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第3話村を出て新たな出会いを求め出発だ

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 村人総出で見送ってくれ、俺達は村を後にした。女子高生は涙を流しながら何度も手を振っている。

「いい人達だったな」

 女子高生はまだ泣いている。どうすれば泣き止むのだろうか。

「ほんとにそう。いい人達だった。ねえ、おんぶして」

 俺はやれやれだと思いながらも背中を差し出した。

「はいはい。どうぞお姫様」

 すると、女子高生が凄く強く背中に抱きついてきた。押しつけられた胸が完璧につぶれるくらいの圧力だ。
 これは至福の時と言っていいのでは無いだろうか。背中がガラ空きの鎧に感謝した。

 それから5時間ほど歩くと、村が見えてきた。女子高生は俺の背中でくーくーと寝息を立てて寝ている。こんなんで夜眠れるのだろうか。俺は人ひとり背負って5時間も歩いたので間違いなく爆睡だろうが。

「いらっしゃいませ。ココダヨ村にようこそ。冒険者さま。お連れの方は体調が優れないのですか? どうぞ宿屋に」

 親切な村人が宿屋に連れて行ってくれた。断るのも何だから、そのまま泊まる事にした。うとうととして、1時間くらい眠ると、カンカンと鐘が鳴る。

「大変だ! 山賊だー!」

 俺は寝ぼけながらも外に出た。そして、あくびしながら剣を抜くと、そのまま山賊達に突撃した。気分は暴れん坊大将だ。頭の中でお決まりの音楽を再生して、敵をばっさばっさと斬りまくる。血しぶきが舞い10人の山賊が倒された。

「安心せい。峰打ちじゃ!」

「めっちゃ切れてるから! てか死ぬから! あ、あれ? おかしいぞ。首筋を切られたのに血が止まってる」

 山賊達が起き上がり、次々と傷口があった場所に触れて血が止まった事に驚いている。服は確かに切られて血痕が付着しているが、傷が見当たらない。確かに致命傷だったのだが。

「何だかよくわからねえが覚えてろー!」

 山賊達は逃げ帰って行った。それから夕食を食べてちると、またカンカンと鐘が鳴った。

「大変だ! 昼間の山賊達が戻ってきたぞ!」

 俺はまだ寝ている女子高生を置いて山賊退治に向かった。

「やいやい! また性懲りもなく来やがって。成敗してくれる!」

 また気分は暴れん坊大将だ。好きだったんだよ。よく真似して丸めたポスター振り回したもんさ。

「おい! 待ってくれ! 俺達は反省して山賊を辞めて来たんだ。一回死んだ気になって色々考えたら生き直してみたくなったんだ。お詫びの品の宝と肉は持ってきた。ここの村人として迎えてくれねえか。山で木を切り、川で魚も釣れるし、獣だって狩れる。役に立てる」

 山賊達は土下座して村人として迎えてくれるように頼んでいる。そこで村長は行った。

「リッキーよ。久々だな。ワシの娘と幼い頃よく遊んでいたな。山賊なんぞになりおって。娘が悲しんでおったぞ。改心したなら娘を貰って婿になっておくれ。さあ、結婚式だ」

 何だろう。この急展開。その時、誰かが俺の手を握ってきた。この柔らかい手のひらは覚えがあった。
 知らない間に女子高生が起きてきていた。

「いい話やわあ。山賊が改心して初恋の幼なじみと結婚してやり直す何て…」

 女子高生はまた大粒の涙を流している。涙は脆いタイプなのだろうか。そうして、村の広場でやってる結婚式に俺達も招待され、何故か女子高生は司会進行役を務め、大いに結婚式を盛り上げていた。花火でもあるともっといいなと思ったら、突然花火が打ち上がった。

「一体誰が花火みたいな高級品を!?」

「あの方角には誰もいないぞ!?」

「細かい事は気にするな。とにかく綺麗だ」

「そ、そうだな。楽しもう」

 村人達は不審に思っていたが、そのまま花火を楽しんでいた。俺達も沢山食べ物が食べれてラッキーだった。そのまま、酒に酔って朝まで爆睡し、新たな場所に向かった旅立った。女子高生は例の如く村人との別れを惜しんで大号泣していた。
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