騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第1節 リュネメイア編

第31話 聖剣と魔気

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アイリス「....っ..ふっ!」  

大男が放つ無数の毒針を素早い剣撃で弾き落とし、隙をつきスピードを乗せて連続で相手に斬撃を叩きこむと相手の身体から青色の液体が溢れるも、傷口が瞬く間にふさがり


アイリス「超速再生....相変わらずだね、その能力..くっ!」

相手の、硬質化させた腕の重い一撃を蒼の剣の腹で受け止め反動で、わずかばかり吹き飛ばされるも体制を立て直すも、口から燃え盛る炎、腕から衝撃破を放つ大男のバリエーションある攻撃を紙一重で防御、回避し戦を続け


謎の怪物「ふふ...貴様こそよく粘るなアイリス。腹に風穴を開けながら戦う闘志、懐かしいものよ♪
あれは..?ほぅ..おもしろい物がいる..潜在魔力も申し分ないな」

コトリの放つ魔力を感じとり彼女へ目線を送るも、アイリスの剣を防ぎ彼女を睨み付け


謎の怪物「余の話を遮るとは、ゴミの分際で..っ!」

アイリスに対して連撃を放ちさらに彼女の息の根をとめるべく攻撃のスピードをあげ、かろうじて目にわかる程度の速さに


マリスミゼル「コトリさん!....はぁ、はぁ..状況を教えて下さい。私を呼んだとゆうことは理由があるんでしょう?」

扉の奥からマリスミゼルが息を切らした様子で、コトリとリュネのそばに駆け寄り質問をするも、その装いは魔物の血液にところどころ汚れが目立ち


ーーコトリ視点ーー

コトリ「っ…な、何…あれ…強いなんてレベルじゃ…ない…。
アイリス教官は怪我をしてるのに……わ、私は…何も出来ない…なんて…!」

私は立てないままその場に座り込んでいて。
アイリス教官が簡単に敵に押し込まれてる姿を見て、謎の怪物の圧倒的な強さに震えてしまっていて。

あの戦いに参加できるだけの力を今の私は持っていなくて、それに震えて力が入らなくて…そんな自分が情けなくて。


コトリ「が、学園長…リュネが…! そ、それに…アイリス教官が…!」

エリシア「コトリ、落ち着きなさい…っ…これは…!」

セイバー「この人がリュネ…? でも血だらけですわ…。」

マリスミゼルの後に続き、レインたちもこの場へとやってきて…
あちらの方は主人の身に何かあったのか魔物たちが動きを止めたので、その隙にこちらへとやってきていて。

私は何があったかを説明して、アイリス教官が学園長を呼んできてと言ったことを伝えて。


レイン「……いったい何処から湧いて出たかは知らないけど、アレはアイリスさんだけでは…いえ人 一人では手に負えませんね…。
私も隙を見て、戦闘に加わります…こちらはお任せしますね。
(サポートなしだけど…《聖剣》を抜剣するしかないかな……最悪 死ぬかもだけど アイリスたちを…コトリを守れるなら…。)」

私の説明を聞いたレインは横を向き、今戦闘中の二人を見つめてつぶやく。

彼女が持つ特別な力を使うことを躊躇っている余裕などなく、レインは本気を出して戦闘に加わると言って。


ーーアイリス視点ーー

アイリス「くっ....!あぁっ!」

目にも止まらぬ斬撃を長年の戦闘勘から、剣筋を読み受け流すも、一撃一撃が叩き込まれるたびに脇腹の傷に衝撃が響き、一瞬の隙を見て床に大きく蒼の剣を突き刺し、相手の足場をえぐり距離を取り


マリスミゼル「..わかりました。敵ではありますが、コトリさんがそこまで望むなら。
..それでは、私はこれよりリュネの救命措置に入ります」

コトリの懇願を受け入れ、大杖を大きく掲げるとリュネを中心に3重の魔方陣が展開され 、それを確認すると光を帯びた大杖を地面に突き立て、リュネのそばにしゃがみこみ、手をリュネにかざし数回、様々な形をつくり


マリスミゼル「集中します....エリシア、セイバー。敵を私たちに近づけないように。
治癒魔法は魔力の消費が著しい。彼女の傷のレベルなら、私は今の魔力全てを使い果たしてしまいます。..護衛をお願いしますよ♪」  

言い終わると手のひらが、青白く輝き


マリスミゼル「....K・クラウディア直伝。..はっ!」

リュネの身体が青白いオーラに包まれ傷の回復が始まり  


アイリス「はぁ、はぁ....」

いけない....血を流しすぎた。視界が霞む..みんながきた。これで少しは....もう少し粘る..しっかりするんだ私..気をそらすんだ..


