159 / 365
第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第158話 救国の白神聖者
しおりを挟む「あがっ…がっ……っがが…!!」
目の前で私の同胞が1人、また1人変異していく。
馬鹿な子たち。
あれだけ逃げろと声をかけたのに。
私も幹部3人を1度に相手にしているこの状況で、それ以上気にする余裕はなかった。
遅い来るフェアラートを幻惑魔法で惑わしながら翻弄しつつ、ベアトリーチェと硬化触手と黒鞭の熾烈な打ち合い、身をよじりながらリーゼの攻撃を紙一重でかわす。
距離を取りつつ、黒鞭を構える。
ベアトリーチェの触手は黒鞭を打ち付けた箇所が、炎をあげて燃えあがり始めていた。
フェアラート、リーゼはほぼ無傷ではあるが、なんとか状況を維持することは出来ている。
リーゼ「ふふ…腐っても魔王軍幹部だねぇ、リリス君。
柄にもなくそんなに頑張っちゃってまあ。
そんな昔の『獲物』を持ち出してまで、踏みとどまるなんてねぇ……
君が自ら戦うなんて久しくなかったから思わず眼を奪われちゃうよ全く」
リリス「…貴方に褒められるなんて、明日は雨…いや槍が降るわね♪ここまでして、私を欲しがるなんて」
リーゼ「そりゃあ、君は魔王軍の中でも絶世の美女だからねぇ。加えて優れた実力を持ってると来たら、私としても指名も入れたくなるだろぅ?」
リリス「……私の指名料は高いわよ。
払えるのかしらね。
貴女……いえ。
『救国の白神聖者』
傲慢で神をも恐れぬ不遜な名前をつける、そんな組織に」
その瞬間、リーゼの顔からあらゆる表情が消えた。
余裕も、怒りも、驚きも、悲しみも何もかも。
暫く静寂が流れ、やがてリーゼは笑った。
リーゼ「……なるほど、なるほど。
『禁忌の魔女』か。
度重なる彼女の妨害には、正直こちらもうんざりしていてねぇ。
誰も私たち組織の存在に気づいていない結成当初から、チョロチョロとうっとうしい邪魔ばかりしてくれた。
いい機会だ。
リリス君をこちらに引き込むと同時に、彼女にもこちらの陣営についてもらおうかぁ。
散々、妨害されたんだ。
2人とも脳を洗浄してあげたら、馬車馬のように働いてもらうから楽しみしてるといぃ。
こいつらのように、盲目的に素晴らしい目標に邁進できるからさぁ」
「「……………」」
横に並び立つ幹部二人はリーゼに頭を乱暴にワシャワシャと掻き回される。
そのような屈辱的な行為をされてもしかし微動だにせず、表情1つ変化はない。
洗脳の深度が上がっているようだ。
別に特別な感情は持っていないが、駒扱いされる彼女たちには同情の眼差しを向けざるを得ない。
リリス「おあいにく様♪
私、仕事はあんまり好きじゃないのよ。
謹んで、断らせてもらうわ」
リーゼ「ふふ♪……大方、君は。いや、君たちは。
逃げ切るつもりでいるんだろぅ?
だが……長い生命というのは、そう甘いもんじゃない。
君もよく知っていることだ。」
目の前には魔王軍3幹部。
更に、その後ろには洗脳されたサキュバスの軍勢とゴブリンやガーゴイル、オークの混成軍団。
そして……『奴』が後ろに控えているのが見えた。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説

〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて
千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、娘の幼稚園の親子イベントで娘の友達と一緒にいた千春と出会う。
ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。
ハッピーエンドになると思うのでご安心ください。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる