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第3節 過去編 マリスミゼルとエリシア①

第61話 華やかな姿で、皆にも祝われる場で

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マリスミゼル「........」

バスローブ姿のマリスがリビングの椅子に座り、ある一点を見つめ..その先にある写真には、マリスと黒いフードをかぶった人物が写されていて、それを見つめる彼女は、無表情で別人の表情をていしていて

ーーーー

エリシア「マリス 今お風呂からあがったよ……マリス…?
(マリスのあんな表情初めて見た…何か事情を抱え込んでるの…?
何か辛いことがあるなら話して欲しい…でも私は友達になったばかりで何も知らなくて…私に彼女の心へ踏み込む資格はあるのか…?)」

私がバスローブ姿でお風呂からあがると、マリスが一人で見たことない表情をしているのが見えて。

写真を見つめてる別人のような彼女…私はそのまま部屋に入ることが出来ず、マリスのことを考え始めて。


エリシア「……私のいい所はこれくらいだからな…うん…マリス…!

君が何か思うところがあるのは今見て分かった…それも私なんかが踏み込んでいいのか分からない何かを抱えているのも…。

だから今じゃなくてもいい…マリスが言いたくなったらそれを話してくれ…
私はその時が来るまで何年でもずっと君の側で待っているから…。

そして話してくれても話してくれなくても、私は君の味方で友達だ…だから何があってもマリスを守るから…さ…。」

無表情で悲しそうに見えるマリスに近づき、私は彼女の両手をとってぎゅっと自分の両手で優しく握って…
そのまま真剣な瞳でマリスの目を見つめながら、私は彼女に自分の気持ちを全て語って約束していて。

それが良いのか悪いのか分からないけど、私は行動することしか能がないから…
でもだからこそ場の空気を読まなくても、何があってもずっとマリスの味方で友達で側にいることを伝えることができて。

ーーーー

マリスミゼル「......! ....エリシア....」

エリシアにいきなり手を取られ驚いた瞳を浮かべ、そのまま彼女の言葉を受け取り小さく彼女の名前を呟くと


マリスミゼル「....ふふ♪心配してくれて、ありがとうございます♪..ちょっとだけ昔のことを思い出してたんですよ。師匠の予測が正しければ、きっと....」

彼女に対して明るい笑顔を浮かべる一方、なにかいいたげな言葉を言いかかるも、小さくため息をつき首をふると


マリスミゼル「なにも、せっかく友人が私のお家にお泊まりしているのに暗い話をする必要はありませんね♪
....よし、今日は徹夜です!一緒にお話して、仲を深めましょう♪....あ、その前に..ん~♪」

エリシアに対してギューッと抱きつき、ほくほくした満足そうな表情を浮かべて


マリスミゼル「エリシア分を補給してるので暴れないでくださいね♪」

ーーーー

エリシア「マリス…ん、そっか…なに 友達の心配をするのは当たり前さ…♪
ああ 構わないぞ…♪ 存分に仲を深め…っ…マ、マリス…?」

明るい表情の裏に隠された何かを感じとり、でも私はマリスから話してくれるまで待つと誓ったから 何も言わないで微笑み。

仲を深めるための話に賛同しようとしたところ マリスに抱きしめられて、私はドキっとしながら少しだけあたふたしていて。


エリシア「エ、エリシア分ってなんだ…? …ほら…その…これでいいか…//
(妹や家族と同じくらい守ってあげたい…そんな人が私にもできたよ…。)」

私からもぎゅっと優しくマリスを抱きしめてあげて、私は赤くなり恥ずかしそうにしながらマリスの温もりを感じて。

私は妹たちのことを考えながら マリスも自分の大切な人の一人だと心に思い、そのまま長い時間をマリスとお互いに抱き合ったまま過ごして……。


………。

エリシア「……あの後は結局二人で一つのベットに寝転がって、本当に朝までマリスに抱きつかれながら話をしたな…♪

まあマリスがちゃんと心を開いてくれるまで数年くらいは待たされたし、結局君を守るどころか私が助けられてしまって…ふふっ 今思うと少し情けないな私…。」

過去の出会いの話を終える頃には、手持ちのお茶も飲み終えていて。

大戦の時に魔族の手に堕ち 迷惑や心配をかけたことを思い出し、私は苦笑いしながら申し訳なさそうな顔をして…
過去も今もマリスに守られてばかりで、私に出来ることは裏での調査や、学園長であるマリスのサポートくらいしかなくて。

