騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第2節 過去編 人魔大戦(アイリス)

第42話 アイリス=レイフィールド

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パラドックス「おや、私のことを呼んだかね?」

コトリの後ろから聞き慣れた声が響くと、彼女の後ろから少し笑みを浮かべたパラドクスが表れて


パラドックス「ふふ。おめでとう♪まずは、ゴールドウィンと会えたみたいだねぇ。順調そうで安心したよ。」

壁に寄りかかりながら他人事のような話し方をするも取り敢えずは、コトリのことを気にかけていたようで


パラドックス「さて....私は次の軸にいかなければならないのでね。
あまり時間はないが、気を付けることだ。何しろ君がとった行動によりおきた結果は未来に反映されるのだから。
おや?何か聞きたいことでもあるのかね?」

腕時計を見ながらも、コトリに対して警告をしつつ、彼女の表情を見て質問を


ーーコトリ視点ーー

コトリ「っ…パラドクスさん。
…どこ行ってたの? いきなり一人にするなんて酷いじゃないですか…。

ふぅ…まあいいです。
たまたま運良く会えただけですよ…まあ、いろいろと聞けましたが。」

クールな表情のジト目で見つめ、パラドックスのことを少し非難してあげる。

私はとりあえず今の状況を軽く説明する。


コトリ「あっ、ずっと一緒にいるわけではないんですね…?
って…えっ…? ここで起こった結果は未来に反映されるって……それ、先に言っておいて欲しかったです…。

つまりは、ここは単なる過去ではなく…私という人物を加えた、本来とは少し違う過去ということですか?

あとは…私の行動で未来が変わるのなら、私はどう行動すればいいんでしょう?
パラドクスさんは、これから起こることを知っているはずです…違いますか?」

また私はジト目でパラドクスを見つめながら、ここは歴史にあるただの過去とは違うのかを聞いて。

あとはこれから起こるであろうことを確かめ、それを知って私はどう動けば問題がないのかと聞いて。


ーーーー

パラドックス「その通り。
まぁ、小さな変化だったら時間の因果率により修正され自動的に戻るが大きなものは戻らない。人の生死とかね。」

コトリの質問に対して紳士的に受け止め簡単に答えを返すと


パラドックス「知っているよ♪..どう行動すればいいか?それこそ君の自由だとも。
通行料はもらっているし、私側から過去や未来に干渉することはできないしねぇ。

まぁ、1つアドバイスするなら....アイリスの側を離れないことだ♪」

淡々と答えつつ微笑みながらアドバイスを送るとまた姿を消してしまい。
どこにも彼の姿はなく、それからしばらくすると砦の正門あたりや騎士が騒がしくなり


「....おい、見たか?レイフィールド隊長、戻ってきたけど、また斬りまくってきたみたいだ。魔族の青い返り血で、ドロドロだったぜ....化け物だよな..こえーよ..」

「ほんとかよ..頼りになるけど、ああも強いと..人間か疑うぜ..魔族なんじゃねーの..」

正門から歩いてきた男性の騎士たちが話しながらコトリの方向に歩いていてきて


「あぁ。ゴールドウィン隊長も、レムグラスト隊長も、ジェイド隊長も..そりゃ、強いけどよー....なんか、レイフィールド隊長だけは..こえーよ...近寄りたくねー..」

「あぁ、2番砦を守るためとはいえ、たくさん兵士を死なせたあたり..強すぎて、自分のことしかみてねーんだろーな..いま、砦の入り口にいるらしーけど、さけとこーぜ..」

そう呟きながら、2人の騎士たちは他の騎士たちに紛れて見えなくなってしまい


ーーコトリ視点ーー

コトリ「人生の生死……つまりは私がここで死んでしまったら、未来には私も存在しなくなってしまう…そう思っておいた方がいい ということですね…?
私だけの生死だけじゃない……慎重に行動しないと…。

アイリス教官の…側を離れない…? って、あっ…パ、パラドクスさん…!?
ま、また消えちゃったよ…仕方ないのかもしれないけど…はぁ…これからどうしよ…。」

自分の生死も大事だけど、もし誰かが私のせいで死んでしまったら…そう思うと、私は少し怖くなる。

アイリス教官の側から離れないというアドバイス後、突然パラドクスさんが消えてしまい…私は辺りをきょろきょろと見回すが彼はすでにいなく、私はおもわずため息を漏らしてしまう。


