騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ

第146話 最果てまで

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窓からは優しい陽射しが差し込み、落ち着いた白と黒のコントラストでデザインされた一室。

人二人は寝れるであろうサイズのベッドに彼女は穏やかな寝息を立てていた。

柔らかな弾力性抜群の低反発のそれは眠気を誘うという点では非常に快適な睡眠を使用者に提供する。

やがて外から鳥の囀りが聞こえ初めるころになると、食用をそそる香ばしい小麦の匂いがほのかに薫り始める。

やや寝ぼけた表情の彼女が気だるげに起き上がり。


その匂いをたどり足を進めると、大きなテーブルに二人分の椅子。

やや粗雑に整えられた家具が視界に入り、調理場に立っていた女性が気配に気づいたのか向き直る。

金色の瞳は変わらないが、長い黒髪は後ろで纏めたポニーテールに。

ノースリーブで腕と肩を晒しつつも、上からスタンダードな薄い赤色のエプロン姿の彼女は少し呆れつつも楽しげな表情を浮かべていた。


マサキ「オフェリア……ご飯が出来るタイミングに起きて来るなんて、器用だな♪

ちょっと座って待ってろ。後は配膳するだけだからな」

機嫌良さげに鼻歌を交えながら手慣れた様子で2人分の朝食のお皿を手に持ちテーブルへ運ぶ。

ほどよく焼き上げられたパンを中心にした献立で、バランス良く野菜や卵料理が盛り付けられたスタンダードなものが並べられていく。


マサキ「お待たせ♪……飲み物は水でいいか?……しかし、昨日も遅くまで仕事、大変だったな。

もう最近はオフェリアが遅いから余計に、帰ってくるのが待ち遠しくて待ち遠しくて……ベッドに入って来た瞬間が嬉しすぎてたまらん。

でも、オフェリアにぎゅ♡って抱き着きながらじゃないと寝れないから、もうちょい早く帰ってきてくれ♪」

コップに水を注ぎながら砕けた様子で彼女を労いながらも、少し照れつつ拗ねた様子でオフェリアを見つめ話をふる。

ーーーー

オフェリア「……んっ…む…にゅ…この匂い…は…?」

いい匂いが鼻をくすぐり…布団の中で身体をもぞもぞと動かし、こしこしと目を擦りながら私はゆっくりと起き上がる。

薄い紫色のシースルーのベビードールに身を包んだ私は、寝ぼけた表情と足取りでふらふらと匂いのする方に歩みを進めた…

まだ眠い…もう少し寝てたい…だけどこの匂いには抗えない…。


オフェリア「っ…// こ、これは いい匂いがしたから仕方ないのよ…//

ええ わかったわ…マサキ ありがとう…あと…おはよう…//」

普段より露出が少し多い服に加え エプロン姿のマサキ…いい…すごくいい…

いつもとは違う服装と雰囲気の彼女に見惚れてしまって…そしてご飯に釣られたのもあり、私は頬を赤らめながら視線を逸らし…

言い訳しながらも朝食を作ってくれている彼女に、私はお礼と朝の挨拶をして…

1人で過ごした時間が長く、慣れていないため恥じらいながら。


オフェリア「これは…すごいわね…。う、うん お水で大丈夫よ ありがとう。」

テーブルに並べられた料理の数々を見て、私は少し驚きを隠せない…

マサキが料理上手だったのは意外だった…この女の子らしさは、彼女の先生だった人のおかげなのだろうか…?

もちろん私は…苦手だ…よく焦がす…むむ…もしかして私って本当にぽんこつ…?


