32 / 32
フェルト王子の体調
しおりを挟む
城内にある牢獄で暗闇の奥深くには、鎖で厳重に開けられないようにしているドアがあった。そのドアをフェルト王子が手をかざすと、小さな光が出てドアが開く。
「やあ、久しぶりにココにきてみたけれど気分はどうだい?」
フェルト王子が話しかけていたのは、本を読んでいたコルナゴ・ブラックだった。
「‥‥フェルト王子か」
「君の息子達と久しぶりに会ったよ」
そう話すフェルト王子に、眉をピクンと動かし反応を示すコルナゴにフェルト王子は笑うが、コルナゴはフェルト王子をジッと見る。
「私には君の考えや意図がよくわからない、何が目的なんだ」
「‥‥‥全ては『自分の幸せ』の為だよ、あぁ‥そうか、貴方はそういう人だからね。関心はないか」
少しだけ瞳が揺らいでいたフェルト王子にコルナゴは違和感を感じる。
「‥‥‥ずっと考えていたが、君は‥‥誰だ」
「さあ?それは貴方が知る事じゃないよ」
そうフェルト王子は背を向けて牢獄からでる。
自分の部屋に戻ると鏡に映る自分を見つめる。
鏡に映っているフェルトは悲しそうに心配して何かを言っていた。
「‥‥‥そうね、早く終わらせないと」
そうフェルトは笑って呟いていた。
城の警備はとてつもなく厳しいけれど、比較的に私が住んでいる黒い塔は警備がゆるい。というか、私を守る騎士がアクセルぐらいだ。
「‥‥‥ねえ、だからといって、昨日の昨日で三人共普通来ないよね?!」
下のドアから来たわけでもなく、窓からやってきた、メリダ姉様とスコット兄様、そしてルイガノ三人が大量のお菓子を持ってきてくれた。
「デローザ!みろ!マシュマロだ!他にもお菓子があるぞ!」
「‥‥スコット兄様、今何時だと思って?」
「あらあら、私の可愛い子猫ちゃん!大丈夫よ!太らないクッキーもあるわ!」
「メリダ姉様、それは貰います。けど、なんでまた‥‥誰かに見つかったら大変よ!?」
「‥‥そこは、アクセルが見張ってます。僕達はそんなヘマはしませんが‥」
そうルイは話しながら私の部屋を見渡して、眉をしかめていた。
「‥‥城の一部とはいえ、こんな隅で埃っぽいところに住んでたのですか」
「住めば都よ?最初の頃よりは、綺麗だと思うけど‥‥って三人共、怖い顔をしてるわよ」
メリダ姉様は不快な顔をしながら、沢山の蝶を出してきた。
「‥‥わあ‥」
蝶達が綺麗な鱗粉を出していくと、煤けて汚れていたところが段々と綺麗になっていく。
メリダ姉様が現ブラック家の当主というのも納得しちゃう。
「お、俺は掃除は出来ないけど力はあるからな!」
ニッコリ笑って、自分の腕力を見せつけるたも片手で壁を壊すスコット兄様に私達は呆れていた。
一週間後、私は塔の下にある花も何もない殺風景な庭でヒロイン‥‥いや、ミモザ嬢から手紙が来て、お茶会の招待状だったのを内容を見ながらお茶をしていた。ミモザ嬢は、悪い子ではないし、大丈夫だろうからお茶会へ参加すると返事をした。
「あれ。姫さん、参加するんすか?」
「アクセル、急に話しかけてこないで気配をずっと消されたり現れたり」
急に現れたアクセルは最近、城内の様子がおかしいと色々探ってくれていた。
「フェルト王子の婚約者候補の方ねえ、大丈夫すか?」
「大丈夫よ、彼女は」
そう話しをしていた時だ。アクセルの弟でもあるブレーキが険しい顔をしながらフェルト王子とともにやってきた。
清々しい顔で私の元へやってくるフェルト王子は私の目の前に座る。
「で?なんのよう?」
「君はどうして実の兄に対してそんなに邪険するんだい?」
「私の家族はブラック家の人達よ」
そう私が答えるとフェルト王子は顔を歪める。
「‥‥それ、本気でそう思ってるわけ?」
「当たり前じゃない」
「‥‥‥ぷっ‥あはははは!ありえないよ!それは!絶対に!君だけだよ、そう思っているのは!」
パチパチと手を叩いて大声で笑うフェルト王子に顔を一発殴りたい!そう思っていた時、フェルト王子は私の髪をグイッと強く引っ張りだす。
「姫さん!」
アクセルが止めようと動いたが私はそれを止めた。何故かわからないけれど、フェルト王子の様子がおかしいからだ。
「‥‥あの人達は、求めても手を差し伸べてくれなかった。なのに何故お前が‥‥!」
「フェルト王子、少し休みましょう。また体調が崩されます」
体調?体調が悪いとはどういうこと?