と そこへ、騎士たちが現れてアイリス教官の話をしていて…。

コトリ「っ…なんで……アイリス教官はちゃんと守りきったのに…なんでそんな風に言われなきゃいけないの…。
……いかなきゃ…例え向こうが私のことを知らなくても…私はただ…アイリス教官に会いたい…。」

確かに砦を守るのに沢山の人が死んだのだろう…でもその死を無駄にすることなく、ちゃんとアイリス教官は勝利したはず。

アイリス教官がそのまま負けていたら、きっと死んでいった人たちが報われない…そう思った私は、今生きている人たちがそんな風に言っていることに悲しみと怒りが湧いてきて。

ぎゅっと私は握りこぶしを作り、パラドクスさんの言葉も頭によぎるなか…ただ自分がアイリス教官の側にいたくて、砦の入り口まで走って会いに行くことに。


ーーーー

アイリス「ふーっ...?どうしたの?私に何か用事かな?」

現代のアイリスの髪の長さが肩までだったのに対し、7年前の彼女は腰まである長髪で、目元にゴールドウィンと同じく、深いくまがあるものの
ブルーの瞳に金色の髪の色はそのままで、駆け寄ってきたコトリに対し、不思議そうな表情を浮かべていて


アイリス「あ、ごめんね。こんな格好で..あはは。敵の追跡にあっちゃってねー....」

自分の頬や、甲冑の色を変えるほどついた青色の返り血をタオルで拭いながら、苦笑いを浮かべて謝罪を


アイリス「とにかく、あんまり私と一緒にいない方がいいよ。変な噂たてられちゃうからね。....っと、大丈夫?悲しいような顔してるけど..私に出来ることはあるかな?」

だいたいの返り血を拭いさると、儚げな微笑みを浮かべながらコトリを気遣い話しかけるも、彼女の表情をみて質問を


ーーコトリ視点ーー

コトリ「あっ……アイ…リス…教官…アイリス教官……っ…!
……なら…こうしてて…欲しい…少しだけ…私が…落ち着くまで…。」

この事件のきっかけである、アイリス教官が死ぬと聞いて…そして今は命に別状はないけど今は目覚めぬ眠りについていて…
そんなアイリス教官に過去だとしても会えて…私は想いを抑えられず、涙目でぎゅっとアイリス教官に抱きつく。

そのまま泣きそうな声で小さくつぶやき、抱きしめる力も少し強めて…。


コトリ「……ごめんなさい…もう大丈夫…うん…もう大丈夫だから…。

……あっ、さっき私に出来ることはある? って聞いてくれたよね?
なら私をアイリス教官…貴方の騎士として側に置いて欲しい。
……アイリス教官も騎士だから、一度言ってくれた言葉は曲げないよね?」

こしこしと軽く涙を拭って、私はアイリス教官から少し離れる。

そして、儚げな笑みを見せるこんなアイリス教官を一人にしておけない…ここは少し強引なやり方だとしても譲れない…
私はクールな表情のジト目でアイリス教官を見つめて、積極的にアタックを仕掛け。


ーーーー

アイリス「んんっ?....えっと、うん。何か事情があるんだね。よしよし♪」

急に抱きつかれて少し戸惑うようすを見せるも、拒否する様子はなくコトリの頭を優しく撫でてあげ、彼女が自分から離れるまで何も言わずに落ち着くまでまつと


アイリス「えっ?う、うーん....私の部隊は死傷率が高くて危険なんだよ。
常に最前線で戦うからねー....それに、私の騎士ってことはつまり..私の側近である副官になりたいってことだよね?余計、危ないしなー..

