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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第239話 役者、集結⑥
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王宮の最深部…王の間へと辿り着いた私は、そこで透明な柩の中で眠りについているキール隊長を見つけた…
その後ろではここと、どこか違う場所と繋がっているのか、空間の裂け目が出来ていて…
腕を胸元で組み、瞳を閉じた女性の石像が大きな氷塊の内部で眠りについている様子…
そしてその氷塊が左右、2本の大鎖で固定され暗闇の中吊るされている様子が映し出され…
それと共鳴しているのか、お互いに黒の輝きを放ち…そしてその石像の女性から、キール隊長へと『巨大な何かが』流れ込んでいるのが私でもわかった。
オーレリア「キール隊長…!」
「すまないが、それ以上私の『希望』に近づかないでくれるか。」
私がキール隊長のもとへと駆け寄ろうとしたら、玉座のところから声が聞こえて…
そこには王冠に赤いマント纏った威厳ある男性がいた…その人こそ、この国の王様で、私たち王国騎士団の君主でもあるお方…アルモンド=ユージオ=デュソルトバート=アーデイ…その人だった…
しかし…ユージオ陛下の瞳には光がなく、焦点もあっていなくて…この症状は、まさか…。
オーレリア「急な訪問申し訳ありません…しかし、アル殿下…ミレナリオ殿下…そしてシオン皇女殿下の願いを受け、私は今陛下の前に立っています…陛下の凶行を止めるために…それで、ひとつ確認したいことがあります…
ユージオ陛下の希望…とおっしゃられましたが、陛下はキール隊長を使っていったい何をするおつもりでしょうか…?」
ユージオ「私の願いはただひとつ…我が妻を眠りから目覚めさせること、そのために魔王復活が必要なのだ。
……まもなく『闘争』によって高まった負のエネルギーにより、当代魔王の膨大な魔力と意識がこの器に注ぎ込まれ…この器の意思は消え、完全なる『上書き/オーバーライト』が行われ『大いなる黄昏』が訪れ…魔王が復活を果たし、我が望みが叶う…!」
両腕を上げて話す陛下…正直断片的な言葉が多く、陛下が何かに『取り憑かれた』様子で話すから全ては理解できない…陛下の希望と魔王復活がどう繋がるのだ?
私が疑問に思っていると、そこへ2つの声が後ろから聞こえ、その足音が近づいてきて姿を見せた…。
イーリス「王さまの伴侶である王妃が、なんらかの原因によりずっと意識がなく眠りについているみたいだね…それで彼はずっと王妃を目覚めさせようとしていたみたい。」
黒騎士「その心の隙を突かれて、彼は奴らに魔紋を刻み込まれ洗脳され、魔王復活のための駒にされていたみたいだね…
魔王復活後は、闇の都の王…絶対君主として再利用される『世界が多い』けど。原因不明の睡眠の呪いも、奴らが仕組んだことだしね。」
オーレリア「あ、あなたたちは…? それに…あなたが持つそれは、マサキ隊長が持っていたのと同じ武器では…?」
イーリス「私は魔神イーリス…魔神さんとでも呼んでくれ。そしてマサキに双刃剣を託したのは私でもある…まあ、あなたの敵ではないから安心するといいよ。
こっちの『魔神』とはさっき会ったばかりで、私もよくは知らない…でも正直、こっちの人のが私より『世界の全て』に詳しいんじゃないかな…他の世界も含めてね。」
黒騎士「……私はシンドバッドの命で、オーレリアさんの力となるべくここに来ただけです。
それ以外について答えることはありません…別世界のあなたとはいえ、私とあなたは本来『敵同士』でもありましたから…今は別ですが。」
イーリス「アズライール…それはあなたが駆る『魔騎』の名であって、あなたの『本当の名前』ではないですよね?