フェルト王子はブレーキに寄りかかり、すぐに立ち去った。
一体、なんだったの?
「やあ、久しぶりにココにきてみたけれど気分はどうだい?」
フェルト王子が話しかけていたのは、本を読んでいたコルナゴ・ブラックだった。
「‥‥フェルト王子か」
「君の息子達と久しぶりに会ったよ」
そう話すフェルト王子に、眉をピクンと動かし反応を示すコルナゴにフェルト王子は笑うが、コルナゴはフェルト王子をジッと見る。
「私には君の考えや意図がよくわからない、何が目的なんだ」
「‥‥‥全ては『自分の幸せ』の為だよ、あぁ‥そうか、貴方はそういう人だからね。関心はないか」
少しだけ瞳が揺らいでいたフェルト王子にコルナゴは違和感を感じる。
「‥‥‥ずっと考えていたが、君は‥‥誰だ」
「さあ?それは貴方が知る事じゃないよ」
そうフェルト王子は背を向けて牢獄からでる。
自分の部屋に戻ると鏡に映る自分を見つめる。
鏡に映っているフェルトは悲しそうに心配して何かを言っていた。
「‥‥‥そうね、早く終わらせないと」
そうフェルトは笑って呟いていた。
城の警備はとてつもなく厳しいけれど、比較的に私が住んでいる黒い塔は警備がゆるい。というか、私を守る騎士がアクセルぐらいだ。
「‥‥‥ねえ、だからといって、昨日の昨日で三人共普通来ないよね?!」
下のドアから来たわけでもなく、窓からやってきた、メリダ姉様とスコット兄様、そしてルイガノ三人が大量のお菓子を持ってきてくれた。
「デローザ!みろ!マシュマロだ!他にもお菓子があるぞ!」
「‥‥スコット兄様、今何時だと思って?」
「あらあら、私の可愛い子猫ちゃん!大丈夫よ!太らないクッキーもあるわ!」
「メリダ姉様、それは貰います。けど、なんでまた‥‥誰かに見つかったら大変よ!?」
「‥‥そこは、アクセルが見張ってます。僕達はそんなヘマはしませんが‥」
そうルイは話しながら私の部屋を見渡して、眉をしかめていた。
「‥‥城の一部とはいえ、こんな隅で埃っぽいところに住んでたのですか」
「住めば都よ?最初の頃よりは、綺麗だと思うけど‥‥って三人共、怖い顔をしてるわよ」
メリダ姉様は不快な顔をしながら、沢山の蝶を出してきた。
「‥‥わあ‥」
蝶達が綺麗な鱗粉を出していくと、煤けて汚れていたところが段々と綺麗になっていく。
メリダ姉様が現ブラック家の当主というのも納得しちゃう。
「お、俺は掃除は出来ないけど力はあるからな!」
ニッコリ笑って、自分の腕力を見せつけるたも片手で壁を壊すスコット兄様に私達は呆れていた。
一週間後、私は塔の下にある花も何もない殺風景な庭でヒロイン‥‥いや、ミモザ嬢から手紙が来て、お茶会の招待状だったのを内容を見ながらお茶をしていた。ミモザ嬢は、悪い子ではないし、大丈夫だろうからお茶会へ参加すると返事をした。
「あれ。姫さん、参加するんすか?」
「アクセル、急に話しかけてこないで気配をずっと消されたり現れたり」
急に現れたアクセルは最近、城内の様子がおかしいと色々探ってくれていた。
「フェルト王子の婚約者候補の方ねえ、大丈夫すか?」
「大丈夫よ、彼女は」
そう話しをしていた時だ。アクセルの弟でもあるブレーキが険しい顔をしながらフェルト王子とともにやってきた。
清々しい顔で私の元へやってくるフェルト王子は私の目の前に座る。
「で?なんのよう?」
「君はどうして実の兄に対してそんなに邪険するんだい?」
「私の家族はブラック家の人達よ」
そう私が答えるとフェルト王子は顔を歪める。
「‥‥それ、本気でそう思ってるわけ?」
「当たり前じゃない」
「‥‥‥ぷっ‥あはははは!ありえないよ!それは!絶対に!君だけだよ、そう思っているのは!」
パチパチと手を叩いて大声で笑うフェルト王子に顔を一発殴りたい!そう思っていた時、フェルト王子は私の髪をグイッと強く引っ張りだす。
「姫さん!」
アクセルが止めようと動いたが私はそれを止めた。何故かわからないけれど、フェルト王子の様子がおかしいからだ。
「‥‥あの人達は、求めても手を差し伸べてくれなかった。なのに何故お前が‥‥!」
「フェルト王子、少し休みましょう。また体調が崩されます」
体調?体調が悪いとはどういうこと?
