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第4節 休日編 コトリとアイリス
第62話 アイリス教官とデート
しおりを挟むアイリス「....それじゃあね、また来るよ♪」
鍛え直した蒼の剣を背中に背負い直し、鍛冶屋の親方さんに一声かけ店を出る。
マサキが失踪して、しばらく経った。
彼女の行方は以前としてわからないため、並行してコトリの学生としての修行を兼ねて、様々な依頼(クエスト)をこなしている。
アイリス「そういえば、少し髪伸びてきたかも..そろそろ切らないとだねー..」
7年前は腰まで伸ばしていた金色の髪。
少しずつ長さがそれに、近づきつつあるのを感じ小さく一人言を呟き、しばらく歩くと休暇以来..3日ぶりだろうか、待ち合わせ場所に彼女の姿を見つけ
アイリス「コトリ、久しぶりだね♪休暇はゆっくりできたかな?」
ーーーー
コトリ「あっ…アイリス教官…♪ うん 3日くらいしか経ってないけど、すごく長く感じる休暇だったよ。
んっ…レインや教会の孤児院にも顔を見せてきた…これお土産…レインたちがアイリス教官によろしくだって。」
待ち合わせ場所で少し前から待っていた私…
はやくアイリス教官に会いたくて、彼女の顔を見た瞬間、以前では考えられないくらいの豊かな微笑みを浮かべていて。
休暇中は入学前までお世話になっていた人たちに会いに行っていた私…お土産のりんごの入った袋を両手で抱えていて。
コトリ「んっと、みんなに…変わったね? …って言われた…そしたらレインがアイリス教官のこと話して、向こうにいる間はずっとみんなに教官のこと聞かれてた。」
ゆっくりできたかな? と聞かれれば…
アイリス教官のことを聞かれてたと話し、喋るのが苦手なのにみんな 遠慮なく質問攻めするから少し疲れたと話して。
コトリ「あっ 言われた通り向こうでも訓練は欠かさなかったよ?
私 すぐ心が不安定になるから、精神トレーニングも欠かさなかったし…
あとはレインに七翼流剣術の指導をしてもらった…レインも奥義を授かってないからそれ以外の技だけだけど…これでもっと教官の役に立てるはず…
アイリス教官の方は何か変わったこととかあった?」
私はアイリス教官の隣へちょこんと身を寄せて、そのまま二人で歩き始めて…
リュネやマサキさんの出来事などで私は成長し、雰囲気も以前より大人になろうと頑張ってる感じで。
アイリス教官に王国剣術と戦闘中の魔力操作、レインに教会剣術と七翼流剣術を教わり…
二人にいろいろと教わったことで、私は強くなってる感覚があって。
ーーーー
アイリス「ふふふ♪....いい笑顔をするようになったね♪..ん、ありがとう♪レインたちに、今度お礼を言いに行かないとだね」
当時の出会いの頃を思い出し、今のコトリと比較してのびのび楽しそうな様子の彼女に、自然とこちらも笑みを誘われ、教会騎士団と孤児院に訪問することを考え
アイリス「そっか..って、私のこと聞かれてたんだ。あんまり変なこといってないよねー、ちょっと気にしちゃうな♪」
自分の事を話題に出されてたと知り、少しからかうような表情でコトリの腕をツンツンと指でつついて小さく笑い
アイリス「うん、それなら良かった♪頼りにしてるからね♪....ん、私の方はあるには、あったんだけど....あはは♪まぁ、後で話すね♪
あぁ、そういえば今日は仕事の予定だったけど....学園長が、私たちはお休みとれって指示だしたらしく、今日は休みなんだー。
....なにしようか?ふふ..デートでもする?♪」
ーーーー
コトリ「そう…かな…? それならそれはきっと アイリス教官にモニカ…それにセイバーやマリスミゼル学園長にエリシア教官…あとはレインのおかげだよ…♪
んっ みんなも歓迎してくれるよ…その時は私が案内するね?」
私がいい笑顔をするようになったのはみんなのおかげだと言って、そしてそのアイリス教官やみんなとの出会いに感謝して。
あの頃は私がみんなに心を開いていなかったことに気づき、それでも接してくれて心配してくれてた人たちに恩返しをしたい気持ちも芽生えていて。
コトリ「へ、変なことなんて言ってない…ただ…私の悲しみを受け止めてくれた…そんな優しい人だよって伝えた…あとは…
その…私の…だ、大好きな人で…大事な人…くらいしか…言ってない…よ…//」
少しからかうアイリス教官…だから私は優しくてかっこいい女性だと伝えたと言って。
そして赤くなって恥ずかしそうにしながら、大好きで私の大事な人…と付け加えて…
お互いの過去を乗り越えたことにより、以前よりも少しだけ素直にもなろうとしていて。
コトリ「んっ 心も体もアイリス教官を支えられるぐらい成長してみせるから…♪
マリスミゼル学園長が? そっか…えっ…? ……う、うん…その…アイリス教官と…私…デ、デート…した…い…//
あと…その…えっと…て、手を…繋いでも…いい…かな…?」
教官に頼りにしているからねと言われて、私はこくりと頷いて改めて気合が入って…
何か言いかけたことは気になるけど、教官が話してくれるまで待つことにして。
デートする? と真剣ともからかいとも取れることを囁かれ…
私は恥ずかしそうに赤くなりながらも、少し緊張と嬉しさが混じった様子で言葉にして。
そしてお土産を片手持ちに替えて、おそるおそるとアイリス教官に手を差し出して…
アイリス教官といれる時間を大切にしたいから、私は自分の感情を出すのは苦手だけど勇気を振り絞って。
ーーーー
アイリス「そうだね。その時はお願いしようかな♪」
コトリの申し出を心よく受け入れて小さく笑い
アイリス「あはは♪....あー..照れるね// ありがとう、いい子だね♪よしよし♪」
頬を少し赤く染め、軽く指でかきながら照れた様子を見せるも、それを隠すように頷いて優しくコトリの頭を撫でてあげ
アイリス「素直になったねー、コトリ♪....ほら、行こうか♪どこに行こっか?