ーーーー

マリスミゼル「ふふ♪懐かしいですねぇ....それに。何を言ってるんですか、エリシアらしくもない♪」

椅子からゆっくり立ち上がると背伸びをして、小さくため息をついて彼女の目の前まで近寄ると


マリスミゼル「貴女がいたから、私は今の地位にいるんですよ?
まだここで終わる気持ちはありませんから、エリシアにはもっと働いてもらわなければ♪そして....忘れないで下さい」

言い終わるとゆっくりエリシアの顎に指を当ててクイッと持ち上げ、軽くキスをして小さく笑い


マリスミゼル「ん..♪...貴女は私のもの..雌猫にして、私の剣。私の邪魔をするものは排除し、私のために、いつまでも側にいるのです..♪できますね?エリシア..♪」

S気ある表情で笑い、耳元で囁き彼女に意思の確認を 

ーーーー

エリシア「うん…本当に懐かしくて 私の大切な思い出だ…♪
はは らしくないか…まあ私は強がっているところだけが取り柄だし そうかもな…。」

初めての友達で、今はすごく大好きな恋人であるマリスとの大切な思い出…
辛いこともあったけど、マリスと出会えたことは私にとって幸せな出来事で。


エリシア「ふふっ 学園長になったのは若い騎士たちを守り育むためだろ?
それでもまだ上を目指すとは…さすがマリスといったところかな…♪
あっ…んんっ…マリ…ス…//」

若い世代を大事に育てたい気持ちもあり…
マリスが学園長になるために私も力を貸したが、学園長になれたのはマリスが努力したこそだからと微笑んで。

側にやってきたマリスにくいっと顎を持ち上げられてキスされ…
私は瞳を潤ませて赤くなり、恥ずかしそうにしながら微笑むマリスを見つめて。


エリシア「それは…その…け、結婚の誓いと…とっていいのか…な…?

…そうだね…あらためて誓っておくよ…私はマリスだけのもので…マリスだけの剣で雌猫…かつてみたいに、まだ魔力を纏って戦えないけど…マリスのために戦い、いつか本調子にも戻って…そしてマリスのために、君の側にずっといるよ…♪」

大戦の時の後遺症で騎士として前線で戦うことから離れてる身で、だから結局妹が騎士として家を継いでいて。

だけどマリスのおかげで、魔力に頼らない戦い方でなら戦えるほど回復できて…
だから私の騎士としての残りの人生を全てマリスに捧げることをもう一度誓ってみせ、その私の表情は幸せそうで。

ちなみに妹もマリスとの仲を認めて見守っていてくれていて、マリスは妹や私の家族とも親しい交流関係があって。

ーーーー

マリスミゼル「あら、そうとっちゃいましたか♪....もちろん今の言葉は私の心からの言葉です。ですが、結婚の言葉は貴女がもっと華やかな姿で、皆にも祝われる場で、言いたいと考えていますよ♪」

明るく微笑みながら、今の心境を素直に伝えてあげ


マリスミゼル「ふふ♪..今の言葉、取り消しは認めませんからね♪ありがとう、エリシア♪私も貴女にふさわしい人でいられるよう、がんばりますね♪
....さ、名残惜しいですが、そろそろお仕事を再開しましょ♪」

エリシアの言葉を聞いてギューッと彼女を抱きしめ、こちらも誓いを立ててあげ、少し時間がたった後、離れて書類をペラペラさせて、仕事を再開し始め

ーーーー

エリシア「なっ…っ…//
そんなこと言われては…嬉しくて…き、期待しちゃうから…な…//」

マリスが結婚の言葉など私とのことを色々と考えていてくれて…
私は耳まで真っ赤になりながら 恥ずかしそうに、でもすごく嬉しそうにしながら幸せな微笑みを見せて。

大戦で囚われの身になった時には、もうマリスの力にはなれないと思っていたが…今こうしてマリスの側にいられる奇跡に感謝して。


エリシア「マリスはもう立派な学園長だが…ふふっ…ねぇ マリス…君もずっと私の側にいてね……あっ…♪
ん…そうだな…それじゃあ私も残りを片付けるとしようか…♪」

マリスもずっと側でいてね と付け加えて言うと、それに応えるかのようにマリスがぎゅっと抱きしめてくれて…
私からもマリスをぎゅっと抱きしめ返して、少し長い時間 彼女の温もりを感じて。

名残惜しそうな表情を少しするも切り替えていき、私もマリスと一緒にその日のお仕事に励んで……。
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