騎士学生と教官の百合物語

第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ

第87話 アイリス隊

ー幕間ー

「……以上がキール副団長からの警告です。偵察班からの報告も合わせて、アイリス先生からのご指示通りの隊の展開をしておりますっ。

現在、隊の現場指揮はリネットが。」

アイリス「ありがとう、スタイルズ♪でも、軍を組んでる以上ここでは将軍か隊長って呼んでほしいな。

だけど……貴方を始め、みんな迷惑をかけるね。私の部下ということで、危険な任務に急遽収集をかけられちゃって」

精悍な顔つきの大男に、執務椅子に座る女性。腰までの金色の髪に、スカイブルーの瞳をした彼女は優しげに微笑みながら、申し訳なさそうな表情を浮かべる。

対して大男は心外だといわんばかりに言葉を続ける。


「なにをおっしゃいますか。先生のためだからこそ、教え子たちが自発的に集まったんじゃないですか。

我らは先生と共に肩を並べて闘えること、光栄に思います」

アイリス「それじゃ……私もみんなを絶対守り抜いて見せるよ。かわいい教え子たちだからね♪魔族だろうと何だろうと……私たちは負けない。絶対にね」

「はい、先生。とはいえ、まだ相手方の宣戦布告もありません。魔族は誇りを重んばかる相手ですし、まだ大丈夫でしょう。

……ただ、リネットからの報告で。偵察班が魔族軍は何やら遠距離攻撃可能な魔導兵器を持ち出していると掴んでいるとのことですが」

それを聞いて少し考える仕草をみせる。


アイリス「うん。だけど、私たちがここで引けば魔族の侵攻を許すことになるし……ここは、軍を前進させようか。まだ魔族軍との距離はあるんだよね？」

「はっ」

アイリス「よし……それじゃ、明日は進軍するよ。みんなにそう伝えておいて」