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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第247話 人魔終結、そしてS計画の極み
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王宮の最深部…王の間。
シンドバッドと白神聖者の戦いが終局したのと同時に…キールが入れられた透明な柩が、空間の裂け目の中へと吸い寄せられていく。
オーレリア「っ…キール隊長っ!!」
地面を蹴ってキールへと手を伸ばす…しかし、オーレリアの手は僅かに届かなかった。
棺は空間の裂け目へと消えていき、空間の裂け目は完全に閉じた。
マサキ「オーレリア! 無事か! っ…イーリス、この状況は…?」
オーレリア「……マサキ隊長…私は…また…この手が届かなかった…近くにいたのに…。」
イーリス「大丈夫だよ、オーレリアは無事だ…ただ、キール=ゴールドウィンは取り戻せなかっただけだ…。
……ん…?」
淡々と事実を語るイーリスだが、オーレリアを見て悲しそうな表情をさせ…
そうしていると、国王が目を覚まし立ち上がろうとしているのにみんな気がつき。
「ここ…は…? 私は確か……そうか…私は彼らに唆され…戦争を始めて…。」
黒騎士「へぇ…奴らに狂化洗脳され、悪魔に操られてたのにも関わらず、記憶を保っているなんて…王族の血のおかげかな…?
……! マサキさん、来るよ!」
マサキ「っ…!」
黒騎士の言葉とともに、部屋の外から甲冑の金属音が近づき、すぐに大勢の騎士たちが王の間に現れた。
アル「動くな! マサキ=ジェイド=サーティナ! お前には、魔族と手を結び陛下を洗脳し戦争を主導、反逆罪及び味方部隊及び、ゴールドウィン王国騎士団副長の殺害容疑がかかっている! 武器を捨てて今すぐ投降しろ!」
騎士たちをまとめるケーガンが大きく剣を構え、マサキに対して臨戦態勢をとるよう指示すると他の騎士たちも抜剣し…
その騎士たちの中心には、王国騎士団長ギランバルトにアル殿下…そして『白いローブ』を身に纏う小さき人物がいた。
オーレリア「ギラン…バルト…!」
オフェリア「なっ…!? あ、あなたたち何を馬鹿なことを言って!」
「アル…? お前…何を…っ…ま、まさかギランバルト…貴様、アルにまで…!」
ギランバルト「ふふ…陛下、あなたはまだ洗脳の影響で混乱していらっしゃるようだ…あとは、我々にお任せを。
……反逆者を捕らえよ、オリジナルをも超えし『我が娘よ』」
ギランバルトの命令を受けて、白いローブの小さな少女は前に出る…そして、その少女は『混じった極大の魔力』を全身から放出した。
「……了解しました。」
オーレリア「っ…なん…だと…!? これは…キール隊長の…魔力…!?」
オフェリア「う、うそ…あの子からマサキの魔力を感じる…しかも…それだけじゃない…『複数』の魔力反応を…放って…!?」
黒騎士「……だ、誰…この人…こんな人…私は知らない…そ、それに…この気配は…アイリス…教官や…リュネの…魔力…!?」
マサキ「……なるほどな…お前もあのリンゴと同じく、あの計画から生まれた者か…
しかも俺の魔力や細胞だけではなく…アイリスやキール、リュネメイアにサクヤ、その他にも色々と混じっているな…。
俺以外の魔力に細胞のサンプルは、白神聖者から提供されたか…? しかし…それだけの量の魔力や細胞を持ちながら、身体も人格も壊れずに保ってるとは…『神が如き器』だな…本人にとっては『地獄』だろうがな…。」
マサキの魔力だけではなく…キール、アイリス、リュネメイアなどの魔力や細胞を持ち…さらには剣技や本人たちが持っていた、あらゆる技能をも体得している白いローブの少女…
その身体に全ての力が集約され、混じり合った『器の少女』は…オリジナルであるマサキたちをも遥かに超えた、究極の人造人間だった。
イーリス「……マサキ、逃げるよ。はっきり言って、あの人と戦ったら『勝てない』よ。
私も驚愕してる…あれだけの複数の力を宿していることもだけど、それだけじゃない…気配しか感じ取れないけど、あの人は私や黒騎士と『同じ力』を隠し持っている…。」
オーレリア「マサキ…隊長…。」
マサキ「すまない…オーレリア…俺はっーー」
ギランバルト「ふん…逃したか…まあよい。それなら報告にあった黒騎士でも捕まえて…。」
イーリスの転移魔法により、マサキとオフェリアは王の間から消えた…それにより、ギランバルトの視線が黒騎士に移るが…。
黒騎士「ーーっ…! アイリス教官の魔力が急激に萎んでいってる…!? そうか…リュネと一緒にキメラと戦ってたから…オーレリアさん、ごめん…私は行くから…!」
その黒騎士も慌てた様子で、転移魔法を使って王の間から姿を消し…その場にはオーレリアと国王が残された。
「……対象たちロスト…追いますか?」
「いや、よい…奴が力を失い、戦争の続行が不可能な今、やることが沢山あるのでな。
いずれその時が来たときに、あの女共を俺の手中に納めればいいだけのこと…今は『奴がいない間』に戦力を万全とするぞ。」
白神聖者に含みを持つ言葉を口にし、野望を企む様子をみせながらその男は…睨みつけるオーレリアの方を見た。
ギランバルト「……一時的とはいえ奴がこの世界に顕現ができなくなった今、魔王の復活も遅れるだろう…だが、それは束の間の平穏に過ぎぬぞ。
奴か魔王のどちらかがこの世界に再度顕現を果たした時こそ、最後だ…覚悟しておくがよい。」
オーレリア「……いいや、違う…その時こそ、キール隊長をこの手に取り戻す時だ…!」
こうして、人魔大戦は終結を迎えた……。
シンドバッドと白神聖者の戦いが終局したのと同時に…キールが入れられた透明な柩が、空間の裂け目の中へと吸い寄せられていく。
オーレリア「っ…キール隊長っ!!」
地面を蹴ってキールへと手を伸ばす…しかし、オーレリアの手は僅かに届かなかった。
棺は空間の裂け目へと消えていき、空間の裂け目は完全に閉じた。
マサキ「オーレリア! 無事か! っ…イーリス、この状況は…?」
オーレリア「……マサキ隊長…私は…また…この手が届かなかった…近くにいたのに…。」
イーリス「大丈夫だよ、オーレリアは無事だ…ただ、キール=ゴールドウィンは取り戻せなかっただけだ…。
……ん…?」
淡々と事実を語るイーリスだが、オーレリアを見て悲しそうな表情をさせ…
そうしていると、国王が目を覚まし立ち上がろうとしているのにみんな気がつき。
「ここ…は…? 私は確か……そうか…私は彼らに唆され…戦争を始めて…。」
黒騎士「へぇ…奴らに狂化洗脳され、悪魔に操られてたのにも関わらず、記憶を保っているなんて…王族の血のおかげかな…?
