でいないでしょうが…てか、面白がってからかってるでしょ、あんた。
はぁ…こうして話すのは久しぶりね…まあ、いい機会だから宣言させてもらっとくわ…あなたたちは、友だった私が必ず止めるわ…ミク…それにオズも。」
私も振り返り、彼女とあいつの顔を見る…そこには私のかつての友であった、ミク=クラウゼルにオズ=クラウゼルの姿があって…
そして、彼女たちの部下の魔剣騎士の3人の少女の姿も隣にはあった……。
ミク「ふふ…♪ 『友と相打つか愛をとるかで悩み引きずりまくって、過去か未来のどちらかを選べない、そんな優柔不断な騎士さん』に、果たしてそれができるかしら…♪
まあ、できなければ『魔王と共に私が世界を飲み込む』だけだけどね…『白神聖者』が再び顕現する前に。
それじゃあ、私の娘…コトリのことはよろしく『頼んだ』わよ、レインにアメリア。」
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説



百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる