騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第1節 リュネメイア編

第33話 王国騎士団と教会騎士団

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コトリ「っ!?」

戦闘態勢をとっていた私だけど、突然の光に目を開いていることも出来なく閉じてしまう。
そして次に目を開くと……。


エリシア「ここ…は…?」

セイバー「い、いったい何が起きたの…?」

レイン「空間転移魔法…か……っ…ぐっ…!」

エリシア「レイン!? マリスにセイバー、レインの傷を見るから手伝ってくれ。」

突然草原にいた私たち…エリシアは辺りを確認していて、セイバーは戸惑っていて。

怪物に与えられたダメージと自身の力の反動により、レインの方は立ち上がることが出来なく痛みを堪えていて…エリシアはマリスやセイバーと一緒に彼女に近寄る。


ーーーー

マリスミゼル「魔力が足りません....術式は私がやりますが..リュネメイア。私たちは魔力性質が極めて近い..」

汗を拭いつつ、疲れきった表情を浮かべず大杖をかざしレインを中心に魔方陣を展開させ、リュネに視線を送ると彼女は大きくため息をついて


リュネ「....わかっておる。今回は主に借りを作ってしまった。妾は、借りたものはすぐ返す主義。妾の魔力を使うがよい」

敵であるはずのレインを助けるとゆうリュネの言葉を受けたマリスミゼルがリュネの魔力を用いてレインに治癒魔法をかけると忽ち、傷は消えさってしまうも反面、リュネは先ほどよりぐったりとした表情を浮かべ


ーーーー

エリシア「マリス、君にばかり負担をかけてしまってすまない…。
魔法の補助は私が受け持つ…私にはこれくらいしか出来ないが…。
(学園長……マリスの補佐をやっているのにこの体たらくか…私だって彼女を支えたいのに…。)」

マリスだけに負担をかけさせてしまい、エリシアは自分の無力さに表情を曇らせる。

リュネとマリスに協力するように、エリシアは彼女たちの魔法陣への補助を手伝う。


レイン「……お礼は言わないよ…でも傷の手当のお礼はしないとね…。
はい、二人とも…教会特製のポーションだよ、魔力の補給には最適。
(マリスミゼルさんには後でちゃんとお礼を言わなきゃね…。)」

