騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第5節 魔族領編 リュネとクロ

第76話 助っ人の二人

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クロ「はぁはぁ…あなたの実力ならただの投剣なら防げたかもね…だから魔力弾の質量と威力の力技で押し切らせてもらった…。」

強い魔力で剣を精製し それをただ魔力に戻しただけ、だけど単純な威力だけなら魔力弾の方が強くて…
瞬時に剣のイメージを反映させるのと魔力の高さを合わせた技で。


クロ「……ふぅ…あなたは強かったよ…万全の状態ならさっきの技も防がれたかも…そう思わせるくらいね…もっと改良が必要か…。
んっ…賞賛として受け取っとく…さて…悪いけど逃げさせてもらっ…っ!?」

結局彼女の力の正体掴めなかったうえに、完璧に体勢を崩してから繰り出すつもりだったがそれも叶わなかったたため、私はふらふらの身体で彼女の能力と実力を褒めていて。

なんとか動けるうちに彼女を倒せ 逃げようとするが、そこに違うロープの人物が現れて私は驚いて。


クロ「……マスターって…もしかしてあなたがユラミルティさん…あの人を監禁してる…?

(やばいな…ここで増援…しかも彼女のマスターってことは…実力は彼女より上か…この身体で逃げ切れる…か…?
たとえ捕まってもしてもリュネにユラミルティさんとかの情報を知らせる方法はあるけど…リュネは心配するよね…なら私がとる手段は一つ…!)」

彼女たちの会話を聞いて、私はあなたがユラミルティさんを監禁してて その子のマスターさん? なのと聞いてみて。

すでに麻痺やらで意識朦朧としてるふらふらの身体で 私は戦闘態勢をとってみせて。

情報をもう少し持ち帰りたかったけどリュネの心配した表情がよぎり、私は信頼するリュネがくれた魔石を使用して。

ーーーー

「………!!」

クロが時間石を取り出し叩きつけ白煙が立ち始めると、地面が吹き飛ぶ程の勢いで加速し、召還した黒色の大剣をためらいなく振り下ろす。

クロを一閃したであろうそれは、もう一振りの大剣が受け止め甲高い金属音が響き渡る。


キール「…いきなり呼び出された先が大剣の前とは…流石のあたしも驚くねぇ♪せいっ!」

目の前の人物。

青銅色の髪に同色の瞳、鎧姿の女性は小さく笑うと、『蒼の大剣』に力を込め、そのまま白いローブの人物の大剣を大きく弾き、すかさず蹴りを相手の腹に叩き込み距離を取らせる。


リュネメイア「はぁ……キール、相変わらず全然そうは見えぬ。
………む。どうやら主が妾たちを呼んだか。どこの誰だか知らぬがボロボロよの。主、大丈夫か?」

意識朦朧でフラフラのクロを、もう1人の召還された人物が後ろから軽く支えながら話しかける。

その姿はリュネメイアであるものの、先ほど別れたリュネとは異なり、豪華絢爛な着物の下に鉄の鎧を着込んでいて、どこかまだあどけなさが残る若さが見えている。


キール「リュネ。あたしたちの時間のこともあるし、長引かせちゃマズイ。
………どうやらその様子だと、疲労に加えて状態異常もあるみたい。アンタがその子連れて脱出して」

キールと呼ばれた女性は大剣を肩に担ぎ上げ、クロの事を見つつ敵を警戒し彼女なりの提案を。

ーーーー

クロ「っ…うぁ……っ…その蒼の大剣は…ふぁ…ってリュネ…!?
(いや…でもどこか違うような…いったい何がどうなって…?)」

時間石を使うと煙と風が起こり 私は身体をふらりと倒れそうなのを何とか踏ん張って。

突然現れたアイリス教官と同じ剣を持つ女性と 少し雰囲気が違うリュネに私は驚き、どういうことか考えようとするが朦朧とする頭では思考することができなくて。


クロ「はぁはぁ…リュネと…キール…さん…? あなたたちはいった…い…んぁ…。
(やば…二人のこと気になるのに…もう意識が…。)」

二人のことを尋ねようとするが麻痺やらでもう立つこともできなくて、私はリュネの腕の中に倒れこみびくびくんと身体を反応させて。

ーーーー

リュネメイア「やはり、妾のことを知っておるか。しかし、この症状……命に関わるようなものではないようであるが、主のゆうとおり、このまま個々に置いて置くわけにもゆかぬか……ほっ!……む」

納得したような言葉を紡ぐと立っていられない状態になるクロを自ら背負うと、白いローブの人物を見て目を細める。


リュネメイア「キール。主、やれるか?あやつ……相当の強者よ。この肌を刺すような殺気、隙のない構え、あのスピード。
……まぁ、妾たちは『過去の時間の一部』ゆえ、死なぬが……きちんと時間を稼がねばこの子が危ない」