オフェリア「まあ…えっちでハードで大変だけど、私のまねいたことだから なんとか最後までやり遂げないとね。

っ…い、いや…ぎゅってされるのは…その…今はあまり…抱きしめられるのは…困るというか…//

で、でも寂しい思いをさせてごめんなさい…これからは『ほどほど』にして早く帰れるようにするから、いい子で待っててね。

(夜 マサキが抱きついて離してくれないから…本当にそろそろ私の理性がやばいのよね…

隠れて…その…1人で『発散』してるけど…やり方わからないから…全然満たされないし…

同意の上だけど…この屈辱的な淫紋のせいでマサキの『匂い』を嗅ぐだけで発情して…吸血鬼の『衝動』も加わって…え、えっちなことしか考えられなく…なってきてるし…//

そ、それにしてもマサキってこんなに…素直に甘えてくる性格だったっけ…?)」

『淫紋』と『衝動』のせいもあり…一晩中マサキに抱きしめられてる時間は、天国でもあり生殺しでもあった…いや 幸せで幸福な時間でもあるのだが…今は本当に…まずい…

いい匂いに包まれて…それにマサキが魅力的すぎて…ただぎゅって抱かれてるだけで、私はずっと発情して…マサキとえっちなことをしたくて堪らなくなってしまっていた。


淫紋とリリスに屈服したくないが…満たされなく下手くそな1人えっちだけでは…そろそろ精神力だけで保つのも限界が来ていた…

こ、こうなったら…私がはしたない獣になってしまう前に淫紋のことを話すべきか…いえ…言えないわ…

匂い嗅ぎながらマサキに抱かれたいとか…私の方がお姉さんで年上なのに甘えたいとか…そんなことばっかり考えてるって知られたら…嫌われちゃうかも…しれないし…

いやマサキなら嫌わないと思うけど…恥ずかしいし…それに…怖い…から…

ただのえっちな獣になってマサキを傷つけてしまうかも、そして彼女に嫌われてしまうかも…と私は葛藤をしていた。

ーーーー

マサキ「『すごいわね』って、おい。

『いつも』こんな感じの作ってるだろ。

もう『1年ぐらいか?』そんな普段と変わんねーぞ。

やっぱ吸血鬼っつーのは、朝弱いんだな♪」

オフェリアの言葉にクス…♪と自然な様子で笑みを漏らしながら、寝ぼけていると思ったのか。

エプロン姿のままポニーテールを溶いてストレートに髪を下ろすと、自らも食事をとりはじめる。


マサキ「むぅ……///それじゃいい子にして待ってるから出来たら、ちゃんと『いい子にしてたね♪』って褒めてくれ。

じゃなきゃ、我慢できない。いい子にもできない」

オフェリアにあやされながらも、どこか心地よさげに会話を楽しみながらおねだりをする彼女が拗ねた表情を浮かべると、どこからか『きゃああ♪』というどよめきが『マサキ』の耳にのみ届く。


マサキ「え……?」

しかし辺りを見回すも、部屋には紛れもなく2人がいるだけ。見るとオフェリアが不思議そうな表情を浮かべるのが目に入る。


マサキ「…気のせいか。

それよりオフェリア……どうした?もやもやした表情して……なんか顔赤いぞ。

風邪でも引いたか?」

ーーーー

オフェリア「あ…れ…そうだった…かしら…? ……そういえば…そうだったわね…。

んっ…そうね…あなたの言う通り寝ぼけていたみたい。私 朝弱いし。」

マサキの言葉に首を傾げる…私たちここに来てもうそんなに経つのかしら…?