そ、そんな目で見ないでよー..と、取り敢えずほら、キール..じゃない。ゴールドウィン隊長に報告にいくからね♪一緒にいこっか♪私はアイリスっていうんだ。貴方のお名前は?」

コトリの実力もわからない上に、自分の部隊の危険性からコトリを自分の副官にすることに気が進まないようすを見せ返事を保留するも、

慕ってくれてるのが嬉しいのか表情は先ほどより明るくなっており、作戦室についてくるよう誘ってあげ


アイリス「キールぅ。帰ったよ♪偵察の結果いろいろわかったことがある....あ、この子は..」

キール「コトリでしょ?早速知り合いになったんだ、今日からあんたの副官だよその子♪」

作戦室に着くと、キールと彼女の部下3名が椅子に腰かけていて、コトリを副官にするよう要請して驚くアイリスにさらに言葉を


キール「....あんたの隊は、現有戦力32%。1人でも騎士がほしいでしょ?...それに、私や..少なくともこいつらさ、はあんたを信じてるよ。

でも....あんたの隊の騎士は、ほとんどアイリス..あんたを信じてない。副官もこの前の防衛戦で失って..あんたも気づいてるでしょ?

信頼してくれる騎士がいないから、副官つけれないんだよね。....でも、それじゃあんたも困るし、私らも困るんだ。

コトリは見たとこあんたを信頼してるし、腕もそこそこだ。あたしが保証する。」

最後に『決めるのはあんただけどね』と、言葉をかけ。少しアイリスは考えこむも、ため息をついてコトリに向き直り


アイリス「....ごめんね。危険なことに巻き混んじゃうし、私の隊はほんとに危ない....だけど、キールの言う通り、私には助けが必要みたい。

私からもお願い....私の騎士になって、私を..みんなを救うのを手伝ってほしい。お願いできるかな?」

苦笑いしながらも、コトリに対して真剣な表情で向き直りこちらからも要請を出して


ーーコトリ視点ーー

コトリ「(頭撫でられるの…やっぱり安心するな……それにしてもアイリス教官って…意外に押しに弱かったりする?)

ん、わかった。
知ってるよ…♪ 私は…コトリ、よろしく。」

アイリス教官に頭を優しく撫でられ、大分落ち着いた私…それと気づいたのが、強引に攻めると戸惑う教官が見れた…帰ったらまた試してみようかな? 戸惑ってる教官も可愛かったし。

やっと教官の表情が明るくなったので、私も小さく微笑んで自分の名前を告げて。


コトリ「………。
(そこまで酷かったんだ…人に信じてもらえないなか、歴史に名を残す活躍をみせた…やり遂げたけど、同時に辛かったんじゃ…。)

ん、もとよりそのつもり。
それに、私はアイリス教官より先には絶対に死なないよ…絶対に……教官よりも、歳が少しだけ若いからね…先に死ぬことはないよ。
まあ 腕は他の騎士たちよりは劣るかもだけど…よろしく、ね。」

真剣な表情と言葉を口にしたあと、少しだけ茶化すようにつぶやき…私はクールな表情で手を差し出して、教官に握手を申し出て。

アイリス教官の過去に触れて、彼女がその時どんな気持ちで戦ってたのか知ると心が痛んで…なので、私はアイリス教官より先には死なないという言葉だけをちゃんと伝えておくことにする。


ーーーー

アイリス「ふふ♪こちらこそよろしくね。気合い入ってるねー、頼りににしてるから♪」

コトリの言葉を気合いの表れと受け取り、微笑みながら握手に応じると、アイリスの影からキールが小さくウインクしていて


キール「さて♪ねー、アイリス。報告があるんでしょ?」 

キールが報告を促すと、頷きながらアイリスは皆の前にたち小さなクリスタルに魔力を込めると、敵の基地であろう場所と、周辺の夜営地には魔族の大軍勢が映し出され


アイリス「やっぱり敵は本国から軍勢を集めてるみたい。おそらく、次の戦いでこの2番砦を攻め落として、ここを王都攻略の基地にするつもりだと思う..早く1番砦を取り返して、後ろの城にいるキメラを倒さないと..」

キール「アイリスの部隊とあたしの部隊の兵力を合わせても、約2千....でも敵は少なくとも2万近くはいそう。攻めてこられたらひとたまりもないなー..」

キールの声が懸念を表すとアイリスが頷いてさらに話を


アイリス「うん。情報によると、次の敵の侵攻は3日後....だから、これを予想して..私の部下がレムグラスト隊とジェイド隊に、応援要請してあったでしょ?それはどうなったのかな?」