まぁ、コトリとならどこでも楽しいんだけど..普段行かないとことか行ってみる?」
コトリの手のひらを優しく握り、デート先を考えながらゆっくり話始めて
ーーーー
コトリ「ん まかせて…♪
あっ…// 子供扱いしないでと言いたいかもだけど…アイリス教官に頭撫でられるの…好きだから…その…許してあげる…//」
アイリス教官を支えてあげられる大人に早くなりたいのと、教官に頭を撫でられるのは大好きだから…
少しその狭間で葛藤して素直になれないけど、やっぱり私は嬉しそうな表情をして。
コトリ「ん…だってアイリス教官といる時間は私にとって…すごく…すごくとても大事な時間だから…さ…//
だから少しずつだけど…素直になるつもり…それまで…見守ってて…//」
アイリス教官と重なった手のひらを優しくぎゅっと握り返して、頬を赤らめながら私は教官の体に寄り添わせながら歩いて。
言葉にしてアイリス教官に伝えたのは、今までの自分から成長するためで…
だから私は恥ずかしそうにしながらも、意思のある力強い目で誓いを立てて。
コトリ「私…デ、デートなんて初めてだから…その…どこがデートに適してるのか分からない…でもアイリス教官とならどこへでも行きたい…♪
でもそうだね…うーん…あっ モニカが二人でショッピングや食べ歩きがおすすめとか言ってたかも…アイリス教官はどこか行ってみたいところとかある?」
お土産の荷物を教官の部屋に置いたらどこに行こうかと聞かれて…
デート場所はどこが良いかなど深く考え込み、でも教官となら私もどこでも楽しいと答え。
こういうことを考えるのは初めてのことだし、昔から遊びに出掛けたりとかできなかったから 私は真剣に悩んで…
ふとモニカに言われたことを思い出しながら、私はアイリス教官にどこか行きたいところとかあると聞いてみて。
ーーーー
アイリス「そう言ってくれるのは嬉しいけど、無理して背伸びする必要はないからね♪..まあ..その、そのままのコトリが..好きってことかな..なんてね♪」
照れ隠しに小さく冗談めかして笑うと、そのまま少し行き先を考えて
アイリス「それじゃとりあえず私の部屋に荷物おいて、モニカの提案に乗ろうか♪最近は、私もオフの服がなくなってきてたから。
あ、それは大丈夫....私も似たようなものだからね♪リラックスして楽しもっ♪」
コトリの意見を採用して、しばらく歩いて自分の部屋につくとお土産を保管し、蒼の剣を壁に立て掛けて背伸びをすると
アイリス「さて、行こうか♪まずは服屋だから....中心街だね。
マサキのお店は歓楽街で逆方向だから、行くのは久しぶりだなー♪ コトリは行ったことある?」
ーーーー
コトリ「っ…アイリス…教官…// あ、ありがと…すごく嬉しい…♪
教官も…そ…なんだ…んっ…初デート…アイリス教官と一緒に楽しむ…♪」
そのままの私が好きと言ってくれて…
私は耳まで真っ赤になって、恥ずかしそうに嬉しそうにして。
私もアイリス教官が好きって言いたかったけど言葉にできなくて…
だからぎゅっとお互いの手を握ったまま、赤くなってる私は教官にもっとくっついてより側へと…。
コトリ「中心街の方は行ったことない…人が多いところはあまり一人じゃ行けないから、モニカがいろいろと話聞かせてくれる。
教官に連れられて歓楽街もあの時が初めてだったし、食べ物とかは学園で取り扱ってくれてるからいつもそこで買ってるの。」
アイリス教官の部屋にやってきて 私も荷物を置かせてもらうと、普段はあまり学園内の敷地から出てないと口にして。
マサキさんのお店に行った時が歓楽街 初体験で…街の方も一人じゃあまり心細くていけなく、モニカの楽しい街の話を聞かせてもらうくらいで。
コトリ「だ、だから…さ…街の楽しみ方を私に教えて欲しい…//
モニカの楽しい話を聞いてて…それを教官ともできたらと思ってたから…// ちょ、ちょっとわがまま…かな…?」
教官とのデートを楽しみたいから色んな事教えてとつぶやき、赤くなりながら自分の手をアイリス教官へと差し出して…
昔は誰かと楽しいことをするとか考える余裕もなかったから、だから今はやりたいことをやって楽しみたくて。
最近は自分の心を見せることも多くなってきていて、だから教官にわがままかな? ともつぶやいたりして。
ーーーー
アイリス「ふふ♪....そっか♪それなら、しっかり楽しまないとだね。さ、行こうか♪」
近づいてきたコトリの肩を抱いてゆっくり外へと促し、中心街に向けて歩きだし小さく笑い
アイリス「まあ、私も久しぶりだからね。自信はないけど、わがまま..なんてことはないんじゃないかな。何より私も楽しみだからね♪」
ーーーー
コトリ「えっ あっ…// う、うん…楽しむ…んっ…ありがと…行こっか…♪」
教官は微笑みながら私の肩を抱いてくれて…
私のクールな表情はまた赤くなり、小さくこくりと頷いて教官の横を歩いて。
わがままとか欲張りとか思ってたけど、教官も自分も楽しみたいと言ってくれて…だから今 私は幸せを心と体 全部で感じていて……。
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