黒幕一家の悪女は溺愛フラグが立ってしまった!

くま

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義理の妹と兄と弟 ※スコット視点

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優秀で力が強いとされる兄と弟の間に挟まれ、周りからも何も期待されていなかった。

親戚や周りの者たちは、長男派か三男派かで分かれて、影では言い争っていた。

最初から期待されてもいないのであれば、努力なんて面倒だ。元々優秀で力が強いほうがブラック家を継げばよい、その時は俺は出ていくだけだ。

いつか自由きままにーー。

勉学も中途半端。
剣もそれなりに。
腹が立てばそいつを殴れば良い。
自分より強い奴らは、問題を起こさなければ良い。

そう、、、いつだって真ん中は真ん中で、褒められた事など、一度も無い。



「すごいの!!すごいぞ!スコット兄さまは、つおくてカッコいいのね!」

「‥あ?」

「うん!カッコいーの!しゅぱん!って早い!みんなを助けてくれたおーじさまみたいだよ!デロのヒーローだ!」

別にお前を助けたわけではない。自分の視界に入り邪魔だったからだ。

‥‥それなのに‥お前は俺をヒーローだと目を輝かせて褒めてくれた。

乱暴者のスコット、中途半端なスコット、そう言われている俺なのに?

今まで兄貴と弟とも関わりを持ちたいと思わなかった。弟は不気味なくらい静かで、気味が悪いし、兄は別な意味で気持ち悪かった。

亡くなった双子の姉の真似をしているんだかなんだかわからないけれど、女装しているなんてふざけてるしか思わないし、何よりもそんな奴が長男だなんて、心底嫌だった。

可愛いらしい妹が出来た事だけは、嬉しかった。後は別兄貴達がどうなろうと無視しようと思っていたのに‥‥

なんで‥‥‥

なんで、俺らをずっと庇ってたんだよ。

いつも、血だらけで耐えてたのか?

やっぱり兄貴は馬鹿だ。

俺の隣りでは義理の妹であるデローザが、とても怒っていた。泣いていると思っていたら、怒っていた。いつも笑顔のくせに。

ルイガノも静かに怒っている‥‥隣りにいるだけでコイツの力がヤバいと感じる‥‥

不謹慎だけど、なんとなく義妹の怒っている顔も可愛いんだなあと思った。


そして俺は、自分よりも強い相手であるクソババアに剣を向けた。



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