12 / 32
義理の妹と兄と弟 ※スコット視点
しおりを挟む
優秀で力が強いとされる兄と弟の間に挟まれ、周りからも何も期待されていなかった。
親戚や周りの者たちは、長男派か三男派かで分かれて、影では言い争っていた。
最初から期待されてもいないのであれば、努力なんて面倒だ。元々優秀で力が強いほうがブラック家を継げばよい、その時は俺は出ていくだけだ。
いつか自由きままにーー。
勉学も中途半端。
剣もそれなりに。
腹が立てばそいつを殴れば良い。
自分より強い奴らは、問題を起こさなければ良い。
そう、、、いつだって真ん中は真ん中で、褒められた事など、一度も無い。
「すごいの!!すごいぞ!スコット兄さまは、つおくてカッコいいのね!」
「‥あ?」
「うん!カッコいーの!しゅぱん!って早い!みんなを助けてくれたおーじさまみたいだよ!デロのヒーローだ!」
別にお前を助けたわけではない。自分の視界に入り邪魔だったからだ。
‥‥それなのに‥お前は俺をヒーローだと目を輝かせて褒めてくれた。
乱暴者のスコット、中途半端なスコット、そう言われている俺なのに?
今まで兄貴と弟とも関わりを持ちたいと思わなかった。弟は不気味なくらい静かで、気味が悪いし、兄は別な意味で気持ち悪かった。
亡くなった双子の姉の真似をしているんだかなんだかわからないけれど、女装しているなんてふざけてるしか思わないし、何よりもそんな奴が長男だなんて、心底嫌だった。
可愛いらしい妹が出来た事だけは、嬉しかった。後は別兄貴達がどうなろうと無視しようと思っていたのに‥‥
なんで‥‥‥
なんで、俺らをずっと庇ってたんだよ。
いつも、血だらけで耐えてたのか?
やっぱり兄貴は馬鹿だ。
俺の隣りでは義理の妹であるデローザが、とても怒っていた。泣いていると思っていたら、怒っていた。いつも笑顔のくせに。
ルイガノも静かに怒っている‥‥隣りにいるだけでコイツの力がヤバいと感じる‥‥
不謹慎だけど、なんとなく義妹の怒っている顔も可愛いんだなあと思った。
そして俺は、自分よりも強い相手であるクソババアに剣を向けた。
親戚や周りの者たちは、長男派か三男派かで分かれて、影では言い争っていた。
最初から期待されてもいないのであれば、努力なんて面倒だ。元々優秀で力が強いほうがブラック家を継げばよい、その時は俺は出ていくだけだ。
いつか自由きままにーー。
勉学も中途半端。
剣もそれなりに。
腹が立てばそいつを殴れば良い。
自分より強い奴らは、問題を起こさなければ良い。
そう、、、いつだって真ん中は真ん中で、褒められた事など、一度も無い。
「すごいの!!すごいぞ!スコット兄さまは、つおくてカッコいいのね!」
「‥あ?」
「うん!カッコいーの!しゅぱん!って早い!みんなを助けてくれたおーじさまみたいだよ!デロのヒーローだ!」
別にお前を助けたわけではない。自分の視界に入り邪魔だったからだ。
‥‥それなのに‥お前は俺をヒーローだと目を輝かせて褒めてくれた。
乱暴者のスコット、中途半端なスコット、そう言われている俺なのに?
今まで兄貴と弟とも関わりを持ちたいと思わなかった。弟は不気味なくらい静かで、気味が悪いし、兄は別な意味で気持ち悪かった。
亡くなった双子の姉の真似をしているんだかなんだかわからないけれど、女装しているなんてふざけてるしか思わないし、何よりもそんな奴が長男だなんて、心底嫌だった。
可愛いらしい妹が出来た事だけは、嬉しかった。後は別兄貴達がどうなろうと無視しようと思っていたのに‥‥
なんで‥‥‥
なんで、俺らをずっと庇ってたんだよ。
いつも、血だらけで耐えてたのか?
やっぱり兄貴は馬鹿だ。
俺の隣りでは義理の妹であるデローザが、とても怒っていた。泣いていると思っていたら、怒っていた。いつも笑顔のくせに。
ルイガノも静かに怒っている‥‥隣りにいるだけでコイツの力がヤバいと感じる‥‥
不謹慎だけど、なんとなく義妹の怒っている顔も可愛いんだなあと思った。
そして俺は、自分よりも強い相手であるクソババアに剣を向けた。
40
お気に入りに追加
1,148
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
『壁の花』の地味令嬢、『耳が良すぎる』王子殿下に求婚されています〜《本業》に差し支えるのでご遠慮願えますか?〜
水都 ミナト
恋愛
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私のかわいい旦那様
Rj
恋愛
優秀だが変わり者とよばれる王太子ダレンに嫁いだシャーリーは、「またやってしまった……」落ち込む夫に愛おしさを感じる。あなたのためなら国を捨てることもいといません。
一話完結で投稿したものにもう一話加え全二話になりました。(10/2変更)
『次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛』に登場するグレイスの長女と次男の話ですが未読でも問題なくお読み頂けます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる