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第2節 過去編 人魔大戦(アイリス)
第49話 ジェイドの実力
しおりを挟む日が登ったばかりのまだ少し肌寒い早朝、砦の正門前広場には、騎士たちの大軍勢が集結していて彼らの前には四人の隊長がたたずんでおり、全員の集結を確認するとキールが一歩前に出て、蒼の剣を大きく掲げ
キール「みんな....絶対勝って!生きて帰ってこい!!副長の命令だ!!」
キールの号令に騎士たちも同じように自らの剣を高く掲げ、彼らの地面を震わす声が響き渡り
キール「よし....ジェイドっ!」
キールの声でジェイドが前に出て、数キロ先に見える敵の拠点に成り果てた1番砦を見据えると
ジェイド「......」
数本の大杖を取りだし全ての杖を地面に瞬く間に突き立て、右手を砦の方に向けると巨大な魔力の結界が一番砦の上空以外すべて覆ってしまい
ジェイド「......ふっ!」
左手で拳を作り、右手の手のひらに勢いよく叩きつけると1番砦の上空に20枚はあろうかとゆう、多重式魔法陣が展開され、上空から莫大な魔力を込められた火属性の広域殲滅魔法が叩き込まれ
結界内に爆発が起こり、巨大な火柱が立ち登り、しばらくしてジェイドが魔法を全て消滅させると、一番砦のあった場所はただの更地に成り果てており
ーーコトリ視点ーー
コトリ(いよいよか……今のところアイリス教官に刻印は刻まれてないけど…この戦いの何処かで刻まれるのは間違いないはず…。
とりあえず、アイリス教官から離れずにいなきゃ…あとは約束を守るためにも…気をつけよう。)
キールさんの号令の中、私は少し考える。
今日は油断しないように心の中で常に警戒をして、約束を守るためにもと私も声を少しあげて気合をいれて。
コトリ「……とんでもないね…。
(魔法の規模 デカすぎ…いくら全盛期でも、のちに英雄になる人たちの力…少しありえないね…。
私、これから騎士になるけど…この人たちをいつか超えられる日は来るのかな…。)」
ジェイドさんの魔法を見て、アイリス教官やキールさんにリュネもだけど…一騎当千の力に驚かされ、正直今の自分とはレベルが違うと悟らされる。
これから卒業までちゃんといければ、私も正式な騎士になれるけど…いつか自分もこれくらいの強さを身に付けられるのだろうか? と未来に想いを馳せ。
ーーーー
キール「よし....それじゃ、あたしたちは作戦通り北のポイントで国王の友軍と合流するから。指揮は任せたよっ」
ジェイド「......」
ジェイドが両の手のひらを身体の前で合わせると、二人の真下に空間転移魔法陣が展開され
キール「また会おうねみんなっ。コトリ、ファイトだっ♪」
魔法陣が発光すると、一瞬でキールとジェイド。二人の姿が立ち消えてしまい
リュネ「さて....騎士たちよ前進じゃ!」
リュネメイアの指揮で軍勢が勢いよく黄昏の宮殿へ進軍をはじめ、しばらくして宮殿の目前に迫ると地面から、空中から宮殿内部から大量の魔族が表れ
アイリス「コトリっ、行くよっ!みんな!戦闘態勢に移行っ!各自、隊列を維持し敵を殲滅!」
リュネメイアとアイリスが先陣をきり、突撃してくる魔族を切り捨てて、最後の決戦の火蓋がきっておとされ
ーーコトリ視点ーー
コトリ「はい…キールさんとジェイドさんもお気をつけて…!」
キールさんから励ましの言葉をもらえ、私もクールな表情でお気をつけてと言って。
コトリ「ん、わかった…!
(過去での最後の戦い…私は自分の力を信じて最後まで戦い抜くだけ…!)」
宮殿前まできて敵が現れ、アイリス教官の言葉に私は返事を返して。
この戦いの先に何が待ち受けてるか分からない…でも、今まで培ってきた自分の力を信じて私は最後まで戦うだけだ。
コトリ「風よっーーふっ…やあっ!」
白のレオタードに鎧を換装させ、私もアイリス教官たちに続いて走り出す。
自分の周りに複数の風魔法の球体を作り出し、それを魔族にぶつけ…スタンが入ったところを剣で殲滅していく。
ーーーー
襲いくる敵を殲滅し、戦が苛烈なものになるにつれ魔法の轟音や、剣の金属音、悲鳴や魔族が咆哮する中1時間ほど戦い
アイリス「やっぱり、キールたちの誘導作戦がきいてるね!」
リュネ「うむ!この程度なら妾らの力がなくともしばらく互角に戦えるであろう、いまのうちに!」
キールたちの陽動作戦により、減少している敵軍を確認し、2人がうなずき合うとリュネメイアの副官に指揮を預け
アイリス「コトリっ!いまのうちにボスを倒しにいくよっ!遅れないようにねっ!」
リュネメイアとアイリスが大きく跳躍し、宮殿内部へと侵入して次々に、敵を斬り倒して最深部へと駆けていき
ーーコトリ視点ーー
コトリ「たぁっ……ふぅ…。
(この前のぎりぎりの戦いと違って今回は少し余裕があるから…この後の戦いでも役に立てるはず…。)」
私は味方を魔法で援護しながら、剣で隙のできた魔族を殲滅していく。
数人で敵の大群と戦ってた時とは違い今回は周りに大勢の騎士たちがいるため、私はまだまだ余力を残していて。
コトリ「んっ、わかった…ふっ…!
やぁ…はぁ…たぁあっ!
(この先に魔族のボスが……刻印を刻んだ魔族はそいつなの…?)」
アイリス教官とリュネに続き、私も跳躍して後を追いかける。
道中の敵はアイリス教官たちがなぎ倒していくなか、私は二人のフォローしながら自分も剣で敵を殲滅していく……。
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