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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第221話 ランとリーメイ①
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広間には剣と剣で斬り結ぶ音が響き渡り…黒に染まりかけた光と、戦場と秘めたる想いで磨きし剣がぶつかり合い…衝撃で2人の足元の地面が耐えきれずに轟音を立て破壊され、歪む。
傭兵として戦場に出る経験が多かった私の方が、今まで『彼女』のサポートに徹してきたランより現時点では実力が上だった…しかし…
ラン「……どこの誰だか知らないけど、あなたが強いことだけはわかった…だけど『聖剣』を抜いた私の方が強い…全力で殲滅する…。」
リーメイ「っ…!」
ランが抜剣した聖剣が光ったと思ったら、目の前にいたはずのランが忽然と消えて…
そして消えたのと同時に私の後ろに現れ、背後を取ったランの剣が襲いかかり…その切先が私の頬を掠めて、血が伝う。
リーメイ(聖剣…教会騎士団の中でも選ばれた者にしか使えない創造神から授かりし力…実際敵となって使われると厄介極まりないわね。)
これがランの持つ聖剣の…『空間を入れ替える』聖剣の力…
ランが視認できる範囲の空間を任意で入れ替える能力…インターバルがあり連続使用ができないことや、視認という制限などがあるが…それはまさに瞬間移動と言っていいほどの力…
『彼女』から、彼女が持つ聖剣のことを聞いていたのと…ランがまだ聖剣の性能を完全に発揮できていないから、何とか対応できてるけど…油断したら一瞬で殲滅されてしまう。
己の魔力を弾丸として撃ち出す『魔導銃』に魔力を込め、私はその魔力弾を連続してランへと放って…それはランに躱されるが後退させることはでき、ランの剣が届かない距離を稼ぐ。
ラン「……ぎりぎりとはいえ、私の聖剣に対応するなんて…あの人…お母さんと知り合いというのは本当みたいね…でも…
お母さんがあなたとした約束…そして、あなたが私の姉…それだけは意味がわからない。」
リーメイ「なっ…くっ…!」
しかしランの聖剣の力で…ランに向かっていたはずの弾丸は、逆に私の方へと向かうように空間を入れ替えられて…
私は手に持つ剣でなんとかそれを弾いている隙に、ランは距離を詰め剣で斬りかかってくる…その剣を剣で受け止め鍔迫り合いをしながら、ランの質問に答えていく。
リーメイ「それは、あなたが赤ん坊の時に生き別れたからよ…戦いに巻き込まれてね。
離れ離れになってしまった私はあなたをずっと探していて、そこで彼女…あなたの育てのお母さんと出会ったの。」
ラン「……わからない…わからないわからない! そんな話信じられない! あなたが本当に私の姉なら! なんで今まで私の前に現れなかったの!? 私はいらない子だったから『川』に捨てられてたの! 私の家族はあの人…お母さんだけ!
……オーレリアを殺るのを邪魔をするあなた…私を惑わすあなたは…今すぐに消す!」
鍔迫り合いしていたお互いの剣が弾かれ合って距離ができ、ランは拾った小さな岩を私に投げつけてくる…その岩を聖剣の力で大きな岩と入れ替えて、質量で押し潰そうとしてくる。
リーメイ「……ええ、全くもってその通りだわ…あなたが川に流されてしまったのも、私が今まであなたに会わなかったのも…それが私の弱さであり…姉失格の『罪』なのよ…
そして、その私の選択や過ちが…それがあなたを1人にしてしまって、あなたを苦しませてしまった…あなたが今そうなってしまったのは私のせい、だから他の誰でもない私があなたを止めて…今度こそ守ってみせる…!」
ラン「なっ…!? くっ…!」
自身の全開魔力を込めた剣で大岩を切り裂く…そして、大岩を目隠しにして突っ込んで奇襲を仕掛けよとしていたランに対して、私は魔導銃で威力より速度を重視した弾丸を放ち…
その弾丸をかろうじて避け体勢を崩したランの隙を見逃さず、私はランの背中に発現した聖剣に触れて『想い』を流し込む…。
リーメイ「……本当はこんな形で伝えるつもりはなかった…あなたと向き合う覚悟ができてからと思っていたの…
でも結局それは言い訳…私はあなたから、そして自分の心の弱さから逃げていた…その先延ばしがあなたを追い込んだ…だから今伝える…
こんな伝え方になってしまって…最後までずるい姉で…ごめんね…。」
ラン「……!? この…ビジョンは…!?」
聖剣の力を介して『お互いの想いが共鳴』し合う…お互いの『強く秘めた想いや記憶が共有』されていく……。
傭兵として戦場に出る経験が多かった私の方が、今まで『彼女』のサポートに徹してきたランより現時点では実力が上だった…しかし…
ラン「……どこの誰だか知らないけど、あなたが強いことだけはわかった…だけど『聖剣』を抜いた私の方が強い…全力で殲滅する…。」
リーメイ「っ…!」
ランが抜剣した聖剣が光ったと思ったら、目の前にいたはずのランが忽然と消えて…
そして消えたのと同時に私の後ろに現れ、背後を取ったランの剣が襲いかかり…その切先が私の頬を掠めて、血が伝う。
リーメイ(聖剣…教会騎士団の中でも選ばれた者にしか使えない創造神から授かりし力…実際敵となって使われると厄介極まりないわね。)
これがランの持つ聖剣の…『空間を入れ替える』聖剣の力…
ランが視認できる範囲の空間を任意で入れ替える能力…インターバルがあり連続使用ができないことや、視認という制限などがあるが…それはまさに瞬間移動と言っていいほどの力…
『彼女』から、彼女が持つ聖剣のことを聞いていたのと…ランがまだ聖剣の性能を完全に発揮できていないから、何とか対応できてるけど…油断したら一瞬で殲滅されてしまう。
己の魔力を弾丸として撃ち出す『魔導銃』に魔力を込め、私はその魔力弾を連続してランへと放って…それはランに躱されるが後退させることはでき、ランの剣が届かない距離を稼ぐ。
ラン「……ぎりぎりとはいえ、私の聖剣に対応するなんて…あの人…お母さんと知り合いというのは本当みたいね…でも…
お母さんがあなたとした約束…そして、あなたが私の姉…それだけは意味がわからない。」
リーメイ「なっ…くっ…!」
しかしランの聖剣の力で…ランに向かっていたはずの弾丸は、逆に私の方へと向かうように空間を入れ替えられて…
私は手に持つ剣でなんとかそれを弾いている隙に、ランは距離を詰め剣で斬りかかってくる…その剣を剣で受け止め鍔迫り合いをしながら、ランの質問に答えていく。
リーメイ「それは、あなたが赤ん坊の時に生き別れたからよ…戦いに巻き込まれてね。
離れ離れになってしまった私はあなたをずっと探していて、そこで彼女…あなたの育てのお母さんと出会ったの。」
ラン「……わからない…わからないわからない! そんな話信じられない! あなたが本当に私の姉なら! なんで今まで私の前に現れなかったの!? 私はいらない子だったから『川』に捨てられてたの! 私の家族はあの人…お母さんだけ!
……オーレリアを殺るのを邪魔をするあなた…私を惑わすあなたは…今すぐに消す!」
鍔迫り合いしていたお互いの剣が弾かれ合って距離ができ、ランは拾った小さな岩を私に投げつけてくる…その岩を聖剣の力で大きな岩と入れ替えて、質量で押し潰そうとしてくる。
リーメイ「……ええ、全くもってその通りだわ…あなたが川に流されてしまったのも、私が今まであなたに会わなかったのも…それが私の弱さであり…姉失格の『罪』なのよ…
そして、その私の選択や過ちが…それがあなたを1人にしてしまって、あなたを苦しませてしまった…あなたが今そうなってしまったのは私のせい、だから他の誰でもない私があなたを止めて…今度こそ守ってみせる…!」
ラン「なっ…!? くっ…!」
自身の全開魔力を込めた剣で大岩を切り裂く…そして、大岩を目隠しにして突っ込んで奇襲を仕掛けよとしていたランに対して、私は魔導銃で威力より速度を重視した弾丸を放ち…
その弾丸をかろうじて避け体勢を崩したランの隙を見逃さず、私はランの背中に発現した聖剣に触れて『想い』を流し込む…。
リーメイ「……本当はこんな形で伝えるつもりはなかった…あなたと向き合う覚悟ができてからと思っていたの…
でも結局それは言い訳…私はあなたから、そして自分の心の弱さから逃げていた…その先延ばしがあなたを追い込んだ…だから今伝える…
こんな伝え方になってしまって…最後までずるい姉で…ごめんね…。」
ラン「……!? この…ビジョンは…!?」
聖剣の力を介して『お互いの想いが共鳴』し合う…お互いの『強く秘めた想いや記憶が共有』されていく……。
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