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ブラック家の子
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「姫さん、そろそろ準備いいすっか?」
「えぇ、大丈夫。いきましょう」
沢山の貴族達が呼ばれる王家主催パーティーには、ブラック家も呼ばれている。久しぶりに会えると思うと嬉しい反面‥‥少し怖い。私はただ悪評が纏わりついている姫になっているから、ガッカリするんだろうな‥‥。
私は紫色と黒のドレスを着て、国王とフェルト王子が会場の扉前にいた。私は二人の後ろに控えようとした時、久しぶりだからなのかわからないけれど国王は私を見て固まっていた。
「‥‥‥国王陛下?何か?」
「‥‥なるほど。似てくるものなんだな。‥‥私はーー」
国王陛下が何か言おうとした時、フェルト王子は私の隣りに立って国王陛下に微笑みかける。
フェルト王子を見た国王陛下は気まずそうな顔をして、前の方を向き直し大きな扉が開かれる。
「ねえデローザ。なんでドレスは黒なの?」
「好きな色だからよ。何?フェルト王子」
「‥‥へえ。デローザはピンク色や白が好きなのに。ねえデローザになる気分ってどんな感じ?」
「何言って‥?」
「ふふ。楽しいパーティーの始まりだね」
‥‥‥何を突然わけのわからない事を聞いて‥‥不気味な笑顔を向けるフェルト王子‥‥。
なんだろう‥‥私は何かを見逃してる気がする。フェルト王子と会って話せば話すほど違和感を感じる。でも私自身の体がフェルト王子に反応する。
そう考えるのも束の間、扉は開いたと同時に歓声が聞こえる。
「国王陛下万歳!フェルト王子万歳!」
「‥‥あれ?あの黒いドレスを着てる人は‥‥噂の?」
先程まで賑やかだった雰囲気を見事に私が現れた事でぶち壊した。
まあ、華やかなパーティーに真っ黒なドレスはお葬式みたいで目立つは目立つか‥‥ハアと溜息を出すと、ザワザワと貴族達の中から、私と同じように黒い軍服を着ていた三人の男性が歩いてきた。
圧倒的に力の差があり、とても悪目立ちする人達だ。
‥‥‥あぁ。成長していても変わらない。
長髪で一つに髪を結んでいるメリダ姉様‥‥相変わらず綺麗な顔立ち。昔のようにドレスを着ずに黒い軍服を着ているけど、アクセサリーなど装飾品は派手の美青年。
短髪で頬に傷だらけだけど、腰には剣を持っている自信満々でヤンチャな所は変わりがない顔立ちのスコット兄様。
そして‥‥真ん中にいるのは‥‥ルイガノだ‥‥。妖艶で謎めいた雰囲気を漂わせているのは相変わらずだね。
みんなに会いたかった。
私は元気だよと、駆けつけたい。
「やあ、ブラック家のみなさん、相変わらずみたいだね。王家に忠誠を誓ってくれてるようで嬉しいよ。これからも僕を支えてね」
そうフェルト王子は三人に声をかけた。
パチッとルイガノと目が合った。私はなんだか、気まずくなり目を逸らす。みんな‥変わってないけれど、でもやっぱり格好よくなりすぎじゃないかな!?
「‥‥フェルト王子も相変わらず、おかしな事をおっしゃりますね」
クスッと笑ってから、ルイガノは私の方をずっと見て話す。
「我々ブラック家は最初からたった一人の、姫君にしか忠誠を誓ってるんですが頭大丈夫ですか?」
「ルイガノ、フェルト王子は、仮にも王子よ?少しは自重しなさい。失礼よ!私達は美しく可愛い子しか興味ないときちんと理由を言わないとね」
「メリダ兄貴、マジでその口調やめろよ?ドレス卒業したんだろ?え、おい、なんで目を合わせてくれねーんだよ!?まさかまだーー」
うん、みんな元気いっぱいなのはわかってなんか‥‥
「‥‥ぷっ‥‥あはは!」
私が笑うと何故か会場にいた人達は、固まっていた。近くにいた国王陛下も‥え?何?笑っちゃ駄目だったの?
