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第2節 過去編 人魔大戦(アイリス)
第41話 キール=ゴールドウィン
しおりを挟む白い光りが晴れると、辺りは崩壊したビルや住居であふれところどころで、爆発音や煙りが立ち上っていて、パラドクスの姿はどこにもなく。
すぐそばで市街地戦が繰り広げられているのか、騎士や魔族が周辺で戦っている状況で
コトリに気づいたゴブリンのような魔族6体ほどが、彼女を倒そうと叫び声を挙げて向かってくるが、1人の女性がコトリの前に跳躍し、一瞬で魔族を切り捨てて
???「ふーっ。大丈夫っ?どこかケガした?衛生兵よぶっ?」
青銅色の髪に同色の瞳をした、銀色の剣に騎士甲冑を着たやや小柄な女性が、コトリに駆け寄り動きが鈍かった彼女を心配するように声をかけ
???「....っと、その鎧は変わった鎧だねっ。あたしの部隊じゃないってことは、もう1つの部隊所属かな?..まー、いいやっ。
ここはまだ危ないから、気をつけなきゃダメっ。まだいけそう?逃げるよっ」
見覚えのないコトリの鎧に、疑問を抱くも辺りを警戒しつつ、コトリの状態を確認し手を引いて他の騎士たちが撤退している場所へとひっぱり走りはじめ
ーーコトリ視点ーー
コトリ「……ここ…は…?
って…えっ!? パ、パラドックスさん…い、いないし…。」
気がつくと何処か私の知らない場所へ来ていて、一緒にいたはずのパラドックスがいなく…何も分からなく少し焦り、無責任すぎるよとジト目でツッコミたくなる。
コトリ「っ…なんだか知らないけど、過去にこれたってこと…?
わからないことだらけだけど、とりあえずこんな所で倒れるわけにはいかない…。
ーーえっ…?」
今 自分が戦場にいて、そしてゴブリンが襲ってきたので…私はいろいろと考えながらも、白のレオタードに鎧を換装させ戦闘態勢をとる。
すると何処からともなく女性騎士が現れ、私に襲いかかってきた敵を倒してくれ。
コトリ「え、えっと…怪我はしてない…です…。
(この人…騎士だよね…? でも着ている騎士服は、少し前の型だ…やっぱりここは過去なの…?)
って、わぁっ!
(な、何がどうなっているの…パラドックスさん、何処にいるんですか…!)」
騎士の女性をじっと見つめ、私は少し考え込む…すると騎士の女性に手を引っ張られ、私は慌てながらも走らされてついて行くことに。
何の説明もなしにいなくなってしまったパラドックスさんに…私はジト目で文句を言ってあげたくなってしまう。
ーーーー
???「ふー....ここまでくれば、大丈夫かな。あ、いーところにあった♪ほら、座りな♪」
古い砦と思われるところに到着すると、他にも包帯を巻いた騎士や、切り傷をつくった騎士等、負傷している騎士が多くいる中、腰かけれる椅子を2つみつけると、コトリに進めながら自分ももう一つの椅子に座り
???「あんたも大丈夫そうだね♪良かった、良かった♪」
ニカッと笑いコトリの無事を喜びつつ、彼女をみて話を続け
キール「っとと、いけない いけない。他の部隊所属ってことはあたしのこと知らないよね。私はキール=ゴールドウィンってゆうんだー。
....あんたの名前は?それにどこ所属なの?レイフィールド隊?それとも、レムグラスト隊?」
気さくに話しかけながらも、自分が自己紹介してないことを忘れていたため、自分の名前を名乗りながら、質問をして
ーーコトリ視点ーー
コトリ「っ…これが…戦時中の光景…。
あっ…は、はい ありがとうございます。」
傷ついた騎士たちが沢山いて、私は少し後ずさる…自分が体験したことがなった戦争中のことを知り、少し怯んで怖くなったから。
女騎士さんに椅子に案内され、私はちょこんと座らせてもらう。
コトリ「キール…さん……えっと、私はコトリと言います。
って……ゴールドウィンって…アイリス教官と一緒に戦っていた人じゃ…。
あっ…えっと…私は…その……。
(そういえば、過去の人にはどこまで話していいのかな…? いやそれ以前に、信じてもらえるのかな…?)