キール「二人とも向かってるけど....敵の足止めをくっててね..間に合うかどうかギリギリ。なんとか、援軍が来るまで耐えないと....」 

話しているとコトリの様子を気遣い小さな声で確認するように

アイリス「大丈夫コトリ..?話についてきてるかな?」


ーーコトリ視点ーー

コトリ「……//
ん、任された…。
(副官……責任重大だけど、私なりに頑張るしかない…。)」

キールさんがやったね、という感じのウインクしていて…なんだか少し恥ずかしくなり、私は頬を赤くして。

今から私はアイリス教官や多くの騎士たちの命を背負うことになり、まだ騎士学生という立場なのに少し重たく…でも自分の出来る限りのことをしようと気を引き締めて。


コトリ「(……リュネのところで少しは慣れてるつもりだったけど…さすがにこれは数が多いうえに、全部魔獣より格上な魔族たち…か…。)

ん、大丈夫…だから続けていいよ。
(そういえば…リュネから貰ってた力も、分離した時に全部クロの方に持ってかれちゃったな……さて、残った力で私はどう戦ったものか…。)」

リュネと一緒にいた時に、彼女の研究していた魔獣たちを沢山見ていたが、さすがに規模と数が桁違いで…ごくり、と少し圧倒された私は唾液を飲み込んで。

敵の数を見て、さすがにヒットアンドウェイだけじゃ厳しいかなと思う私…連戦になったら、私の魔力も体力もどのくらいもつか分からない…私は話を聞きながら、どう戦ったらいいかの基本プランを立てて。


ーーーー

キール「通常なら、あたしらはこの砦に立て籠って籠城戦をやるのが最善策だけど、こうも兵力が違うとそれも3日は持たない。なら....」

アイリス「うん。ジェイドとレムグラストが来るまで少数精鋭の人員で、可能な限り砦より前に出て白兵戦で、時間を稼いで敵の兵力を削らないと....」

ゴールドウィン隊の副官たちも少し話し合うが同じ結論のようで、『至急、精鋭班の編成をしましょう』と意見をだし


キール「戦闘力が高く生存率が高い騎士を選ぶべき。あたしと、アイリスは必須として...コトリ、ブレイク、バルボア。あんたら合わせて5人でいく。

エイデンにはあたしの代わりにこの砦の指揮を任せる。準備にかかって。..みんな、異存はない?」

ゴールドウィンの副官たちの内、1名が敬礼をして砦の防衛戦を指揮するために作戦室を出ていき


キール「兵力差はジェイド隊がくれば必ず埋まるし、レムグラスト隊がくればこちらの有利は確実だよ。
....出発は、今日の夕刻。それまでにみんな準備を調えて、正門に集合にしようか♪」

ゴールドウィン隊の2名も、準備のために作戦室を出ていってしまい。残りは3人だけになり、ようやく作戦会議がおわり


ーーコトリ視点ーー

コトリ「少数精鋭……私も…ですか…? はい、わかりました。
(これだけの兵力差を埋めれる ジェイドさんとレムグラストさんたちってどんな人たちなんだろう…?
それに……キールさんやアイリス教官も一騎当千の力を持ってるし、他の方々も騎士としての練度が高い…足を引っ張らないようにしなきゃ…。)」

キールさんの作戦に私も組み込まれ、おそらくアイリス教官の副官だからだと思い…新たに加わった正体不明の新米副官がいきなり重要な任務を任されたので、私は学んできた自分の力を信じて頑張らなきゃと心の中で決意して。


コトリ「えっと…あの…私はこれからどうすれば…?
こ、この要塞のことも…よく分かってないので…あはは…。

それに……少数精鋭に私が加わってもよかったんでしょうか…?
突然やってきた新米騎士がいきなり副官に抜擢され、それにこんな重要な任務をいきなり任されて…他の騎士たちはよく思わないんじゃ…?」

キールさんとアイリス教官に私だけが残り、私はどうすればいいのでしょう? と苦笑いしながら聞いて…
準備と自由行動になったとはいえ、私には何が何処にあるのかも分からないから。

あとは…今回の任務に私を抜擢したことで、アイリス教官やキールさんに迷惑がかからないか心配して。


ーーーー

アイリス「なら、とりあえず私の部屋に来てもらおうかな♪物資や装備品とか一通り揃えてあるからね。 行きながら砦の案内もするよ」

コトリの戸惑う様子を見て自分の部屋に来て準備を整えようと、彼女を誘い


キール「....腕に関して言えばさっきの撤退戦のときも見たけどそこそこだし…
悲しいもんだけどアイリスに付いてこよう....なんて、騎士は今のレイフィールド隊にはいないから、心配しないで」

少し考え込む様子を見せながらも、苦笑いを浮かべて今のアイリスに着いてくる勇敢な騎士ないないと言い切り


キール「..戦争初期のころに比べてレイフィールド隊も変わったよ。アイリス、あんたは最高のまま変わんないけどね♪」

寂しげに昔の頃を思いだし呟くも小さくニヤリと笑ってヒラヒラ手を降りながら、キールも出ていってしまい、二人も連れだって作戦室をでて


アイリス「....あれが、医務室で..そっちが資料庫。向かいの突き当たりが、食堂だね。....そして、そこの梯子を登れば、砦の屋上だよ。
..さ、ついたついた♪散らかってるけど必要なものを持っていいからね♪」

部屋にむかいがてら解説をして、コトリに砦の知識を教えていき、自分の部屋につくと現代のアイリスの部屋とは異なる

無機質な石壁に簡単なベッドがあるだけで、食料や鎧などの防具品や、量産型の剣などの武装が乱雑においてあり


アイリス「...私は、大丈夫。
ねぇ..コトリはさー....なんで私を助けてくれるのかな?それにさっき、私のこと教官っていってたよね。....もしかして、私がどこかで指導したのかな?

ごめんね、覚えてなくて....嫌なことはすぐ忘れるようにしてるけど、大事なことまで忘れちゃうなんて..」

準備を終えると淡々と話しかけていくも、自分がコトリを覚えていないことを申し訳なさそうに謝罪を


ーーコトリ視点ーー

コトリ「ん…じゃ、お邪魔させてもらう。

……そっか…なら私がアイリスきょっーーさんの側にいるよ…。」

アイリス教官のお部屋に誘われ、クールな表情のままお誘いを受けることに。

キールさんからアイリス教官の今の事情を聞かされ、私は少し悲しそうな表情を見せる…でもすぐにクールな表情に戻り、誰もいないのなら私が側にいるからと伝え。


コトリ「んー…ん、だいたいの砦の内容は把握できた。

ん、それじゃお邪魔します…。
(やっぱり今の教官の部屋とは違うね……まあ今は戦時中だからね…。)」

砦内の確認をしながら、今のアイリス教官の部屋にやってきた。

中に入ると、やっぱり今とは違うくて…でも戦争中だからねと思って。


コトリ「ん? んー…それは……。
(どうしよ…言って嫌われたら嫌だし……あっ…そんな顔…しないでよ…アイリス教官には…笑顔でいて欲しいのに…さ…。)

ん、大丈夫だよ…むしろ覚えてない方が正常だから、安心して。
……信じもらえないかもだけど、私は少し未来からやってきたの。
それで、私はアイリス教官の生徒で…あとは…その…えっと…こ、恋人…らしい…//」

