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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ

第91話 頭痛の真相

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その夜…オブライエンは破天の七杖のほとんどを連れ『新しい任務』に向かった。

砦に残していくオーレリア達に『砦への滞在許可』を出し、糸目に灰色の髪をショートにした女性は最後にこう言い残した。

『いろいろ意地悪なことを言ったかもしれないがねぇ。

少なくとも私はオーレリア君のことを面白いと思ったよ……最初に言ったろ?教えるのはやぶさかじゃあないと。

わざわざここまで来たんだぁ、その気持ちを組んで1つ。今回限りで使える秘策を伝授しておこう。

これを使えば……1つだけ、オーレリア君の知りたいことを何でも知れる。何でもいいさぁ、キールさんのことでも、頭のことでも……君の好奇心を存分に満たすといい。

その気になったら、オーレリア君の後ろにいるであろう、部下に声をかけるといい』

砦の医務室には、その言葉の通り1人の黒ローブ、オーレリア、キールのみが静かに滞在している。


キール「ん……ーっつ……痛たた……頭がズキズキする…。あたし……」

横になり昏睡状態だったキールが、ぼんやりした表情で起き上がりキョロキョロと辺りを見まわす。

ーーーー

オーレリア「……私がおもしろいか…自分ではわからんが。
しかし…本当にマサキ隊長の予測通り 戦争が始まってしまったか…。

(なんでも知れるか…特殊な魔法か何かか…? 正直聞きたいことは沢山あるが…キール隊長を助ける方法だろうか…。)」

オブライエンとの会話を思い出しながら、私は一人でつぶやいていて。

戦争を事前に食い止められなかったことを悔いながら、キール隊長のことなどを知るより 治す方法を知るべきかと考え。


オーレリア「…起きたか。
まったく…そんな身体で無茶をして…隊長が隠し事をしていたことに私は怒っている…事前に言ってくれていたら体調のことも気にもかけれたのに…今回は反省するがいい。」

目覚めたキール隊長に声をかけ、私はキール隊長の頭をゆっくりと撫でて…
言葉は荒いものの、その表情には安堵と何ともなくてよかったなどの感情が現れていて。

ーーーー

キール「お……♪なかなかいい感覚だ、これ……♪まだ少し痛むけど、癒されるわ~……♪」

まだ頭が痛むのか少し顔をしかめながらも、オーレリアに頭が撫でられるのが気持ちいいのか、ぽやーっとした表情を次第に浮かべ


キール「体調……体調ねぇ……。
あー、悪かった悪かった。だけどほら。あたしは頑丈な方だし、病状を抑えこむ薬もマサキから支給してもらってるし。気にすることないって言っても……納得しないよな」

顔をそむけ、手をフリフリしながら影響はないと宣言しながらもオーレリアが、納得しないことはすぐに察するところなのでゲンナリした表情を表情を浮かべ


キール「ま、まあそんなことより。ちゃんとオブライエンとは会えたのか?どうも頭痛で気を失ってところどころ記憶がなくてさ。なんか言ってた?」

ごまかすかのように別の話題をふり、オブライエンと話した内容の報告を求める

ーーーー

オーレリア「癒されるのなら、このままおとなしく私に頭を撫でられてるがいい。」

膝枕したままキール隊長の頭を撫で続けて。
まだ頭が痛むというから そのまま寝かせ 安静にさせ…心配させたのだ 隊長に拒否権はない。


オーレリア「当然だな…いくら隊長が頑丈だろうと限度があるであろう……私がどれだけ心配したことか…。」

納得できるはずがないと言い切り、驚異的な実力があろうとキール隊長だって人だと言い…
普段は見せないであろう心配そうな、そしてどこか泣きそうな表情をさせ。


オーレリア「……ごまかされんからな…? 罰としてこれからは何かあったらすぐに私を頼れ、絶対だからな。

ああ会えたぞ、そして他にもいろいろとあった……。
……という感じだ。
あとはそうだな…オブライエンに言われたんだが、私が知りたいことを一つだけなんでも知れるらしい…。」