私はアイリス教官…アイリスレイフィールドさんにお会いしたくて その…遠くからやってきました。
向こうは知らないかもですけど…私にとって、彼女は大切な人なんです…。」
キールさんに、私も自己紹介をして…
そこで彼女が、アイリス教官の戦友だということに気づく。
未来のことはとりあえず伏せておいて、私はアイリス教官に会いに来た…と、正直にお話し して。
ーーーー
キール「ふーん....?まぁ、そうゆうことなら事情はどーでもいーや♪コトリか。これからよろしくっ♪」
他の騎士たちと同じく青銅色の瞳の目元にくまを作りながらも、コトリの表情からなにか事情をあると察し、深く聞かないことを決めたのか、事情は聞かず、笑いながら挨拶を
キール「そうゆうことなら、アイリスに会わないとってことかー。
....彼女のレイフィールド隊はこの前の戦いで大損害を受けて、今この砦で休養してるから、あたしが会えるよう取り計らってあげよっか♪
..ねぇ、君っ。レイフィールド隊長はいるかな?」
見ず知らずのコトリのことを簡単に信用したのか、自分が会えるように取り計らってあげることを決めて通りすがりの騎士に質問を
「レイフィールド隊長なら、部下3名とともに偵察任務に出てます。もうすぐ戻られるかとっ」
キール「そっか。ありがとー♪..さて、時間あるしアイリスが帰るまであたしと話そっか。
見たとこ、あんまり今の状況やここがどこだか把握してないみたいだしっ。聞きたいことあるー?」
コトリの様子をみて、少し笑いながらも気さくに話かけながら彼女に質問を
ーーコトリ視点ーー
コトリ「(キールさんに他の騎士もそうだけど、やっぱりみんな疲れてるね…。
何か出来ないかな…私も彼女たちの力になりたい…。)
キールさん、ありがとうございます…。」
疲れているキールさんたちを見て、少し心配した表情を見せる。
私の事情も聞かずに優しくしてくれるキールさん…そんな彼女にお礼を言って、私も何かしてあげたいと思って。
コトリ「でも…アイリス教官の部隊が…。
(さすがにその時に刻印を刻まれた訳ではないだろうけど…やっぱり心配だな。)」
パラドックスさんの手違いなどがなければ、きっとこの先でアイリス教官の身に何か起こるんだろうと考え。
コトリ「ん、そうだね……。
今の戦況とか、今何処を攻めていて…キールさんたちが、どんな魔族をターゲットにしてるとかかな…。
それと…アイリス教官のことを聞きたいな……私、騎士としての彼女についてあんまり知らないから…。」
私は今の戦況やどんな魔族を相手にしているのか聞いてみる。
あとは個人的なことだけど…教官としてのアイリス教官は知っているけど、アイリスレイフィールドという騎士のことは知らないから…。
ーーーー
キール「ほほう、鋭い視点だっ。わかった、じゃ、あたしが順を追って説明するから、よく聞いて覚えるよーにっ♪」
コトリの質問に対して頷くとゆっくり話をはじめ
キール「この地域は『アンスズーン』ってゆう地方で、この砦は『2番砦』ってゆう名前。
ストレートにゆうと、戦況は悪いねー....さっきの市街地戦は奪われた『1番砦』を奪還するための戦だったんだけど、敵の数・敵将が強くて失敗。あたしの部隊も被害を受けた
その前は..私の部隊が到着する前だけど、この『2番砦』を敵が大軍で攻めてきてねー....アイリスが敵を斬りまくって、なんとか弾き返したけど....被害も大きくて彼女の部隊の戦力は30%まで低下。」
一旦、話を止めるとさらに話を続け
キール「あと....王国騎士団の作戦本部によると、近いうちに勝負を決める一大決戦が計画されるらしくて、攻めるならその時だろーね
..あたしらがターゲットとしてる魔族は『キメラ』....まぁ、正式な名前は知らなくて勝手にあたしらがつけたんだけど、奴が魔族のボスでこれがすごい強いんだ。こいつさえ斬れれば....戦も終わりだろーな♪」
淡々と状況を教えていき思い出したように声をあげると
キール「あとは、アイリスの印象だったけ?あの子は凄いよー♪
剣鬼と呼ばれて、彼女がいなければ負けてたーとか、1人で300人の敵を倒したーとか..その強さだけが先行して、味方に彼女を怖がる騎士もいるけど..
人当たりがよくて、どんな人に対しても優しい上に、義理堅い人だからね。騎士の中にも彼女のファンって人もいるよ♪」
キールから見たアイリスの印象を楽しげにコトリに伝えてあげ
ーーコトリ視点ーー
コトリ「はい、お願いします。
アンスズーン……マサキさんに聞いていた名前…。
(戦況は最悪…でも歴史通りなら、ここでアイリス教官たちが勝利するはず…でも、マサキさんの言葉とアイリス教官の今の状況……何か嫌な予感がする…。)」
キールさんから詳しい戦況やこの地域のことを聞かせともらえ、私はここが7年前だということをちゃんと理解する。
私は少し考え込む…歴史的には勝利することは出来る…でもそこで何が起きたのか私は知らず、それが何か重要なことなのだと気づく。
コトリ「キメラ…ですか…?
(その魔族はどんな強さなんだろう……さすがにあの怪物よりは下…だよね…?)
そういえば、教会騎士団からの援軍とかはないのですか?