未来からやってきたと伝えていいかと少し考える…信じてもらえるかも分からないし、言ってアイリス教官に変な子と思われたら…と思うと考えもので。

でもアイリス教官の申し訳なさそうな表情を見て、そんな表情をさせたくなくて…私は変な子と思われてもいいから、私のことや未来のことを話すことにする。

恋人…の辺りで少し頬を赤くして恥ずかしそうにし、まだ恋人として釣り合うか自信がないから…らしい…と付けてしまう。


ーーーー

アイリス「未来?それに、私と貴女がこいびと....恋人っ?....あはは♪全然、実感ないなー..大丈夫?未来の私、ぐれてない?」

不思議そうな表情をするも、未来を信じる信じないを言葉にださず、おかしそうに笑いながらコトリにいたずらっぽく質問を


アイリス「そっか....じゃ、コトリが私に告白してくれるまで生き延びなきゃねー♪まだまだ、やらないといけないことあるし」

目にくまをつけたままだが、腰までの金色の髪をいじりながら先ほどより穏やかな表情にになり、明るい口調で続け


アイリス「レムグラストとジェイドが来るまで..絶対、持ちこたえなきゃね..♪。がんばろ♪」

しゃがみこみコトリの頭を撫でながら、明るく笑いながら彼女を励ます言葉を 


ーーコトリ視点ーー

コトリ「本当はあんまり言わない方がいいかなと思ったんだけど……アイリス教官の曇った表情を見てられなかったし…嘘もつきたくなかった…から…。」

パラドクスさんから未来のことを話すなとは言われなかったが、あんまり言わない方がいいかなと思っていた…でもやっぱりアイリス教官には嘘をつけなくて。


コトリ「ん、大丈夫…むしろ私の方がぐれてたと思うし、逆に迷惑をいっぱいかけちゃってたし…。

ん…♪ 私も生き残るし、アイリス教官も他の人たちも死なせないよ。
絶対死んじゃだめだからね? 私との約束…だから、ね?」

質問をされて、逆に私の方がいっぱい迷惑をかけたとつぶやいて。

アイリス教官の表情が明るくなり…私も小さく微笑みを見せ、一緒に生き残ろと約束して。


コトリ「っ…// んっ…んっん…♪
ん…// が、がん…ばる…//」

アイリス教官に頭を撫でられ…私は気持ちよさそうな声を漏らし、頬を赤らめて嬉しそうにする。

小さく…頑張る…と私はつぶやいて。


ーーーー

アイリス「うん..わかった♪約束だね。二人とも必ず生きて戦い抜こう♪」

コトリとの約束に優しげな眼差しをむけながらも彼女と約束し、夕刻までときおり話をするも

未来のことに興味がないのか、それともコトリのことを信じていないのか、深くは追及せずに、そのまま時間になると二人で正門へむかい


キール「アイリス。コトリ。あたしらは準備完了だよ。二人とも..準備は?」  

3人は既にその場で待機していて、キールの背中には現代でアイリスが使っていた蒼の剣が背負われているのと、対照的にアイリスの腰には見慣れない銀色の細身の剣がさしてあり


アイリス「私は大丈夫。
コトリは大丈夫かな?確認しておくことがあれば、今のうちだからね」  

キール「敵の侵攻は3日後とはいえ、敵も弱ってるあたしらをわかってる。準備が整い次第、前倒ししてくる可能性もある。できるだけ、急いで防衛ラインのとこまでいくからな」

アイリスとキールがそれぞれコトリを気遣いながら、話をすすめていき


ーーコトリ視点ーー

コトリ「ん、約束…。

(あんまり未来のことを聞いてこないんだね…信じてないのかな…それとも何か別の理由が……。)」

過去のアイリス教官と約束し、私も教官に小さく微笑みかけて。

小さく考え込むものの、何気ない会話を楽しんだのち 私たちは正門へ向かい。


コトリ「えっ…その剣は……。
(キールさんのあの剣って…アイリス教官のだよね…? どうしてあの剣をキールさんが……何だか…変な感じが…する…。)」

キールさんの持っている蒼の剣を見て、何故キールさんがそれを持ってるのかを考える…
蒼の剣が二本あるのか、または何かあってあの剣がアイリスさんの手に移るのか…
どちらにしよ、私はキールさんを気にかけておいた方がいいと何故かそう思い。


コトリ「えっ? あっ…うん、私も大丈夫。

ん、わかった。
ちゃんと遅れずにみんなについて行くから。」

短距離ならともかく、長い時間走り続けるのは少し苦手だけど…日々の授業で、前よりは体力だけは上がっていて。

アイリス教官たちの心配に…私は準備OKと応えて、クールな表情でレオタードに鎧を換装させて。


キール「よし....いこうっ!」

キールが副官2名の顔を見て、彼らもうなずくのを見て班員に向かって出立の声をかけ、砦の外に出て敵の勢力域の仲を走りだして……。
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