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第1節 リュネメイア編
第30話 急転
しおりを挟むアイリス「落ち着いたかな?そういえば、コトリ....リュネにも貴女の気持ちを伝えなきゃね。私も一緒にいくから..リュネのとこに連れていってくれないかな?」
リュネがいるであろう奥の扉を見つめながらコトリに質問を
ーーコトリ視点ーー
コトリ「ぐすっ……うん…少しは落ち着いた……わかった…でも、二つだけ教官に伝えなきゃいけないことがあるの…。
一つ目は……信じられないかもだけど、私のなかにはもう一人の私がいてね…そっちの私は…その…リュネに惹かれてるの…。
だからもしリュネと戦闘になったとしたら、私はどっちも攻撃できない…どっちも傷ついて欲しくないから…。
だから、リュネとはもう一人の私が話しをしてみるって言ってる…どっちも傷つかないように私たち頑張るから、だから…私たちを信じて…くれる…?」
私は自分のなかにもう一人の私がいると話す…それはレインから聞かされていた、黒と白の話で。
そのクロはリュネのこと想っているらしく、でもコトリはアイリス教官を想っていて…
だからどっちにも傷つかないようにリュネの説得を私たち二人に任せて欲しいとお願いして。
コトリ「……それともう一つは…その…えっと…私もアイリス教官のことが…す、好き…大好き…なの…愛して…ます…//
だから…帰ったら私の過去のこと全部…話すよ…聞いてくれるかな…?」
私は赤くなってか恥ずかしそうにしながら、小さく好きとつぶやき…
ぎゅっとアイリス教官を抱きしめ、まだ少し涙目の表情で聞いてくれるかな? と言って。
誰かに過去のことを話すのが怖くて、私は少し身体を震わせていて。
ーーアイリス視点ーー
アイリス「はいはい♪わかったから....♪」
甘えてくるコトリの頭をポンポンと優しく叩き、落ち着くように促し
アイリス「最初から貴女のことを信じてるよ♪....好きなようにやってみてごらん♪結果は後からついてくるものだからね。
過去の話のことも、コトリが私を信じて話してくれるなら..私も信じて話を聞くよ♪」
コトリの話を頷きながら聞き彼女に優しく言葉をかけて返答し
アイリス「ふふ♪貴女の気持ちを聞けて嬉しいけど....今は、ね?」
コトリに目配せし、リュネがいるであろう研究室に案内し彼女と会うように促し、大きな扉を開く…
そこには豪華絢爛な着物を真っ赤に染め、荒い息をし灰色の瞳を力無く開いたまま、刃身が白く輝く剣を右胸に突き刺したリュネが仰向けで倒れていて
アイリス「こ、これは..!」
コトリの後ろで部屋の状況を理解したアイリスは急いでリュネに駆け寄り
ーーコトリ視点ーー
コトリ「アイリス…教官……あり…がと…こんな私を…信じてくれ…て…//
うん…話すよ…アイリス教官なら受け入れてくれると信じて…//」
アイリス教官は私を信じてると言ってくれ…瞳に涙をまだ貯めていたが、嬉しそうに小さく微笑んで。
私の過去などもアイリス教官なら受け入れてくれる…私はそう思い、不思議と心があたたかくなる。
コトリ「うん…行こうアイリス教官…!
(でも、また好きって言えるかな…? ……恥ずかしいし…こんな性格だから…素直に…なれないかも…。)」
今はリュネに会いに行くのが先なのが分かっているので、私も小さく頷いて。
でも、恥ずかしいから…あとで素直に気持ちを伝えられるか分からないかも、と私は少し思ったりして。
そして私とアイリス教官が扉を開けて進むと……。
コトリ「えっ……リュ…ネ…? っ…や…ぁ…い、いやぁあああああっ!!」
リュネが血を流しながら倒れている姿を見て私は突然のことに動揺して、頭を抱えて床に膝をついて取り乱してしまう。
騎士学生とはいえ命が消えそうな場面に出くわすなんて早すぎて、さらには大切な人の一人であるリュネがそんな状況にあるので…
大切な人を失う恐怖に私の身体は震えて、その場に座り込んで悲鳴をあげるだけで動けなくて。
ーーアイリス視点ーー
リュネ「....!う、る、..さい..の、コトリよ..」
うっすらと灰色の瞳をコトリに向けて、途切れ途切れに言葉を紡ぐが空気が漏れるような呼吸音が響き
アイリス「リュネ、喋らないでっ」
床にしゃがみこみリュネの着物をどかし白い輝きを放つ剣が右胸を貫いているのを見ると唇をかみ
アイリス「右肺がズタズタだ..出血も酷い..応急処置だけじゃダメだね..コトリ、今すぐ学園長を呼んできてくれない..っ!..リュネ?」
コトリに指示を出していると、リュネが弱々しくアイリスの手を掴み
リュネ「アイ、リス..妾、から..はなれ....やつ、が....く、る..」
アイリス「リュネ..?..白く輝く刀..退魔の剣..やつ....っ!!?..っう!」
リュネの必死に紡ぐ言葉を繰り返し、白光の剣を見つめ瞳を見開き、後ろに飛び抜くも、瞬く間にアイリスの脇腹をリュネが出現させた新しい剣が貫いて鮮血が舞い
アイリス「痛っ....っああ!....まさか..まさか..」
コトリの横に位置し、リュネに刺されたままの剣を引き抜き、痛みに顔をしかめながらそのまま蒼の剣を構え
???「余の一撃をかわしたか...正直、いまので片付いたと思ったが..リュネメイアといい、アイリス..貴様といい、相変わらず人間とゆうものはしぶとい..ゴキブリ並みだ..」
どこからともなく何重もの声が重なった機械のような声が発せられたかと思うと、リュネの身体から黒い霧のようなものが出て形をなしたかと思うと、様々な魔物の一部を身体に合成させた化け物のような外見ながらも、人の形をした大男が現れ
???「ふむ。貴様らの時間で、7年ぶりか....やはり完全ではないな..ゴミめ..退魔の剣を高貴なる余に突き立てるとは..」
リュネメイアを見下したように黒の瞳でみつめ
アイリス「コトリ....貴女は、いますぐ学園長を呼んできて、リュネを看てもらうこと。できるね?..頼んだよっ!」
蒼の剣を構え、大きく跳躍して化け物男に一撃をふるい吹き飛ばし、リュネとの間に距離を取り戦を初め
ーーコトリ視点ーー
コトリ「あっ……リュ…ネ…?」
悲鳴をあげて震えていた私、そこにリュネ様の声が聞こえ…
瞳に涙を貯めてリュネ様の方に顔を向け、声を聞けたので私も少しだけ落ち着けて。
コトリ「っ…!? ア、アイリス教官!!
だ、大丈夫!? あっ…ち、血が…っ…!」
しかし白光の剣がアイリス教官まで襲い…
私は教官の名前を叫び、再び動揺しておろおろとして…私は震えてその場から立ち上がれなくて。
目の前で起こっている事態に私は頭が追いつかなくて、そしてそんななか目の前にある人物が現れ……。
コトリ「な…に…あれ…人…なの…?
えっ…ア、アイリス教官!? ま、待って!
い、今 私…力が入らなくて…動けな…いよ……こ、こんなことじゃだめ…だ…私がリュネを…助けなきゃ…!
…クロ…貴方の力を貸して…!」
化け物のような大男が現れて、それにアイリス教官は戦闘を仕掛けていき…
私は誰かを失う恐怖などと震えから力が入らなくて立てなくて。
でも視界に傷ついたリュネを見れば、私は彼女を失う恐怖より救いたい気持ちの方が少しだけ上回り…黒い魔力を溢れさせて、黒い鴉を魔法で作り出す。
その鳩を空へと飛ばして、学園長のもとへと向かわせる…
その魔法は、今の状況や映像などを相手に詳しく伝えることが出来る伝言魔法で……。
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