私もあなたの『背負うもの』全てを見通せてはいないですが…すでに私の力を『取り込んで』いるあなたとなら、協力関係を結べると思うのですが。」
オーレリア「…??」
彼女たちが言っていることも全部はわからないが…彼女たちは敵ではなくマサキ隊長たちの知り合いで、ユージオ陛下が敵に洗脳され利用されていることだけはわかった。
ユージオ「なるほど…貴様が、あのお方からの報告にあった黒騎士か。あのお方も知らなかった不確定要素…おそらくあのお方と同じ『時空跳躍者』であるな?
そして…フィリア=オックスフォードの右腕にして、彼女の最愛のパートナーだった者…今は不死者の魔神イーリスか。
……オーレリア=イークレムンも含めて、今の貴様たちは…あのお方にとっても、私にとっても排除すべき邪魔な存在である…だから、ここで全員殲滅する。」
オーレリア「っ…!?」
ユージオ陛下から…魔族より遥かにドス黒く、強力たる深淵の魔力が溢れ出し…闇の力がその場に満たされ、支配する…
それと同時にユージオ陛下の姿が…4本のツノに、黒と赤が混じる巨大な姿に、漆黒の日輪を背中に発現させた…異形の姿へと変わった。
イーリス「どうやら特別製の魔紋を触媒に悪魔を呼び出し、器として彼に取り憑かせ顕現させているみたいだね…今の彼は、もはやこの世界の『特異点』だ。」
黒騎士「教会の聖典に伝わる悪魔か…差し詰め【狂都の大王 アムドゥシアス=ミラージュ】でしょうか。
……ここが、この大戦の最後のターニングポイントのひとつ…どこかひとつでも敗北し、また1人でも欠ければ、この先に待つのは『最終的には絶望という未来』だけです…だから心して挑み、そして全員生き残ってください。」
オーレリア「私はこの戦いで生き残り…民たちやキール隊長を絶対に救ってみせます…だから御二方、その力を私にお貸しください…!」
私と黒騎士さんは剣を抜き、イーリスさんは双刃剣を手に持ち…3人とも戦闘態勢をとって、世界を闇に染めようとする悪魔との決戦に挑んで……。
その後ろではここと、どこか違う場所と繋がっているのか、空間の裂け目が出来ていて…
腕を胸元で組み、瞳を閉じた女性の石像が大きな氷塊の内部で眠りについている様子…
そしてその氷塊が左右、2本の大鎖で固定され暗闇の中吊るされている様子が映し出され…
それと共鳴しているのか、お互いに黒の輝きを放ち…そしてその石像の女性から、キール隊長へと『巨大な何かが』流れ込んでいるのが私でもわかった。
オーレリア「キール隊長…!」
「すまないが、それ以上私の『希望』に近づかないでくれるか。」
私がキール隊長のもとへと駆け寄ろうとしたら、玉座のところから声が聞こえて…
そこには王冠に赤いマント纏った威厳ある男性がいた…その人こそ、この国の王様で、私たち王国騎士団の君主でもあるお方…アルモンド=ユージオ=デュソルトバート=アーデイ…その人だった…
しかし…ユージオ陛下の瞳には光がなく、焦点もあっていなくて…この症状は、まさか…。
オーレリア「急な訪問申し訳ありません…しかし、アル殿下…ミレナリオ殿下…そしてシオン皇女殿下の願いを受け、私は今陛下の前に立っています…陛下の凶行を止めるために…それで、ひとつ確認したいことがあります…
ユージオ陛下の希望…とおっしゃられましたが、陛下はキール隊長を使っていったい何をするおつもりでしょうか…?」
ユージオ「私の願いはただひとつ…我が妻を眠りから目覚めさせること、そのために魔王復活が必要なのだ。
……まもなく『闘争』によって高まった負のエネルギーにより、当代魔王の膨大な魔力と意識がこの器に注ぎ込まれ…この器の意思は消え、完全なる『上書き/オーバーライト』が行われ『大いなる黄昏』が訪れ…魔王が復活を果たし、我が望みが叶う…!」
両腕を上げて話す陛下…正直断片的な言葉が多く、陛下が何かに『取り憑かれた』様子で話すから全ては理解できない…陛下の希望と魔王復活がどう繋がるのだ?