ルイガノの方をみると、ルイガノは頬を赤らめながらも私に微笑んでくれていた。
「改めてご挨拶を申し上げます。新しく魔塔主となったルイガノ•ブラックです」
「私はブラック家当主のメリダ•ブラックです。可愛いお姫様に会えて嬉しいわあ!」
「あ、こら!なんで俺が最後なんだよ!?えっと‥‥ブラック家騎士団長のスコット•ブラックです」
三人が私に話しをかけて挨拶をするもんだから、とても注目されている。
ザワザワとパーティーにいる貴族達がデローザとブラック家の子息である三人に注目しているのを、フェルト王子はグッと悔しそうに手を握りデローザを睨んでいた。
「フェルト王子‥‥あの‥」
そっと声をかけたのはミモザだった。
フェルト王子はミモザを見ると、ハッと鼻で笑う。
「‥‥そういえば、アンタもいたんだっけ」
「‥‥え‥」
プイッとミモザを無視して、デローザの方へと行くフェルト王子を見つめるミモザは、手が震えていた。
「‥‥‥やっぱり‥‥あの人‥‥誰?」
そう呟いていた。
「えぇ、大丈夫。いきましょう」
沢山の貴族達が呼ばれる王家主催パーティーには、ブラック家も呼ばれている。久しぶりに会えると思うと嬉しい反面‥‥少し怖い。私はただ悪評が纏わりついている姫になっているから、ガッカリするんだろうな‥‥。
私は紫色と黒のドレスを着て、国王とフェルト王子が会場の扉前にいた。私は二人の後ろに控えようとした時、久しぶりだからなのかわからないけれど国王は私を見て固まっていた。
「‥‥‥国王陛下?何か?」
「‥‥なるほど。似てくるものなんだな。‥‥私はーー」
国王陛下が何か言おうとした時、フェルト王子は私の隣りに立って国王陛下に微笑みかける。
フェルト王子を見た国王陛下は気まずそうな顔をして、前の方を向き直し大きな扉が開かれる。
「ねえデローザ。なんでドレスは黒なの?」
「好きな色だからよ。何?フェルト王子」
「‥‥へえ。デローザはピンク色や白が好きなのに。ねえデローザになる気分ってどんな感じ?」
「何言って‥?」
「ふふ。楽しいパーティーの始まりだね」
‥‥‥何を突然わけのわからない事を聞いて‥‥不気味な笑顔を向けるフェルト王子‥‥。
なんだろう‥‥私は何かを見逃してる気がする。フェルト王子と会って話せば話すほど違和感を感じる。でも私自身の体がフェルト王子に反応する。
そう考えるのも束の間、扉は開いたと同時に歓声が聞こえる。
「国王陛下万歳!フェルト王子万歳!」
「‥‥あれ?あの黒いドレスを着てる人は‥‥噂の?」
先程まで賑やかだった雰囲気を見事に私が現れた事でぶち壊した。
まあ、華やかなパーティーに真っ黒なドレスはお葬式みたいで目立つは目立つか‥‥ハアと溜息を出すと、ザワザワと貴族達の中から、私と同じように黒い軍服を着ていた三人の男性が歩いてきた。
圧倒的に力の差があり、とても悪目立ちする人達だ。
‥‥‥あぁ。成長していても変わらない。
長髪で一つに髪を結んでいるメリダ姉様‥‥相変わらず綺麗な顔立ち。昔のようにドレスを着ずに黒い軍服を着ているけど、アクセサリーなど装飾品は派手の美青年。
短髪で頬に傷だらけだけど、腰には剣を持っている自信満々でヤンチャな所は変わりがない顔立ちのスコット兄様。
そして‥‥真ん中にいるのは‥‥ルイガノだ‥‥。妖艶で謎めいた雰囲気を漂わせているのは相変わらずだね。
みんなに会いたかった。
私は元気だよと、駆けつけたい。
「やあ、ブラック家のみなさん、相変わらずみたいだね。王家に忠誠を誓ってくれてるようで嬉しいよ。これからも僕を支えてね」
そうフェルト王子は三人に声をかけた。
パチッとルイガノと目が合った。私はなんだか、気まずくなり目を逸らす。みんな‥変わってないけれど、でもやっぱり格好よくなりすぎじゃないかな!?
「‥‥フェルト王子も相変わらず、おかしな事をおっしゃりますね」
クスッと笑ってから、ルイガノは私の方をずっと見て話す。
「我々ブラック家は最初からたった一人の、姫君にしか忠誠を誓ってるんですが頭大丈夫ですか?」
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「メリダ兄貴、マジでその口調やめろよ?ドレス卒業したんだろ?え、おい、なんで目を合わせてくれねーんだよ!?まさかまだーー」
うん、みんな元気いっぱいなのはわかってなんか‥‥
「‥‥ぷっ‥‥あはは!」
私が笑うと何故か会場にいた人達は、固まっていた。近くにいた国王陛下も‥え?何?笑っちゃ駄目だったの?
ルイガノの方をみると、ルイガノは頬を赤らめながらも私に微笑んでくれていた。
「改めてご挨拶を申し上げます。新しく魔塔主となったルイガノ•ブラックです」
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「あ、こら!なんで俺が最後なんだよ!?えっと‥‥ブラック家騎士団長のスコット•ブラックです」
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ザワザワとパーティーにいる貴族達がデローザとブラック家の子息である三人に注目しているのを、フェルト王子はグッと悔しそうに手を握りデローザを睨んでいた。
「フェルト王子‥‥あの‥」
そっと声をかけたのはミモザだった。
フェルト王子はミモザを見ると、ハッと鼻で笑う。
「‥‥そういえば、アンタもいたんだっけ」
「‥‥え‥」
プイッとミモザを無視して、デローザの方へと行くフェルト王子を見つめるミモザは、手が震えていた。
「‥‥‥やっぱり‥‥あの人‥‥誰?」
そう呟いていた。
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