それで戦が終わるなら、聖剣騎士を派遣してもらって…王国騎士と連携すれば、討ちとりやすくなるんじゃ…。」
アイリス教官たちが相手にしている魔族…それが今回の私の目的の相手だろうと考え、リュネの時の怪物より弱ければいいなと思って。
魔族のボスを討ちとる可能性を上げるなら、今の聖剣騎士たちをこちらの戦場に何とか回してもらえないのかと聞いて。
コトリ「剣鬼……か…。
(この戦いでアイリス教官に何かあったんだとしたら、それを私が何とかすればいいんじゃないのだろうか…?
でも私の力じゃ……違う、マサキさんから聞かされた言葉…私はレインとクロ、そしてアイリス教官から学んだ力を信じる…嫌なことも忘れたい過去も全部 力に変えるんだ…。)
大丈夫…私もアイリス教官が優しい人だって知ってるよ。
私 少し普通の人とは違うくて、他の人たちに恐れられてたの…でもアイリス教官はそんな私を優しく受け入れてくれて…だから…大好きなあの人の役に立ちたくて…私はここに来たの…!
キールさん、私の知らないアイリス教官のことをお話ししてくれてありがと…。
そのお礼ではないけど…私でよかったら、キールさんたちに協力させてもらうよ。
あとは…はぐれた私の連れもいるんだけど、見つけ次第 そっちの方にも手伝わせるね…♪」
自身も魔族の力で恐れられていたから、剣鬼としてのアイリス教官のことを理解できるかな…そんなことを私は思って。
これからも心が弱いままですぐパニックになるかもしれない…でも、それでもいい…
それでもいいから少しずつ前に進むことを決め、私はみんなから学んだ騎士としての力を信じて穏やかな表情で微笑み。
ーーーー
キール「おおっ、教会騎士団のことは知ってるんだ♪
コトリのゆうとおりなんだけどさー....この前、王都を狙った奇襲攻撃があって被害も大きくて。それ以来、聖剣騎士たちは、王都の防衛に回されてるんだ。
教会の他の部隊も別の戦に回されてたりするから。あたしもこの前、教会騎士団の作戦本部に援軍要請したけど却下されちゃった」
少し驚いたような表情をし、苦笑いしつつも淡々とコトリに説明してあげ
キール「へー♪なんか、アイリスのこと教官 教官いってるけど、あの子の弟子っぽいね。
そこまで一途に人を思う、真っ直ぐなとこも....いいね! 私、あんたのこと気に入っちゃったよ♪」
コトリの話しを聞きおわると、ニカッと笑いながらうんうんと頷きながら何か思いついたように声をあげると
キール「おおー♪助かるよ♪兵士の数はいくらあっても足りないからっ。
それなら、コトリ、あたしの部隊配属ってことにしよーか♪アイリスが帰ってきたら、あたしから彼女に掛け合って、彼女の側にいれるよーにしたげるよ♪」
暫定的にコトリの身柄をゴールドウィン隊で預り、その後にアイリスの部隊に転属させてあげることを約束すると、騎士の1人が近寄りキールに耳元で何か話すと彼女の表情が変わり
キール「ごめん。ちょっと、あたし呼ばれたからいってくるっ。ま、汚ないとこだけどくつろいでて♪」
手をヒラヒラ振りながら彼女は部下の騎士たちとその場を離れて、コトリの周辺にはいろいろな騎士たちが行き来しているものの、ようやく一息つける状況に
ーーコトリ視点ーー
コトリ「そっか……やっぱりここ以外の戦況も悪いんだね…。
(過去のこと全然私知らないな……ああ…こんなことになるなら、ちゃんと歴史の授業を聞いておけばよかったよ…。)」
ここ以外の戦況も悪いことを知り、私は少し考え込む…実際にどんなことがあったのかは当事者しか知りえないけど、少しでもその辺りの歴史をちゃんと勉強しておけばよかったと少し後悔する。
コトリ「えっと…まあ…そんなところなの…かな…?
(師匠と弟子か…そうなると、私にはお師匠様が三人いることになるのかな…?)
えっと…ありがとうございます…//
キールさん、何から何までありがとうございます…本当に…。」
ついずっと教官と呼んでしまっていたことに気づき、そのことでキールさんに弟子だと思われ…確かにそうなのかもと私も思い、アイリス教官とレインにクロを思い浮かべ。
なぜかキールさんに気に入られ、アイリス教官にも騎士として会わせてもらえることになり…私はぺこりと頭を下げて、キールさんにお礼を言って。
コトリ「はい、それではまたあとで。
……さて、どうしよ…下手に一人で動くよりは、まずはパラドックスさんを探した方がいいかな…?」
キールさんと別れ、私は少し考え込む。
上手くアイリス教官に会えるかもしれないけど、今のこの状況下でどう動いたらいいのかも把握できていなく…
とりあえずパラドックスさんを探して、いろいろと説明と助言をしてもらう方がいいかなと思い……。
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