ジト目で隊長を見つめたあと、真剣な表情でこれからは私を頼ってくれとお願いして。

キール隊長が眠ってる間にオブライエンと話したこと、そして戦争が始まることを伝えて。

ーーーー

キール「おとと……っん♪……ふぅ。やれやれ……」

オーレリアに寝かされるとベッドの感触にリラックスした表情を浮かべるも、彼女の顔を見て溜め息をつき、小さく笑うと


キール「わかったよ。必要なときは、助けを求める。……でも、常に頼ることは出来ない。

あたし自身の選択や意思を自分自身で貫かないといけないときもあるからさ。

ま、すごい気持ちは嬉しいから♪あんがとね♪」

出来る限りの譲歩を口にしつつも、王国騎士団副長としての職務もまた口にして完全に頼ることはできないと言い切り、ニッと笑みを浮かべお礼を


キール「それにしても……ん~……」

オーレリアからの報告に耳を傾け全てを聞き終わると、考えこむように言葉を漏らし


キール「オーレリアの話……何か違和感があるんだよね。大事なことを見逃しているような……ああ、もう。モヤモヤすんな~……」

何か腑に落ちないことがあるのは確かだが、それに気付けない歯がゆさに渋い表情をつくり


キール「まあわからないものはしょうがない、か。そんで、何?『知りたいことを1つ知れる』って話だっけ?

オーレリアに与えられたんだし、好きに使いな♪あたしは別に、人のものを利用するようなことはしたくないし、ポリシーに反するからさ。

ああ、でも。マサキは違うから、早めに使っちゃいな。黙っててあげるしさ♪どんなことを知りたいって願うつもりよ?」

話を切り替えるように、いたずらっぽい笑みを浮かべオーレリアにその力を好きに使うように促し、どんなことを知りたいのか興味深そうな表情で伺い

ーーーー

オーレリア「そうか…まあ今のところはそれでよしとするか…だが隊長に何かあったら私は勝手に助ける、これは私自身の選択と意思というやつだ。」

キール隊長の言い分に納得しながらも、私は隊長が困っていたら独自で助けると言って…
隊長を補佐するのも私の役目だからと、今の隊長を真似するかのように意思表示して。


オーレリア「ふむ…違和感とな?
んむ…私にはわからぬが隊長がいうのならそうなのだろうな…。

ああ そうだな…んっ 決めた…キール隊長を苦しめてるものを取り除けるために、私はこれからどうすればいいか聞いてみよう。」

隊長の言う違和感を一緒に考えるも、その違和感というのが私にもわからず。

これから先私がどう行動すれば、大事なキール隊長を救えるのか聞いてみようとつぶやき…。

ーーーー

オーレリアが呟いた瞬間辺りに闇色の光りが満ち満ち、暗闇に支配される。

やがてそこは四方が暗闇に包まれた部屋に変化していて、今までの医務室もそしてキールの姿もなく。

ただオーレリアだけが佇んでいる状態の中、後ろからカツ…カツ……と硬い靴音が響く。

やがてそこには、僅かに焦げ付いた白衣を纏った紳士然とした初老の男性が現れ、彼女を上から下まで見つめ胸元から懐中時計を取り出し視線を走らせる。


白衣の男「ふむ……これはまた随分なところに呼び出されてしまった。
まあ一度きりの契約とはいえ、契約は契約。仕方ない……ああ、君に愚痴っても仕方ないんだがね。オーレリア君」

そのまま懐中時計をしまい両手を白衣のポケットに無造作に突っ込みながら、初めて会うはずのオーレリアの名前を呼ぶも、彼女の反応を見てコホンと咳払いし


白衣の男「すまない、すまない。この『時間軸』では会うのは初めてだったかね?私はパラドクス博士。しがない科学者だよ。

ああ、細かいことは気にしないでくれたまえ。

そんなことより、何か知りたいことがあって私を呼んだんだろう?」

手を差し出しながら握手を求め早速本題に入り

ーーーー

オーレリア「っ…これは…? むっ…老人…ふむ…たずねるがあなたは何者だ…?」

突然 景色が変わり私は驚き、そして現れた男性を見ながら何者だと聞いて。

驚きはあるものの取り乱すことなく、私は表情一つ変えることなく冷静で。


オーレリア「むっ…老人 なぜ私の名前を知っている? 時間軸…? ふむ…。
パラドックスと言ったか、つまりあなたがオブライエンが言ってた彼ということか?
んっ…まあ色々とわからぬが よろしくだ。」