……! マサキさん、来るよ!」
マサキ「っ…!」
黒騎士の言葉とともに、部屋の外から甲冑の金属音が近づき、すぐに大勢の騎士たちが王の間に現れた。
アル「動くな! マサキ=ジェイド=サーティナ! お前には、魔族と手を結び陛下を洗脳し戦争を主導、反逆罪及び味方部隊及び、ゴールドウィン王国騎士団副長の殺害容疑がかかっている! 武器を捨てて今すぐ投降しろ!」
騎士たちをまとめるケーガンが大きく剣を構え、マサキに対して臨戦態勢をとるよう指示すると他の騎士たちも抜剣し…
その騎士たちの中心には、王国騎士団長ギランバルトにアル殿下…そして『白いローブ』を身に纏う小さき人物がいた。
オーレリア「ギラン…バルト…!」
オフェリア「なっ…!? あ、あなたたち何を馬鹿なことを言って!」
「アル…? お前…何を…っ…ま、まさかギランバルト…貴様、アルにまで…!」
ギランバルト「ふふ…陛下、あなたはまだ洗脳の影響で混乱していらっしゃるようだ…あとは、我々にお任せを。
……反逆者を捕らえよ、オリジナルをも超えし『我が娘よ』」
ギランバルトの命令を受けて、白いローブの小さな少女は前に出る…そして、その少女は『混じった極大の魔力』を全身から放出した。
「……了解しました。」
オーレリア「っ…なん…だと…!? これは…キール隊長の…魔力…!?」
オフェリア「う、うそ…あの子からマサキの魔力を感じる…しかも…それだけじゃない…『複数』の魔力反応を…放って…!?」
黒騎士「……だ、誰…この人…こんな人…私は知らない…そ、それに…この気配は…アイリス…教官や…リュネの…魔力…!?」
マサキ「……なるほどな…お前もあのリンゴと同じく、あの計画から生まれた者か…
しかも俺の魔力や細胞だけではなく…アイリスやキール、リュネメイアにサクヤ、その他にも色々と混じっているな…。
俺以外の魔力に細胞のサンプルは、白神聖者から提供されたか…? しかし…それだけの量の魔力や細胞を持ちながら、身体も人格も壊れずに保ってるとは…『神が如き器』だな…本人にとっては『地獄』だろうがな…。」
マサキの魔力だけではなく…キール、アイリス、リュネメイアなどの魔力や細胞を持ち…さらには剣技や本人たちが持っていた、あらゆる技能をも体得している白いローブの少女…
その身体に全ての力が集約され、混じり合った『器の少女』は…オリジナルであるマサキたちをも遥かに超えた、究極の人造人間だった。
イーリス「……マサキ、逃げるよ。はっきり言って、あの人と戦ったら『勝てない』よ。
私も驚愕してる…あれだけの複数の力を宿していることもだけど、それだけじゃない…気配しか感じ取れないけど、あの人は私や黒騎士と『同じ力』を隠し持っている…。」
オーレリア「マサキ…隊長…。」
マサキ「すまない…オーレリア…俺はっーー」
ギランバルト「ふん…逃したか…まあよい。それなら報告にあった黒騎士でも捕まえて…。」
イーリスの転移魔法により、マサキとオフェリアは王の間から消えた…それにより、ギランバルトの視線が黒騎士に移るが…。
黒騎士「ーーっ…! アイリス教官の魔力が急激に萎んでいってる…!? そうか…リュネと一緒にキメラと戦ってたから…オーレリアさん、ごめん…私は行くから…!」
その黒騎士も慌てた様子で、転移魔法を使って王の間から姿を消し…その場にはオーレリアと国王が残された。
「……対象たちロスト…追いますか?」
「いや、よい…奴が力を失い、戦争の続行が不可能な今、やることが沢山あるのでな。
いずれその時が来たときに、あの女共を俺の手中に納めればいいだけのこと…今は『奴がいない間』に戦力を万全とするぞ。」
白神聖者に含みを持つ言葉を口にし、野望を企む様子をみせながらその男は…睨みつけるオーレリアの方を見た。
ギランバルト「……一時的とはいえ奴がこの世界に顕現ができなくなった今、魔王の復活も遅れるだろう…だが、それは束の間の平穏に過ぎぬぞ。
奴か魔王のどちらかがこの世界に再度顕現を果たした時こそ、最後だ…覚悟しておくがよい。」
オーレリア「……いいや、違う…その時こそ、キール隊長をこの手に取り戻す時だ…!」
こうして、人魔大戦は終結を迎えた……。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
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