でも言われてみたら 一年くらいここにいる…気がする…私がお仕事をこなして、マサキが帰りを待っていてくれる…

彼女と過ごした日常も『少しずつ思い出せる』し、最近では見慣れたいつもの光景…のはずなのに、なんだかもやっとする…

でも考えても何でかわからない…うーん…マサキの言う通り、起きたばかりでまだ頭が動いてないのかな…

それとも仕事の疲れが溜まっているのか、はたまた淫紋のせいでの疲れなのか…まあいいか『思い出せた』のだし。


オフェリア「ふふ…♪ 普段からマサキはいい子なのだけど…ええ わかった…ちゃんと待ってれたら いっぱい褒めて甘やかしてあげるわね♪

って…どうしたのマサキ?」

拗ねておねだりする彼女にきゅんとして…私は嬉しそうな微笑みを向けながら、マサキと約束を交わして…

甘えてくるマサキ…うん かわいい…拗ねた表情もすっごくかわいい…

私の心をくすぐる…いつもとのギャップがありすぎて…そこがまたよくて…理性飛んじゃいそう…あぶない あぶない。

不意にマサキがきょろきょろしていて、私は首を傾げてみせて。


オフェリア「えっ…な、何でもないわよ…気のせいよ…それより いただきます。」

マサキに顔が赤いのを指摘され…私は慌てたように誤魔化し、ご飯を食べ始めて。

えっちなことばっかり考えてしまってたなんて言えないわよ…しかも発情…欲情の相手であるマサキにはなおさらだ。

ーーーー

マサキ「……?」

何か隠すようなオフェリアに対して疑問を持ちながらも、肩をすくめて話題に対しては気にしないことにしたのか、食事を進めるなかマジマジと彼女を見つめる。

しかし見つめ過ぎたことに気づいて話を持ち掛ける。


マサキ「なあ、オフェリア……俺は…こうして好きな人と普通に食事を取ることって、凄く嬉しくて、幸運なことだと思うんだ。

一見、簡単そうに見えるけど……コレは1人じゃ出来ないことだ。難しいことだと思う。

戦争で日々、寿命が削れる中……こんな日々が実現するなんて……俺は、神なんて甘っちょろい偶像は信じちゃいねーが。…世の中、わからないもんだよな♪」

ストレートに自分の思いを伝えながらも、普段あまり見せることはなかった穏やかでいて爽やかな笑顔を見せて、笑う。

そうして暖かい時間が過ぎる。

やがて食事を取り終わり、後片付けを済ませエプロンから部屋着の羽織を着ようとしたところで、居室にベルの音が鳴り響く。


マサキ「せっかく今日は二人とも休みだってのに……悪いなオフェリア。しばらく待っててくれ」

そうしてマサキは玄関の方にパタパタと駆けていき、部屋にはオフェリアだけが取り残される。

するとどこからか……声が聞こえてくる。


『部屋には今、1人だけよ♡今ならマサキの匂いが、しっかりついた羽織、くんくん♡していいんじゃない♪?』

『きっと淫紋の効果も相まって気持ちいいですよ♪きゅんきゅん♡するはずです~♪』

『大好きな人の匂いをくんくん♡出来るなんていいな~♪』

『あ、少し疑問に思っちゃう?変なことは気にしない気にしない♪これはオフェリア自身の声なの。ほら、口に出して言ってみて。

《何も変なことはないわ♪細かいことは気にしない、気にしない♪》

ほら、なんだかとても爽やかな気持ちでしょお?♪」

ーーーー

オフェリア「もぐもぐ…えっ…な、何かしら…?」

マサキにじっと見つめられ、私は視線を逸らして…うぅ…やっぱり誤魔化しきれてないのかな…でも発情してしまうなんて言えないし…

そう思考していると彼女に名前を呼ばれ、私はびくんと震え 声が思わず裏返る。


オフェリア「っ…// マサ…キ…それは…私…だって…あなたとのこうした時間は…幸せ…よ…本当に…心から…ね…//」

マサキからの心からの言葉と彼女の心からの笑顔を見て…私は心をときめかせ頬を赤らめ、彼女に見惚れながら気持ちを零し…

ああ…薄々わかってた…だけど今この感情が何なのか完全に理解した…私は彼女のことが…マサキのことが……。


オフェリア「……うん…私は大丈夫よ…いってらっしゃい。……ふぅ…。」

私は軽く手を振り、何とか笑って彼女を送り出して…そして軽く息を漏らす…

自分の感情に答えが出てしまった…だけどこの感情はだめだ…彼女自身は何も悪くない…ただ不安な自分が悪いだけで…


オフェリア「っ…な、何よこの声…なっ…だ、誰がそんなことするか…//  何者よ…姿を見せなさい…!」

私が悩みを抱えていると、突然どこからか声が聞こえてきて…

内容が心の中で抱いてる気持ちを言い当てられていて、私は赤くなりながらきょろきょろと周りを見回す…しかし誰もいない…

わ、私の…声…? いや…でも複数人の声のような…っ…ぁ…でも…私の声のような気も…するよう…な…?


オフェリア「っ…そ、そうよ! マサキの匂い嗅ぎたい! くんくんしながらマサキに抱かれてイキたい! 私も彼女に甘えたい! それもこれもリリスに刻まれたこの淫紋のせいよ!

でも…そんな気持ちになるのは…わ、私がマサキのことを好きだから! 大好きだから! 愛してるからよ! こんな気持ち生まれて初めて…そんな彼女のためなら…私は…なんだってできる…くらい…私は…!

