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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第219話 開幕、それぞれの戦い③
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……オーレリアに向かっていた凶刃を弾くと、静かに向かい合うチャイナドレスの女性とラン…言葉が聞こえてるかはわからないが、チャイナドレスの女性はランに話しかける。
「……私の名前はリーメイって言うわ…あなたの名前は『ラン』よね?」
ラン「……。」
ランはぴくりとも反応を示さない…それでも私は話を続ける。
「あなたは私のことを知らないと思うけど、私はあなたのことを知っているわ…それこそ『産まれた時』のこともね…。」
ラン「……?」
「まあでも、私が知っているのは赤ん坊の時のあなたまでだけど…
今のあなたのことは、あなたの名前がランというのも…あなたのパートナーさんから、生前に聞かせてもらったから知ってるの。」
ラン「……!」
少しだがランの身体がびくんと反応して…やはり『彼女』の話題が、ランにとっては1番心に響くか…心を許せる相手に…拾ってくれたのが彼女でよかった…
彼女の話…そして私の話をまたゆっくりとランとしたいが、今は話を続ける…ランに刻み込まれた魔紋に綻びを作るため。
「そんなあなたを彼女は心配していたわ…いつでもあなたを守ってあげれるわけではない…騎士である以上は、もしかしたら先に…あなたを残して逝くかもしれない…とね。」
ラン「っ…ぅ…!」
どんな人にも心に影をもっている…魔紋はそんな人の心の隙間に形成される…ならその隙間を満たして埋めてやればいい…
心を揺らし、魔紋にヒビを入れ、その魔紋を上から新たに満たす想いでぶっ叩いて砕く。
「だからもし自分が先に逝ってしまったら、あなたのことを頼むとお願いされたわ…他でもない『私だから』こそ、彼女は私に頼んだ。
(……頼まれなくてもランのためだったら、私はなんでもするのだけどね…。)」
今の教会騎士団は三賢人の支配下にあり、あの人が亡くなったら聖剣とその地位を引き継ぐのは、彼女の騎士パートナーだったランだ…
そうなったらもう教会騎士から抜けられないし、いきなり背負わされた責任にランは潰されてしまうと彼女は言っていた…
そして本当にその通りになってしまっていた…いくら他の聖剣騎士と仲がよくても、頼れる人はいないだろう…あの三賢人がいてわね…。
あとは単純にランは甘えるのが下手なのだろう…彼女がランは、1人で背負い込んだり辛いことは隠したり、自分より他を優先する子だと言っていたからだ…
拾って育ててくれた彼女に恩を返すため、彼女の力になりたいと騎士になった…そんな優しい子だと聞いている…。
「私はあなたを迎えに来たわ…本当はもっと早く迎えに来たかったけど、戦争突入と三賢人の妨害のせいで遅くなってしまった…その間あなたを苦しませてしまってごめんなさい…
……いつも不甲斐ない私だけど…でも、あなたを守りたいという気持ちは誰にも…それこそ『彼女』にだって負けてない…だから…あなたの背負ったもの全てを受け止めて、あなたをその魔紋から救い出すわ。」
ラン「っ…聞いていれば、なんであなたの何の得にならないことをしようとしてるの…? あの人…お母さんとの約束? なんでそんなことを私が知らないあなたに頼むの…
あなたは…私の何なの…!」
魔紋に身体と意識を『別のラン』に支配され縛られたランが剣を手にし、色んな感情が入り混じった咆哮をしながら襲い掛かってくる…
私は右手に剣を、左手には『魔導銃』を持ち、ランが溜め込んでいるであろうものを受け止めるため…そして、ここからランとの関係をもう一度始めるために身構えた。
「『姉』として『妹』であるあなたを守りたい…ただ、それだけだよ。」
ラン「……!?」
『彼女』の最後の願いと…私の唯一の願い…生き別れた妹と、再び姉妹に戻る…それを叶えるための戦いが始まった……。
「……私の名前はリーメイって言うわ…あなたの名前は『ラン』よね?」
ラン「……。」
ランはぴくりとも反応を示さない…それでも私は話を続ける。
「あなたは私のことを知らないと思うけど、私はあなたのことを知っているわ…それこそ『産まれた時』のこともね…。」
ラン「……?」
「まあでも、私が知っているのは赤ん坊の時のあなたまでだけど…
今のあなたのことは、あなたの名前がランというのも…あなたのパートナーさんから、生前に聞かせてもらったから知ってるの。」
ラン「……!」
少しだがランの身体がびくんと反応して…やはり『彼女』の話題が、ランにとっては1番心に響くか…心を許せる相手に…拾ってくれたのが彼女でよかった…
彼女の話…そして私の話をまたゆっくりとランとしたいが、今は話を続ける…ランに刻み込まれた魔紋に綻びを作るため。
「そんなあなたを彼女は心配していたわ…いつでもあなたを守ってあげれるわけではない…騎士である以上は、もしかしたら先に…あなたを残して逝くかもしれない…とね。」
ラン「っ…ぅ…!」
どんな人にも心に影をもっている…魔紋はそんな人の心の隙間に形成される…ならその隙間を満たして埋めてやればいい…
心を揺らし、魔紋にヒビを入れ、その魔紋を上から新たに満たす想いでぶっ叩いて砕く。
「だからもし自分が先に逝ってしまったら、あなたのことを頼むとお願いされたわ…他でもない『私だから』こそ、彼女は私に頼んだ。
(……頼まれなくてもランのためだったら、私はなんでもするのだけどね…。)」
今の教会騎士団は三賢人の支配下にあり、あの人が亡くなったら聖剣とその地位を引き継ぐのは、彼女の騎士パートナーだったランだ…
そうなったらもう教会騎士から抜けられないし、いきなり背負わされた責任にランは潰されてしまうと彼女は言っていた…
そして本当にその通りになってしまっていた…いくら他の聖剣騎士と仲がよくても、頼れる人はいないだろう…あの三賢人がいてわね…。
あとは単純にランは甘えるのが下手なのだろう…彼女がランは、1人で背負い込んだり辛いことは隠したり、自分より他を優先する子だと言っていたからだ…
拾って育ててくれた彼女に恩を返すため、彼女の力になりたいと騎士になった…そんな優しい子だと聞いている…。
「私はあなたを迎えに来たわ…本当はもっと早く迎えに来たかったけど、戦争突入と三賢人の妨害のせいで遅くなってしまった…その間あなたを苦しませてしまってごめんなさい…
……いつも不甲斐ない私だけど…でも、あなたを守りたいという気持ちは誰にも…それこそ『彼女』にだって負けてない…だから…あなたの背負ったもの全てを受け止めて、あなたをその魔紋から救い出すわ。」
ラン「っ…聞いていれば、なんであなたの何の得にならないことをしようとしてるの…? あの人…お母さんとの約束? なんでそんなことを私が知らないあなたに頼むの…
あなたは…私の何なの…!」
魔紋に身体と意識を『別のラン』に支配され縛られたランが剣を手にし、色んな感情が入り混じった咆哮をしながら襲い掛かってくる…
私は右手に剣を、左手には『魔導銃』を持ち、ランが溜め込んでいるであろうものを受け止めるため…そして、ここからランとの関係をもう一度始めるために身構えた。
「『姉』として『妹』であるあなたを守りたい…ただ、それだけだよ。」
ラン「……!?」
『彼女』の最後の願いと…私の唯一の願い…生き別れた妹と、再び姉妹に戻る…それを叶えるための戦いが始まった……。
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