アイリス「り、リュネに退魔の剣を喰らったのに..随分元気だね..7年ぶりに出てきてはしゃぎすぎだよ....」

謎の怪物「ふふ、アイリス....弱くなったものだ。いや、余が強くなったのか..しかし、わらわらと虫がわいてきたな..なんなら纏めてかかってきてもいいのだぞ」

レインとコトリを見つめて、冷たい見下した瞳を


ーーコトリ視点ーー

コトリ「…っ…ア、アイリス教官…!!」

エリシア「わかったわ、マリス…レインさん、アイリスをお願いします…!」

レイン「ええ…神に誓って、彼女は任されました…。」

セイバー「私なんかが力になれるか分かりませんが…全力を尽くさせてもらいます…!」

こうしてる間にもアイリス教官が傷ついているのを見て、私は小さく悲鳴をあげて。

レインとエリシアはお互いにやり取りし、アイリスのことは任しておいてと言って。


コトリ「私も…アイリス教官を守りたいのに…どうすれ…ば…いいの…。」

??(…情けないわね…私が力を貸してあげるわ…。)

コトリ「えっ…こ、この声は…クロ…?」

クロ「よっと 久し振りに外に出たわね、そういえば。
あいつはリュネを傷つけた…それにあんたによくしてくれてる アイリスも傷つけてる…許せないから ふっとばすわよ。
ほら さっさと立つ、あんたはやれる子でしょ?」

私が力のなさに嘆いていると、私から溢れ出た黒い魔力が一つになり…
私と同じ姿だけど肌の色は少し黒く 褐色で、もう一人のコトリが現れて。

それは私と身体を共有している女魔族で…私はクロの愛称で呼んでいて。

肉体は共有していても、こうやって二人別々に表へと出てくることが出来て。


コトリ「クロ……っ…あ、あなたの力を私に貸して…! アイリス教官を守るために…!」

クロ「ええ いいわよ…大切なものを守るためにね……んんっ…。」

恐怖し嘆いていた私にクロはしっかりしなさいと言葉をかけ、私の震えは止まり立ち上がり。

クロとより力を高め合うためには、より一つに溶け合うことが必要で…
黒と白の私はお互いの心を重ね合わせるように互いを想い合い、キスをしてお互いの全てが混ざり合って一つに融合していく…。

そして、まばゆい光と どすくろい闇が一瞬その場に放たれたと思うと…。


コトリ「……。
(いつも私のことを考えて接してくれてた クロのことは嫌いじゃないけど…苦しんでずっと忌むべきものだったこの力で…アイリス教官は私が守ってみせる…!)」

シロとクロどちらもいなく、その場には一人 立ち上がったどちらでもない私だけがいて。

黒と白がひとつになった私…
長い黒髪は白銀に…肌は褐色へと染まり、瞳の色が紫から赤へと変化し、全身からは湧き出すように強力な赤 黒い魔力を溢れさせていて…そして、頭には右ツノだけ生えていた。

融合が解除されるまでの一時的の間とはいえ、今の私は高位の魔族と同等以上の力と魔力を身につけ…半分魔族から、完全な魔族に近いような存在となっていて。


レイン「《聖剣》…抜剣……っ…!!
…ふぅ…聖剣騎士 序列第3位《赤い閃光》レインの名の下に貴方を外法と認定し、神の名の下に滅させてもらいます…。

コトリ、あなたも戦闘に加わるのなら油断しないように…あいつ、教会に伝わる悪魔にも匹敵するかもしれないから。」

コトリ「わかった…学園長 セイバー エリシア教官 リュネのことはお願いします…。」

レインが抜剣とつぶやくと、彼女の背中に赤く光る剣のような聖痕が浮かび上がって。

教会騎士たちの上に立ち、教会騎士たちを束ねるその騎士たちは…
創造神から授かった力を持ち、その騎士たちのことを《聖剣騎士》と呼んでいて。

聖剣を抜剣するだけで身体能力が強化され、その力を完全に解放できたら 教会に伝わる伝説上の悪魔すら滅することができるらしく。

そしてお互いに力を解放した私とレインはやりとりをしながら戦闘態勢をとり、そのまま一瞬にして敵のところまで移動して。


レイン「『七翼流剣術』風の型 疾風+闇の型 重力剣…ふっーーはぁああああっ!!」

コトリ「七翼流剣術 風の型 疾風! からの連続発動…ダークネス…!」

レインは二刀流による目で追いきれない程の速さで 怪物の身体に斬撃を加え、その重い剣撃は硬質化された両腕まで簡単に斬り飛ばして。

レインと同じ技で高速移動した私は…巨大な黒い魔力の球を怪物に放ち、その黒魔法を連続で相手に叩き込んで 怪物を壁へと吹き飛ばす。


コトリ「アイリス教官! 大丈夫!?」

レイン「っ……あれは私たちに任せて、あなたはいったん後ろに下がって。ああゆう怪物や悪魔を狩るのは教会の仕事だから。」

私は教官に駆け寄って、ふらふらのアイリス教官を抱きとめて心配し…
少し顔色の悪いレインはこうゆう奴を狩るのは教会の仕事だからと言って……。
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