自分の名前を知っていることや時間軸と言われ、私は首を傾げてみせて…

彼がオブライエンの言っていた人だと思いながら、私はこの空間のことやらを気にすることなく握手をして。


オーレリア「そうだな…キール隊長に何が起きてるかを知り、それを取り除くために私はこれからどう動いていけばいいか知りたい。」

一つしか聞けないこともあり、私は知りたいことを知るためこういう聞き方をしてみて。

ーーーー

パラドックス「はっはっは、君には私が老人に見えるのかね。
ふむ、少し軸移動で負荷がかっかったかもしれんな。アンチエイジングしなくては」

オーレリアの質問に答えることなく、愉快な様子で笑うと自分の顔を触りシワの伸び具合を確認する。


パラドックス「ふむ……君は『相変わらず』欲張りな人だ。
エリシア君といい、コトリ君といい……騎士に連なるものはどうしてこう強欲なのか。嘆かわしい。謙虚さを身に付けたまえ謙虚さを」

両手を大袈裟に振り上げ頭をゆっくり振り嘆いている様子を見せつけ、小さくため息をつき


パラドックス「とはいえ、まぁ……この後に迎える悲惨な結末を考えれば…私としても、オーレリア君に非常に同情の余地はある。

様々な結末の分岐の可能性があるのだがね。どれも凄惨なものばかり……暴力と血。それに死がつきまとう」

哀れみの目をオーレリアに向け、先ほどの強欲さに対してはさほど追及する様子を見せず。


パラドックス「条件違反により……普段なら何も聞かずに去るところだがね。もう1度聞こうじゃないか。

『条件』を思い出したまえ、若き騎士よ。

……何を知りたいのかね?」

ーーーー

オーレリア「軸移動にアイチエイジング…? それに相変わらず…強欲…ふむ…その2人のことは知らないが、私とあなたはどこかで会ったことがあったか…?」

よくわからない単語や自分を知っているように彼が話すため、私は首を傾げてながらどこかであったことがあるかと思い出そうとする。


オーレリア「悲惨な結末…だと…まるでこれから起きることを知ってるような口ぶり…いや…分岐に軸移動…なるほど…もしやだが、あなたは未来予知ができる…または時間移動ができるのか?」

悲惨な結末と聞き 初めて私の表情は険しくなり、まるで未来を知っているような口ぶりの彼を問いただそうとして…

しかしすぐに考えるように顎に手を当て、少ししてから私は時間を操れる魔法、または遠見といった何かができるのかと、常識を一旦捨て仮説で話をしてみて。


オーレリア「ふ…む…あの聞き方はやはりずるかったのか…そう…だな……ならキール隊長は何に苦しめられているんだ?
結局のところそれを知らなければ何も行動できないからな、それを知ったうえでそれを回避するために私は動くだけだ。」

何が起こってるのかを聞くことにして…最初は道を示してもらおうかと迷いに迷ったが、結局のところキール隊長のことを知りたい、そしてそのうえで自分で決めて前に進まないと何も掴めない気がしたからだ。

ーーーー

パラドックス「ふむ……それらの疑問には肯定も否定もしないでおこうじゃないか。
君が最も聞きたいことは最後の質問であったことは理解した。

ああ、だがね。答える前に1つ」

オーレリアの洞察力にやや満足そうな表情を浮かべつつも、小さく笑うともったいつけるように付け加え


パラドックス「この時点でオーレリア君の質問に『完全』に答えてしまうと、『時空管理禁測法』1条~4条に抵触してしまうし、何よりあの、おっかないマサキ君に殺されてしまう。

つまり君の質問に答えることは出来るが、『深く掘り下げることはできない』のだよ。

これを承知するかね?