で、でも…私じゃ…彼女を幸せにできるかわからない…! 吸血鬼の私なんかと想いを通わせあったら…マサキを闇に…開けない常世の夜に閉じ込めてしまうことに…なる…!

それは…だめ…だ…マサキにはキールさんやオーレリアさん…彼女のお師匠さん…その他にも彼女を想ってくれる人たち…明るいところに居場所がある…

なら彼女はそっちに…いるべきだ…寿命も輪廻転成のことも私が何とかする…だから…その人たちと生を全うするのが…いいんだ…彼女に大切な人を見送る悲しさとか…味わってほしく…ない…!

だ、だから…この感情は抑え…込まなきゃだめ…なの…うぅ…ぁあ…それに…お互いにちゃんと想いを伝えあって…からじゃなきゃ…いや…一方的なのは…やだ…愛して…愛されたい…の…!」

お腹へと刻み込まれた淫紋が光輝き、私は両手で頭を抱えしゃがみ込む…

淫紋で発情する性欲…マサキへの恋する気持ち…マサキの幸せを願い 悲しむことをさせたくない想い…マサキとちゃんと両想いになってからしたい…という相反する想いなどがぶつかり合い暴走気味になるが、彼女の幸せを一番に願っていて…

抑えきれなくなった気持ちが…想いが口から言葉として漏れ、不安定になったからか全身から見るものを恐怖させるだけの魔力が溢れ出し…

一番欲しかった言葉を彼女がくれたあの時から…私はマサキのことを……。

ーーーー

《あらあら……♪それじゃ仕方がないわね♪》

どこからか声が鳴り響いたと思うと部屋の雰囲気が僅かに変わる。そして2人の頭にいつも程ではないが、少しだけクリアになる感覚が走った。

扉を開けたそこには、マサキが佇んでいる。その表情はどこか気まずそうでいて、頬は僅かに赤い。


マサキ「…いや……悪りーけど、丸聞こえなんだが……//」

所在なさげに手を頭に当てて髪をワシャワシャと掻き回しながらも、オフェリアの様子をみて小さくため息をついて、目尻を下げる。


マサキ「……まずは言わせてくれ。そこまで俺のことを想ってくれることは素直に嬉しい。その…ありがとうな…♪

正直なところ、俺は貴女のことを『相棒』として見てなくてな。色恋には疎いこともあって……そんな風に見てくれるなんて期待してなかった。

だから……何だろうな。俺自身も動揺してる。

その先の発展の可能性があることに、な……//」

オフェリアの近くに寄りながら彼女の目をしっかりと見つめて未来に想いを馳せ、彼女の肩に右手を乗せる。


マサキ「だけど、悪りぃな。

正式に答えを出すには……せめてこの戦争の終結までは、時間が欲しい。

『奴ら』を壊滅させるまでとは言わねぇ。

確かめたいんだ。俺が積み上げてきてしまった『罪』を。

逃れようのない運命に逆らおうとした『アイツ』の行く先を。

……そうすれば、俺も貴女と本当の意味で前に進むことが出来ると思う。

…告白まで聞いてしまって、無礼千万だとは思う。

だが……聞き入れては貰えねーだろうか?」

ケジメとしての自分の意思を示して、ためらいがちに彼女に時間の懇願を申し出る。言葉を選びながら、彼女の申し出自体は非常に嬉しい思いを伝えつつ。


マサキ「それと……な。これは愚かな申し出を通そうしている、俺が言えた義理じゃねーが。

…オフェリア……お前は勘違いしてるぞ 」

コホンと一息ついて彼女に諭すように続ける。


マサキ「お前は俺を幸せには出来ないと言ったな。当たり前だろ、そんなこと。

幸せっつーのはな、食卓を囲むのと同じだ。

1人で作り上げることなんてできねーよ。

仮に1人で作り上げることができた幸せなんて、そんなもん自己満足にすぎねぇ。

それが悪いか良いのか決めるのは、ソイツ次第だがな。

……まあ、これは全部受け売りなんだが…つまりな。」

彼女の頬に手を添えながら、安心させるように片目を閉じてウィンクすると小さく笑う。