怪物から受けた傷がふさがったけど、まだふらふらのレインは素直にお礼は言わない。

でもマリスとリュネに携帯用の飲み物を差し出す…マリスには当然感謝しているし、リュネにも言葉を伝えないだけで感謝はしていて。


ーーーー

マリスミゼル「あら..エリシア 気にしないで下さいね♪貴女はよくやってくれています。
....後で貴女からも元気を貰いますから♪」

レインの魔力回復薬を飲み少し余裕が出たのか、彼女にお礼をいいつつ、エリシアの耳元で囁きながらいたずらっぽく小さな息を吐いて


リュネ「..レインとやら、妾は教会が嫌いじゃ。ゆえに主からの施しを受けるわけにはいかん...。..主自身はおもしろそうじゃがの♪」

レインに教会騎士団が嫌いと悪態をつくも、彼女自身は気に入ってる様子を見せ


ーーーー

エリシア「っ…ひゃう…// マ、マリス…//
……あ、ああ…マリスに元気になってもらえるなら…私はなんでも…する…//」

マリスミゼル「ふふ♪期待していますよ♪ 」

耳元でマリスに甘く囁かれ、エリシアは身体をびくんと震わせる。

マリスが元気になるならと小さくつぶやき、エリシアは恥ずかしそうに赤くなって。

マリスは小さく微笑みエリシアに対して優しい言葉をかけてあげ


レイン「ふぅ……何を考えてるのか知りませんが、私は快楽などに屈指はしないですよ…。
そういうのは好きな相手としてください。」

リュネの言葉にレインは呆れたため息を一つする。

リュネが私自信のことを気に入ったのは何となく分かった…
でももう一つの意味もきっとあるだろう、気に入った相手を雌豚に改造してみたいというのが。

なのでレインは好きな相手と口にして…
レインの心には、教会騎士の自分のパートナーと…もう一人の女性がいて…。


ーーコトリ視点ーー

クロ「…リュネ…大丈夫…?」

コトリ「アイリス教官! 大丈夫!? 教官に何かあったら…私…!」

一つになっていた姿から元の姿に戻る私。

でもそこには私が二人いて…
少し肌が黒くなっているクロはリュネの側へ、そしていつもと変わらない姿の私はアイリス教官の側へと駆け寄り。

クロはクールな態度でにリュネに声をかけているが、リュネを心配していることが声のトーンから彼女にはバレていて。

私はすごく心配そうな表情でアイリス教官に抱きついていて、クールな態度などとる余裕もなく…。


ーーーー

リュネ「....ふ、妾はこのくらいでは果てん。それより主....なんじゃ、イメチェンとゆうやつか?」

小さく笑いながらもクロのその肌をみて冗談を飛ばし


アイリス「いたたた..♪心配しすぎだよ、私は大丈夫。コトリこそ怪我はないかな?」

コトリの黒魔法で出血は止まっているものの、やはり身体に痛みが走るのか抱きつかれながらも、小さく笑い彼女の頭を撫でながら質問を


ーーコトリ視点ーー

クロ「そう…よかった。
私はもう一人のコトリ…一応 元高位な魔族…だったと思う存在よ。

あっちにいるコトリが本物で、私は似てるけど影のような存在…
どっちもコトリじゃ分かりにくいから、あっちのコトリやレインは私のことをクロと呼んでるわ。

リュネは私の主人で…私はリュネのことをお慕いしてる…よろしく。」

リュネ様の質問に答えたクロは、リュネ様が自分の主人だということも告げる。

お慕いしている…それは忠誠を違うものであり、クロがリュネを愛しているというものでもあり。


コトリ「っ…だ、だって…やっと想いを伝えられた…大事な…人だか…ら…//
う、うん…痛みもないし…身体も元に戻ってるよ…。」

頭を撫でられて私は嬉しそうな表情になる…それと私の身体はリュネの調教を受ける前に戻っていて。

私は恥じらいながら…私にとって大事な人だから…と、恥ずかしそうに小さくつぶやいて。


ーーーー

リュネ「......ようわからぬが、まあよい。とにかくこれからも、妾のことを頼むぞ♪クロ♪」

コトリに対しては小さくため息をつくが、たいして気にした様子もなくクロの顎に指を這わせじらすように遊び、小さく微笑むと彼女の名を呼び


アイリス「そっか♪..ん、良かったね♪」

コトリの元気そうな表情を見て優しく微笑む


ーーコトリ視点ーー

クロ「ぁ…んんっ…わかったよ リュネ。」

リュネに顎に触れられ、クロは少し甘い吐息を漏らす。

リュネ様の言葉にクールな表情の頬を赤らめながら、クロはリュネ様に小さく微笑みを返して。


コトリ「アイリス教官も無事でよかった…本当に…。」

アイリス教官が優しく微笑むのを見て、私も小さく微笑んでぎゅっと抱きつき……。


そこで一時間ほど皆で休み、次にどうするかを考え話していると、そこに1人の人物が現れ

ケーガン「皆さん。そして教会騎士団のレインさん。お久しぶりです....王国騎士団のケーガンです。
そこにいるリュネメイア=レングラスをこちらに引き渡して頂きたい。彼女を逮捕します。」

鋭い眼光で、ぐったりとよこたわるリュネメイアを睨み付け


コトリ「貴方は…確か…。」

セイバー「王国騎士団の…。」

クロ「……。」

レイン「……よく私たちがここにいること わかりましたね。

逮捕ですか…それは待って欲しいです、ケーガン殿。
リュネ…彼女には聞きたいことがあるのです、我々が交戦した怪物についてですーー。

ーーその怪物の討伐については王国騎士より我々 教会騎士の専門です、なので彼女の身柄は教会の方が貰い受けます。」

クロは王国騎士のケーガンをクールな表情のまま睨んでいて…
それは主人であるリュネに何かしら危害を加えそうだからで。

レインはケーガンに怪物のことや何かが起こったか事情を説明し、教会側がリュネの身柄を保護させてもらうと言って。


ーーーー

ケーガン「なるほど、話はわかりました。しかし....彼女には、王国騎士団員4名の殺害、及び重要機密施設破壊工作、禁術の奪取、などなど多くの容疑がかかっております。

…失礼ですが、あなた方 教会騎士団は信用できません。教会騎士団の一部のものたちは、その権威と神の名をもとに私腹を肥やすものもいる。黒い噂も多い。

そこのテロリストは我々が預かります。その後に貴女方にも、リュネメイアに接触する機会を与えましょう」 

リュネメイアを見下し、テロリストと断じながら、最近の教会騎士団の不祥事や流れる黒い噂を暗に示しながらも

ケーガンは淡々と話を進めながら右手を上げる。すると待機していた彼の部下の騎士たちも出てきて威圧するような雰囲気を


リュネ「主ら....この妾を物みたいに扱いおって..」

そのやり取りを横目でみながら、ため息をつきながら苦々しい表情で悪態を  


ーーーー

レイン「……そちらの言う通りです…教会側も一枚岩ではなく、神の代弁者と語るだけの戦闘狂や馬鹿な老人たちがいるのも現状です。
わかりました…ですが条件が三つあります。