承知するなら、キール君に今何が起きているか……教えよう」

人差し指を立て生徒に講義するかのように条件を説明してあげオーレリアの回答を待つ

ーーーー

オーレリア「うむ…はぐらかされて、答えにはなってない気がするが…まあ今はいいか。
むっ…? まだ何かあるのか…?」

言葉では肯定などはされなかったものの パラドックスの表情を見て、私の推測はあながち間違いではないことを知れただけでよしとして。


オーレリア「時空…管理…? ふ…む…私にはよくはわからないが…つまりは私の問いに答えると、あなたはマサキ隊長やその他の人たちにひどい目に合わされるわけだな。

……わかった、それでいい…だから あなたが語れる範囲で教えてもらいたい。」

ますますパラドックスのことがよくわからない存在だと思いつつも、私はそれでいいと真剣な表情で彼を見つめながら答えて。

ーーーー

パラドックス「よろしい。それでは内容をかなり簡略化して、オーレリア君にわかるよう核心を簡潔に答えよう。ああ、楽にしたまえ。そう緊張しても、現実は変わらんのだからね 」

オーレリアに対しておどけるように答えて見せ、条件をクリアしたことを承知すると。コホンと咳払いを


パラドックス「キール君は……覚醒しようとしているのだよ。人間族にとって最大の脅威。大いなる魔を率い常夜の世界を支配する存在……この世界で言うところの『魔王』へと。

彼女の頭痛は、人間としての身体の性質がより魔族へと日々近づいているものなのだよ。

もちろん本人は知らないまでも、自分の身体の異常を確実に感知しているだろうがね。

この時間軸は……うむ、やはりそうだ」

懐中時計を取り出し時間軸を確認すると小さくため息を。

ーーーー

オーレリア「この状況で楽になどできると思うか? まあ気遣いだけは感謝しておこう。」

キール隊長を苦しめている何かを知れる時に気を抜くというのが無理なわけで、しかしパラドックスには気遣いのお礼は言って。


オーレリア「……覚醒…それに魔王…だと…? 何を言っている…どうして人が魔族に…?

……とりあえず、だ…その話を信じるとしよう…それを前提に話すが、キール隊長が魔族になる原因はなんだ?
誰かにそうなるように魔の何かを与えられたのか…それとも生まれた時からそうなる要因を持っていたのか…どっちだ…?」

私は顔色を変え、理解が追いつかない表情でパラドックスを見つめて。

しかしすぐに理解などを一旦置いておき、キール隊長が魔王になる原因を考え…
その原因が生まれる前からか、それとも生まれた後から施されたかを確認して。

あらゆる常識などを一旦捨てて私が考えついた仮説は、何者かにより隊長が後から魔王に変化させられようとしている…と 元々 魔王の何かを持って隊長が生まれ、それにより隊長が魔王に変化していってるというもので。

ーーーー

パラドックス「おっと……慌てる気持ちは非常によくわかるのだがね。質問は1つまで。掘り下げることも出来ないことは『条件』だったはずだが?」

首を振りながらやや突き放すように言い放ち、彼女のリアクションに対しては予想通りだったのか、さほど追及することはなく


パラドックス「そこに至る経緯や原因。真実を知りたいのならば私ではなく他の者に聞きたまえ、若き騎士よ。

なに、安心したまえ。今すぐキール君がどうこうなるわけではない。

『覚醒』そのものは、キール君に施された何重にも及ぶ…非常に洗練された硬度が高い封印魔法により可能な限り遅延されている。

その『代償』はあるのだが。人類にとっては、さほど問題ではないのだからね。さて……そろそろ時間か」

胸元から懐中時計を取り出し、時間軸と契約の終わりを確認するとオーレリアに背を向けて歩き出し


パラドックス「願わくば、君の未来が言い方向に変わることを祈るとしよう」

一言呟くと、再び闇色の光が空間を支配する。目も眩むほどの光が晴れるとそこは元通りの医務室。

しかし1つ違うことは、オブライエンの部下と言われていた黒ローブの人物が忽然と消えていて


キール「……だから……ってことなんだ。ん?……おーい。オーレリア?……オーレリア?あたしの話聞いてる?」

ベッド上のキールが彼女の様子に気づいて、袖を掴みながらオーレリアの身体を揺らし反応を伺う。
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