キール「あっはっは♪この副団長様に任せなさいな。
あたしの腕にかかればバッチリだよっ…それに……あいつ……顔を隠してるけど多分………っ!!い、行って!」

リュネメイア「よし!」

勢いよく間合いを詰められるも、間一髪受け止めて、お互いに大剣を使っていることが信じられないくらいのスピードで素早く切り結び始める。

それを見てリュネは窓から外に飛び出て屋敷の庭へ逃げ、脱出を開始する。


リュネメイア「主っ、眠るな。寝ると薬の回りがはようなる、解毒しても完全に抜け切るのに時間がかかるでな。

ほら、意識を保たぬか……どこにゆけばよい?連れて行ってやろうが、妾たちにはあまり時間がない。」

クロをおぶったままとりあえず屋敷の外に走るも、 彼女を気遣うことも忘れず、行き先を伺い

ーーーー

クロ「はぁはぁ…っ…キールさ…ん…ありが…と…う…。」

リュネとキールさんのやりとりを聞き、私はありがとうと何とかつぶやけて。

そのままリュネにおぶられたまま私は部屋を脱出し、私はキールさんを心配しながら、次会ったらお礼しなきゃ と ぼーっとした頭に浮かんでて。


クロ「はぁはぁ…っあ…? っ…ま、街の外れに…そこにリュネが…いる…かも…それか…魔族領の外…どちらか…に…うぅ…。」

リュネに声をかけられ、失いかけた意識を取り戻せ、それでも もう動けなくてぐったりとしていて。

虚ろな瞳でリュネが向かったであろう場所をもう一人のリュネに伝え、リュネがまだ領内にいるなら町外れだろうと伝えて。

ーーーー

リュネメイア「妾が?………なるほど、この時代のー……といゆうところか。
妾ならば安心せよ、この事態も想定しておらんはずがない。眠っても問題なかろう。とりあえず、急ぐとしようっ」

やがて街の外れの大樹に下に到着し、クロをおろしてやる。すると羽根の羽ばたきが聞こえたかと思うと、もう1人のリュネが降りてきて


リュネメイア「ほれ。こやつ、主の……妾の部下なのであろう?なにやらピンチだったから連れてきたが……状態異常を引き起こしておる。命には関わらぬようであるから安心せよ」

リュネ「済まぬな……クロ。無茶をしたか?何はともあれよく帰ってきてくれたの……この症状…前に診たことがあるの……これなら、ほれ。こやつを飲むがよい……口を開けよ」

二人のリュネが会話を行い、翼のリュネのほうがクロの頭を自分の膝に乗せて、膝枕のようにしてあげ袖もとから白色の丸薬を3つと、水筒を取り出し口を開けるよう伝え

ーーーー

クロ「はぁはぁ…んっ…ありが…と…リュネ…そうさせてもら…う……。」

さすがにもう限界だったため私は一度 意識を落として眠って。

完全に力が抜けて ぐったりとした様子でリュネにおぶられて。


クロ「……んっ…ふ…ぁ…リュ…ネ…? ぁ…ん…っ…んむ…こく…こくん…。」

リュネに呼ばれたような気がして ぽぅーとした虚ろな瞳で目覚めて、今だに朦朧とした意識だけどリュネの呼びかけだから応え、私は小さく口を開けて。

リュネのぬくもりを感じながら口に薬と水をもらえ、まだ覚醒しきらない私はそれをゆっくりと飲んでいき。

ーーーー

リュネ「これでよし、効果が強力であるからしばしの間……若干の麻痺効果と睡魔が残るであろうが、すぐに目を覚まし、ある程度の戦闘までなら支障はないレベル迄の回復はするであろう」

クロの頭を撫でながらもう1人の自分に話しかける。

すると鎧を豪華絢爛な着物に着こんだリュネは小さくため息をつくと


リュネメイア「この世界。なにやら相当厄介なことになっておるな…
後でそやつから報告を受けると思うが、妾たちを阻んだあの白ローブ。あやつは……! 」

リュネ「………?」

リュネメイア「あのキールがこうも簡単に………。む……」

淡々と敵の正体について話していると、鎧姿のリュネの身体が透け始める。


リュネメイア「時間か。………自分に警告することになるとは思わなかったゆえ、戸惑いもあるがそうも言ってられぬ。
いい忘れておったが、逃走中、ダミーや幻覚の魔法を使ってきたゆえ、ここの場所はバレておらぬはず」

ゆっくりと話始める間に、だんだんと足先から消失が始まる。


リュネメイア「その上で聞くがよい。先はどの白ローブ…『過去の時間の一部』とはいえキールを倒すほどじゃ しかもこの短時間に。
……あやつ、妾が会った中のどの敵とも違う力を感じた。認めたくはないが、恐らく格的には最強クラス………悪いことは言わぬ急いでこの場を離れるがよい」

言葉を言い終えると、彼女は完全に立ち消えてしまう。


リュネ「このようなことになるとは……竹をつついてとんでもない薮蛇であったか。クロ、クロ?起きれるか? 」

ーーーー

クロ「っ…ふぁ…その間役に立てないけど…ごめん…でも…ユラミルティさんとかの情報は手に入れられたか…ら…んんっ…。」

しばらくの間麻痺などが残ると言われ 私はその間役に立てないことを謝るも…
ユラミルティさんなどの情報を手に入れれたことをつぶやいて。

リュネに頭を撫でられやっと安心したのか 穏やかな微笑みを見せて。


クロ「……んっ…リュネ…? ああ…少し意識がとんでた…でも大丈夫…今起きるよ…早くここを離れないとだから…ね…名残惜しいけど…。」

意識が落ちてたけどリュネに呼びかけられ、意識が覚醒する。

そのまま ぐぐっと力を入れて起き上がり、リュネの膝枕は名残惜しいと言いながらも すぐに移動できると答えて。

ーーーー

リュネメイア「無理をするでない。さ、移動するから妾に身体を預けよ」

クロをお姫様抱っこの格好で抱えるとそのまま翼を大きく羽ばたかせ空へと飛翔し、移動する。

離れてきた館の方には、キールが倒れたはずだが、まだ時折小さな力と力のぶつかり合いの光が見えていた…

ーーーー

クロ「あっ…んっ…リュネありがと…。」

リュネに無理をするでないと言葉をかけられながらお姫様抱っこをされ…
私はその優しさとかで、嬉しそうに微笑みながら リュネに身体を預けて。

館の方で何かあったのかなと思いつつも、今の私では確かめることもできなくそのままその場を離れて……。
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