一つ目は この子…クロをリュネの付き添いとして同行させ、彼女をリュネの側にいさせること。

二つ目は 人権を無視する尋問または拷問などはしないことを誓っていただき、あとは…彼女に最低限くらいの自由は保証してあげてほしい。

そして三つ目は 彼女に危害が及んでいないかを把握するため、そしてこちらも情報を得るために定期的にリュネとの面会をさせてもらうことです。

これが王国騎士団にリュネを引き渡す条件です。

死者が出ているそちらは納得できないでしょうが、教会側だけではなく 王国騎士側の方にも色々と黒い噂があるようですしね…
それに 先ほどお話しした怪物の件については彼女の力が必要になるかも知れないからです。

それにいくら彼女がテロリストの『容疑者』とはいえ、人としての尊厳を無視した尋問は神の教えに反します。

怪物…アレを野放しにしておくのは、教会側も王国騎士側もお互いにいかないはず。
如何でしょうか、ゲーガン殿?」

ケーガンたちの威圧する雰囲気の対応に、レインは表情をひとつ変えることなく対応する。

一応 教会騎士団とこの国の王国騎士団は協力関係にあり、ここで対立したりするのはお互いに避けたいはず…
そしてレインは神の教えを交渉の材料 盾にして、教会側もリュネたちも得する方へと流れを持っていく腹黒なその姿は…教会の狗と嫌味を言われても仕方ないもので。


アイリスは、レインとケーガンの対立を見て状況を心配するように見つめ

コトリは抱きつきながらレインたちのやり取りを見て 心配そうな表情をする。


ーーーー

ケーガン「いろいろと条件をつけますねぇ。
まぁ、守れるようこちらとしても善処しましょう。
しかし、ご自分の教会を見過ごし、我らを中傷するとは....かつての教会の..誰もが尊敬した教会はどうやら、もう風前の灯火のようだ」


レイン「ふふっ…使えるものは何でも使う…大義や綺麗事だけで何かを得ることも…そして大切なものも守ることも 出来ませんからね…。
あっ これは教会騎士としてではなく私 個人の考えですよ?

それに…そちらが心配しなくても、教会内の『彼ら』はいずれ 私たち聖剣騎士が排除しますよ。」

ケーガンに嫌味言を言われながらも表情を一つ変えず、逆に感情のない くすり とした 不気味な微笑みで言い返すレイン…
表向きはいい人そうに見えるレインだが、コトリたちにも話していない過去や何かがありそうで。

そして、何やら不穏な言葉をつぶやき…。


レインの提案をやや頬をしかめながらも受けるように取り計らうも、嫌味な言い方をつきながらリュネメイアとクロに近づいていき

ケーガン「リュネメイア=レングラス。貴様を国家に対する反逆罪でたい....っ!」

紙面の罪を読み上げながら再び二人に目を落とすと、銃の発泡音のような衝撃が響くと伴に、リュネの右腕に弾丸が着弾すると同時にリュネメイアが先ほど使っていた空間転移魔方陣が展開され、リュネメイアと近くにいたクロを包み込み


アイリス「これは、空間転移魔方陣っ..みんな下がりなさい!」  

アイリスが叫ぶと同時に二人の姿が立ち消えてしまい


ケーガン「くそっ!おのれ..仲間がいたようですね..我らは彼女を追跡しますが....ここからは我らの仕事です。首を突っ込まないで下さいね」

ケーガンは苛立ちを露にするも、周辺に自分たち以外の気配はないことから部下を纏め引き上げるとともに、忠告を残し去り


アイリス「ふー....今度こそ一段落だね。あの二人なら大丈夫だろうしね。なにより空間転移魔方なら、距離は遠くに設定されてるはず。無事は確実だし♪」

はりつめた場の空気を解こうと、安心したような表情を浮かべ場をなごませる言葉を


マリスミゼル「ええ。でも、わかりませんね....空間転移魔方は失われた魔方の一つ。
その発動に必要な魔方書は、近年では2冊しか確認されておらず、2冊目の魔方書は先ほど砕け散りました。いったい誰がリュネを..しかも空間転移魔方..」