私が疑問に思っていると、そこへ2つの声が後ろから聞こえ、その足音が近づいてきて姿を見せた…。
イーリス「王さまの伴侶である王妃が、なんらかの原因によりずっと意識がなく眠りについているみたいだね…それで彼はずっと王妃を目覚めさせようとしていたみたい。」
黒騎士「その心の隙を突かれて、彼は奴らに魔紋を刻み込まれ洗脳され、魔王復活のための駒にされていたみたいだね…
魔王復活後は、闇の都の王…絶対君主として再利用される『世界が多い』けど。原因不明の睡眠の呪いも、奴らが仕組んだことだしね。」
オーレリア「あ、あなたたちは…? それに…あなたが持つそれは、マサキ隊長が持っていたのと同じ武器では…?」
イーリス「私は魔神イーリス…魔神さんとでも呼んでくれ。そしてマサキに双刃剣を託したのは私でもある…まあ、あなたの敵ではないから安心するといいよ。
こっちの『魔神』とはさっき会ったばかりで、私もよくは知らない…でも正直、こっちの人のが私より『世界の全て』に詳しいんじゃないかな…他の世界も含めてね。」
黒騎士「……私はシンドバッドの命で、オーレリアさんの力となるべくここに来ただけです。
それ以外について答えることはありません…別世界のあなたとはいえ、私とあなたは本来『敵同士』でもありましたから…今は別ですが。」
イーリス「アズライール…それはあなたが駆る『魔騎』の名であって、あなたの『本当の名前』ではないですよね?
私もあなたの『背負うもの』全てを見通せてはいないですが…すでに私の力を『取り込んで』いるあなたとなら、協力関係を結べると思うのですが。」
オーレリア「…??」
彼女たちが言っていることも全部はわからないが…彼女たちは敵ではなくマサキ隊長たちの知り合いで、ユージオ陛下が敵に洗脳され利用されていることだけはわかった。
ユージオ「なるほど…貴様が、あのお方からの報告にあった黒騎士か。あのお方も知らなかった不確定要素…おそらくあのお方と同じ『時空跳躍者』であるな?
そして…フィリア=オックスフォードの右腕にして、彼女の最愛のパートナーだった者…今は不死者の魔神イーリスか。
……オーレリア=イークレムンも含めて、今の貴様たちは…あのお方にとっても、私にとっても排除すべき邪魔な存在である…だから、ここで全員殲滅する。」
オーレリア「っ…!?」
ユージオ陛下から…魔族より遥かにドス黒く、強力たる深淵の魔力が溢れ出し…闇の力がその場に満たされ、支配する…
それと同時にユージオ陛下の姿が…4本のツノに、黒と赤が混じる巨大な姿に、漆黒の日輪を背中に発現させた…異形の姿へと変わった。
イーリス「どうやら特別製の魔紋を触媒に悪魔を呼び出し、器として彼に取り憑かせ顕現させているみたいだね…今の彼は、もはやこの世界の『特異点』だ。」
黒騎士「教会の聖典に伝わる悪魔か…差し詰め【狂都の大王 アムドゥシアス=ミラージュ】でしょうか。
……ここが、この大戦の最後のターニングポイントのひとつ…どこかひとつでも敗北し、また1人でも欠ければ、この先に待つのは『最終的には絶望という未来』だけです…だから心して挑み、そして全員生き残ってください。」
オーレリア「私はこの戦いで生き残り…民たちやキール隊長を絶対に救ってみせます…だから御二方、その力を私にお貸しください…!」
私と黒騎士さんは剣を抜き、イーリスさんは双刃剣を手に持ち…3人とも戦闘態勢をとって、世界を闇に染めようとする悪魔との決戦に挑んで……。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
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