フェルト王子はブレーキに寄りかかり、すぐに立ち去った。
一体、なんだったの?
54
お気に入りに追加
1,148
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(15件)
あなたにおすすめの小説


『壁の花』の地味令嬢、『耳が良すぎる』王子殿下に求婚されています〜《本業》に差し支えるのでご遠慮願えますか?〜
水都 ミナト
恋愛
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
攻略なんて冗談じゃない!
紫月
恋愛
幼少期に乙女ゲームを絵本代わりに見せられて育ち、言語中枢を乙女ゲームに毒されたせいで前世では非モテ人生だった主人公。
皮肉にも彼は前世でさんざん見せられていたRPG系乙女ゲーム『運命の二人』のメイン攻略対象キャラ、アルフレート・シックザールに転生してしまう。
ゲーム第一部ではヒロインの恋敵、第二部では魔王となるツンデレ系悪役令嬢・イルメラと結ばれること、そして数あるバッドエンドとイルメラの魔王化回避を目標にアルトは奔走するも、他の攻略対象キャラたちもくせ者だらけで大騒ぎ。
好みのタイプじゃないゲームヒロイン・ルルに攻略されるなんて御免だと思っていたのに、何やら彼女の様子がおかしくて、アルトの周囲に危険が迫る!?
基本コメディーですが、たまにシリアス展開が入ります。
※カクヨム・小説家になろうにて先行公開中!

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活
ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。
「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」
そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢!
そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。
「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」
しかも相手は名門貴族の旦那様。
「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。
◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用!
◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化!
◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!?
「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」
そんな中、旦那様から突然の告白――
「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」
えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!?
「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、
「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。
お互いの本当の気持ちに気づいたとき、
気づけば 最強夫婦 になっていました――!
のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

私のかわいい旦那様
Rj
恋愛
優秀だが変わり者とよばれる王太子ダレンに嫁いだシャーリーは、「またやってしまった……」落ち込む夫に愛おしさを感じる。あなたのためなら国を捨てることもいといません。
一話完結で投稿したものにもう一話加え全二話になりました。(10/2変更)
『次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛』に登場するグレイスの長女と次男の話ですが未読でも問題なくお読み頂けます。

彼女がいなくなった6年後の話
こん
恋愛
今日は、彼女が死んでから6年目である。
彼女は、しがない男爵令嬢だった。薄い桃色でサラサラの髪、端正な顔にある2つのアーモンド色のキラキラと光る瞳には誰もが惹かれ、それは私も例外では無かった。
彼女の墓の前で、一通り遺書を読んで立ち上がる。
「今日で貴方が死んでから6年が経ったの。遺書に何を書いたか忘れたのかもしれないから、読み上げるわ。悪く思わないで」
何回も読んで覚えてしまった遺書の最後を一息で言う。
「「必ず、貴方に会いに帰るから。1人にしないって約束、私は破らない。」」
突然、私の声と共に知らない誰かの声がした。驚いて声の方を振り向く。そこには、見たことのない男性が立っていた。
※ガールズラブの要素は殆どありませんが、念の為入れています。最終的には男女です!
※なろう様にも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
更新ありがとうございます✨何だか催促のようになってしまって、すみません💦ブラック家きょうだい久々の集合、嬉しいです😊それにしてもフェルト王子、怪しいですね…
少しずつ更新いたします😃ご感想ありがとうございます😭
大好きなお話で、何回も読み返してます。久々に再会した後どうなっていくのか…すごく気になります!更新楽しみにしてます☺️
🙇すいません。更新は少しずついたしますー!
めっちゃ面白い😊
肉食のひよこ😱
可愛い顔して、ガブリ…恐るべし‼️
聖女が転生者かと思ってたけど、王子が転生者かな😲
続きが気になって気になって‼️
いろいろ想像しながら、更新待ってます😆
ありがとうございます!🤭頑張って更新します!!