真剣な表情をしたマリスミゼルが疑問を浮かべ小さく呟くと、アイリスの瞳が少し遠くを見つめるように動き


ーーコトリ視点ーー

エリシアとレイン「っ…!?」

クロ「これはっーー。」

コトリとセイバー「……き、消えた…?」

突然空間転移の魔法が発動され、エリシアとレインが驚きの表情を見せた後…
クロとリュネが何処かに転移され、静寂のなか私とセイバーが小さくつぶやき。


レイン「……マリスミゼルさんの言う通り、教会側でも2冊しか確認されていません。
……これは怪物の他にも報告しておく必要があるようね…。
(なんだか教会以外にもめんどくさそうなことが起こってそうだけど…まあコトリとクロが無事だったから よしとしますか。)」

コトリ「……きょう…かん…?
……アイリス教官が何を抱えてるのか私には分からない…でも…私は側にいるから……側にいて、アイリス教官の抱えるものを少しでも軽く出来たらと思う…。」

マリスとレインは会話を交わし、レインは小さくつぶやいて。

アイリス教官の何かを思い出す表情を見て…抱きついていた私はくいっとアイリス教官の手を引き寄せ、ぎゅっとその手のひらを優しく握りしめる。

クールな表情のまま真剣な瞳で見つめながら、私はアイリス教官に自分の気持ちを伝えて…
これからはアイリス教官の側で彼女を支えてあげたい、そう想っていて。


ーーーー

アイリス「....ふふ♪コトリは優しいね。ありがとう、嬉しいな♪...ちょっと昔のことを思い出してたんだよ..大丈夫。」

手を優しく握られ、少し驚いたように瞳を見開くも穏やかな笑みを浮かべて、安心させるように言葉を続け


マリスミゼル「ええ。2冊目もそうですが、1冊目の所持者とその魔方書も既に失われている今、それが望ましいでしょう。
他にも考えることはいろいろありますが....何はともあれ、ひとまず帰還するとしましょう。私も含め、みな休息が必要です..ふー..」  

レインに同意しつつ、みなの状況を確認し提案をするとようやく安心したようにため息をはくと

アイリス「さあ、帰りましょうか♪私たちの居場所に♪」


ーーコトリ視点ーー

コトリ「アイリス教官の方が優しいよ…こんなだめな私を…許してくれたから…//
ん、よかった…♪ 何か辛いことがあったら言ってね…私、力になるから…。」

穏やかな表情で言葉を交わすアイリス教官…私は握る手をきゅっと少し強め、アイリス教官の力になれたらと言葉を紡ぐ。

初めて大事に思えた大切な人だから…上手く伝えられるか分からないけど、気持ちを伝えるのは苦手だけど ちゃんと言葉にする。


エリシア「マリス、大丈夫か…?
帰ったらまずは少し休憩しよう…私が作って置いたお茶菓子と、あとはホットミルクかお茶を淹れてな。

えっと…私と…その…いろいろするのは…そのあとだからな…//」

ほっと一息ついたマリスの肩に手を乗せ、エリシアは彼女を気遣う。

今日はずっとマリスに任せっぱなしだったので、せめて家ではエリシアがマリスに尽くすと頬を赤めてつぶやき。


セイバー「そうですわね、モニカさんも待ってますし。」

コトリ「あっ…そだね…モニカにもちゃんと謝らなきゃ…ゆ、許して…くれるかな…?」

セイバー「大丈夫ですわ、私も一緒について行ってあげますから。」

コトリ「ん……ありがと…セイバー…//」

私とセイバーはモニカの会話を交わし、お互いに絆を紡ぐ。

今日あらためて、私はセイバーとちゃんとした友達になれたのだった。


ーーーー

アイリス「ふふ♪ありがと、信じてるからね♪」

コトリを抱き寄せ、彼女の頭のつむじにキスをして笑顔を浮かべ


マリスミゼル「ふむ、いいでしょう♪それでは、エリシア....私を運んで下さい。..魔力が0なのでもう身体が動きません♪」

そういい終わると、地面に倒れ付しながら明るい笑顔を浮かべ小さく甘えてエリシアに運ぶようおねだりを


ーーコトリ視点ーー

コトリ「っ…! ……//」

アイリス教官に抱き寄せられてキスされ…
私は真っ赤になりながら身体をもじもじさせ、ぎゅっと私からもアイリス教官の身体を抱きしめる。


エリシア「ふふっ…仕方ないな…。
それじゃあ行こうか…私のご主人様…♪」

甘えてくるマリスをお姫様抱っこして、エリシアは彼女に微笑んでいて。

エリシアは腕のなかの彼女の温もりを感じる


そうして彼女らは帰路につき、日常へと戻ることになる……。


リュネメイア編 完
過去編(人魔大戦 アイリス)に続く。
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