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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第218話 開幕、それぞれの戦い②
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……向かい合って殺気を飛ばし合うユラミルティとブラッシュの2人…ユラミルティはブラッシュを牽制しながら、ガブリエラたちと会話をしている。
リャン「加勢…いる?」
ユラミルティ「いえ、大丈夫です…あの方とは私だけの手で決着をつけさせてもらいたいです。」
ガブリエラ「ブラッシュは強いわよ? いくらあなたが強くても、久しぶりの戦闘でしょ? 一対一の戦いなら、穏健派のユラミルティにはきつい戦いになるわよ?」
ユラミルティ「それも承知の上です…大切な人を傷つけられたのです…私は今少々怒っています…手加減などいたしません。」
ミレイ「ユラ…無理はしないでくれ…俺は…弟にすら迷惑をかけた今の俺は、ユラに想ってもらえるだけの人ではもう…。」
ユラミルティ「いいえ、それは違いますよミレナリオさま…確かに私は、自分の大切な人であるあなたさまを助けに参りました…だけどここに来る途中に、アル殿下の想いも受け取ってきております。」
ミレイ「アルの…?」
ユラミルティはミレイと手を繋ぎ、ミレイに温もりと想いを言葉で紡いでいく。
ユラミルティ「はい…私情を優先し、民たちを裏切った私は、もう民たちに会わせる顔がない…だがこの選択がきっと1番民たちの、王国のためになるのだと言っていました。
王国を真の姿に戻せるのは…自分ではなくミレナリオさまと、あなたさまの姉君…シオンさまなら、きっと王国を再びギランバルトらの手から取り戻せると…王国の灯火は消えないと、民たちを真に導けるのはミレナリオさまたちだけだと…そう、言っていました。」
ミレイ「……。」
ユラミルティ「そして…こちらは私の気持ちになりますが…アル殿下を助け出せるのは、兄であるミレナリオさまと…姉であるシオンさましかいません。
だから生きてください…アル殿下を助けるまで、王国をギランバルトの手から取り戻すまで、私はあなたさまをそばで支えます…あなたの価値は、他の誰でもない私…そしてアル殿下が見出しています。」
ブラッシュ「茶番は済んだか? 裏切り者のお前らまとめて処分してやるよ。」
アグレゴ「……。」
ブラッシュの方を振り向くと、ブラッシュは反吐がでるといった表情を浮かべていて…アグレゴは何も言わず、戦闘に入ろうとする直前の光景をただ眺めているだけで。
ミレイ「ユラ…ありがとう…自分じゃもうそんな価値もないと思ってた…だけどお前が…アルが俺の価値を信じてくれるなら、俺はそれに応えて民たちのためにギランバルトから王国を取り戻してみせるよ…だから…俺と共にその道を一緒に歩んでくれ、ユラ。」
ユラミルティ「はい ミレナリオさま…私の全てはミレナリオさまと共に…。」
ぎゅっとミレイとユラミルティはお互いの手を握り合ったあと、その手を離してミレイをガブリエラたちに託し…ユラミルティはブラッシュとの戦いのため前へと歩みを進めた……。
リャン「加勢…いる?」
ユラミルティ「いえ、大丈夫です…あの方とは私だけの手で決着をつけさせてもらいたいです。」
ガブリエラ「ブラッシュは強いわよ? いくらあなたが強くても、久しぶりの戦闘でしょ? 一対一の戦いなら、穏健派のユラミルティにはきつい戦いになるわよ?」
ユラミルティ「それも承知の上です…大切な人を傷つけられたのです…私は今少々怒っています…手加減などいたしません。」
ミレイ「ユラ…無理はしないでくれ…俺は…弟にすら迷惑をかけた今の俺は、ユラに想ってもらえるだけの人ではもう…。」
ユラミルティ「いいえ、それは違いますよミレナリオさま…確かに私は、自分の大切な人であるあなたさまを助けに参りました…だけどここに来る途中に、アル殿下の想いも受け取ってきております。」
ミレイ「アルの…?」
ユラミルティはミレイと手を繋ぎ、ミレイに温もりと想いを言葉で紡いでいく。
ユラミルティ「はい…私情を優先し、民たちを裏切った私は、もう民たちに会わせる顔がない…だがこの選択がきっと1番民たちの、王国のためになるのだと言っていました。
王国を真の姿に戻せるのは…自分ではなくミレナリオさまと、あなたさまの姉君…シオンさまなら、きっと王国を再びギランバルトらの手から取り戻せると…王国の灯火は消えないと、民たちを真に導けるのはミレナリオさまたちだけだと…そう、言っていました。」
ミレイ「……。」
ユラミルティ「そして…こちらは私の気持ちになりますが…アル殿下を助け出せるのは、兄であるミレナリオさまと…姉であるシオンさましかいません。
だから生きてください…アル殿下を助けるまで、王国をギランバルトの手から取り戻すまで、私はあなたさまをそばで支えます…あなたの価値は、他の誰でもない私…そしてアル殿下が見出しています。」
ブラッシュ「茶番は済んだか? 裏切り者のお前らまとめて処分してやるよ。」
アグレゴ「……。」
ブラッシュの方を振り向くと、ブラッシュは反吐がでるといった表情を浮かべていて…アグレゴは何も言わず、戦闘に入ろうとする直前の光景をただ眺めているだけで。
ミレイ「ユラ…ありがとう…自分じゃもうそんな価値もないと思ってた…だけどお前が…アルが俺の価値を信じてくれるなら、俺はそれに応えて民たちのためにギランバルトから王国を取り戻してみせるよ…だから…俺と共にその道を一緒に歩んでくれ、ユラ。」
ユラミルティ「はい ミレナリオさま…私の全てはミレナリオさまと共に…。」
ぎゅっとミレイとユラミルティはお互いの手を握り合ったあと、その手を離してミレイをガブリエラたちに託し…ユラミルティはブラッシュとの戦いのため前へと歩みを進めた……。
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