マサキ「お前となら……果ての果て。人間を超越した……最果てまで行くのも悪くねぇって思ってんだ。だから……俺とこの戦争の最後まで着いてきてくれ」

ーーーー

オフェリア「はぁ…はぁ…くっ…ふぅ…なん…だったのよ…今のは…。

っ…マ、マサキ…いつからそこに…!? ちが…い、今のは…その…えっと…あの…。」

大きく息を吐きながら呼吸を整え、不安定に乱れていた心と魔力を何とか落ち着かせる…

そうするとマサキがこちらを見て 立っていることにやっと気づけ、私は視線を逸らしながら慌てるも言葉が出ず…

ぜ、全部聞かれた…私がマサキに抱いている想いとか…すべて…っ…こんなバレ方するなんて…恥ずかしすぎて…彼女の顔をまともに見れない…じゃない…。


オフェリア「あっ…マサ…キ…えっ…? っ…そ、それって…//

……ええ 私もそれでいいわ…少し未来への希望も貰えたし…それに…あなたが前に進めるための力になれるのなら…私にとってそれは幸せなことだからね…♪」

私が視線を逸らしていると、近くに寄ってきたマサキの目が私の目を見つめて…こんなに真っ直ぐに見られたら…逸らせないじゃない…。

彼女の手が私の肩に触れながら、彼女は私との先の話を伝えてくれ…私は頬を赤らめながら 瞳を潤ませる…うそ…マサキも私と同じ気持ちを…? っ…それが本当なら…嬉しい…けど…//

私はマサキの意志を尊重する。本当にあなたは芯の強い子…真っ直ぐな心を持ってる…

そんな彼女のそばで支えれて…その力になれるのなら…これ以上に嬉しいことはない。


オフェリア「えっ…勘違い…? ……あっ…。

……実はね…マサキのことを好きになって想いが募るたび…私じゃって…悩んでた…

あなたにはあなたを想ってくれてる居場所が他にもある…それはあなたが自分の命すら賭けてもいいほどの…人たちがいる明るい居場所…

ならあなたの幸せを一番に考えたら…その人たちのそばが一番だよね…ってなったから…

だから私はこの想いを抑えることにした…そこにはあなたに拒絶されたらや…吸血鬼の私じゃ…って恐怖とか不安も少しあったけどね…

だって無限に続く生よ…? 私だって絶望したくらいだし……それに…マサキにはキールさんたちもいる…永遠の生になんかなっちゃったら…いつか別れ 見送ることになるから…

…だから私は…あなたの笑える居場所を取り戻せたら、影からあなたを支える存在になれるだけでも…いつかあなたを見送ることになろうとも…幸せだと思ってたの。…だけど……。」

頬に彼女の暖かな手が触れ、マサキの紡いだ言葉を聞き…

私も自分が秘めていた想い…マサキへの想い…永遠の命による別れ…などを口にし、一呼吸置いて……。


オフェリア「マサキが…私と一緒にいるのもいいって想ってくれてるって知ったから…私は今本当に幸せ…告白の返事がどっちになっても…私はあなたを愛してる…それだけは変わらないわ…♪

うん…私の方こそ…最後までそばにいる…私が…そうしたい…から…//」

今ある…これからも変わらないであろう 確かな気持ちを素直に言葉にし、頬にある彼女の手に自分の手を重ね…私は最後まで彼女とあることを約束した……。


………。

オフェリア「……あ、あのね マサキ…この際だから言うのだけど…実はリリスの淫紋のせいで私…マサキ…あなたの匂いを嗅ぐだけで…は、発情…しちゃう…の…//

隠れて1人で…は、発散したりしてるけど…そろそろ雌としての欲求とか…抑えが効かなくなりそうで…// だから…その…夜ぎゅってするのとかは…控えてほしい…のだけど…//」

少しの間 マサキと手を繋いだまま過ごした私は、もう一つ隠しておいたことも口にして…話しておけば控えてくれるはず。

薄い紫色のシースルーのベビードールからでもわかるくらい、お腹で淫紋は妖艶に光り輝いていて…私は瞳を潤ませ 真っ赤になり恥じらいながら それを見せる。
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